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働き方改革推進支援助成金とは?2026年度の5コース・助成額・対象経費・申請方法を解説

働き方改革推進支援助成金は、残業時間の削減や年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバル制度の導入などに取り組む中小企業を支援する制度です。

2026年度は、設備投資や勤怠・労務管理システムの導入、専門家によるコンサルティング、就業規則の整備など、労働時間の改善につながる取り組みにかかった費用の一部が助成されます。

2026年度は次の5コースが用意されています。

  • 業種別課題対応コース
  • 労働時間短縮・年休促進支援コース
  • 勤務間インターバル導入コース
  • 取引環境改善コース
  • 団体推進コース

このうち、一般的な中小企業が残業削減や有給休暇の取得促進を進める場合は「労働時間短縮・年休促進支援コース」が中心です。基本の助成率は対象経費の3/4で、一定の小規模事業者が条件を満たす設備投資を行う場合は4/5となります。

ただし、設備やシステムを購入するだけで助成金を受け取れるわけではありません。事前に成果目標を設定し、交付決定後に取り組みを実施する必要があります。

この記事では、2026年度の働き方改革推進支援助成金について、5コースの違い、助成額、対象経費、対象企業、申請期限まで解説します。

目次

働き方改革推進支援助成金とは?2026年度は5コース

働き方改革推進支援助成金は、生産性を向上させながら労働時間の短縮や休暇取得促進などに取り組む中小企業・小規模事業者を支援する制度です。

企業が単独で利用するコースだけでなく、事業主団体や荷主などの集団を対象とするコースも設けられています。

2026年度は5コースです。自社の課題から選ぶと分かりやすくなります。

主な課題・目的確認するコース
残業を減らしたい・有休を取りやすくしたい労働時間短縮・年休促進支援コース
退勤から翌日の出勤まで休息時間を確保したい勤務間インターバル導入コース
建設・運送・病院など業界特有の労働時間問題を改善したい業種別課題対応コース
荷待ち・荷役時間を減らしたい取引環境改善コース
業界団体として複数企業の労働条件改善に取り組みたい団体推進コース

残業削減・年休促進なら労働時間短縮・年休促進支援コース

一般的な中小企業が最初に確認したいのが、労働時間短縮・年休促進支援コースです。

対象となるのは、生産性を高めながら、

  • 時間外労働を減らす
  • 年次有給休暇を取得しやすくする
  • 時間単位年休を導入する
  • 特別休暇制度を整える

といった取り組みを進める企業です。

勤怠管理システムや労務管理機器の導入だけでなく、専門家によるコンサルティングや就業規則の変更なども対象になり得ます。

勤務終了後の休息時間を確保するなら勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバルとは、終業後から翌日の始業までに一定時間以上の休息時間を確保する制度です。

たとえば深夜まで勤務した従業員が、翌朝すぐ出勤するような働き方を避けるために利用します。

勤務間インターバル導入コースでは、新たに制度を導入したり、すでに導入している制度の休息時間を延長したりする企業を支援します。

単純に残業時間を減らすだけではなく、「勤務と勤務の間を空ける」ことを目的とする場合はこちらを確認しましょう。

建設・運送・病院等は業種別課題対応コース

業種別課題対応コースは、長時間労働など業界固有の課題を抱える事業者を対象としたコースです。

2026年度は主に、

  • 建設業
  • 運送業等
  • 病院等
  • 砂糖製造業
  • 情報通信業
  • 宿泊業

が対象です。

一般的な労働時間削減だけではなく、業種ごとの課題に合わせた成果目標が設定されています。

自社が対象業種に含まれる場合は、労働時間短縮・年休促進支援コースと両方を見比べ、どちらが自社の取り組みに合うか確認するとよいでしょう。

荷待ち・荷役時間削減には取引環境改善コース

取引環境改善コースは2026年度に新設されたコースです。

発着荷主や倉庫事業者などが運送事業者を含む集団を構成し、

  • トラック予約システム
  • 荷役作業を効率化する機器
  • 荷待ち時間削減につながる仕組み

などを導入し、トラックドライバーの荷待ち・荷役時間を短縮する取り組みを支援します。

一般企業が単独で使う通常の設備投資支援とは性格が異なります。

物流の取引環境改善に関係する企業・団体が確認するコースです。

事業主団体は団体推進コース

団体推進コースは、個別企業ではなく、中小企業事業主の団体やその連合団体などが主な対象です。

団体に所属する企業の労働条件を改善するため、

  • 時間外労働削減
  • 賃金引上げ
  • セミナー・研修
  • 調査・分析
  • 専門家による支援

などを実施した場合に助成されます。

自社1社の改善を目的としている場合は、ほかの個別企業向けコースを確認しましょう。

労働時間短縮・年休促進支援コースの成果目標と助成上限

働き方改革推進支援助成金では、単に経費を使うだけではなく、あらかじめ成果目標を設定します。

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、2026年度に主に3つの成果目標が設定されています。

時間外・休日労働を月60時間以下にすると最大150万円

36協定で設定する時間外・休日労働時間を削減する取り組みでは、削減前後の時間数によって助成上限が変わります。

主な上限額は次のとおりです。

改善内容助成上限
月80時間超から月60時間以下へ短縮150万円
月60時間超80時間以下から月60時間以下へ短縮100万円
月80時間超から月60時間超80時間以下へ短縮50万円

たとえば、現在36協定で月80時間を超える時間外・休日労働を設定している企業が、月60時間以下に引き下げる場合は最大150万円の上限が設定されます。

ただし、150万円が必ず支給されるわけではありません。

実際の助成額は、対象経費と助成率を基に計算した額との比較によって決まります。

年次有給休暇の計画的付与を導入すると25万円

年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入する場合、助成上限は25万円です。

計画的付与とは、労使協定を締結し、年次有給休暇の取得日をあらかじめ定める制度です。

「有休を取りやすくしましょう」と社内へ周知するだけではなく、制度として導入することが必要になります。

時間単位年休と特別休暇を導入すると25万円

時間単位の年次有給休暇と、対象となる特別休暇を新たに導入する場合も、助成上限は25万円です。

時間単位年休を導入すれば、

  • 通院
  • 子どもの送迎
  • 行政手続き
  • 家庭の用事

などのために、1日単位で休暇を取得せず数時間だけ休むことができます。

導入する場合は就業規則などへ適切に反映し、実際に運用できる状態へ整える必要があります。

賃上げ・割増賃金率の引上げで助成上限を加算できる

2026年度は、基本となる成果目標に加え、賃上げを実施することで助成上限額を加算できる仕組みがあります。

時間当たりの賃金額を一定割合以上引き上げた場合、賃上げ率と対象労働者数に応じて加算額が決まります。

また、所定の割増賃金率を一定以上引き上げる場合も加算対象になることがあります。

ただし、「賃上げした金額そのものが補助される」という制度ではありません。

成果目標に設定される助成上限額が引き上げられる仕組みです。

勤務間インターバル・業種別課題対応コースはどんな企業向け?

残業削減以外にも、企業が抱える課題によって利用できるコースがあります。

特に、勤務間インターバル導入コースと業種別課題対応コースは、目的が明確です。

9時間以上の休息時間を導入するなら勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバル導入コースでは、一定時間以上の休息時間を確保する制度を導入する企業を支援します。

対象となるのは、制度を新たに導入するケースだけではありません。

すでに一定時間未満の勤務間インターバル制度を導入している企業が、休息時間を延長する場合なども対象になることがあります。

導入する制度の内容は就業規則等へ定める必要があります。

また、制度を形だけ作るのではなく、実際に運用できるよう勤務シフトや勤怠管理体制も整えておくことが重要です。

建設・運送・病院等では業種特有の成果目標を設定できる

建設業や運送業、病院などは、業界特有の働き方や長時間労働の問題があります。

業種別課題対応コースでは、それぞれの業界に応じた成果目標を設定できます。

たとえば、

  • 労働時間削減
  • 休日確保
  • 勤務間インターバル
  • 業務効率化設備
  • 作業時間短縮

などが対象になります。

設備導入だけではなく、制度整備や業務改善を組み合わせて労働時間を減らすことがポイントです。

情報通信業・宿泊業も業種別課題対応コースの対象

2026年度は、情報通信業や宿泊業も業種別課題対応コースの対象として案内されています。

IT企業やホテル・旅館などでも、長時間労働や勤務時間の偏りが課題になっている場合は確認しておきましょう。

過年度の記事では対象業種が現在と異なることがあります。

申請する際は2026年度の公募内容で対象業種を確認することが重要です。

働き方改革推進支援助成金は何に使える?

働き方改革推進支援助成金では、成果目標を達成するための改善事業に必要な費用が対象になります。

対象となる取り組みは、システムや設備購入だけではありません。

勤怠・労務管理システムの導入・更新は対象になり得る

労働時間を正確に把握したり、管理業務を効率化したりするための労務管理ソフトウェアや機器は対象になる場合があります。

具体的には、

  • 勤怠管理システム
  • 労務管理用ソフトウェア
  • 労務管理用機器
  • デジタル式運行記録計

などです。

ただし、「勤怠システムなら何でも対象」というわけではありません。

設定した成果目標と導入目的がつながっている必要があります。

たとえば、残業時間を正確に把握して時間外労働削減へつなげるためのシステム導入であれば、事業計画の中でその必要性を説明しやすくなります。

就業規則・労使協定の整備やコンサルティングも対象

設備を購入しない取り組みも対象になります。

主な例は、

  • 労務管理担当者への研修
  • 労働者への研修・周知
  • 外部専門家によるコンサルティング
  • 就業規則の作成・変更
  • 労使協定の作成・変更
  • 人材確保に向けた取り組み

などです。

年次有給休暇の計画的付与や時間単位年休などを導入するときは、制度設計だけでなく就業規則等の整備が必要になることがあります。

そのため、社会保険労務士など外部専門家への相談費用も対象になり得ます。

生産性を高める設備・機器にも利用できる

労働能率の向上につながる設備・機器も対象です。

たとえば、

  • 手作業を自動化する設備
  • 作業時間を短縮する機械
  • 業務効率化につながる設備

などが考えられます。

重要なのは、その設備によって業務時間や作業負担を減らし、労働時間改善へつながることです。

単に新しい設備が欲しいという理由だけでは、助成目的との関連性が弱くなります。

PC・タブレット・スマートフォンは原則対象外

汎用性の高い機器には注意が必要です。

2026年度の労働時間短縮・年休促進支援コースでは、原則として、

  • パソコン
  • タブレット
  • スマートフォン
  • 一般的な乗用自動車

などは対象外です。

「テレワークで使う」「業務効率化につながる」という理由だけで、自動的に助成対象になるわけではありません。

購入予定の設備や機器が対象になるか分からない場合は、契約・発注する前に確認しましょう。

働き方改革推進支援助成金の助成率

助成金の支給額は、単純に設備購入額へ助成率を掛ければ決まるわけではありません。

「成果目標ごとの助成上限額」と「対象経費×助成率」を比較して、低い方の金額が基本となります。

基本の助成率は対象経費の3/4

労働時間短縮・年休促進支援コースの基本助成率は3/4です。

たとえば、助成対象経費が120万円の場合、

120万円×3/4=90万円

となります。

ただし、選択した成果目標の助成上限が25万円なら、支給額は原則25万円が上限です。

逆に成果目標の上限が150万円でも、対象経費×3/4が90万円なら、原則90万円までとなります。

従業員30人以下で一定の設備投資を行う場合は4/5

常時使用する労働者が30人以下で、対象となる設備・機器等の導入費が30万円を超える場合は、該当経費の助成率が4/5となります。

小規模企業がまとまった設備投資を行い、業務効率化や労働時間短縮へ取り組む場合に利用しやすい仕組みです。

ただし、すべての経費が一律で4/5になるわけではありません。

対象となる改善事業や経費区分を確認しましょう。

実際の支給額は成果目標の上限額と対象経費から決まる

たとえば、時間外労働を月80時間超から月60時間以下へ短縮する成果目標を選択し、助成対象経費が160万円だった場合を考えます。

助成上限は150万円です。

一方、対象経費160万円×3/4は120万円になります。

この場合は低い方の120万円が支給額の目安です。

「最大150万円」という数字だけを見て設備投資額を決めないことが重要です。

申請できる中小企業の条件

働き方改革推進支援助成金の個別企業向けコースでは、中小企業事業主であることが基本的な要件です。

加えて、コースごとに労働時間や休暇制度などの条件があります。

労災保険の適用事業主であることが必要

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、原則として労災保険の適用事業主であることが必要です。

さらに、成果目標に応じて、

  • 36協定
  • 年次有給休暇
  • 就業規則
  • 労働時間の状況

なども確認されます。

「中小企業だから申請できる」と考えるのではなく、自社が選択する成果目標の要件まで確認しましょう。

資本金または常時使用する労働者数で中小企業要件を確認する

中小企業に該当するかは、業種ごとに資本金・出資額または常時使用する労働者数で判定します。

業種によって基準は異なります。

たとえば、一般的な業種と卸売業、小売業、サービス業では基準となる資本金や従業員数が異なるため、自社の業種区分を確認する必要があります。

資本金と従業員数の両方を満たさなければならないわけではありません。

原則として、いずれかの基準に該当するかを確認します。

年休管理簿や就業規則などを事前に整える

助成金申請では、成果目標の達成を確認できる書類が必要です。

主な確認資料として、

  • 就業規則
  • 36協定
  • 年次有給休暇管理簿
  • 勤怠記録
  • 賃金台帳
  • 労働条件通知書

などがあります。

年次有給休暇の計画的付与や時間単位年休を導入する場合は、制度内容を就業規則等へ反映する必要があります。

また、常時10人未満の労働者を使用している事業場で就業規則の届出義務がない場合には、支給申請時に所定の申立書を提出するケースがあります。

2026年度の申請期限と手続き

2026年度の働き方改革推進支援助成金は、4月13日から申請受付が始まっています。

申請は「設備を購入してから助成金を申請する」という順番ではありません。

先に交付申請を行うことが重要です。

交付申請期限は2026年11月30日17時

2026年度の交付申請期限は、2026年11月30日17時です。

個別企業向けコースの事業実施期限は2027年1月31日、支給申請期限は2027年2月5日となっています。

団体推進コースと取引環境改善コースでは、

  • 事業実施期限:2027年2月14日
  • 支給申請期限:2027年2月26日

です。

利用するコースによって事業実施・支給申請の期限が異なるため注意しましょう。

予算上限に達すると早期終了する場合がある

交付申請期限は11月30日ですが、国の予算には上限があります。

予算状況によっては、期限前に申請受付が終了する可能性があります。

そのため、

「11月末までに出せばよい」

と考えて準備を後回しにするのは避けた方がよいでしょう。

設備の見積取得や就業規則の確認などにも時間がかかります。

利用を検討し始めた段階で準備を進めることが重要です。

交付決定後に設備導入や制度整備を始める

申請の基本的な流れは次のとおりです。

自社の課題を整理する
↓
利用するコースを選ぶ
↓
成果目標を決める
↓
見積書や事業実施計画を準備する
↓
交付申請する
↓
交付決定を受ける
↓
設備導入・制度整備などを実施する
↓
成果目標を達成する
↓
支給申請する

交付決定前に設備を契約・購入したり、改善事業を始めたりすると助成対象にならない可能性があります。

特に設備導入を予定している企業は、発注時期に注意しましょう。

Jグランツから電子申請できる

2026年度はJグランツによる電子申請にも対応しています。

紙で申請する場合は、事業所を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が主な申請先です。

電子申請を利用しても、見積書や事業実施計画など必要書類の準備は必要です。

申請方法だけでなく、提出書類まで事前に確認しましょう。

働き方改革推進支援助成金は自社の課題に合うコースから選ぼう

働き方改革推進支援助成金は、労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバルの導入などに取り組む中小企業等を支援する制度です。

2026年度は、

  • 業種別課題対応コース
  • 労働時間短縮・年休促進支援コース
  • 勤務間インターバル導入コース
  • 取引環境改善コース
  • 団体推進コース

の5コースがあります。

一般的な中小企業が残業削減や有休取得促進を進める場合は、労働時間短縮・年休促進支援コースを中心に確認するとよいでしょう。

同コースでは、

  • 時間外・休日労働の削減
  • 年休の計画的付与
  • 時間単位年休・特別休暇の導入

などを成果目標として設定できます。

また、勤怠管理システム、労務管理機器、コンサルティング、就業規則の整備、生産性向上設備なども助成対象になる可能性があります。

基本の助成率は3/4です。

常時使用する労働者が30人以下で、一定の設備・機器等へ30万円を超える投資をする場合は4/5となります。

ただし、PCやタブレット、スマートフォンなどは原則対象外です。

実際の支給額は、

成果目標ごとの助成上限額

と

対象経費×助成率

を比較して低い方で決まります。

2026年度の交付申請期限は11月30日17時ですが、予算状況によって早期終了する場合があります。

利用するときは、

自社の課題を整理する
↓
コースを選ぶ
↓
成果目標を設定する
↓
交付申請する
↓
交付決定後に取り組みを実施する
↓
期限内に支給申請する

という順序で進めましょう。

設備を購入してから制度を探すのではなく、取り組みを始める前に最新の公募要領を確認することが重要です。

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