人材開発支援助成金の人材育成支援コースは、従業員の職務に必要な知識・技能を習得させるための訓練を行った事業主に対し、訓練経費や訓練中の賃金などを助成する制度です。
2026年度は、「人材育成訓練」「認定実習併用職業訓練」「有期実習型訓練」に加え、新たに「中高年齢者実習型訓練」が設けられ、4つの訓練メニューから目的に合ったものを選びます。
通常の社員研修から、新卒者等の実践的な育成、有期契約労働者等の正社員転換、45歳以上の中高年層の再育成まで対象が分かれているため、自社がどの訓練メニューに当てはまるかを最初に確認することが必要です。
人材開発支援助成金の人材育成支援コースとは?

人材育成支援コースは、従業員に職務上必要な訓練を受けさせる事業主を支援するコースです。2026年度は4つの訓練メニューがあり、対象労働者や訓練方法によって使い分けます。
| 訓練メニュー | 主な対象 | 訓練形式 | 主な目的 |
| 人材育成訓練 | 雇用保険被保険者 | 主にOFF-JT | 現在の職務に必要な知識・技能の習得 |
| 認定実習併用職業訓練 | 主に新規学校卒業者等 | OFF-JT+OJT | 実践的な職業能力の育成 |
| 有期実習型訓練 | 有期契約労働者等 | OFF-JT+OJT | 正規雇用労働者等への転換 |
| 中高年齢者実習型訓練 | 訓練開始日時点で45歳以上 | OFF-JT+OJT | 中高年齢者の実践的な技能習得 |
職務に関連する訓練の経費・賃金などを助成する
人材育成支援コースでは、対象となる職業訓練にかかった経費や、訓練時間中に事業主が負担した賃金などが助成されます。
支援は大きく次の3種類に分けられます。
| 助成の種類 | 主な内容 |
| 経費助成 | 受講料や訓練実施に必要な対象経費の一部 |
| 賃金助成 | OFF-JT実施時間中に支払った賃金の一部 |
| OJT実施助成 | 対象となる実習型訓練で実施するOJTへの助成 |
ただし、すべての訓練で3種類の助成を受けられるわけではありません。
一般的な人材育成訓練では経費助成と賃金助成が中心です。認定実習併用職業訓練などの実習型訓練では、条件を満たすOJTについても助成が設けられています。
2026年度は4つの訓練メニューから選ぶ
2026年度の人材育成支援コースは、4つの訓練メニューで構成されています。
通常の社員研修で利用しやすい「人材育成訓練」のほか、新卒者等を長期的に育成する「認定実習併用職業訓練」、有期契約労働者等の正社員転換を目指す「有期実習型訓練」があります。
さらに2026年度から、45歳以上の労働者を対象とする「中高年齢者実習型訓練」が新設されました。
同じ人材育成支援コースでも、対象者や訓練時間、OJTの割合などが異なります。最初に育成したい労働者と訓練の目的を整理すると、利用するメニューを選びやすくなります。
正社員・非正規雇用労働者など幅広い人材育成に活用できる
人材育成支援コースは、正社員だけを対象とした制度ではありません。
人材育成訓練では正規雇用労働者等に加え、非正規雇用労働者についても対象となる仕組みがあります。
さらに、有期契約労働者等については正社員転換を目的とした有期実習型訓練、45歳以上の労働者には中高年齢者実習型訓練を検討できます。
そのため、
- 現在の社員の専門技能を高めたい
- 新卒者等をOJTも含めて育成したい
- 契約社員等を正社員へ転換したい
- 中高年社員に新たな技能を習得してもらいたい
といった目的ごとに活用方法が分かれています。
人材育成支援コースの4つの訓練メニュー

2026年度の人材育成支援コースでは、対象者と育成目的に応じて4つの訓練メニューを使い分けます。
通常のOFF-JTを行うのか、OJTと組み合わせて長期的に育成するのかが大きな判断基準になります。
人材育成訓練は10時間以上のOFF-JTが対象
人材育成訓練では、職務に関連した専門的な知識・技能を習得するための10時間以上のOFF-JTが主な対象です。
OFF-JTとは、通常の業務から離れて実施する職業訓練を指します。
対象となり得る訓練には、業務上必要なプログラミングやセキュリティ、Webマーケティング、人事労務、土木施工管理、介護福祉など、幅広い専門分野があります。
ただし、講座名だけで対象になるわけではありません。
受講する労働者の職務との関連性があり、必要な訓練時間や実施方法などの条件を満たしている必要があります。
認定実習併用職業訓練は主に新規学校卒業者等をOJTとOFF-JTで育成する
認定実習併用職業訓練は、主に新規学校卒業者等を対象に、OJTとOFF-JTを組み合わせて実践的な能力を育成する仕組みです。
単発の研修ではなく、一定期間をかけて職場での実習と座学等を組み合わせます。
2026年度では、訓練期間は6か月以上2年以下で、総訓練時間やOJTの割合にも条件が設定されています。
また、対象となる訓練は厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
新入社員等へ体系的な教育を行い、現場で必要な技能まで段階的に習得させたい企業に向いた訓練メニューです。
有期実習型訓練は有期契約労働者等の正社員転換を目指す
有期実習型訓練は、有期契約労働者等にOJTとOFF-JTを実施し、正規雇用労働者等への転換を目指す訓練です。
単に契約社員等へ研修を受けさせるだけではなく、訓練後の雇用転換までを含めた仕組みになっています。
2026年度では、原則として2か月以上の訓練が必要です。
また、助成を受けるためには、訓練終了後から支給申請日までの間に正規雇用労働者等への転換等を行うことが求められます。
「まず研修を受けてもらい、その後に正社員化を検討する」という曖昧な計画ではなく、正社員転換を目的として訓練計画を組む必要があります。
中高年齢者実習型訓練は45歳以上の実践的なスキル習得を支援する
中高年齢者実習型訓練は、2026年度に新設された訓練メニューです。
対象となるのは、原則として訓練開始日時点で45歳以上の労働者です。
OFF-JTとOJTを組み合わせて、現在または今後の職務に必要な実践的な能力を身につけます。
主な訓練条件には、
- 訓練期間2か月以上
- OFF-JT10時間以上
- OJTとOFF-JTを組み合わせる
- 総訓練時間に一定の基準がある
- OJT割合に一定の範囲が設けられている
といったものがあります。
ベテラン社員に新たな技能を習得してもらう場合や、業務内容の変化に合わせて中高年社員を再育成したい場合に検討しやすい制度です。
人材育成支援コースの対象事業主・対象労働者

人材育成支援コースを利用するには、事業主と対象労働者の双方が所定の条件を満たす必要があります。
「従業員に研修を受けさせれば使える」という制度ではありません。
雇用保険適用事業所の事業主が主な対象
人材育成支援コースは、雇用保険適用事業所の事業主が主な対象です。
ただし、雇用保険へ加入していることだけで支給要件を満たすわけではありません。
対象となる訓練を計画し、雇用する労働者に実施することに加え、必要な賃金の支払い、書類の保存などの要件も満たす必要があります。
過去の雇用状況などによっては利用できないこともあるため、申請時には事業主要件全体を確認してください。
事業内職業能力開発計画の策定と職業能力開発推進者の選任が必要
利用する事業主には、事業内職業能力開発計画の策定と、職業能力開発推進者の選任が求められます。
事業内職業能力開発計画は、自社がどのように従業員の職業能力を高めていくかを整理した計画です。
また、職業能力開発推進者は、社内で職業能力開発を進める担当者として位置付けられます。
単発の研修費を補助してもらうだけではなく、企業として計画的に人材育成へ取り組むことが制度の前提になっています。
対象労働者の条件は4つの訓練メニューで異なる
対象となる労働者は、利用する訓練メニューによって異なります。
たとえば、
- 通常の社員研修:人材育成訓練
- 主に新規学校卒業者等:認定実習併用職業訓練
- 有期契約労働者等:有期実習型訓練
- 45歳以上:中高年齢者実習型訓練
という違いがあります。
年齢や雇用形態だけでなく、訓練開始時点の状況や過去の職歴などが条件になるメニューもあります。
どの労働者を育成したいのかを決めてから、その人に対応する訓練メニューを確認してください。
訓練期間中は対象労働者に適正な賃金を支払う
助成対象となる訓練を実施している間も、対象労働者へ適正に賃金を支払う必要があります。
特に賃金助成を受ける場合は、訓練時間と賃金支払いの関係を確認できる状態にしておく必要があります。
出勤簿や賃金台帳など、訓練の実施状況と賃金支払いを確認する書類も適切に管理してください。
訓練を実施した事実だけでなく、雇用関係や賃金支払いまで含めて支給要件が確認されます。
人材育成支援コースの助成率・助成額

人材育成支援コースでは、訓練メニューに応じて経費助成、賃金助成、OJT実施助成を受けられます。
助成率は企業規模や対象労働者、訓練メニューによって異なるため、4つに分けて確認する必要があります。
人材育成訓練は経費助成と1時間単位の賃金助成を受けられる
人材育成訓練では、正規雇用労働者等について、中小企業は経費の45%、大企業は30%が基本の経費助成率です。
賃金助成は、OFF-JTを実施した時間について、
- 中小企業:1人1時間800円
- 大企業:1人1時間400円
が基本となります。
非正規雇用労働者については、経費助成率が70%となる区分もあります。
たとえば中小企業が正社員に職務関連研修を受講させた場合、受講料等への経費助成と、対象となる訓練時間中の賃金助成を組み合わせて受ける仕組みです。
認定実習併用職業訓練はOJT実施助成も受けられる
認定実習併用職業訓練では、OFF-JTへの経費助成・賃金助成に加えて、OJT実施助成があります。
基本となる助成は、
- 経費助成:中小企業45%、大企業30%
- 賃金助成:中小企業1人1時間800円、大企業400円
- OJT実施助成:中小企業20万円、大企業11万円
です。
OJTまで助成対象になるため、新卒者等を長期間かけて育成する企業にとって利用しやすい仕組みです。
ただし、通常業務を行わせるだけではOJT実施助成の対象にはなりません。認定を受けた訓練計画に基づき、制度上の条件を満たして実施する必要があります。
有期実習型訓練は正社員転換で高い経費助成率が適用される
有期実習型訓練では、対象労働者を正規雇用労働者等へ転換した場合、経費助成率75%が適用される区分があります。
OJT実施助成は、
- 中小企業:10万円
- 大企業:9万円
が基本です。
有期契約労働者等の人材育成だけでなく、その後の正社員転換を支援することを目的としているため、通常の人材育成訓練より経費助成率が高く設定されています。
一方で、正社員転換等の要件を満たさなければ、想定していた助成を受けられません。
訓練計画と雇用転換の時期を一体で管理する必要があります。
中高年齢者実習型訓練は経費・賃金・OJTを支援する
中高年齢者実習型訓練では、45歳以上の対象労働者について、経費・賃金・OJTの3方向から支援を受けられます。
基本となる助成は、
- 経費助成:中小企業60%、大企業45%
- 賃金助成:中小企業1人1時間800円、大企業400円
- OJT実施助成:中小企業10万円、大企業9万円
です。
通常の人材育成訓練より中小企業の経費助成率が高く設定されている点も特徴です。
中高年齢者へ座学だけでなく職場内での実践訓練も行いたい企業では、2026年度から新たな選択肢となっています。
賃上げ・資格等手当の要件を満たすと助成額が加算される
対象訓練の終了後に一定の賃上げ等を行った場合は、通常より高い助成率や助成額が適用される仕組みがあります。
2026年度では、代表的に、
- 対象労働者の賃金を一定以上引き上げる
- 資格等手当を新たに支給し、賃金を一定以上増加させる
といった要件があります。
ただし、単に研修後に給与を上げればよいわけではありません。
賃上げ率や確認期間など細かな条件が定められているため、加算を利用する場合は通常の助成要件とは別に確認してください。
1人あたり・1事業所あたりの支給上限がある
助成率を掛けた金額が、そのまま無制限に支給されるわけではありません。
経費助成には、1労働者・1訓練あたりの上限があります。
| 実訓練時間 | 中小企業 | 大企業 |
| 10時間以上100時間未満 | 15万円 | 10万円 |
| 100時間以上200時間未満 | 30万円 | 20万円 |
| 200時間以上 | 50万円 | 30万円 |
さらに、人材育成支援コース全体では、原則として1事業所・1事業主団体等につき1年度1,000万円が支給限度額です。
1労働者についても、原則として1年度の支給申請回数に上限があります。
研修費が高額な場合は、助成率だけでなく上限まで確認して予算を組んでください。
人材育成支援コースの対象となるOFF-JT・OJT

人材育成支援コースでは、OFF-JTが中心となる訓練と、OJTを組み合わせる実習型訓練があります。
通常業務と訓練の区別が曖昧なものは対象にならないため、実施方法まで確認する必要があります。
OFF-JTは職務に関連する10時間以上の訓練が基本
人材育成訓練では、職務に直接関連する専門的な知識・技能を学ぶ10時間以上のOFF-JTが基本です。
たとえば、
- 業務で使用する専門技術
- 資格取得に必要な職業訓練
- IT・セキュリティ
- Webマーケティング
- 人事・労務
などが対象候補になります。
一方、一般的なビジネスマナーや趣味・教養、職務と直接関係のない自己啓発などは対象外となる区分があります。
講座名よりも、受講者の仕事内容との関係から判断してください。
通学・オンライン・eラーニング・通信制も対象になり得る
対象訓練は、対面形式だけに限定されていません。
制度上の要件を満たせば、
- 通学制
- リアルタイム型オンライン訓練
- eラーニング
- 通信制
なども対象になり得ます。
ただし、オンラインであれば自由に利用できるわけではありません。
受講状況を確認できる仕組みや、訓練内容、対象者などについて所定の条件があります。
外部のオンライン研修サービスを利用する場合も、サービス側の「助成金対応」という表示だけで判断せず、自社の訓練計画が要件を満たしているか確認してください。
OJTは実習型訓練の要件に沿って計画的に実施する
OJTが助成対象になるのは、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練、中高年齢者実習型訓練など、対象となる実習型訓練です。
通常の業務を行いながら先輩社員が仕事を教えるだけでは、制度上のOJTとして認められるとは限りません。
対象となる実習型訓練では、
- 訓練期間
- 総訓練時間
- OFF-JT時間
- OJT割合
などが定められています。
OJT助成を利用するなら、日常業務と訓練を明確に分け、計画に沿って実施してください。
eラーニング・通信制は賃金助成の対象外
eラーニングや通信制による訓練は経費助成の対象になり得ますが、賃金助成については対象外です。
そのため、対面研修や同時双方向型のオンライン研修と同じように、
「受講時間×800円」
などで賃金助成を計算しないよう注意してください。
オンライン研修を検討する際は、
経費助成の対象か
と
賃金助成まで受けられるか
を分けて確認します。
研修方法によって実際の受給額が変わるため、訓練形式を決める段階で整理しておくと予算を立てやすくなります。
職務と関係のない研修や通常業務は対象にならない
人材育成支援コースは、会社が費用を負担する研修なら何でも対象になる制度ではありません。
職務と直接関係のない講習、趣味・教養、一般的な意識改革などは対象外となります。
また、普段行っている業務をそのまま「OJT」と呼び替えて助成対象にすることもできません。
対象可否で迷う場合は、
- 受講者の職務に必要な内容か
- 通常業務と区別された訓練か
- 利用する訓練メニューの時間・方法を満たすか
を確認してください。
人材育成支援コースの申請方法

人材育成支援コースは、訓練前に計画届を提出し、訓練実施後に支給申請を行います。
計画届を提出しただけで支給が確定するわけではない点にも注意が必要です。
訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出する
訓練実施計画届は、原則として訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出します。
たとえば2026年12月1日から訓練を始めるなら、原則として6月1日ごろから11月1日ごろまでが計画届の提出期間の目安です。
研修を先に開始し、その後で助成金を申請する方法ではありません。
訓練開始日から逆算して、利用するメニューや対象労働者、訓練内容を整理してください。
計画届に沿って訓練を実施し必要な記録を残す
計画届の提出後は、届け出た訓練計画に沿って訓練を実施します。
支給申請では、実際に対象訓練を行ったことを確認するための記録が必要になります。
そのため、
- 出席・受講状況
- 訓練日程
- 訓練内容
- 費用の支払い
- 賃金の支払い
- OJTの実施記録
などを適切に保存してください。
日程や対象者などを変更する場合は、必要な変更手続きも確認します。
訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請する
訓練終了後は、原則として訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請を行います。
計画届を期限内に提出していても、支給申請をしなければ助成金は受け取れません。
また、2026年度は支給申請時の提出書類にも変更が加えられています。
申請時点の最新様式を確認し、訓練実施記録や経費関係書類などをそろえて期限内に提出してください。
計画届を提出しただけでは助成金の支給は確定しない
計画届の提出は、助成金の支給決定ではありません。
支給要件を満たしているかどうかは、訓練実施後の支給申請を受けて確認されます。
そのため、
計画届を提出したから、この研修費は必ず助成される
とは考えないようにしてください。
訓練中も対象者、実施方法、時間数、賃金支払いなどの要件を守る必要があります。
計画と実施内容が異なると支給に影響するため、訓練終了まで要件を確認しながら進めることが必要です。
自社に合う訓練メニューの選び方

人材育成支援コースは、育成する労働者と訓練の目的からメニューを選ぶと分かりやすくなります。
通常研修なのか、OJTを組み合わせた実習型育成なのかを最初に分けましょう。
通常の社員研修なら人材育成訓練を確認する
現在の職務に必要な専門知識や技能をOFF-JTで学ばせたい場合は、人材育成訓練を最初に確認します。
たとえば、
- 業務上必要な資格講座
- IT・システム研修
- 専門技術研修
- 営業・マーケティングの専門研修
などです。
原則10時間以上のOFF-JTが基本なので、短時間の単発セミナーでは要件を満たさないことがあります。
通常の従業員教育で迷った場合は、まず人材育成訓練に該当するかを見るのが分かりやすい方法です。
新規学校卒業者等を長期育成するなら認定実習併用職業訓練を確認する
新卒者等について、座学と実務を組み合わせて長期間育成したい場合は認定実習併用職業訓練が候補です。
特に、
- 入社後に専門技能を一から教えたい
- 現場での実習を含めて育成したい
- 半年以上かけて体系的な教育を行いたい
といった企業に適しています。
ただし、大臣認定や訓練期間、OJT割合などの条件があります。
単に新人研修へOJTを追加するだけではなく、制度要件に沿った実習併用型の訓練計画が必要です。
有期契約労働者等を正社員化するなら有期実習型訓練を確認する
契約社員や有期雇用労働者等へ職業訓練を行い、その後に正社員転換を予定している場合は有期実習型訓練を確認します。
このメニューは、訓練そのものよりも、
実践的な人材育成
+
正社員転換
を一体で進める点が特徴です。
正社員転換を予定していない一般的な契約社員研修なら、別の訓練メニューが適することもあります。
雇用形態だけで選ばず、訓練後の処遇まで含めて判断してください。
45歳以上を実践的に育成するなら中高年齢者実習型訓練を確認する
45歳以上の従業員へOJTとOFF-JTを組み合わせて実践的な技能を習得させたいなら、中高年齢者実習型訓練が候補です。
2026年度に新設されたため、過年度の情報だけを見ていると選択肢から漏れやすいメニューです。
たとえば、
- 新しい設備へ対応してもらう
- 新たな職種・業務へ配置する
- 現場技能を再習得してもらう
といった人材育成が考えられます。
対象者の年齢だけでなく、訓練期間や時間数、OJT割合なども満たす必要があります。
2026年度に人材育成支援コースを利用するときの注意点

2026年度は新しい訓練メニューの追加や提出書類の変更が行われています。
過年度の記事や以前使った申請書をそのまま利用せず、申請時点の最新情報を確認してください。
中高年齢者実習型訓練が2026年度に新設された
2026年度の大きな変更は、中高年齢者実習型訓練の新設です。
これにより、人材育成支援コースは3メニューから4メニューになりました。
45歳以上の労働者を対象として、OFF-JTとOJTを組み合わせた実践的な訓練を行える仕組みです。
以前に人材育成支援コースを確認したことがある企業でも、2026年度は利用候補が変わっている可能性があります。
特に中高年層の技能転換や再教育を予定しているなら、新しいメニューまで確認してください。
支給申請では受講料等の価格設定に関する疎明書を確認する
2026年5月14日以降、人材育成支援コースの支給申請では、受講料等の価格設定に関する疎明書が必要となる取扱いが導入されています。
外部の研修機関等を利用する企業は、研修を申し込む段階から必要書類を確認しておくと支給申請時に慌てにくくなります。
研修終了後に初めて書類の存在を知ると、研修機関への確認に時間がかかることも考えられます。
申請書類は年度途中にも変更されるため、実際の支給申請前に最新版を確認してください。
最新の支給要領・申請様式を使う
人材開発支援助成金は、年度ごとだけでなく年度途中にも様式や取扱いが変更されることがあります。
過去に利用した企業でも、前年の申請書をそのまま使わないようにしてください。
特に確認したいのは、
- 訓練実施計画届
- 対象労働者に関する書類
- 訓練実績を示す書類
- 経費・賃金に関する書類
- 支給申請書
などです。
計画届の提出時と支給申請時の両方で、最新の支給要領・様式を基準に進めます。
人への投資促進・リスキリング支援コースとの違いも確認する
訓練内容によっては、人材育成支援コース以外のコースが適していることもあります。
たとえば、高度デジタル人材育成や定額制研修などは「人への投資促進コース」、新規事業・DX・GXに必要な再教育は「事業展開等リスキリング支援コース」が候補になります。
一方、人材育成支援コースは、通常の職務に必要な専門技能の習得や、対象者別の実習型訓練が中心です。
「社員研修だから人材育成支援コース」と決めるのではなく、
- 現在の職務能力向上なのか
- 高度なデジタル人材育成なのか
- 新事業に向けたリスキリングなのか
- OJTを組み合わせるのか
を確認してコースを選んでください。
まとめ|4つの訓練メニューから育成目的に合う制度を選ぶ

2026年度の人材開発支援助成金「人材育成支援コース」には、人材育成訓練、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練、中高年齢者実習型訓練の4つがあります。
通常の社員研修なら人材育成訓練、新卒者等をOJTとOFF-JTで長期育成するなら認定実習併用職業訓練が候補です。有期契約労働者等の正社員化には有期実習型訓練、45歳以上の実践的な再教育には2026年度新設の中高年齢者実習型訓練を確認します。
また、助成内容もメニューによって異なります。
経費助成だけでなく賃金助成、対象となる実習型訓練ではOJT実施助成もあるため、対象者と訓練方法を決めたうえで助成額を確認してください。
申請では、原則として訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出し、訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請を行います。
計画届を提出した時点で支給が決まるわけではありません。2026年度の最新支給要領や申請様式を確認し、対象者・訓練内容・実施方法・申請期限をそろえたうえで利用を検討してください。
