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「うちでも対象?」今すぐ確認!事業継承・引継ぎ補助金の対象条件

企業の将来を左右する重要な節目、それが“事業承継”です。

近年は後継者不在に悩む中小企業も多く、国や自治体は事業の引継ぎを支援する補助金制度を整備しています。

なかでも注目されているのが「事業継承・引継ぎ補助金」です。

この補助金は、親族間での承継だけでなく、第三者へのM&Aや外部人材による継承も対象となり、設備投資・販路開拓・専門家活用など幅広い費用に活用できるのが特徴です。

とはいえ、「自社も使えるのか?」「手続きは難しいのでは?」と疑問に思う方も少なくありません。

この記事では、制度の概要から申請の流れ、注意点までをわかりやすく解説し、自社のケースでも活用できる可能性を感じていただける内容をお届けします。

 補助金を味方につけて、円滑な事業承継の一歩を踏み出しましょう。

目次

事業継承・引継ぎ補助金とは

中小企業が直面する“後継者問題”に対し、国がサポートする補助金制度が「事業継承・引継ぎ補助金」です。

この制度は、事業の引継ぎにかかる費用や、承継後の成長投資に使える支援策として注目を集めています。

親族承継だけでなく、M&Aや第三者承継など幅広いケースが対象となっており、時代に合った柔軟な制度設計がなされています。

制度の目的と背景

日本の中小企業の多くは、長年にわたって地域に根ざし、地元経済や雇用を支えてきました。

しかし近年、少子高齢化や後継者不足の深刻化により、黒字経営でありながらも事業を継続できず、やむを得ず廃業するケースが急増しています。

中小企業庁によると、2025年には団塊世代の多くが70代後半を迎えるため、今後10年で約127万社が事業承継のタイミングを迎えると試算されています。

こうした現状に対し、国は「価値ある事業を次の世代へつなげること」が急務と判断。事業継続によって地域の雇用や技術、経済の循環を守るために、この「事業継承・引継ぎ補助金」が設けられました。

この制度の目的は単に“経営者を変えること”ではありません。

経営資源(人材・技術・販路・ノウハウなど)を確実に次世代へ移し、さらなる成長や事業再構築を後押しするための支援が本質です。

また、M&Aを通じた承継など、親族に限らない幅広い承継形態も対象としており、「事業の存続=地域社会の持続性」と位置づけた制度設計がなされている点も特徴です。

支援対象となる承継のパターン(親族内・第三者・M&A)

事業継承・引継ぎ補助金は、多様な事業承継の形態に対応しており、「親族内承継」「第三者承継」「M&Aによる承継」がいずれも支援の対象となります。

それぞれの特徴を理解することが、申請可否の判断にも直結します。

1. 親族内承継
従来の中小企業における承継の多くは、経営者の子や配偶者などの親族が後継者となるケースです。
この場合、家業としての継続性が重視される一方で、「後継者の経営力不足」や「親子間の役割分担」などが課題となることも。
補助金では、後継者による新たな事業展開や販路拡大、業態転換などにかかる費用が支援されます。

2. 第三者承継(従業員・社外人材)
近年増えているのが、従業員や社外の個人への承継です。
特に親族に後継候補がいない企業にとって、有望な選択肢となっています。
第三者承継の場合は、承継後の企業文化や技術の継承支援、経営基盤の再構築といった観点で補助対象になる費用が設定されています。

3. M&Aによる事業承継
企業同士の合併・買収(M&A)を通じた承継も補助対象です。
M&Aによる承継は、スムーズな事業引継ぎやスケールアップ、新規事業参入のきっかけとしても注目されています。
補助金では、M&Aに関わる専門家費用や契約締結のための調査・手続き費用などが対象となることがあります。

このように、事業承継・引継ぎ補助金は「血縁関係のある承継」に限らず、幅広い承継パターンをカバーしている点が大きな特徴です。

自社の状況に応じて、柔軟な活用が可能です。

親族内承継を考えている方は、こちらの記事も参考にしてください
親子間の事業承継で注意すべき法的ポイントとは?成功の秘訣も紹介

補助される費用の種類と金額上限

事業継承・引継ぎ補助金では、事業の円滑な引継ぎや承継後の成長に必要な費用が対象となります。

大きく分けると以下の3つのカテゴリが中心です。

① 事業承継に伴う経費(調査・専門家費用など)

M&A仲介・FA(ファイナンシャルアドバイザー)への依頼費用
弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士などの専門家活用費用
事業価値評価(デューデリジェンス)にかかる費用
補助率は2/3、上限250万円程度(類型により異なる)

② 承継後の経営革新や再構築にかかる費用

新製品・サービスの開発、設備投資、IT導入
販路開拓のための広告宣伝・マーケティング費用
業態転換にかかる内装・外装・機器の購入費
補助率は1/2~2/3、上限最大600万円まで(条件付きで最大1000万円の類型も)

③ 廃業に伴う費用(再チャレンジ支援型)

廃業手続費用(登記抹消、解体、撤去など)
在庫処分、リース解約に伴う経費など
補助率2/3、上限150万円程度

補助金は原則「後払い」で、まずは企業側が費用を立て替え、実施後に支給される形です。事前に資金繰りの見通しを立てておくことが大切です。

近年の制度改正と注目ポイント

事業承継・引継ぎ補助金は2021年度以降、毎年度見直しと柔軟な改正が進められています

近年の主な変更点と注目ポイントは次の通りです。

1. 補助対象の拡大
以前はM&Aなどの第三者承継に主に重点が置かれていましたが、親族内承継や廃業支援にも補助対象が広がっています
これにより、より多くの中小企業が対象となるチャンスが増加しました。

2. 新類型の追加と制度の柔軟化
「専門家活用型」「再チャレンジ支援型」「経営資源引継ぎ型」など、企業の状況に応じた類型選択が可能になりました。
これにより、承継と同時に新たな挑戦を支援する仕組みが強化されています。

3. 補助額の拡充
近年の支援強化に伴い、上限額が最大1,000万円に引き上げられるケースもあり、設備投資や大規模な再構築にも対応できるようになっています。

4. 応募数の増加と審査の高度化
注目度の高まりとともに応募数が増えており、審査では「計画の具体性」「承継後の成長可能性」「地域経済への波及効果」などが重視されるようになっています。

これらを踏まえ、申請前には「自社に合う類型はどれか?」「補助対象経費を明確にできるか?」を整理し、書類準備を進めることが採択へのカギとなります。

誰が申請できる?対象事業者の概要

対象は以下のような事業者です。

・中小企業基本法で定められた中小企業・個人事業主
・日本国内に事業所を持ち、継続的に事業を行っている者
・直近で経営者交代または交代予定である者
・税金未納がなく、暴力団関係者でないことが確認できる者

また、申請には事業承継計画書や財務資料の提出が必要で、経営の実態が明確であることが求められます。

事業承継を「チャンス」に変える補助金活用を

事業継承・引継ぎ補助金は、単なる引継ぎ支援にとどまらず、承継をきっかけにした企業の成長投資を後押しする制度です。
親族間の交代でも、M&Aを通じた承継でも、計画と意思が明確であれば十分に対象となる可能性があります。

「うちでも対象になるかも?」と思ったら、まずは制度の概要を正しく知ることから始めてみましょう。

補助金のメリットを活用しよう

事業承継や引継ぎには、多くの準備とコストがかかります。

こうした負担を軽減し、スムーズな承継と持続的な発展を支援してくれるのが「事業承継・引継ぎ補助金」です。

ここでは、補助金を上手に活用することで得られる主なメリットを具体的にご紹介します。

事業拡大への活用例

補助金は単に「事業を引き継ぐための資金」ではありません。

承継後に新たな設備投資を行うための資金や、販路開拓・業態転換など事業の発展に使えるのが大きな特徴です。

例としては、承継を機にEC事業を新たにスタートさせるためのWebサイト構築費や、老朽化した設備の刷新などに補助金を活用するケースが多く見られます。

補助を受けることで、自己資金を他の投資に回す余裕も生まれ、経営の安定化に貢献します。

リスク軽減と後継者育成

事業承継には、経営者交代によるリスクがつきものです。

しかし、補助金を活用すれば専門家のサポートを受けるための費用や、計画策定に必要な外部知見の導入も可能です。

また、後継者の育成期間中に必要な研修費用や、従業員の不安を払拭するための広報活動、社内体制の見直しにも補助金を使えるため、リスクを最小限に抑えつつ円滑な引き継ぎが図れるようになります。

他の補助金との併用可能性

基本的には「同一の経費」に対して複数の補助金を併用することはできませんが、用途が異なる補助制度と併用することは可能なケースもあります。

たとえば、事業承継補助金で設備を導入し、同時に「IT導入補助金」でシステムを強化する、あるいは「小規模事業者持続化補助金」で販路開拓を支援するというような“使い分け”によって総合的な支援が受けられます

制度の併用を検討する際は、専門家や支援機関と相談しながら進めるのがおすすめです。

成功事例の紹介

実際に補助金を活用した事例としては、親族内承継により老舗製造業を引き継いだケースで、補助金を使って新製品の開発を行い、販路を広げた企業があります。

また、第三者承継で飲食店を引き継いだ後、設備の刷新やメニュー開発に補助金を使って、若い世代へのアプローチを成功させたケースも注目されています。

このように、補助金を通じて単なる「引き継ぎ」ではなく、「成長」や「革新」につなげている例が多数存在します。

補助金は、事業承継を「守る」だけでなく、「伸ばす」ための力強い支援策です。
うまく活用することで、承継に伴うリスクやコストを抑えながら、次の成長フェーズへ進む道が開けます。
次のセクションでは、申請にあたっての注意点を詳しく解説します。

事業承継・引継ぎ補助金を活用する際の注意点

補助金は中小企業にとって強力な支援ツールですが、申請には注意が必要です。

制度の特性や申請プロセスを正しく理解していないと、申請が通らなかったり、交付を受けられなかったりすることもあります。

このセクションでは、特に注意すべき4つのポイントを解説します。

審査制に注意!申請しても必ず補助されるとは限らない

事業承継・引継ぎ補助金は「審査制」の制度です。

申請すれば自動的に補助金がもらえるわけではありません。

事業計画の内容や承継の妥当性、地域経済への波及効果などが審査基準となり、点数評価をもとに採択されるかどうかが決定されます

そのため、計画書や申請書の内容には明確な目的や実現性を盛り込む必要があります。

漠然とした内容では審査で不利になるため、第三者の視点も取り入れてブラッシュアップすることが重要です。

他の制度との併用NG?補助金の組み合わせルールを確認

よくある誤解として、「他の補助金と組み合わせて使えばもっと得できる」と考える方がいますが、同じ経費に対しては複数の補助金を併用できません。

たとえば、機械の導入に対して事業承継補助金とものづくり補助金の両方を申請することはルール違反にあたる場合があります

ただし、用途が異なれば併用できる場合もあるため、申請前に募集要項をしっかり読み込むか、専門家に確認するのが安全です。

補助金の交付は後払い!先に自己資金が必要になることも

補助金の多くは「後払い方式」です。

つまり、実際に経費を支出して証憑書類を提出した後に補助金が支払われる仕組みです。

そのため、補助金に頼り切って資金繰りを考えるのは危険です。

事業承継にはまとまった資金が必要になるケースが多いため、一定の自己資金を確保してから申請に臨むのが現実的なアプローチです。

書類のミスで不採択に?提出前のチェックがカギ!

補助金の申請は、書類の不備によって不採択になるケースも少なくありません。

記載漏れ、添付資料の不足、誤字脱字など、基本的なミスでも審査に影響を与える可能性があります。

また、申請書の内容が矛盾していたり、数字に整合性がなかったりすると、「この計画は信頼できない」と判断されてしまうことも。

提出前には複数人でのチェックを行い、必要であれば専門家にも確認を依頼するのが安心です。
事業承継・引継ぎ補助金は魅力的な制度ですが、「申請すれば通る」というものではありません。
準備不足やルールの誤解、資金繰りの計画ミスが命取りになることもあります。
正確な情報と周到な準備で、補助金を安心して活用できるようにしましょう。続いては、申請の流れを具体的に解説します。

事業継承・引継ぎ補助金の申請手順

補助金の申請には、事前準備から交付後の手続きまでいくつかのステップがあります。

ここでは、申請にあたっての流れを5つの工程に分けて、わかりやすく解説します。

申請書類の準備方法

まずは必要な書類を揃えることが第一歩です。

主に必要とされるのは以下のようなものです。

事業計画書(承継の目的や今後の展望など)
親族関係・株式移転などの証明書類(承継形式によって異なります)
見積書・支出予定明細(補助対象経費の裏付け)
直近の決算書(個人事業主の場合は確定申告書)

記載ミスや資料の不足は不採択の原因にもなるため、提出前に丁寧な確認作業が必須です

オンライン申請のステップ

事業継承・引継ぎ補助金の申請は、原則として「jGrants(ジェイグランツ)」という電子申請システムを通じて行われます。

1.GビズIDプライムアカウントの取得(数日かかるので早めに申請)
2.jGrantsへログインし、公募情報を検索
3.入力フォームに沿って事業計画や各種情報を登録
4.PDFなどの形式で添付書類をアップロード
5.内容確認後、送信して申請完了

提出後はシステム上でステータス管理ができます。

審査のポイントと注意点

審査では以下の点が重視されます。

承継の妥当性と地域経済への波及効果
実行可能性の高い事業計画
経費の正当性と見積の根拠
事業の継続性や成長見込み

内容が抽象的だったり、数字に裏付けがないと不利になります。

事前に第三者の目でチェックしてもらうのも有効です。

採択された場合の流れ

採択後は、次のような流れになります。

1.交付決定通知の受領
2.事業開始と経費の支出(領収書や契約書の保管が必要)
3.実績報告の提出
4.書類審査・精算確認
5.補助金の振込(通常、数か月後)

つまり「立て替え」が基本となるため、事前に資金繰りを確保しておく必要があります

不採択時の対応策

もし不採択になっても、改善点を見直すことで再チャレンジが可能です。

・審査コメントの内容をよく確認
・専門家に相談し計画内容を修正
・次回公募に向けて準備を続ける

また、ほかの補助金制度(例:ものづくり補助金など)への転換も検討しましょう。

事業承継・引継ぎ補助金の申請には、綿密な準備と正確な手続きが求められます
オンライン化によって利便性が高まる一方で、不備による不採択リスクも増加中。早めの準備と専門家の活用が、成功のカギを握ります。

補助金申請についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください

👉 オンライン申請で簡単に補助金を獲得する方法
👉 初めての補助金申請でも心配無用!徹底解説でサポート

申請前に確認したい重要事項

事業承継・引継ぎ補助金の申請は、書類を揃えて提出するだけでは不十分です。

正確さ・期限管理・法的な整合性まで含めて事前に確認しておくべきポイントを整理しましょう。

申請期限とスケジュール管理

補助金は、年度ごとの公募期間が設定されており、申請期限を過ぎると一切受け付けられません。

加えて、GビズIDの取得や書類準備には時間がかかるため、次のスケジュール感での行動が必要です。

GビズID申請:約1週間
書類作成:1〜2週間(事業計画書含む)
提出準備・最終確認:数日

「公募開始されたらすぐ動く」ことが採択の第一歩です。

必要な書類とその準備

申請に必要な代表的な書類は以下のとおりです。

事業計画書(承継の背景・今後の方針)
財務書類(決算書または確定申告書)
承継に関する証拠書類(株式譲渡契約など)
補助対象経費の見積書・契約書の写し

特に、経費の根拠を証明する書類が不十分だと不採択の原因になります。可能であれば、見積は2社以上で取得しておくのが望ましいです。

誤りやすい申請項目

以下の項目でミスが多発します。

数字の整合性(事業計画と見積書が一致しない)
承継形式の選択ミス(親族内か第三者か)
記載漏れ(売上計画、後継者情報、法人番号など)
添付書類の形式不備(PDFでない、スキャンが不鮮明)

「記入ミス1つで不採択」もあり得るため、必ず複数人でチェックしましょう。

申請内容の精査と改善策

提出前には以下の視点で精査を行いましょう。

目的・背景が論理的に説明されているか
数字に裏付けがあり、実現可能性があるか
成果として地域経済や雇用に貢献するか

もし自信がない場合は、商工会議所や認定支援機関への事前相談が非常に有効です。フィードバックをもとにブラッシュアップしましょう。

法務や税務の確認事項

承継に関わる契約・登記・税務処理も補助金審査に影響します。

株式譲渡契約や事業譲渡契約が締結されているか
事業譲渡後の法務手続きが正確に実施されているか
税務署への異動届出書などが提出されているか

法務や税務での不備は「事業として成立していない」と判断される恐れがあるため、税理士・行政書士のサポートも活用しましょう。

申請前の確認を怠ると、書類の不備や記載ミスによってせっかくのチャンスを逃してしまうリスクがあります
確実に採択を狙うなら、書類の精度とスケジュール管理、そして専門家との連携が鍵になります。

制度を正しく理解して、第一歩を踏み出そう

事業継承・引継ぎ補助金は、親族内・第三者・M&Aによる事業承継をサポートする国の支援制度です。

補助金の対象となる事業者には一定の条件がありますが、要件を満たしていれば多くの中小企業が活用可能です。

補助金には「経費の支払い後に交付される」「申請すれば必ず通るわけではない」といった注意点もあるため、制度の概要と手続きの流れを正しく理解することが重要です

実際の申請に進むには、

公募スケジュールの把握
書類の準備と事業計画の精度
審査を意識した戦略的な書き方 がカギとなります。

「自分のケースでも対象になるかも」と感じたら、まずは制度の内容を確認し、早めの準備を始めましょう

認定支援機関や専門家への相談も、成功への大きな一歩になります。

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