【奮闘記】社内初の新米広報がまず最初に立てた目標とは?定量的に測りづらい広報部門での設計図

はじめに

本記事をご覧いただいている広報の方は、初心者ないしはこれから広報職を目指す方なのかと思っております。

指標がない中で「広報」を確立することも、手をつけることも難しいと感じます。

筆者である私も、最初の1ヶ月は社内の情報収集と広報の情報収集に明け暮れました。

少しでも皆様のお力になれればと思い、現在筆を走らせてる最中です。

是非最後までご覧ください。

広報の役割とは?

広報の役割は多くありますが、最終ゴールとして掲げられていることは「ステークホルダーと良好な関係を築くこと」とされていることがほとんどです。

私は最初これを知った時に、具体的なイメージが湧きませんでした。

簡単に言うと「◯◯=△△」という認識を、各方面の方に認知していただくことが大切なのかな?とぼんやり理解しました。

例えば「ヒーローといえば?」「人気のあるキャラクターといえば?」と聞いた時に、浮かび上がってくるこの状況を、自分たちが意図する認識を持っていただくイメージです。

逆にいうと、ネガティブなイメージも同様についてしまうということです。どう認識されたいかを念頭に置き、アクションしていきました。

具体的なアクション

もちろん先述した広報の役割とは、ある種各社によって異なりますので参考程度にご認識ください。

私が「◯◯=△△」と定義付けた広報の役割、第一想起を、実際にアクションするために必要だったことを具体的にお伝えしていきます。

社内に広報の役割を認知する

まず初めに行ったのは広報としての役割や想いを言語化し、社内の人々がイメージしやすい状況にしました。

筆者は営業畑出身の営業会社におりましたので、どうしても成果!数字!以外の面で目立ったり、理解を促すのはめっきり弱く、とはいえ何やってるかわからない人!も、どうなのかと思い、協力的な体制を作ることを心がけました。

会社や事業の方針に合わせて「こんなところに協力できます!」「こんな感じで広報を活用するとこんな世界観が!」みたいな、ビジョンを社内に広めました。

社内のチャットで発信したり、朝礼で時間を割いてもらい発信などしました。

逆にできることはなんでもやりました。

動画編集やSNS運用、クリエイティブ制作など未経験ではありましたが、Webの情報やYoutubeを駆使して、どうにかいろんなものを作りました。

そうしたことで上手く私を利用してくれたり、相談してくれたり、こんなネタないですか?、今から取材対応行けますか?に、Noというメンバーはいなくなり、好循環が生まれました。

◯◯=△△の部分をブランド責任者とすり合わせ

◯◯は発信する媒体やターゲットによって異なりますが、こんな感じで魅せていきたいと相談を持ちかけました。

私のいる会社では事業責任者がブランド責任者を兼任していたので、事業の方向性とビジョン、そして発信先に受け取ってもらいたいポジショニングを決めていました。

例えば中小企業のチカラでは、中小企業のことは中小企業のチカラに聞いたら解決できるじゃん!と思ってもらうみたいな。結構ざっくりですが。

そのために必要な情報や出したい情報を整理したり、作ったり。そんな感じでアクションしてました。

ゴール・アクション・KPIを決める

私の場合は1ヶ月、半年、1年で目標設定をしています。ゴールは1年、アクションは半年、KPIは1ヶ月で設定しました。

広報初心者だった私はとにかく認知を獲得したいという思いで、ざっくりとした目標は「話題になる」というなんとも定性的な目標を掲げました。

話題性を定量化として定義付けたのは、ホームページへの流入数としました。

ホームページへの流入数を増加させるにはの手段で、PR TIMESの活用やホームページ内にオウンドメディアを作成し、導入事例や顧客インタビュー・イベントレポートなど、さまざまな記事を更新しました。

この更新頻度、PR TIMESへの出稿数を1ヶ月のKPIとし進めてまいりました。

具体的な手段や施策

さてここまで、事前準備と言えるような概念的な内容でお伝えしましたが、じゃあ何に手を動かしたの?というところをご紹介してまいります。

集客目的のオウンドメディアの運用

サービスの認知やお問い合わせ増加に向けた、オウンドメディアを2つ運用しました。1つは人事・HR領域に特化したメディア。

もう1つが本メディアの運用です。当初は自身でテーマや企画、執筆をし、インプット・アウトプットの強化に繋げていきました。

後にアナリティクス等を利用した、効果検証や数値遷移から戦略的にどのような企画をするのかを組み立てていき、CVに繋げる動きをとりました。

合わせて他の業務の兼ね合いで、自身でできるリソースに限りがあることから、外部の力を借りるためにディレクション業務へと移行させていきました。

既にHP内にブログや導入事例などをお持ちの企業であれば、ドメインパワーも含めてそちらを伸ばすことが吉だと思います。

とにかく情報を出す。そして人を集める。ここに集中した内容で進めていきました。

SNS運用

広報に勤める方であれば皆さんが通る道かと思います。私は個人SNSに加えて、TikTok・Youtubeの運用も進めていました。

当時コロナ禍での部署異動だったため、全てのタッチポイントをオンラインに切り替える必要があり、SNSの伸び代を加味して運用を始めていきました。

Youtubeは就職活動に関するもの、その他の企画の2つの柱で進めていき、伸びた方をより注力する形でシフトしました。最初は外部のプロの力を借りていましたが、途中より動画編集を学び自分で動画企画・台本・キャスティング・撮影・編集まで一貫して実施しました。(めちゃくちゃ大変なので、数を担保するのは厳しいです・・)

営業時代には身に付かなかったクリエイティブなスキルはつき、成長を感じられる上にトレンドを知る機会となったことは良かったですが、バズを生み出すのはかなり難しかったです。

1アカウントに人格を持たせるには、一貫性が必要になるため企画自体が動画によって異なってしまう点で反省しました。

プレスリリース制作

広報の登竜門でもあるプレスリリースも同時に走りました。

出せる情報は大量に出していくスタンスだったので、子会社・社団法人含め7社全て含めて月に10本のリリースを書いてきました。

いまいちこれが話題になった!取材につながったとは言い難いですが、競合へ牽制する意味も込めて、ネタを集めては情報を出す動きを常に取るようにしてきました。

私の場合、会議や議事録など会社の方針を決定する場にいれるわけではなかったため、各部署ごとの情報通と手を取り合って最新情報を手に入れてました(笑)

やってみて実際どうだったか

最初のKPI設定はわからないまま進めたので、PR TIMES:月10本、公式SNS:10投稿、記事作成:月8本としましたが、結構無謀なチャレンジでした。

数字をこなすことはできますが、内容が薄くなってしまったり、急にネタが舞い降りることもあれば、工数面が無謀で、他の業務が手につかないなど。

ただ無謀なチャレンジがあったからこそ、キャパシティが増えたり、できないことややったことないことを息抜きとして挑戦することができ、広報だけでなくマーケティングの領域まで理解ができるようになったのかなとは思います。

ただこの数字は結構無謀です。

効果は?

メディアに積極アプローチをしていたわけではないので基本インバウンドとなりますが、テレビ取材が3本、新聞取材が3本、ラジオが2本と素敵なご縁につながることができました。

また目標としていたHP流入数は2倍、PR TIMES単体の月間PV数も2.5倍、お問い合わせ数も1.5倍と右肩上がりの結果となりました。(広告も回していたので単体の力だとは思えませんが…)

まとめ

やってみて思ったことはマーケティングと違って、最終結果をどうにかすることが難しいからこそ、柔軟にいろんなことをやってみることがいいと思いました。

今はもっと話題性が欲しいと強欲な感じなので、時流に合わせた調査リリースを企画したり、話題になりそうな取り組みのタイトルと睨めっこしたり、こうやってオウンドメディアに体験談を書いたり、どっから知ってくれるかわからないからこそ、枠組みに囚われずいろんなことに挑戦すれば、自然とご縁に出会える気がしてます。

あとは広報界隈の交流会やコミュニティに参加するようになりました。

各社さまざまな取り組みをしているので、そこから勉強して自社流にアレンジしたりとか。

ただ1番大事なことは、会社の情報源になれないと結構しんどいかもしれないです。

社員はなんてことないと思う小さな取り組みでも、世の中にとっては興味深かったり、真似したいと思う人もいるかもしれないです。

そんな粒のような情報でも、どれだけ回収していけるか、少ない情報(サービスリリースや業務提携など)を大きく見せることよりも、多くの情報の中で取捨選択していく方が広報としては楽しいと思います。

最後の最後がゆるっとした感じになりましたが、あくまでも体験談として参考にしてみてください。