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あなたの会社も対象?中小企業等海外展開支援事業費補助金のリアルな採択事例を紹介!

中小企業が海外市場に挑戦する際に、資金や情報、人材の不足が壁となって二の足を踏んでしまうケースは少なくありません。

そんな中で注目されているのが、中小企業等海外展開支援事業費補助金です。

展示会出展や現地法人設立、デジタルマーケティングによる海外販路開拓など、実際にこの補助金を活用して海外進出を実現した中小企業の事例が増えています。

しかし、「補助金って一部の企業だけの話でしょ?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、実際に採択された企業の具体的な事例を5つ紹介しながら、どのように補助金を使って海外展開を成功させたのかをわかりやすく解説していきます。

さらに、採択されるための戦略や不採択の落とし穴、申請後の運用ポイントまで、実務に直結するノウハウも併せてご紹介します。

この記事を読めば、きっと「自社にもチャンスがある」と感じ、海外展開への一歩を踏み出す意欲が湧いてくるはずです。

まずは、この補助金の制度概要と目的から押さえていきましょう。

目次

中小企業等海外展開支援事業費補助金とは

この補助金は、海外市場に挑戦する中小企業を後押しするために国や自治体が実施している支援制度です。

資金面の負担を軽減することで、販路開拓・現地拠点の設立・海外向けプロモーションなどの取組を推進しやすくなるよう設計されています。

ここでは、制度の概要や対象事業、申請条件などを簡単にご紹介します。

補助金の概要と目的

正式名称は「中小企業等海外展開支援事業費補助金」。

海外進出に関わる事業費用の一部(原則2分の1)を補助することで、中小企業の国際競争力を高めることを目的としています。

申請の基本条件とプロセス

申請できるのは、日本国内に拠点を持つ中小企業や個人事業主で、一定の規模や要件を満たす企業に限られます。

補助金は公募形式で実施され、申請書類の作成→審査→採択→実績報告→補助金交付、という流れが一般的です。

支援対象となる事業内容

以下のような取組が支援対象となることが多いです。

海外展示会への出展
現地法人や営業所の設立
海外向けマーケティング・広告活動
ECサイトの多言語対応
知的財産権の取得や現地法規制への対応

過去の実績と成果

過去には、食品、アパレル、精密機器、ITサービスなど多様な業種が採択されており、海外販路の拡大や現地契約の獲得に成功した事例も多く報告されています。

成功するためのポイント

採択を勝ち取る企業には共通点があります。

「目的が明確で、具体的な成果が期待できる事業計画」であることが成功の鍵です。

また、支援機関や専門家との連携も採択率を高める重要な要素になります。

詳細な制度内容はこちらで解説中

この補助金は、海外展開を本気で考える企業にとって非常に有効な選択肢です。
制度の詳細については、以下の記事で初心者にもわかりやすく丁寧に解説しています。

▶️【関連ガイド】
中小企業等海外展開支援事業費補助金ってどんな制度?初心者にもわかりやすく解説

次は、実際に補助金を活用して成功を収めた採択事例を見ていきましょう。
どのような企業が、どんな戦略で海外進出を実現したのかをご紹介します。

採択事例|成功した中小企業のストーリー

補助金の制度は理解していても、「本当に成果が出るのか?」「自社にも活用できるのか?」という不安は誰しもが感じるものです。

そこで本セクションでは、実際に中小企業等海外展開支援事業費補助金を活用して成果を上げた企業のリアルな事例を5つ紹介します。

業種・地域・取組内容はさまざまですが、どの企業も補助金を“戦略的に使ったこと”が成功の鍵となっています。

自社の取り組みに照らし合わせながら、ヒントを探してみてください。

事例1 – 日本製品の海外販路開拓|食品メーカーA社(新潟県)

地元産の味噌・醤油などを扱う食品メーカーA社は、東南アジア市場での日本食需要に着目。
補助金を活用し、現地語対応のカタログやブランドサイト、輸出用パッケージを制作し、バンコクの展示会に初出展しました。

結果、現地小売チェーン2社と取引を開始。販路拡大に加え、SNSでも現地ファン層の形成が進み、越境EC経由の売上も増加しました。

事例2 – 現地法人設立による事業拡大|機械部品メーカーB社(愛知県)

長年のOEM実績を持つB社は、ヨーロッパ市場でのブランド展開を目指して補助金を申請。

ドイツに現地法人を設立するための法務費用、渡航費、技術マニュアルの多言語化などに補助金を活用しました。

現地法人を通じた対応が評価され、独系大手メーカーとの正式契約が成立。OEMからODMへとビジネスモデルを転換する大きなきっかけになりました。

事例3 – デジタルマーケティングを活用した市場参入|アパレル企業C社(大阪府)

国内ブランドとして一定の知名度があったアパレルC社は、北米向けにインスタグラム広告・越境ECサイト・動画コンテンツを補助金で展開。

SNSを通じて現地インフルエンサーとのコラボを実現し、ブランドの世界観を広く認知させることに成功しました。

結果、半年間でフォロワー5万人突破、CV率2.4%のECサイト売上を確立。今では現地スタッフを雇い、運営体制も拡張しています。

事例4 – 国際展示会出展による新規顧客獲得|産業機器メーカーD社(広島県)

D社は、中東市場でのビジネス拡大を目指し、ドバイで開催される大型展示会に出展。

補助金により装飾費用・通訳・パンフレット・プロモーション動画制作費などをカバーしました。

展示会では現地ディストリビューターとの契約が2件成立。その後、年間出荷台数は20%増加し、アフターサポート体制の整備にも着手しています。

事例5 – 異文化対応と現地化戦略の成功要因|教育サービスE社(東京都)

E社は日本の学習教材をオンラインで提供していたが、東アジア市場向けに現地文化や教育制度に合わせた教材の再編集と翻訳を行い、補助金を活用。

また、現地の教育機関と連携してトライアル導入を実施しました。

単なる翻訳ではなく、現地のカリキュラムに沿った内容調整が評価され、導入先学校が3倍に増加。

地域メディアにも取り上げられるなど、ブランド認知も進みました。

事例から学べる共通点は“戦略的な使い方”と“ローカル目線”

5つの事例を通して見えてくる成功企業の共通点は以下のとおりです:

・海外展開の目的とターゲットが明確
・現地ニーズを事前に調査し、対応策を組み込んでいる
・補助金を費用補填ではなく、成長のための投資と捉えている
・現地文化・商習慣への適応が徹底されている
・販路・認知・体制整備など複数の成果につなげている

これらの事例は、「うちにもできそう」「自社でも再現できる可能性がある」と思わせてくれるヒントの宝庫です。

採択を勝ち取るためのヒント

補助金の制度を理解し、事例を見て「自社でも使えそう」と思ったら、次に知っておくべきは“どうすれば採択されるか”です。

中小企業等海外展開支援事業費補助金は公募制のため、単に書類を提出するだけでは通りません。

ここでは、採択される企業が実際に意識しているポイントを5つに分けて解説します。

事業計画の作成から、審査の着眼点、連携先の活用法までを押さえて、申請前の準備にぜひ役立ててください。

事業計画書作成のポイント

補助金申請で最も重要なのが事業計画書の質です。これは単なる申請資料ではなく、“事業の実現性・効果・意義”を審査員に伝えるプレゼン資料とも言えます。

作成時に意識すべき要素

・課題と目的が明確か?(なぜ海外展開するのか)
・具体的な展開方法は?(誰に・何を・どう売るか)
・スケジュールとKPIは現実的か?(達成可能性の提示)
・補助金を使わなければできない理由は?(必要性の根拠)
・成果の見込みは?(売上・販路・雇用・社会的波及)

審査員に「この企業ならやり遂げそうだ」と感じてもらえる論理性とストーリー性を持たせることが大切です。

審査基準の詳細と攻略法

本補助金の審査基準は明示されていますが、重要なのはその基準をどう満たすかです。

一般的に見られる審査項目には以下のようなものがあります。

・事業の有効性・新規性
・事業の実現可能性
・費用対効果
・継続性・自立性
・地域・経済への波及効果

攻略法としては、単に条件を列挙するのではなく、審査員の視点に立って“なぜ評価に値するか”を示すことが大切です。

数字やデータを用い、客観性のある説明を心がけましょう。

予算計画の立て方と管理

補助金は“後払い”であるため、一時的に企業が立て替える必要があることも含めて、計画的な予算設計が求められます。

予算計画で押さえるべきポイント

・補助対象経費と対象外経費の区別
・相見積もりなど根拠のある見積提示
・成果に直結する経費への重点配分
・経費の発生タイミングと資金繰りの整合性

また、報告書提出時には証憑(領収書・契約書・振込記録など)による実績報告が必要です。

あらかじめ管理体制を整えておくと、補助金交付後のトラブルを防げます。

ローカルパートナーの効用

海外展開の成功事例に共通しているのが、現地の企業や団体との連携(ローカルパートナーの存在)です。

これは審査でも高評価につながる要素です。

ローカルパートナーの主な役割

市場情報や文化的知見の提供
商品やサービスの現地化サポート
営業・流通チャネルの確保
トラブル対応や契約手続きの仲介

計画書に既にコンタクトを取っている、または協定を予定しているパートナーの記載があると、実現性や信頼性が高まるため、積極的に活用を検討しましょう。

支援機関との連携を活用する

中小企業基盤整備機構、各自治体の中小企業支援センター、商工会議所などは、申請前から伴走支援をしてくれる貴重な存在です。

支援機関のサポート例

申請書の事前チェック・添削
事業計画作成のアドバイス
公募要領の解釈や対象経費の確認
海外展開に関する専門家紹介

「一人で悩まず、相談する」ことが採択率を高める近道です。

支援機関との連携も、計画書内でのアピール要素になります。

採択には「伝わる計画」と「実現する体制」が必要

補助金を勝ち取るには、単なるアイデアや想いだけでなく、それを伝える力と、形にする体制の両方が求められます。

明確で説得力ある事業計画
採点基準を意識したロジカルな構成
根拠ある予算と成果目標
現地とつながる信頼性のある連携
支援機関を巻き込んだ伴走体制

これらを押さえることで、「この企業ならきっと成果を出すだろう」と審査員に感じさせる申請書が完成します。

よくある不採択理由と対策

補助金申請において、「不採択」の通知を受けた企業には共通する“つまずきポイント”があることをご存じでしょうか?

中小企業等海外展開支援事業費補助金は公募制のため、採択率は決して高くなく、毎年多くの申請が“あと一歩”の差で落選しています。

しかし、これらの理由は事前に知っておけば十分に対策可能です。

ここでは、特に多い不採択の原因を4つに整理し、それぞれに対する具体的な改善策を提示します。

申請書を仕上げる前のチェックリストとして、ぜひ活用してください。

計画のあいまいさ

最も多い理由の一つが、「事業計画がぼんやりしている」ことです。

たとえば、「海外市場を広げたい」「ブランドを知ってもらいたい」といった抽象的な表現だけでは、審査員に具体的なイメージが伝わりません。

対策ポイント

・ターゲット市場を明確にする(国・地域・顧客層)
・手段を具体的に書く(広告媒体、出展先展示会名、拠点の場所など)
・成果目標に数値を入れる(○件の商談、○%の売上向上など)

「この企業は、どこに・何を・どんな方法で・どんな成果を目指しているのか?」という問いに、明確かつ簡潔に答えられる計画書にすることが鍵です。

対象経費の誤認

意外と多いのが、補助対象にならない経費を申請に含めてしまうミスです。

これにより、「この企業は制度の理解が不十分だ」と見なされ、減点または不採択となる可能性が高くなります。

よくある誤認例

本社の備品購入費や汎用的な機材費
自社ホームページの更新
海外と関係のない広報活動
役員や自社スタッフの人件費

対策ポイント

・公募要領で“補助対象経費の範囲”を丁寧に確認
・見積書には対象経費を明示し、注釈を入れる
・不安な場合は、事前相談で確認を取っておく

申請書に書かれた金額の信頼性や精度は、審査員の印象を大きく左右する要素です。

申請書の一貫性の欠如

申請書の中で内容の整合性が取れていないことも、非常に大きな減点要因です。

たとえば、【事業目的】と【スケジュール】、【成果目標】と【予算の使い方】がちぐはぐになっているケースが見られます。

よくある例

「2025年に現地法人設立」と書いているが、予算では法人設立に関する経費が記載されていない
成果目標に「新規売上1000万円」とあるが、販路開拓手段が一切書かれていない

対策ポイント

・ストーリーの一貫性を意識して記述(目的→手段→成果)
・各項目の整合性を見直す(スケジュール・予算・KPI)
・第三者にチェックしてもらう(支援機関や専門家)

申請書は読みやすさも重視されるため、全体としてロジックが通っているかを冷静に見直すことが大切です。

審査官に伝わりにくい説明

「伝えたつもり」になってしまっている表現も、落選につながりやすい要因です。

審査員は限られた時間で多くの書類を読み込むため、読み手に寄り添った書き方ができていないと内容が正しく評価されません。

よくある問題点

専門用語が多くて意味が分かりにくい
一文が長すぎて、結論が見えにくい
図や箇条書きがなく、全体が“文字の塊”になっている

対策ポイント

・結論→根拠→具体例の順で書く
・専門用語には簡単な補足を添える
・重要ポイントは箇条書きや図表で可視化する
・「自社を知らない第三者」に読んでもらい、説明力を確認

伝わらなければ評価されない、これは補助金申請における鉄則です。

失敗の芽は“準備段階”で摘み取れる

不採択の多くは、準備不足と読み手への配慮不足に起因しています。
しかし、それらはあらかじめポイントを押さえれば、防ぐことができるミスばかりです。

・計画は具体的に、整合性を持たせる
・経費はルールを確認し、正確に積算する
・内容は審査員に“伝わる言葉”で構成する

これらを意識することで、補助金申請はぐっと成功に近づきます。

補助金を活用した海外展開のメリット

海外展開は、企業の成長を飛躍的に促すチャンスである一方、初期費用や情報不足、リスク管理の難しさから、踏み出せない中小企業も少なくありません。

しかし、中小企業等海外展開支援事業費補助金のような公的支援をうまく活用することで、これらの障壁を大きく下げることが可能です。

このセクションでは、補助金を活用することで得られる5つの主なメリットについて詳しく解説します。

制度を「単なる資金援助」としてではなく、戦略的な経営ツールとしてどう使えるのかを知っておくことで、成功の可能性が大きく広がります。

資金調達のハードルを下げる

海外展開には、翻訳費、広告費、渡航費、現地法人設立費、展示会出展料など、多くの初期コストが発生します。

これらは中小企業にとって大きな負担であり、資金調達の段階で諦めてしまうケースも少なくありません。

補助金を活用すれば、費用の2分の1〜3分の2を公的に支援してもらえるため、自己資金の負担を大きく軽減できます。

資金の壁が下がることで、今まで想定していなかった施策にも挑戦できる余地が生まれるのです。

リスク軽減と市場調査の重要性

海外市場には、言語・文化・法制度・商習慣など、国内とは異なるリスクが数多く存在します。

補助金を使って市場調査や視察、試験的な施策を実施すれば、事前にリスクを把握し、最小限に抑えることが可能です。

たとえば、現地の競合状況を調べたり、消費者の反応を確認したりすることで、「この方向性なら成功しそう」といった実証データを得ながら判断を下せます。

結果的に、失敗コストの削減と意思決定の質の向上につながるため、補助金は“トライ&エラー”の安全弁としても機能します。

国際ネットワーク構築の進化

補助金を活用した施策は、単発の活動ではなく“関係構築のきっかけ”にもなります。

たとえば展示会に出展することで、現地の商社・バイヤー・行政関係者との新しい接点が生まれ、そこから販路や業務提携が拡がっていくことも。

また、通訳や現地コーディネーターとのネットワーク形成を通じて、今後のビジネス展開を見据えた持続的な海外体制の土台づくりにもつながります。

補助金で得られるネットワークは、「営業先」だけでなく「仲間」としての価値も持っているのです。

ブランド強化と信頼獲得の促進

海外展開を支援する補助金を活用しているという事実は、“公的な支援を受けた企業”という信頼性の証明にもなります。

現地パートナーや取引先にとっても、日本の補助制度を活用している企業は信用力が高いと映る傾向があります。

さらに、補助金を活用して作成された多言語対応のWebサイトや動画、現地対応のパンフレットなどは、ブランド認知の強化にもつながり、

「きちんと対応できる企業だ」という印象を持ってもらうことで、受注率や商談成立率も向上しやすくなります。

競争優位性を高める戦略作り

補助金の活用は、単なるコスト削減だけでなく、“競合との差別化”という視点からも非常に有効です。

たとえば、他社が国内展開にとどまっている中、いち早く海外に拠点を持つことや、現地認証を取得することで、

製品・サービスの信頼性やスピードで競合に差をつけることができます。

補助金を通じて得た経験・実績・海外での反応は、将来的に自社の事業価値を高め、国内でも新たなビジネス機会を呼び込む要素になり得ます。

補助金は“挑戦を加速させるレバレッジ”になる

中小企業にとって海外展開は、大きな挑戦であると同時に将来的な成長の起爆剤にもなります。
その一歩を後押ししてくれるのが、中小企業等海外展開支援事業費補助金です。

・資金面の負担を抑えられる
・失敗のリスクを軽減できる
・新たなパートナーや販路が生まれる
・信頼やブランドが強化される
・競争優位性を築く戦略に転換できる

これらのメリットを活かすことで、補助金は単なる費用支援ではなく、事業成長を加速させる戦略的ツールとして機能します。

次のセクションでは、これらのステップを実際に始めるために、「今から何をすればよいか」という具体的な行動にフォーカスしていきます。
海外展開の第一歩を踏み出す準備を、一緒に進めていきましょう。

今から始める海外展開への第一歩

補助金制度の理解を深め、成功事例やメリットを知った今、次に必要なのは「では何から始めればいいのか?」という視点です。

海外展開は一足飛びでは実現しませんが、小さな行動の積み重ねが大きな成果につながります。

このセクションでは、市場調査・計画作成・専門家活用・学びの場への参加・他社の声の収集といった、

“すぐに始められる5つの行動”を具体的に紹介します。

「まだ何も動いていない」という方でも、一歩踏み出す勇気が持てる内容になっています。

現地市場調査の基本ステップ

海外展開において最も重要な初動は「市場調査」です。

いきなり出展や法人設立を目指すのではなく、“現地に本当にニーズがあるのか”を見極めることが第一歩です。

基本ステップは以下の通り

1.ターゲット国・地域の絞り込み
2.競合製品やサービスの現地価格・販路の把握
3.消費者の嗜好・文化・購買行動のリサーチ
4.現地法規制や関税・認証制度の確認
5.現地パートナー・支援団体の有無を調査

特に最近は、JETROや中小機構が無料で提供する海外市場データベースなども活用でき、コストをかけずにリサーチが可能です。

海外進出計画の初めの一歩

市場調査の情報が集まってきたら、次は具体的な進出計画の構築に移ります。
とはいえ、最初から完璧な計画を立てる必要はありません。

まずは、以下の4点をざっくり書き出してみましょう。

・目指す成果(例:販路拡大、現地拠点設置)
・想定される手段(例:展示会、EC展開、パートナー契約)
・予算の範囲感(補助金含む資金計画)
・希望するスケジュール感(6カ月後に出展など)

この土台があるだけで、支援機関との相談や申請書の作成も格段にスムーズになります。

アドバイザーや専門家の活用方法

補助金の申請や海外展開は、すべてを自社だけで完結させる必要はありません。
むしろ、中小企業こそ専門家の知見を活用して“リスクを最小化”しながら進めるべきです。

具体的な相談先としては

・地域の商工会議所・よろず支援拠点
・中小企業診断士や行政書士などの専門家
・中小機構・JETRO・都道府県の海外ビジネス支援センター

多くの場合、初回相談は無料で受けられ、補助金活用を前提とした計画書の添削などもサポートしてくれます。

「専門家=高い」という先入観を捨て、気軽に情報を取りにいくことがチャンスの入り口です。

ワークショップやセミナーでの学び

自治体や商工会、JETROなどが主催する海外展開向けのセミナー・勉強会・個別相談会は、
実践的な情報を得る貴重な場です。

参加することで得られるメリットは以下の通り:

最新の補助金情報・申請スケジュールが把握できる
他企業の成功事例・失敗談が直接聞ける
自社に合った支援制度を紹介してもらえる
他業種のネットワークが広がる

オンライン開催も増えているため、地方でも気軽に参加可能です。「まず聞いてみる」という行動が次の展開につながります。

インタビューから得るリアルな声

制度解説やセミナー情報も有益ですが、“実際に使った人の声”ほどリアルな情報はありません。

補助金の活用者や、すでに海外展開をしている経営者の体験談には、以下のような気づきがあります。

・「申請書はここを強調したら通った」
・「現地パートナーがいたからうまくいった」
・「最初は展示会だけの予定が、実際には…」
・「補助金だけでなく信用力アップにもつながった」

中小企業庁や支援機関の公式サイトでは、活用事例のインタビュー記事や動画も公開されています。

「誰かの成功」は、自社にとって再現可能なモデルにもなり得るのです。

一歩踏み出せば道が開ける

海外展開は、情報も不確実性も多く、決して気軽な挑戦ではありません。
ですが、今回ご紹介したように、小さな行動から始めることで確実に前進することができます。

・市場調査で“仮説”を持つこと
・簡単な進出計画を描いてみること
・相談窓口やセミナーに一度行ってみること
・成功者の声に触れてみること

これらはすべて、補助金活用のためだけでなく、企業としての“海外展開体質”を育てることにもつながります。

採択後、どう活かす?補助金を最大限に活かす運用術

補助金に採択されたことは、大きなチャンスです。

しかしそれは“ゴール”ではなく、むしろ海外展開を本格化させるためのスタートラインに過ぎません。

採択後にどのように補助金を活かし、実行し、評価して次につなげるかによって、成果の質も将来の展開も大きく変わります。

このセクションでは、補助金の運用における注意点や、活用後の成果管理、そして次の展開への戦略的なつなぎ方を、3つの視点から解説します。

実施報告書の準備と失敗しない運用体制づくり

補助金事業は「事業実施したら終わり」ではありません。

採択後には、定められた期間内に事業を実施し、最終的に“実施報告書”を提出して補助金を受け取るという流れになります。

実施報告書で求められる主な項目

実施内容の記録(実施日、方法、担当者など)
補助対象経費の使途(領収書・契約書・振込記録)
成果の実績(KPIの達成状況、写真資料)
トラブル・変更点の報告(やむを得ない計画変更など)

これらを後からまとめるのではなく、日々記録・整理しておく体制づくりが鍵です。

運用体制づくりのポイント

経費・実績記録用のExcelや台帳フォーマットを初期に作成
社内に担当者・記録係・経理担当などの役割分担を明確化
事業実施中に支援機関への相談や進捗報告も並行して行う

“運用ミス=補助金不支給や一部返還”のリスクにもつながるため、記録管理の徹底と内部連携が不可欠です。

補助金活用後の成果測定と社内共有の方法

補助金を使って終わりでは、社内に知見が残らず、効果も限定的になってしまいます。

そこで重要になるのが、「補助金活用によって得られた成果を数値・ストーリーで可視化すること」です。

成果測定の主な指標

新規販路の獲得件数
海外売上の増加額や比率
SNSフォロワー増加数・広告CV率
展示会での商談件数と受注数
海外拠点での問い合わせ件数

これらのデータは、今後の戦略判断に役立つだけでなく、次回の補助金申請時の説得材料としても強力な武器になります。

社内共有のすすめ

成果報告会や振り返り会を実施(担当部署だけでなく全社対象)
数字とともに「現場の声」「成功要因」「課題」を共有
成果を社内レポート・ナレッジとして文書化して蓄積

これにより、社内の海外志向・チャレンジ意欲を醸成し、次の展開への土壌が育ちます。

次の海外展開ステップにつなげる発展戦略

補助金を一度活用すると、海外事業に必要な基盤・知見・ネットワークが手に入りやすくなります。

そのため、“一過性の取組み”にせず、次の展開につなげる戦略構築が大切です。

発展戦略の例

海外での受注実績を元に現地法人・代理店契約の本格化
第2国への展開(たとえば東南アジア→欧州など)
製品ラインの多言語展開やローカライズ拡充
今回の成果を活かして、他の補助金制度(例:JAPANブランド育成支援等)へ申請

また、今回得たパートナーや現地顧客のフィードバックをもとに、商品やサービスを再構成し、より現地に適したモデルへと深化させる動きも有効です。

補助金は「使い方次第」で未来が変わる

補助金に採択された時点でスタートを切った企業には、実行→評価→拡大という次のステージが待っています。
そこで成果を出せるかどうかは、次のポイントにかかっています。

・日々の記録と報告体制を整える
・成果を数値化し、社内にしっかり還元する
・補助金を足がかりに、さらに海外展開を進化させる視点を持つ

補助金は単なる支援金ではなく、企業の成長戦略そのものを形にする“レバレッジ”です。

採択後の運用を成功させることが、今後のグローバルビジネスの展望を切り開く鍵となります。

自社にも可能性があると感じた今が、海外展開のスタートライン

この記事では、中小企業等海外展開支援事業費補助金の採択事例を中心に、制度の概要から申請戦略、そして運用後の活かし方まで、包括的に解説しました。

補助金は「資金支援」であると同時に、企業の挑戦を後押しする戦略的なツールです。

以下のポイントをおさらいしておきましょう

・補助金の仕組みと目的を理解し、自社が対象になり得るかを把握することが第一歩
・実際に採択された事例から、具体的な展開イメージを掴むことで、「自社にもチャンスがある」と実感できる
採択されるためには、事業計画の構成・審査基準の理解・専門家の活用がカギ
不採択を避けるには、あいまいさや対象外経費の記載に注意し、「伝わる申請書」を意識する
補助金の活用は、資金調達・リスク軽減・ブランド強化・ネットワーク構築など、多くの経営的メリットを生む
現地調査やセミナーへの参加など、今すぐにできる行動から未来の展開が広がる
採択後は、実施体制の構築や成果の見える化、次への発展戦略まで視野に入れることが重要

「自社のような小さな会社でも海外展開はできるのか?」

答えはYESです。

補助金という追い風を活かせば、不可能が可能に変わる瞬間がきっと訪れます。

情報を得ただけで終わらず、まずは一歩行動してみること。

それが、次のチャンスを引き寄せるスタートになります。

ぜひこの記事をきっかけに、自社の未来を広げる第一歩を踏み出してください。

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