新事業進出補助金とは、中小企業等が既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業へ進出するための設備投資などを支援する補助金です。
ただし、旧「新事業進出補助金」は2026年6月で公募を終了しています。これから申請を検討する場合は、今後実施される「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の公募要領を確認する必要があります。
新しい制度では、技術的革新性のある製品・サービス開発や、新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた設備投資などが支援対象として案内されています。
申請を検討する際は、制度名だけで判断しないことが大切です。
「新事業進出補助金」と検索して出てくる情報には、旧制度の内容が含まれている場合があります。
まずは、現在申請できる制度なのかを確認しましょう。
そのうえで、対象者、基本要件、補助対象経費、申請手順、注意点を整理する必要があります。
新事業進出補助金とは、既存事業と異なる新市場への挑戦を支援する制度

新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新たな市場や高付加価値事業へ進出するための投資を支援する制度です。
単なる設備更新や既存商品の販売強化ではなく、新しい製品・サービスや新規顧客層への展開が重視されます。
新製品・新サービスを新規顧客へ提供する取り組みが対象
新事業進出補助金で重視されるのは、既存事業とは異なる新しい取り組みです。
たとえば、これまで店舗販売だけを行っていた事業者が、新たにEC販売を始める場合です。
また、既存の製造技術を活用して、これまで扱っていなかった製品を開発する場合も考えられます。
対象になりやすい取り組みの方向性は、次の通りです。
- 新製品の開発
- 新サービスの提供
- 新たな販売方法への転換
- 新規顧客層への展開
- 高付加価値な事業分野への進出
- 既存技術を活用した新市場開拓
一方で、既存商品の増産だけでは弱くなります。
たとえば、今まで販売していた商品を同じ顧客に向けて多く作るだけでは、新事業進出として説明しにくくなります。
「何が新しいのか」「誰に新しく提供するのか」を整理しましょう。
企業規模の拡大・付加価値向上・賃上げにつなげることが目的
新事業進出補助金は、新しい事業に挑戦するためだけの制度ではありません。
新事業への投資を通じて、付加価値の向上や賃上げにつなげることも求められます。
新制度では、中小企業等が技術的革新性のある製品・サービス開発、新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に取り組む際の設備投資等を支援すると案内されています。
そのため、申請時には次のような内容を整理する必要があります。
| 確認項目 | 内容 |
| 新規性 | 既存事業と何が違うか |
| 市場性 | 誰に向けて販売するか |
| 収益性 | 売上や利益がどう伸びるか |
| 付加価値 | 事業の稼ぐ力がどう高まるか |
| 賃上げ | 従業員の処遇改善につながるか |
「新しいことを始めたい」という意欲だけでは足りません。
売上、利益、雇用、賃上げなどにどう結びつくのかを説明できる計画が必要です。
旧制度は公募終了し、今後は統合後の新制度を確認する
旧「新事業進出補助金」は、2026年6月をもって公募を終了しています。
これから申請を検討する場合は、旧制度の情報ではなく、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の最新情報を確認しましょう。中小企業庁は、同補助金の第1回公募要領を公開し、申請受付期間を2026年8月31日から9月30日までと案内しています。
旧制度と新制度は、名前が似ていても同じ内容とは限りません。
確認すべき資料は、次の通りです。
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公式サイト
- 最新の公募要領
- 資料ダウンロードページ
- 申請手続きに関する案内
- FAQ
- 中小企業庁の公募情報
古い記事の補助額や要件をそのまま使うと、現在の制度内容とズレる可能性があります。
申請前には必ず公式資料を確認してください。
新事業進出補助金の対象者

新事業進出補助金の対象者は、主に中小企業や小規模事業者です。
ただし、すべての事業者が対象になるわけではありません。企業規模や事業内容によって、対象外となる場合があります。
中小企業・小規模事業者などが対象になる
新事業進出補助金は、中小企業等の前向きな投資を支援する制度です。
対象になる事業者は、制度ごとの公募要領で定められます。
法人だけでなく、条件を満たす小規模事業者も対象に含まれる可能性があります。
確認したい項目は、次の通りです。
- 中小企業の定義に該当するか
- 小規模事業者に該当するか
- 国内で事業を行っているか
- 申請対象外事業者に該当しないか
- 補助事業を実施できる体制があるか
- 公募要領で定められた要件を満たすか
制度によって、資本金や従業員数の基準が変わります。
自社が対象になるかは、公募要領の「補助対象者」の項目で確認しましょう。
みなし大企業や一部の事業者は対象外になる
新事業進出補助金は、中小企業等の新たな挑戦を支援する制度です。
そのため、実質的に大企業の支配を受けている事業者や、公募要領で対象外とされる事業者は申請できない場合があります。
確認が必要な例は、次の通りです。
- 大企業に該当する事業者
- みなし大企業に該当する事業者
- 反社会的勢力と関係がある事業者
- 税金の未納がある事業者
- 補助金の目的に合わない事業者
- 公募要領で対象外とされる業種・事業者
特に、グループ会社や親会社がある場合は注意が必要です。
自社単体では中小企業に見えても、資本関係によって対象外になることがあります。
1次産業を主たる事業とする場合は対象外に注意する
農業、林業、漁業などの1次産業を主たる事業とする場合は、対象外となる可能性があります。
ただし、加工、販売、サービス展開など、事業内容によって判断が変わることがあります。
たとえば、農産物をそのまま生産・販売するだけなのか、加工品の開発や新たな販売チャネルの構築を行うのかで、確認すべき内容が異なります。
申請前には、次の点を整理しましょう。
- 主たる事業は何か
- 新たに取り組む事業は何か
- 既存事業との違いは何か
- 新市場や新規顧客への展開があるか
- 公募要領上、対象外に該当しないか
1次産業に関係する事業者は、自己判断で進めず、公式資料や支援機関で確認するのが安全です。
新事業進出補助金の基本要件

新事業進出補助金では、新事業進出に該当する取り組みであることに加え、付加価値額や賃上げなどの要件確認が必要です。
要件を満たさない計画は、補助対象として弱くなります。
新事業進出要件では新製品・新サービスと新規顧客が求められる
新事業進出要件では、既存事業とは異なる新たな製品・サービスや、新規顧客層への展開が求められます。
単なる既存事業の拡大ではなく、事業の方向性が変わる取り組みであることを示す必要があります。
たとえば、次のような違いを明確にしましょう。
| 確認項目 | 説明すべき内容 |
| 新製品・新サービス | 既存の商品やサービスと何が違うか |
| 新規顧客 | これまでの顧客層とどう違うか |
| 新市場 | どの市場へ進出するか |
| 提供方法 | 販売方法やサービス提供方法がどう変わるか |
| 収益計画 | 新事業でどのように売上を作るか |
たとえば、飲食店が既存メニューを増やすだけでは、新事業進出として弱くなります。
一方で、冷凍食品を開発してEC販売を始める場合は、商品、販売方法、顧客層の変化を説明しやすくなります。
付加価値額の年平均成長率を満たす計画が必要
新事業進出補助金では、付加価値額の成長を示す計画が求められます。
付加価値額とは、事業が生み出す価値を示す指標です。売上だけでなく、営業利益や人件費、減価償却費などが関係します。
申請時には、新事業によって付加価値がどのように増えるのかを説明します。
確認したい内容は、次の通りです。
- 現在の売上・利益
- 新事業の売上見込み
- 必要な設備投資額
- 人件費や外注費の変化
- 生産性の向上
- 計画期間中の成長率
「新事業を始めるので売上が伸びる」という説明だけでは不十分です。
どの商品を、誰に、どの価格で、どのくらい販売するのか。
その結果、付加価値額がどのように伸びるのか。
数字で示せる計画にしましょう。
賃上げ・最低賃金・ワークライフバランス要件も確認する
新事業進出補助金では、賃上げや最低賃金、ワークライフバランスに関する要件も確認が必要です。
補助金は設備投資だけでなく、企業の成長や従業員の処遇改善につなげることも目的としています。
確認したい項目は、次の通りです。
- 賃上げ要件
- 事業場内最低賃金要件
- ワークライフバランスに関する要件
- 従業員数
- 賃金台帳や労働者名簿
- 計画期間中の達成見込み
従業員がいる事業者は、賃上げ要件を軽く見ない方がよいです。
要件を満たせない場合、返還リスクが生じることがあります。
制度によって条件や扱いが変わるため、最新の公募要領で必ず確認しましょう。
新事業進出補助金の補助額・補助率

新事業進出補助金の補助額・補助率は、従業員数や特例の有無、公募回によって変わります。
具体的な金額は、最新の公募要領で確認してください。
補助上限額は従業員数や特例の有無で変わる
補助上限額は、申請する制度や従業員数、特例の有無によって異なります。
従業員数が多いほど、補助上限額が変わる制度設計になることがあります。
また、賃上げに関する特例を利用する場合、補助上限が変わることもあります。
確認したい項目は、次の通りです。
- 申請する公募回
- 申請する枠
- 従業員数
- 特例の有無
- 補助上限額
- 補助下限額
- 補助対象経費の範囲
補助額だけを見て申請を決めるのは危険です。
上限額が大きくても、要件を満たせなければ申請できません。
補助率は制度・公募回ごとに確認する
補助率は、公募回や制度設計によって変わります。
同じ「新事業進出」に関する補助金でも、旧制度と新制度では内容が異なる可能性があります。
そのため、古い記事に掲載された補助率をそのまま使わないようにしましょう。
補助率を確認するときは、次の点も合わせて見てください。
- どの経費が補助対象か
- 対象外経費が含まれていないか
- 補助下限額を満たすか
- 交付決定前に契約・発注していないか
- 実績報告で証拠書類を出せるか
補助率が高くても、対象経費として認められなければ補助金は受け取れません。
補助率と経費区分はセットで確認しましょう。
補助金は後払いのため自己資金も必要になる
新事業進出補助金は、基本的に後払いです。
採択された後にすぐ入金されるわけではありません。
交付申請、交付決定、事業実施、実績報告、精算払請求を経て、認められた経費に対して支払われます。
そのため、設備投資や外注費を先に支払う資金が必要です。
確認したい資金計画は、次の通りです。
- 自己資金はいくら用意できるか
- 支払い時期はいつか
- 補助金の入金時期はいつか
- つなぎ融資が必要か
- 対象外経費を自己負担できるか
- 返還リスクに備えられるか
補助金を前提に資金繰りを組みすぎると、採択後に支払いで苦しくなることがあります。
申請前に、入金までの資金計画を立てておきましょう。
新事業進出補助金の補助対象経費

新事業進出補助金では、新事業に必要な設備投資やシステム構築、建物関連費用などが対象になり得ます。
ただし、経費名だけで判断せず、新事業との関係を説明できるかが重要です。
機械装置・システム構築費と建物費は重要な経費区分
機械装置・システム構築費と建物費は、新事業進出補助金で特に確認したい経費区分です。
新しい製品を作るための機械、新サービスを提供するためのシステム、新事業に必要な施設改修などが該当する可能性があります。
対象になり得る例は、次の通りです。
- 新製品の製造に必要な機械装置
- 新サービス提供に必要なシステム
- 新事業用の加工設備
- 販売施設や作業場の改修
- 専用設備の導入
- 生産性向上につながるシステム構築
ただし、既存設備の単なる置き換えは対象外になりやすいです。
また、建物の購入や賃貸そのものは対象外として扱われることがあります。
「新事業に必要な投資か」を明確にしましょう。
運搬費・技術導入費・知的財産等関連経費・外注費も対象になり得る
新事業に必要な運搬費、技術導入費、知的財産等関連経費、外注費なども対象になることがあります。
たとえば、新製品開発に必要な設計を外注する場合です。
また、専門技術の導入や、知的財産に関する手続きが必要になる場合もあります。
経費を整理するときは、次のように分けると分かりやすくなります。
| 経費区分 | 内容の例 | 確認すべき点 |
| 運搬費 | 機械装置の搬入 | 補助対象設備に関係するか |
| 技術導入費 | 専門技術の導入 | 新事業に必要か |
| 知的財産関連経費 | 特許・商標など | 補助事業と関係するか |
| 外注費 | 加工・設計・開発委託 | 自社で実施できない理由があるか |
経費を広く入れすぎると、交付申請で修正が必要になることがあります。
補助事業に直接必要な経費だけを整理しましょう。
単なる設備更新や建物の購入・賃貸は対象外になりやすい
対象外になりやすい経費も、申請前に確認しておく必要があります。
特に注意したいのは、既存事業の維持に近い支出です。
対象外になりやすい例は、次の通りです。
- 既存設備の単なる買い替え
- 建物の購入
- 建物の賃貸費用
- 汎用的な備品
- 消耗品
- 人件費
- 通常の広告宣伝費
- 補助事業と関係の薄い外注費
- 交付決定前に契約・発注した費用
補助金は、新事業に必要な投資を支援する制度です。
日常的な維持費や、既存事業にも使える汎用品は対象外になりやすくなります。
申請前に、対象経費と対象外経費を分けておきましょう。
新事業進出補助金の申請から入金までの流れ

新事業進出補助金は、申請して採択されれば終わりではありません。
GビズIDの準備、電子申請、採択後の交付申請、実績報告、精算払請求まで流れを理解しておく必要があります。
公募要領を確認してGビズIDを準備する
申請前に、まず公募要領を確認し、GビズIDを準備します。
電子申請では、GビズIDプライムが必要になることがあります。
取得に時間がかかる場合があるため、申請直前ではなく早めに確認しましょう。
確認したい内容は、次の通りです。
- 最新の公募要領
- 申請受付期間
- 補助対象者
- 基本要件
- 補助対象経費
- 必要書類
- GビズIDの取得状況
- 電子申請の方法
中小企業庁の公募情報では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の申請受付期間が2026年8月31日から9月30日までと案内されています。
締切直前に準備を始めると、書類やID取得が間に合わないことがあります。
事業計画書・見積書・必要書類をそろえて電子申請する
申請では、事業計画書、見積書、必要書類をそろえて電子申請します。
特に事業計画書では、新事業の内容、対象市場、売上見込み、経費の使い道、付加価値向上の計画を説明します。
準備する可能性がある書類は、次の通りです。
- 事業計画書
- 見積書
- 決算書
- 労働者名簿
- 金融機関による確認書
- 賃金引上げに関する資料
- 導入設備の仕様書
- 経費の根拠資料
新制度の資料ダウンロードページでは、公募要領のほか、労働者名簿、金融機関による確認書、リース取引に係る宣誓書などの様式が公開されています。
必要書類は公募回によって変わるため、必ず最新の資料を確認してください。
採択後は交付申請・実績報告・精算払請求を行う
採択後は、交付申請、交付決定、補助事業の実施、実績報告、精算払請求へ進みます。
採択された時点で、すべての経費が補助対象として確定するわけではありません。
交付申請や実績報告で、経費の妥当性や証拠書類が確認されます。
一般的な流れは次の通りです。
- 公募要領の確認
- GビズIDの準備
- 事業計画書・必要書類の作成
- 電子申請
- 採択結果の確認
- 交付申請
- 交付決定
- 契約・発注・補助事業実施
- 実績報告
- 精算払請求
- 補助金の入金
- 事業化状況報告
補助金は後払いのため、入金前に支払いが発生します。
採択後の流れまで確認したうえで申請しましょう。
新事業進出補助金を申請する際の注意点

新事業進出補助金では、交付決定前の契約・発注、賃上げ要件の未達、旧制度情報の利用に注意が必要です。
制度内容を誤って理解すると、対象外や返還リスクにつながります。
交付決定前に契約・発注した経費は対象外になる
交付決定前に契約・発注した経費は、補助対象外になるため注意が必要です。
公式スケジュールでも、交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外と案内されています。
よくある失敗は、次の通りです。
- 採択前に設備を注文する
- 交付決定前に工事契約を結ぶ
- 先にシステム開発を発注する
- 支払いだけ後ならよいと考える
- 口頭発注だから問題ないと思い込む
- 賃貸契約や購入契約を先に済ませる
補助金では、支払い日だけでなく、契約日や発注日も確認されます。
急いで事業を進めたい場合でも、補助対象にしたい経費は交付決定後に進める必要があります。
賃上げ要件などが未達の場合は返還リスクがある
賃上げ要件などを満たせない場合、補助金の返還が必要になることがあります。
新事業進出補助金は、企業の成長や従業員の処遇改善につなげる制度です。
そのため、賃上げや最低賃金に関する要件は慎重に確認しましょう。
確認したい項目は、次の通りです。
- 賃上げ要件の内容
- 事業場内最低賃金要件
- 従業員数
- 賃金台帳
- 労働者名簿
- 計画期間中の達成見込み
- 未達時の返還条件
無理な賃上げ計画で申請すると、採択後に負担が大きくなります。
売上計画、人件費、利益見込みを照らし合わせて、実行できる計画にしましょう。
旧制度の情報だけで申請準備を進めない
旧「新事業進出補助金」は公募を終了しています。これから申請する場合は、統合後の新制度や最新公募の情報を確認してください。
古い情報で間違えやすい内容は、次の通りです。
- 制度名
- 公募回
- 申請受付期間
- 補助上限額
- 補助率
- 対象者
- 基本要件
- 対象経費
- 必要書類
- 申請方法
補助金制度は、年度や公募回で内容が変わります。
検索で見つけた記事だけで判断せず、中小企業庁の公募情報、補助金公式サイト、公募要領、FAQを確認しましょう。
新事業進出補助金と関連制度の違い

新事業進出補助金は、事業再構築補助金やものづくり補助金と混同されやすい制度です。
制度名が似ていても、目的や公募時期、対象となる取り組みは異なります。
事業再構築補助金とは目的と制度時期が異なる
事業再構築補助金と新事業進出補助金は、どちらも新たな事業展開を支援する制度として扱われてきました。
ただし、制度の目的や公募時期、対象要件は同じではありません。
事業再構築補助金は、ポストコロナを見据えた事業再構築支援として実施されてきた制度です。
一方、新事業進出補助金は、既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出を後押しする制度として案内されてきました。
比較すると、次のように整理できます。
| 項目 | 確認内容 |
| 事業再構築補助金 | 事業再構築の定義や枠ごとの要件を確認 |
| 新事業進出補助金 | 新市場・高付加価値事業への進出を確認 |
| 共通点 | 新たな事業展開や設備投資を支援 |
| 注意点 | 制度名・要件・公募時期を混同しない |
過去制度の情報を比較するときは、申請できる公募が現在あるかを優先して確認しましょう。
ものづくり補助金とは統合後の新制度で関係が深くなる
ものづくり補助金とは、中小企業等の革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善などを支援する補助金として知られています。
2026年以降は、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として、新事業進出に関する支援とものづくり補助金が統合された制度を確認する必要があります。
新制度では、技術的革新性のある製品・サービス開発や、新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた設備投資等が支援対象として案内されています。
そのため、これから申請する事業者は、旧制度だけでなく統合後の公募要領を確認しましょう。
新制度では新事業進出枠の公募要領を確認する
新制度で申請を検討する場合は、新事業進出枠の公募要領を確認しましょう。
公式サイトでは、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の特設サイトが開設され、資料ダウンロードページで第1回公募要領などが公開されています。
確認すべき資料は、次の通りです。
- 第1回公募要領
- 新市場・高付加価値事業の考え方
- 労働者名簿
- 金融機関による確認書
- リース取引に係る宣誓書
- 申請受付期間
- FAQ
- 事務局からのお知らせ
特に、新市場・高付加価値事業の考え方は、新事業進出の該当性を判断するうえで役立ちます。
申請内容が制度の目的に合っているか、早い段階で確認しましょう。
新事業進出補助金に関するよくある質問

新事業進出補助金では、既存商品の増産、従業員の有無、建物契約のタイミングで迷う事業者が多くいます。
申請前に、よくある疑問を整理しておきましょう。
既存商品の増産だけでも対象になる?
既存商品の増産だけでは、新事業進出として弱くなります。
新事業進出では、新製品・新サービス、新規顧客、新市場への展開が求められます。
既存商品を同じ顧客に向けて増産するだけでは、制度の目的に合いにくくなります。
ただし、既存技術を活用して新商品を作り、これまでとは異なる顧客層へ販売する場合は、検討対象になります。
判断する際は、次の点を確認しましょう。
- 商品やサービスに新規性があるか
- 既存顧客とは異なる顧客層へ提供するか
- 新市場への展開と説明できるか
- 設備投資が新事業に必要か
- 付加価値向上につながるか
「増産」ではなく「新事業進出」として説明できるかが分かれ目です。
従業員がいない事業者でも申請できる?
従業員がいない事業者でも、制度上の対象者に該当し、要件を満たせば申請を検討できます。
ただし、従業員数は補助上限額や必要書類、賃上げ要件の確認に関係します。
従業員がいない場合でも、次の点を整理しておきましょう。
- 事業を実施できる体制があるか
- 外注や設備でどの作業を補うか
- 売上計画に無理がないか
- 賃上げ要件の扱いを確認したか
- 労働者名簿など必要資料の扱いを確認したか
- 公募要領で対象者に該当するか
従業員がいないことだけで判断せず、事業計画全体の実行可能性を確認しましょう。
建物の契約を申請前に済ませた場合は対象になる?
交付決定前に契約・発注した建物関連費用は、補助対象外になる可能性が高くなります。
公式でも、交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外と案内されています。
建物費を申請する場合は、特にタイミングに注意が必要です。
確認したい内容は、次の通りです。
- 契約日
- 発注日
- 支払日
- 交付決定日
- 建物費の対象範囲
- 建物購入・賃貸に該当しないか
- 工事内容が新事業に必要か
「採択されそうだから先に契約する」は危険です。
補助対象にしたい経費は、必ず交付決定後に進める前提でスケジュールを組みましょう。
新事業進出補助金とは何かを理解したら、最新公募と公式資料を確認する

新事業進出補助金とは、中小企業等が既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業へ進出するための投資を支援する制度です。
ただし、旧「新事業進出補助金」は2026年6月で公募終了しています。これから申請を検討する場合は、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の最新公募情報を確認しましょう。
申請前に確認すべき内容は、次の通りです。
- 現在申請できる制度か
- 対象者に該当するか
- 新事業進出要件を満たすか
- 付加価値額の成長計画を示せるか
- 賃上げや最低賃金要件を満たせるか
- 補助対象経費と対象外経費を分けられるか
- 交付決定前に契約・発注していないか
- 後払いに備えた資金計画があるか
- 最新の公募要領・FAQを確認しているか
特に注意したいのは、旧制度の情報だけで申請準備を進めないことです。
制度名、対象者、補助額、補助率、要件、申請期間は、公募回によって変わります。
検索で見つけた情報を参考にする場合でも、最終確認は公式資料で行ってください。
新しい制度では、第1回公募要領や関連様式が公開されています。公募要領、資料ダウンロードページ、中小企業庁の公募情報を確認し、自社の計画が制度の目的に合っているかを整理してから申請準備を進めましょう。
