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個人事業主が持続化補助金でできることとは?活用例や申請の流れを解説

個人事業主が売上を伸ばすためには、新しい顧客への広告、商品の開発、店舗の改装など、さまざまな投資が必要です。

しかし、日々の仕入れや固定費を支払いながら、新たな取り組みにまとまった資金を使うのは簡単ではありません。

「オンライン販売を始めたいが、サイト制作費を負担できない」

「新しいサービスを導入したいが、必要な設備が高い」

このような悩みを抱える個人事業主が活用できる制度の一つが、小規模事業者持続化補助金です。

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら作成した経営計画に基づいて行う販路開拓などを支援する制度です。法人だけでなく、要件を満たす個人事業主も申請できます。

ただし、補助金は自由に使える事業資金ではありません。

現在の経営課題を解決し、新規顧客の獲得や売上の拡大につながる取り組みであることが求められます。

本記事では、個人事業主が持続化補助金でできることを中心に、具体的な活用例やメリット、申請から受給までの流れを解説します。

なお、申請できる個人事業主の条件や従業員数の基準については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:
持続化補助金を個人事業主が申請する条件とは?必要書類もわかりやすく解説

目次

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が持続的に経営を続けていくための販路開拓などを支援する制度です。

単に経営が苦しい事業者へ現金を支給するものではありません。

自社の経営状況を分析し、今後の売上や顧客を増やすための計画を作成したうえで、その実施に必要な経費の一部が補助されます。

個人事業主も活用できる販路開拓の支援制度

小規模事業者持続化補助金は、会社を設立している法人だけの制度ではありません。

店舗を経営する自営業者や、個人でサービスを提供するフリーランスなども、所定の条件を満たせば申請できます。

対象になり得る個人事業主の例は、次のとおりです。

  • 飲食店や小売店の経営者
  • 美容室やネイルサロンの経営者
  • 建設業や製造業を営む事業者
  • カメラマンやデザイナー
  • Web制作やシステム開発を行う事業者
  • コンサルタントや各種講師
  • 修理業やクリーニング業などのサービス事業者
  • オンラインショップの運営者

店舗を持っていなくても、継続的に事業を営んでいることを確認できれば、対象になる可能性があります。

一方で、個人事業主というだけで申請できるわけではありません。

業種ごとの従業員数や事業実態など、複数の要件を満たす必要があります。詳しい条件は、関連記事をご確認ください。

関連記事:
持続化補助金を個人事業主が申請する条件とは?必要書類もわかりやすく解説

販路開拓につながる取り組みが対象になる

持続化補助金の中心となる目的は、販路開拓です。

販路開拓とは、新しい顧客を獲得したり、新たな販売方法を始めたりする取り組みを指します。

例えば、次のような事業です。

  • 新商品のチラシを作成する
  • インターネット広告を配信する
  • ECサイトを開設する
  • 店舗へ新しい販売スペースを設ける
  • 展示会へ出展する
  • 新サービスを提供するための設備を導入する
  • 新たな顧客層向けの商品を開発する

持続化補助金では、持続的な経営に向けて、事業者が策定した経営計画に基づく販路開拓などが支援されます。

そのため、設備の購入やWebサイトの制作自体が目的ではありません。

何のために導入し、どのような顧客を獲得するのかまで明確にする必要があります。

業務効率化だけを目的とした制度ではない

持続化補助金では、販路開拓とあわせて行う業務効率化も対象になる場合があります。

例えば、新規顧客が増えた後の予約や受注に対応するため、管理システムを導入するケースです。

次のような取り組みが考えられます。

  • EC販売に対応する包装設備を導入する
  • 新規予約を管理するシステムを導入する
  • 新商品の製造時間を短縮する機械を導入する
  • 新たな受注に対応する生産管理システムを導入する

ただし、現在の事務作業を楽にするだけの計画では、販路開拓との関係が弱くなります。

効率化によって生まれた時間や生産能力を、どのように売上拡大へつなげるのかを説明しましょう。

補助金は原則として後払い

持続化補助金は、採択された直後に振り込まれるものではありません。

一般的には、交付決定後に補助事業を実施し、対象となる経費を事業者が先に支払います。

その後、実績報告を提出し、補助金額が確定してから入金されます。

例えば、100万円の設備を購入する場合、補助予定額を差し引いた金額だけを用意すればよいわけではありません。

設備代や消費税などを含め、一度は自分で支払う必要があります。

補助金を活用する場合も、事業実施時に必要となる資金を確保しておきましょう。

個人事業主が持続化補助金でできること

持続化補助金は、個人事業主の販路開拓に必要なさまざまな取り組みに活用できる可能性があります。

ただし、同じ経費でも、事業目的によって対象になる場合とならない場合があります。

ここでは、代表的な活用方法を紹介します。

チラシやパンフレットを制作する

新しい商品やサービスを顧客へ知らせるためのチラシ、パンフレットなどに活用できる可能性があります。

例えば、次のような制作物です。

  • 新商品の案内チラシ
  • 新規顧客向けの店舗パンフレット
  • テイクアウトメニュー
  • サービス内容を紹介する冊子
  • 展示会で配布する営業資料
  • 外国人観光客向けの多言語メニュー

重要なのは、通常の会社案内ではなく、新規顧客の獲得を目的とした内容であることです。

すでに利用している顧客へ、日常的な案内を送るだけでは、販路開拓との関係を説明しにくくなります。

誰に配布し、どのような行動を促すのかまで計画しましょう。

WebサイトやECサイトを制作する

個人事業主が新しい販売方法を始めるため、WebサイトやECサイトを制作する取り組みも考えられます。

例えば、次のような活用方法があります。

  • 店舗販売の商品をオンラインでも販売する
  • 新サービス専用の紹介ページを作る
  • 予約受付ができるWebサイトを作る
  • 海外顧客向けの多言語ページを作る
  • 既存サイトへ新商品の購入機能を追加する

Webサイトを作っただけで、自動的に顧客が増えるわけではありません。

検索、SNS、広告などを通じて、サイトへどのように集客するかも必要です。

サイトへ訪れた人が商品を購入したり、問い合わせたりするまでの流れを考えましょう。

インターネット広告を出稿する

新規顧客の獲得を目的とするインターネット広告も、対象になる可能性があります。

主な例は次のとおりです。

  • 検索連動型広告
  • SNS広告
  • 動画広告
  • 地域を限定したWeb広告
  • 新商品を紹介する記事広告

広告を出す場合は、対象となる顧客を明確にすることが重要です。

「多くの人に知ってもらう」という目的だけでは、効果を測定できません。

例えば、次のように具体化します。

  • 店舗から半径5km以内に住む30代の女性
  • 法人向けに業務効率化サービスを探している担当者
  • 全国の特産品に関心がある消費者
  • 子育て世帯向けの商品を探している保護者

広告を見た人をどのページへ誘導し、何件の購入や問い合わせを目指すのかも決めておきましょう。

店舗を改装する

新しい顧客層を獲得するための店舗改装も、活用方法の一つです。

例えば、次のような改装が考えられます。

  • 飲食店へテイクアウト専用窓口を設ける
  • 美容室へ新メニュー用の施術スペースを作る
  • 小売店の商品陳列を見直す
  • 高齢者が来店しやすいよう段差を解消する
  • 店舗の一部を新商品の販売スペースへ変更する
  • 外国人観光客向けの案内表示を設置する

単に古くなった壁紙を張り替えるなど、元の状態へ戻す修繕だけでは、販路開拓との関係が弱くなります。

改装後にどのような商品やサービスを提供し、どの顧客を増やすのかを説明する必要があります。

新商品や新サービスを開発する

持続化補助金は、新しい商品やサービスを開発し、販路を広げる取り組みにも活用できます。

例えば、次のようなケースです。

  • 飲食店が持ち帰り用の新商品を開発する
  • 菓子店がオンライン販売向けの商品を開発する
  • 美容サロンが新しい施術メニューを作る
  • 製造業者が一般消費者向けの商品を開発する
  • デザイナーが法人向けの新サービスを始める
  • 講師がオンライン講座を新たに販売する

新商品を開発する場合は、顧客ニーズを確認しましょう。

事業者が作りたいものではなく、顧客が必要としている商品やサービスであることが重要です。

試作品の開発、パッケージデザイン、性能試験など、販売開始までに必要な工程を整理します。

展示会や商談会へ出展する

新たな取引先を獲得するための展示会や商談会への出展も、販路開拓に該当する可能性があります。

主な費用として考えられるのは、次のようなものです。

  • 展示会の出展料
  • ブースの設営費
  • 商品の運搬費
  • 商談用パンフレットの制作費
  • 展示用パネルの制作費
  • オンライン展示会の参加費

参加するだけでなく、展示会後の営業方法も決めておきましょう。

名刺交換をした相手へ連絡する、試作品を送る、個別商談を設定するなど、その後の行動が受注につながります。

新たな販路に必要な設備を導入する

新商品や新サービスの提供に必要な設備も、対象になる可能性があります。

例えば、次のような設備です。

  • 新商品を作るための製造機械
  • テイクアウト商品の包装機
  • 新メニューに必要な業務用調理機器
  • 新しい施術サービスに必要な専門機器
  • 新規顧客向け商品の展示設備
  • EC販売の商品を梱包する設備

設備の導入によって、既存業務が楽になるだけでは不十分です。

どの新商品やサービスを提供するために必要なのかを明確にします。

また、パソコン、スマートフォン、自動車など、事業以外にも使用できる汎用品は対象外になりやすいため注意が必要です。

販路開拓に伴う業務を効率化する

販路を広げると、受注、製造、予約、発送などの業務量も増えます。

増加する業務に対応するための効率化も、販路開拓と一体の取り組みとして検討できます。

例えば、次のようなケースです。

  • ECサイトからの注文を管理するシステム
  • 新規予約を自動で受け付けるシステム
  • 新商品の製造時間を短縮する設備
  • 注文増加に対応する在庫管理システム
  • 発送作業を短縮する包装機

業務効率化だけを目的にせず、販路開拓によって増える業務へ対応するために必要であることを説明しましょう。

業種別に見る個人事業主の活用例

同じ持続化補助金でも、業種によって適した活用方法は異なります。

自分の事業に近い例を参考にしながら、現在の課題と必要な取り組みを整理しましょう。

飲食店がテイクアウト販売を始める

店内飲食を中心に営業している飲食店が、新たにテイクアウト販売を始めるケースです。

次のような取り組みが考えられます。

  • 持ち帰り用メニューの開発
  • 包装容器のデザイン
  • テイクアウト窓口の設置
  • 新メニューのチラシ制作
  • 地域向けのSNS広告
  • 予約受付ページの制作

これまで来店できなかった会社員や子育て世帯など、新しい顧客層へ販売できます。

単に店舗を改装するのではなく、テイクアウト事業によってどの程度の注文を見込むかを計画しましょう。

美容室やサロンが新メニューを導入する

美容室やサロンが、新しい施術やサービスを始めるケースです。

例えば、次のような活用方法があります。

  • 新メニューに必要な専門設備
  • 施術スペースの改装
  • 新規顧客向けの広告
  • 予約システムの導入
  • 新メニューを紹介するWebページ
  • 店頭看板やパンフレットの制作

既存顧客へ従来と同じサービスを提供するだけではなく、新しいメニューによって別の顧客層を獲得する計画が必要です。

新メニューの価格、対応できる人数、施術にかかる時間も確認しましょう。

小売店がEC販売を始める

実店舗だけで商品を販売している小売店が、オンライン販売を始めるケースです。

主な取り組みは次のとおりです。

  • ECサイトの制作
  • 商品写真の撮影
  • 商品紹介ページの作成
  • オンライン広告
  • 包装・発送設備の導入
  • 新しいパッケージの制作

オンライン販売によって、店舗の商圏外にいる顧客へ商品を販売できます。

ただし、受注後には在庫管理、梱包、発送、問い合わせ対応などの業務が発生します。

サイト制作後の運営体制まで考えておきましょう。

士業やコンサルタントが新規顧客を獲得する

士業やコンサルタントなど、専門サービスを提供する個人事業主も、販路開拓へ活用できます。

例えば、次のような取り組みです。

  • 新しい相談サービスの開発
  • サービス紹介ページの制作
  • 法人顧客向けのパンフレット
  • セミナーの開催
  • オンライン相談の予約システム
  • 見込み客向けの広告

サービスの内容が分かりにくいと、顧客は依頼すべきか判断できません。

対象となる顧客、解決できる課題、料金、依頼の流れを明確に伝えることが重要です。

製造業者が一般消費者向け商品を開発する

企業からの受注を中心としていた小規模な製造業者が、自社の技術を生かして一般消費者向け商品を開発するケースです。

例えば、次のような活用方法があります。

  • 試作品の開発
  • 商品パッケージの制作
  • 製造に必要な小型機械の導入
  • ECサイトの制作
  • 展示会への出展
  • 商品を紹介する動画の制作

既存の受託加工だけでなく、自社商品という新たな収益源を作れます。

ただし、製品を作る技術だけでなく、価格設定、販売方法、在庫管理なども考える必要があります。

デザイナーやクリエイターがサービスを広げる

デザイナー、カメラマン、動画制作者などが、これまでとは異なる顧客向けに新サービスを始めるケースです。

例えば、個人向けの撮影が中心だったカメラマンが、法人向けの商品撮影サービスを始める取り組みが考えられます。

活用方法は次のとおりです。

  • 法人向けサービスページの制作
  • 営業用パンフレット
  • 作品サンプルの制作
  • 新規顧客向けの広告
  • 商談会への参加
  • オンライン予約システム

機材を購入することだけを目的にせず、新しい顧客層へ提供するサービスとの関係を示しましょう。

個人事業主が持続化補助金を利用するメリット

持続化補助金のメリットは、単に補助金を受け取れることだけではありません。

事業の現状を見直し、今後の方向性を具体化できる点も、個人事業主にとって大きな意味があります。

自己資金の負担を抑えて販路開拓できる

個人事業主は、日常の事業資金と生活資金を限られた収入から確保していることがあります。

そのため、広告や店舗改装など、将来の売上につながる投資を後回しにしがちです。

持続化補助金を活用できれば、自己資金だけで実施する場合と比べて、最終的な負担を抑えられる可能性があります。

借入金とは異なり、適切に受給した補助金は原則として返済不要です。

ただし、補助対象にならない経費や補助率に含まれない部分は自己負担となります。

新しい販売方法へ挑戦しやすくなる

現在の販売方法だけでは、顧客を増やすことが難しい場合があります。

持続化補助金を活用すれば、次のような新しい販売方法へ挑戦しやすくなります。

  • 店舗販売からEC販売へ広げる
  • 紹介中心の営業からWeb広告を活用する
  • 店内飲食にテイクアウト販売を加える
  • 地域向けサービスを全国へ提供する
  • 個人向けサービスを法人向けにも展開する

新しい販路を増やすことで、一つの顧客層や販売方法に依存するリスクを減らせます。

経営計画を見直す機会になる

持続化補助金の申請では、経営計画を作成します。

計画を作るためには、売上、顧客、市場、自社の強みなどを整理しなければなりません。

例えば、次のような点を確認できます。

  • どの商品が売上を作っているか
  • 利益率が高い商品はどれか
  • どの顧客層が多いか
  • 顧客が自社を選ぶ理由は何か
  • 新規顧客が増えない原因は何か
  • 今後伸ばすべき商品はどれか
  • どの投資を優先すべきか

日々の業務に追われていると、経営を客観的に見直す機会は少なくなります。

補助金申請を、今後の方向性を整理するきっかけとして活用できます。

商工会や商工会議所へ相談できる

持続化補助金の申請では、地域の商工会または商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼します。

第20回公募でも、電子申請システムへ経営計画と補助事業計画を入力したうえで、地域の商工会へ事業支援計画書の作成を依頼する流れが案内されています。

支援機関へ計画を説明することで、自分では気づかなかった課題が見つかる可能性があります。

また、地域の顧客動向や、ほかに利用できる支援制度について相談できる場合もあります。

個人事業主が持続化補助金を申請する流れ

持続化補助金を利用するには、申請書を提出するだけでなく、計画作成や支援機関への依頼などが必要です。

締切直前に始めると間に合わない可能性があります。

全体の流れを理解し、早めに準備しましょう。

公募要領を確認する

最初に、申請する公募回の公募要領を確認します。

確認したい主な項目は次のとおりです。

  • 対象となる事業者
  • 対象となる取り組み
  • 補助対象経費
  • 補助率と補助上限額
  • 申請受付期間
  • 事業支援計画書の発行受付期限
  • 補助事業の実施期間
  • 必要書類
  • 審査項目
  • 対象外となる経費

持続化補助金は継続的に実施されていますが、申請条件や様式は変更されることがあります。

古い記事や過去に使用した申請書ではなく、最新の資料を確認してください。

第20回公募要領は2026年5月27日に公開され、2026年7月21日には第8版へ更新されています。

経営計画を作成する

経営計画では、現在の事業内容と今後の方針をまとめます。

主な内容は次のとおりです。

  • 現在の商品・サービス
  • 主な顧客層
  • 売上や利益の状況
  • 市場や競合の動向
  • 自社の強み
  • 現在の経営課題
  • 今後の経営方針

数字や事実を並べるだけでなく、そこからどのような課題があるかを考えます。

例えば、「店舗周辺の人口が減少しているため、EC販売を始めて地域外の顧客を獲得する」という形です。

課題と今後の方針をつなげましょう。

補助事業計画を作成する

補助事業計画では、持続化補助金を活用して実施する取り組みを具体化します。

次の内容を整理してください。

  • 新たに獲得したい顧客
  • 販売する商品やサービス
  • 実施する広告や設備投資
  • 実施時期
  • 必要な経費
  • 顧客を獲得する方法
  • 売上目標
  • 期待する効果

例えば、ECサイトを制作する場合は、サイト制作だけで終わらせません。

対象となる顧客、販売する商品、集客方法、月間注文数などを記載します。

計画に具体性があるほど、取り組みの必要性と実現性が伝わりやすくなります。

見積書などを準備する

導入する設備や制作物について、金額を確認できる見積書を取得します。

見積書では、次の内容を確認しましょう。

  • 発行日
  • 宛名
  • 商品・サービス名
  • 数量
  • 単価
  • 税抜金額
  • 消費税
  • 合計金額
  • 見積書の有効期限

「Webサイト制作一式」など、内容が分からない見積書は避けましょう。

ページ数、機能、デザイン、撮影など、何にいくらかかるのかを確認できるようにします。

事業支援計画書の発行を依頼する

経営計画と補助事業計画を作成したら、事業所所在地を管轄する商工会または商工会議所へ、事業支援計画書の発行を依頼します。

第20回公募では、申請受付開始が2026年11月5日、事業支援計画書の発行受付締切が12月4日、申請受付締切が12月15日17時です。

事業支援計画書の締切は、補助金の申請締切よりも早く設定されています。

また、発行には時間がかかる場合があります。

締切日ではなく、余裕を持って依頼しましょう。

電子申請を行う

必要書類がそろったら、電子申請システムから申請します。

申請前に、入力した内容と添付書類が一致しているかを確認してください。

特に注意したい項目は次のとおりです。

  • 申請者名
  • 屋号
  • 所在地
  • 従業員数
  • 経営計画
  • 補助事業計画
  • 経費明細
  • 見積金額
  • 資金調達方法
  • 添付書類

入力途中のままでは申請が完了しません。

送信後に受付が完了していることも確認しましょう。

採択後は交付決定を待つ

審査の結果、採択された場合でも、すぐに設備を発注できるとは限りません。

採択後に交付決定通知を確認し、その後に契約や発注を行います。

採択通知と交付決定通知は別のものです。

交付決定前に契約、発注、支払いなどを行った経費は、補助対象として認められない可能性があります。

補助事業を実施する

交付決定後は、申請した計画に沿って補助事業を実施します。

次の書類を保存しておきましょう。

  • 見積書
  • 発注書
  • 契約書
  • 納品書
  • 請求書
  • 振込記録
  • 領収書
  • 制作物のデータ
  • 設備の写真
  • 広告の掲載画面

当初の計画から内容や金額を変更する場合は、自分だけで判断せず、事務局へ確認することが重要です。

実績報告後に補助金を受け取る

補助事業が完了したら、実績報告を提出します。

申請どおりに事業を行ったか、対象経費を適切に支払ったかが確認されます。

審査の結果、補助対象外と判断された経費は、採択時に計上していても支給されません。

補助金額が確定した後、所定の請求手続きを行い、指定口座へ補助金が振り込まれます。

個人事業主が持続化補助金を活用するときの注意点

持続化補助金は、個人事業主の販路開拓を後押しする制度です。

一方で、手続きの順番や経費の使い方を間違えると、補助金を受け取れない可能性があります。

申請前に、主な注意点を確認しましょう。

採択前・交付決定前に発注しない

補助金を利用する予定だからといって、先に設備や制作物を発注してはいけません。

原則として、交付決定後に契約や発注を行います。

注意したい行為は次のとおりです。

  • 設備の発注
  • Webサイト制作の契約
  • 店舗改装工事の着工
  • 広告配信の開始
  • 手付金の支払い
  • 商品開発の外注開始

販売事業者から早めの契約を求められた場合でも、補助金の手続きを優先しましょう。

補助金の入金まで立替資金が必要

持続化補助金は後払いです。

設備代や制作費などは、事業者が先に支払います。

例えば、補助対象経費が90万円であっても、補助予定額を差し引いた分だけを用意すればよいわけではありません。

事業実施時には、原則として90万円と消費税などを支払う必要があります。

補助金が振り込まれるまで、資金繰りに問題がないか確認しましょう。

Webサイトや設備の導入だけを目的にしない

「Webサイトがないから作りたい」

「古い設備を新しくしたい」

このような理由だけでは、販路開拓との関係が伝わりません。

申請では、次の点を説明します。

  • 誰に販売するのか
  • 何を販売するのか
  • 顧客はどのような課題を抱えているか
  • なぜその設備やWebサイトが必要なのか
  • どのように顧客を獲得するのか
  • どの程度の売上を目指すのか

導入するものではなく、その先にある事業成果を中心に計画しましょう。

日常的な事業経費には使えない

事業で使用する費用であっても、すべてが補助対象になるわけではありません。

一般的に、次のような日常経費は対象になりにくいと考えられます。

  • 通常の仕入れ
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 人件費
  • 通信費
  • 日常的な消耗品
  • 補助事業と関係のない設備
  • 私用にも使える汎用品

現在の事業を維持するための費用と、新たな販路開拓に必要な費用を分けて考えましょう。

補助事業期間内に支払いまで完了する

補助対象経費は、定められた期間内に契約、納品、検収、支払いまで完了させる必要があります。

納期が長い設備や店舗改装、Webシステムの制作などは注意が必要です。

申請前に取引先へ納期を確認し、補助事業期間内に完了できるかを判断します。

必要な設備でも、期間内に納品や支払いが終わらなければ、対象外になる可能性があります。

証拠書類を保存する

実績報告では、補助事業を適切に行ったことを証明する必要があります。

次の書類を整理して保存しましょう。

  • 見積書
  • 発注書
  • 契約書
  • 納品書
  • 請求書
  • 振込明細
  • 領収書
  • 広告の掲載結果
  • Webサイトの公開画面
  • 設備や改装後の写真

口頭だけで発注した場合や、現金で支払った場合は、取引内容を証明しにくくなります。

記録が残る方法で契約と支払いを行いましょう。

補助事業終了後の維持費を確認する

補助金の対象となるのは、主に補助事業期間内の経費です。

導入後に継続して発生する費用は、自己負担になる可能性があります。

例えば、次のような費用です。

  • Webサイトのサーバー代
  • ECサイトの月額利用料
  • 決済手数料
  • 広告運用費
  • システム利用料
  • 設備の保守費
  • 消耗品費
  • 修理・更新費

初期費用だけでなく、補助事業終了後も維持できるかを確認してください。

一人で事業を営む個人事業主は補助事業後の業務量も確認する

持続化補助金を使って新しい顧客を獲得できても、業務量が増えすぎると事業を続けられなくなる可能性があります。

特に、一人で事業を営む個人事業主は注意が必要です。

広告や設備の効果だけでなく、売上が増えた後の運営まで考えておきましょう。

問い合わせ対応に必要な時間を計算する

Webサイトや広告からの問い合わせが増えると、返信や見積もり作成に時間がかかります。

例えば、一件の問い合わせに30分かかり、月40件増える場合は、毎月20時間の対応が必要です。

30分×40件=20時間

この時間を確保できなければ、返信が遅れたり、既存顧客への対応に影響したりする可能性があります。

よくある質問ページや予約フォーム、自動返信などを活用し、対応時間を減らす方法も検討しましょう。

製造や発送に対応できる数量を確認する

EC販売を始める場合は、注文を受けた後の作業も増えます。

  • 商品の製造
  • 在庫確認
  • 梱包
  • 送り状の作成
  • 発送
  • 入金確認
  • 返品・交換対応
  • 顧客からの問い合わせ

売上目標だけでなく、自分が対応できる販売数量を計算しましょう。

例えば、一日に10個の商品を作り、月20日稼働する場合、月間の生産上限は200個です。

10個×20日=200個

既存顧客への販売分も考慮して、新規顧客向けに販売できる数量を確認します。

予約や顧客管理の負担を見積もる

美容室、サロン、コンサルタントなどのサービス業では、顧客が増えると予約管理も複雑になります。

電話やメッセージだけで管理していると、予約の重複や連絡漏れが起こりやすくなります。

次の業務にどの程度の時間がかかるかを確認しましょう。

  • 予約受付
  • 日程調整
  • 前日の確認連絡
  • キャンセル対応
  • 顧客情報の記録
  • 支払いの確認
  • 次回来店の案内

新規顧客の獲得とあわせて、予約システムなどによる業務効率化を検討することも重要です。

維持費を含めて採算を判断する

補助金で初期費用の一部を賄えても、継続的な費用は自己負担です。

例えば、WebサイトやECサイトでは次の費用が発生します。

  • サーバー代
  • ドメイン代
  • システム利用料
  • 決済手数料
  • 広告費
  • 保守・更新費

毎月3万円の維持費がかかる場合、年間の負担は36万円です。

3万円×12か月=36万円

新しい取り組みで得られる利益が、維持費を上回るかを確認しましょう。

売上ではなく、仕入れ、送料、手数料などを差し引いた利益で判断することが大切です。

売上が計画を下回る場合も想定する

補助金を活用しても、必ず計画どおりに売上が伸びるわけではありません。

広告の反応が少ない、新商品が思うように売れないといったケースも考えられます。

申請前に、複数の売上パターンを作成しましょう。

想定売上の水準確認する内容
標準計画どおり投資を何か月で回収できるか
慎重計画の70%維持費と事業経費を支払えるか
最低計画の50%事業継続に影響が出ないか

補助金は投資の負担を軽減する制度です。

事業の成功を保証するものではありません。

売上が計画を下回った場合でも継続できる範囲で、無理のない投資計画を立てましょう。

まとめ|個人事業主は持続化補助金を販路開拓に活用できる

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主が新しい顧客を獲得し、事業を成長させるために活用できる制度です。

法人だけでなく、小規模事業者の条件を満たす個人事業主も申請できます。

詳しい申請条件については、以下の記事をご確認ください。

関連記事:
持続化補助金を個人事業主が申請する条件とは?必要書類もわかりやすく解説

個人事業主が持続化補助金で取り組める内容には、次のようなものがあります。

  • チラシやパンフレットの制作
  • WebサイトやECサイトの制作
  • インターネット広告の出稿
  • 新規顧客を獲得するための店舗改装
  • 新商品や新サービスの開発
  • 展示会や商談会への出展
  • 新たな販路に必要な設備の導入
  • 販路開拓に伴う業務効率化

ただし、設備やWebサイトを導入するだけでは十分ではありません。

誰に何を販売し、どのような方法で顧客を獲得するのかを明確にする必要があります。

申請では、現在の経営課題と補助事業の内容をつなげて説明しましょう。

持続化補助金を申請する際は、経営計画と補助事業計画を作成し、商工会または商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼します。

第20回公募では、申請受付開始が2026年11月5日、事業支援計画書の発行受付締切が12月4日、申請受付締切が12月15日17時です。予定が変更される場合もあるため、申請時点の最新情報を確認してください。

また、採択された後も、交付決定前に設備を発注したり、制作を依頼したりしないよう注意が必要です。

持続化補助金は原則として後払いです。

対象経費を先に支払う必要があるため、補助金が入金されるまでの立替資金も用意しておきましょう。

一人で事業を営んでいる場合は、新規顧客が増えた後の業務量も確認してください。

問い合わせ、予約管理、製造、発送などの業務が増えると、現在の体制では対応できなくなる可能性があります。

初期費用だけでなく、システム利用料や広告費、設備の保守費など、導入後に継続する費用も計算しましょう。

持続化補助金を受け取ること自体を目的にするのではありません。

補助事業を通じて新しい顧客を獲得し、補助金の終了後も無理なく続けられる事業へ成長させることが大切です。

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