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小規模事業者持続化補助金の一般型・災害支援枠を徹底解説|対象条件・補助内容・申請のポイント

小規模事業者の販路開拓や経営改善を支援する「小規模事業者持続化補助金」は、長年にわたり中小企業支援の中心的な制度として多くの事業者に活用されています。

中でも、「一般型」は日常の経営改善や販促活動を目的とする標準的な枠であり、「災害支援枠」は地震や豪雨などの自然災害によって被災した事業者の復旧・再建を後押しする特別枠として設けられています。

この記事では、両者の対象条件・補助内容・申請手順の違いをわかりやすく整理し、事業者が自社の状況に応じてどちらを選ぶべきかを判断できるよう解説します。

「通常の販路拡大なのか」「災害による再開支援なのか」──その違いを明確に理解することで、適切な制度選択とスムーズな申請準備が可能になります。

目次

小規模事業者持続化補助金とは?制度の目的と概要

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化を目指す事業者を支援する中小企業庁の代表的な補助制度です。

特に「一般型」は最もベーシックな枠として、地域の商店・製造業・サービス業などが幅広く活用しています。

ここでは、制度の目的や補助対象となる取り組み内容、他の枠との位置づけについて整理します。

販路開拓・業務効率化を支援する小規模事業者向けの主要補助金

この補助金は、経営計画を立てて新たな販路開拓や業務改善に挑戦する小規模事業者を後押しする制度です。

小規模事業者とは、商業・サービス業で従業員5人以下、製造業などで20人以下の事業者を指します。

「経営計画書」を策定し、商工会や商工会議所の支援を受けながら実施することで、経営基盤の強化を目的としています。

補助対象事業の例(店舗改装・ECサイト構築・広告費など)

対象となる取り組みは多岐にわたります。
たとえば以下のような事業が補助対象です。

店舗の改装や外観リニューアルによる集客力向上
ECサイト構築・ネット販売強化による販路拡大
チラシやWeb広告などの宣伝・販促活動
生産性を高める設備投資(業務ソフトや機械導入)

これらはすべて「販路拡大」や「経営効率化」に結びつく取り組みとして補助の対象になります。

一般型・特別枠・災害支援枠の位置づけの違い

小規模事業者持続化補助金には、以下のような枠が設けられています。

区分主な目的補助上限額
一般型通常の販路開拓・経営改善50万円
特別枠賃上げ・インボイス・海外展開対応など最大200万円
災害支援枠災害による被災企業の再建支援最大200万円〜

一般型は最もベーシックで汎用性の高い枠であり、被災や特別条件がない限り、多くの事業者がこの枠で申請します。

小規模事業者にとって最も利用しやすい支援制度

小規模事業者持続化補助金は、新しい販路開拓や業務改善に挑戦する小規模事業者を後押しする制度です。
とくに「一般型」は広い分野で活用できるため、初めて補助金を活用する事業者にも適しています。
制度の詳細や最新スケジュールは、以下の記事でも詳しく解説しています。

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一般型の対象要件と支援内容

「一般型」は小規模事業者持続化補助金の中でも最も多くの申請が行われている枠で、販路開拓や生産性向上を目的とした事業全般を支援します。
補助上限や補助率が明確で、対象経費の範囲も広いため、初めて補助金に挑戦する中小企業にも利用しやすい制度です。

対象となる事業者の条件(商業・サービス業・製造業の従業員数基準)

補助対象は、「常時使用する従業員数」が以下の基準以内の事業者です。

業種従業員数の上限
商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く)5人以下
宿泊業・娯楽業・製造業・その他20人以下

また、個人事業主・法人どちらも対象となりますが、商工会議所または商工会の支援を受け、事業計画書を作成することが必須条件です。

補助率・上限額・対象経費(通常枠 – 上限50万円、補助率2/3)

「一般型」の補助内容は以下の通りです。

・補助上限額 – 50万円
・補助率 – 2/3以内

つまり、75万円の経費を投じた場合、50万円までが補助対象となります。

対象経費の範囲は広く、主に以下のような費用が該当します。

広告宣伝費(チラシ、Web広告、パンフレット制作)
展示会出展費(ブース設営・出展料など)
設備投資費(機械・ITツール・システム導入など)
専門家への委託・外注費

販路開拓・業務改善に関する取り組み例(広告・設備・デジタル化)

一般型は、さまざまな分野で活用されています。

・販促活動の強化 – SNS広告や動画PR制作による認知拡大
・店舗改善 – 改装や照明改善による集客アップ
・デジタル化支援 – 予約システムや会計ツールの導入
・ブランド構築 – ロゴ刷新やデザイン一新による価値向上

こうした具体的な取り組みが、審査で評価される「事業効果」に直結します。

“売上を伸ばすための第一歩”として活用を

小規模事業者持続化補助金(一般型)は、自社の課題解決や販路拡大に最も直結する補助制度です。
新たな顧客獲得や経営改善のチャンスを得られるだけでなく、今後の経営計画の基盤づくりにも役立ちます。
初めての申請であっても、商工会議所のサポートを受けながら準備すれば十分対応可能です。
「成長への一歩を踏み出したい」小規模事業者は、まずこの一般型から活用を検討してみましょう。

災害支援枠の対象条件と特徴

災害支援枠は、自然災害などで被害を受けた小規模事業者を対象に、事業の再建や販路再構築を支援する特別な枠です。

通常の一般型では補いきれない復旧費用や再スタートに必要な経費を支援し、地域経済の早期回復を目的としています。

災害時の緊急的な支援策として位置づけられており、申請には特有の条件や証明書が必要です。

災害救助法の適用地域・被災証明書が必要なケース

災害支援枠を利用できるのは、「災害救助法の適用地域」に所在する事業者が原則です。

また、実際に被害を受けたことを証明するため、市区町村が発行する「り災証明書」や「罹災届出証明書」の提出が求められます。

たとえば、地震・台風・豪雨・火災などの影響で店舗や設備が損壊した場合が該当します。

被災証明書は、建物の一部損壊でも対象になるケースがあり、被害の程度に応じて柔軟に判断されます。

補助率・上限額の拡充内容(最大200万円・補助率3/4など)

災害支援枠では、一般型よりも上限額と補助率が大幅に引き上げられています

項目一般型災害支援枠
補助上限額50万円最大200万円
補助率2/3以内3/4以内
主な対象通常の販路開拓・業務効率化被災事業者の復旧・再開・販路再構築

このように、被災した事業者が早期に営業を再開できるよう、通常枠の約4倍の支援を受けられる点が最大の特徴です。

災害支援枠で対象となる具体的な事業(復旧・再開・販路再構築)

災害支援枠の対象となる事業は、単なる修繕費にとどまりません。

たとえば以下のようなケースが補助対象となります。

被災した店舗・事務所の修繕、再建工事
壊れた機械・設備・什器の更新や再導入
被災により失われた販路の再構築(広告・Web販売開始など)
災害を機に業態転換・新分野展開を行う取り組み

つまり「復旧」だけでなく、被災を契機に事業を再構築する挑戦も支援対象となります。

災害からの再起を後押しする特別枠

災害支援枠は、被災事業者が再び事業を立て直すための強力なサポート制度です。
被災証明書の提出など条件はありますが、補助率・上限額ともに優遇されており、再スタートの資金として非常に実用的です。
災害被害を受けた小規模事業者は、まず自治体で罹災証明を取得し、この枠の対象になるか確認することが第一歩です。

一般型と災害支援枠の違いを比較

「一般型」と「災害支援枠」は、どちらも小規模事業者を支援する制度ですが、目的・補助率・上限額・対象経費に明確な違いがあります。

自社が通常の経営改善を目的とするのか、災害からの復旧を目的とするのかによって、申請すべき枠が異なります。

ここでは、両者の違いを比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を整理します。

補助対象経費・上限額・申請要件の違いまとめ

以下の表は、一般型と災害支援枠の主な違いを整理したものです。

比較項目一般型災害支援枠
目的販路拡大・経営改善被災事業の復旧・再構築
補助上限額50万円最大200万円
補助率2/3以内3/4以内
対象者小規模事業者全般災害救助法適用地域の被災事業者
必要書類経営計画書経営計画書+被災証明書
対象経費広告・設備投資・外注費修繕・再建・新規設備・販路回復費用

このように、災害支援枠は被災証明をもとに「再開支援」に特化している点がポイントです。

被災地域以外の事業者が申請できるかどうか

原則として、災害支援枠は災害救助法が適用された地域に事業所を構える事業者が対象です。

ただし、例外的に「主要取引先が被災し、売上が著しく減少した事業者」など、間接的な被害を受けたケースでも申請が認められることがあります。

その場合、売上減少や取引停止を示す証明書類(帳簿・契約書など)の提出が必要です。

どちらを選ぶべきかの判断基準(通常販促vs被災復旧)

選択の目安は、事業目的と被害状況によって明確に分かれます。

・通常の販路開拓・集客・業務改善→一般型
・災害・水害・火災などで設備が損壊→災害支援枠
・被害を機に事業転換・再構築を行いたい→災害支援枠

災害支援枠は単なる「修理補助」ではなく、新しい形での事業再生を後押しする制度である点を意識して選択しましょう。

目的に合わせて「成長」か「再建」かを選ぶ

小規模事業者持続化補助金は、一般型=成長支援、災害支援枠=再建支援という構図で捉えるのがポイントです。
被災の有無や目的によって適用枠が変わるため、申請前に自社の状況を整理することが重要です。
どちらの枠も経営再生を支える制度であり、商工会議所・商工会のサポートを受けながら最適な枠を選ぶことが採択への近道です。

申請の流れと必要書類

小規模事業者持続化補助金は、申請書類の正確さと準備の早さが採択率に大きく影響する補助金です。

とくに「商工会議所での事業支援確認」や「Jグランツを用いた電子申請」など、手続きのステップを理解しておくことが重要です。

ここでは、一般型・災害支援枠に共通する申請の流れと、提出が必要な主な書類をわかりやすく整理します。

事業計画書・様式記入・商工会議所での確認手続き

申請の中心となるのが事業計画書(様式2)と補助事業計画書(様式3)です。

これらは、事業の目的、取り組み内容、成果目標などを具体的に記入する必要があります。

また、申請前に商工会・商工会議所による「事業支援計画書(様式4)」の発行を受けなければなりません。

この確認手続きは、事業の妥当性や補助金の適用可否を第三者が判断する重要なプロセスです。

申請スケジュールと採択発表までの期間

公募は年に複数回実施されており、各締切回ごとに審査・採択が行われます

締切から採択結果が公表されるまでの期間はおおむね約2~3か月程度です。

採択後は「交付決定通知」が届き、その後に正式な事業実施に着手できます。

災害支援枠の場合は、被災証明書の発行に時間がかかるケースもあるため、早めの準備が不可欠です。

オンライン申請(Jグランツ)時の注意点

オンライン申請は、政府の電子申請システム「Jグランツ」を通じて行います。

申請には「gBizIDプライム」が必要で、ID登録完了まで1~2週間を要する場合があります。

申請内容に誤りがあると受付されないこともあるため、入力項目・添付ファイルの整合性チェックを慎重に行うことが大切です。

早めの準備と段取りで採択率を高めよう

申請には「商工会の確認」「事業計画書作成」「電子申請登録」の3ステップがあります。
とくに締切直前の申請集中によるトラブルが多いため、1か月以上前からの準備が理想的です。
手続きの流れを理解しておくことで、スムーズに申請を完了し、採択後の実施にも余裕を持って臨めます。

採択されるためのポイントと注意点

補助金は「必要だから出るもの」ではなく、“審査で選ばれるもの”です。

審査委員が重視するのは、事業の独自性・実現可能性・地域経済への波及効果です。

ここでは、採択されるために意識すべきポイントと、避けるべき失敗例を整理します。

審査で評価される要素(独自性・実現可能性・波及効果)

審査で特に重視されるのは以下の3点です。

1.独自性 – 他社との差別化や地域貢献につながる新しい取り組みであるか
2.実現可能性 – 計画に無理がなく、実際に実行できる具体的なスケジュールがあるか
3.波及効果 – 地域経済・雇用・消費への影響が期待できるか

単なる経費補填にとどまらず、「補助金を通じて地域を元気にする」ストーリー性が評価されます。

よくある不採択事例と改善のヒント

不採択の主な理由として多いのが、

費用と効果のバランスが曖昧
同一内容での過去申請(重複事業)
事業計画の根拠が薄く、説得力がない

といったケースです。

改善策としては、数字と事実で裏付けること(例 – 売上目標・市場データ・見積明細)が有効です。

また、補助事業終了後の効果測定(KPI)まで記載すると評価が上がりやすくなります。

災害支援枠で見られる「被災状況と計画の一貫性」

災害支援枠では、「被害の内容」と「再建の方向性」が整合しているかが重視されます。

たとえば、店舗が浸水した場合に「復旧工事+防災強化+販路再構築」のように、

一貫したストーリーで再生を計画している事業が高く評価される傾向があります。
単に「修理費用の補填」だけでは、採択に結びつきにくい点に注意が必要です。

審査で問われるのは“目的の明確さと一貫性”

採択を勝ち取るには、「なぜこの補助金でなければならないのか」を明確に示すことがカギです。
数字と根拠を伴った計画、そして地域や顧客への波及効果を意識した提案が重要です。
特に災害支援枠では、再建の方向性を具体的に描けるかどうかが評価の分かれ目になります。
しっかりと準備を整え、審査側に伝わる“実現力のある事業計画”を仕上げましょう。

補助金を“事業再構築・販路開拓のチャンス”に変える

小規模事業者持続化補助金は、単に経費の一部を補填する制度ではありません。

実はこの補助金こそが、新しい市場への挑戦や事業再構築の“きっかけ”をつくる戦略的ツールとして注目されています。

特に一般型・災害支援枠のどちらも、事業を「再び伸ばす」ための原動力に変えることが可能です。

ここでは、補助金を“経営の再生・発展”にどうつなげるかを、実践的な視点で解説します。

補助金を単なる資金援助ではなく“経営再生の起点”にする視点

多くの事業者が「経費の補填」として補助金を活用しがちですが、真の価値は事業モデルを見直す契機にできることです。
たとえば、

コロナ禍で来店客が減った飲食店がテイクアウトやオンライン販売を導入
被災後に防災対応型の店舗へリニューアルし、地域の安全拠点として再スタート

といったケースは、単なる支援金ではなく経営の再構築を実現した好例です。

補助金は「短期の救済」ではなく、“再スタートを切るための投資”と考えることで、その効果が何倍にも広がります。

デジタル化・地域連携・SDGs対応など「今後の成長戦略」への活かし方

持続化補助金の評価項目には、「地域貢献」「環境対応」「デジタル化への取り組み」などが含まれます。

つまり、この制度は単なる販促支援ではなく、未来を見据えた経営改革を促す枠組みでもあります。

具体的な活用例として、

・デジタル販路の開拓 – ECサイト構築・SNSマーケティングによる販路拡大
・地域連携型ビジネス – 他業種と協力して商品開発や共同イベントを実施
・SDGs対応 – 環境に配慮した素材や包装を導入し、エシカル消費層に訴求

このように、補助金を単発の支出ではなく、“企業ブランディングや長期戦略の一部”として位置づけることが成功の鍵です。

災害を経ても持続するビジネスモデルを築くための活用事例

災害支援枠では、被災事業者が単に設備を修繕するだけでなく、防災力と収益性を両立する再構築型の事業が高く評価されます。

たとえば、

浸水リスクのある店舗を高床構造+オンライン販売併用型店舗として再開
停電対策を目的に太陽光発電や蓄電設備を導入し、BCP(事業継続計画)を強化
地域の復興ニーズに合わせて地元素材を活かした新商品を開発

これらは、単に元に戻すのではなく「より強く持続する事業」へと変革した例です。

補助金を“リスクからの回復”ではなく、“次の成長への投資”に変える発想が求められます。

補助金は「再建支援」ではなく「未来投資」のツール

小規模事業者持続化補助金は、経営のピンチをチャンスに変えるための制度です。
単なる経費補助にとどめず、経営モデルの転換・新市場開拓・ブランド価値の向上に使うことで、補助金の価値は最大化します。
とくに災害支援枠では、復旧を超えた“事業の再構築”がカギ。
「補助金=再生の起点」という発想で、長期的な成長を見据えた活用を目指しましょう。

自社の現状に合わせて“最適な枠”を選ぶことが採択の第一歩

小規模事業者持続化補助金は、小さな事業者でも大きな成長のきっかけをつかめる制度です「一般型」は販路開拓やデジタル化など、日常的な経営改善を支援する枠であり、「災害支援枠」は被災事業者の復旧・再開・再構築を後押しする特別枠です。

両者の大きな違いは“目的と支援範囲”にあります。

前者は通常の販促や事業拡大を目的とし、後者は災害によるダメージからの再建を支援します。

自社がどの状況にあるかを見極めて、適切な枠を選ぶことが申請成功への第一歩です。

また、補助金は「資金援助」で終わらせるのではなく、経営再構築・地域連携・デジタル化など次の成長戦略へつなげる投資として活用することが重要です。

災害を乗り越えても、日々の変化に挑み続ける中小企業にこそ、この補助金は大きな価値をもたらします。

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