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小規模事業者持続化補助金とは?対象者・対象経費・補助額・申請方法を解説

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者などが自ら作成した経営計画に基づき、販路開拓などに取り組む際の経費の一部を支援する補助金です。2026年も一般型・通常枠の公募が続いており、第20回公募要領が公開されています。

「自社も対象になる?」「広告や店舗改装に使える?」「いくら補助される?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

一般型・通常枠では、補助率は原則2/3、基本の補助上限額は50万円です。インボイス特例や賃金引上げ特例の要件を満たすと、上限額が引き上げられます。

申請する際は、対象者や対象経費だけでなく、商工会・商工会議所から事業支援計画書の発行を受ける手続きにも注意が必要です。

目次

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが持続的な経営を目指して行う販路開拓等を支援する制度です。単に設備や商品を購入するための補助金ではなく、経営計画に基づく取組であることが前提となります。

小規模事業者の販路開拓などを支援する補助金

小規模事業者持続化補助金の中心となるのは、販路開拓です。

たとえば、新しい顧客を獲得するためのチラシ作成や広告、新商品の販促、展示会への出展などが該当します。

「売上を伸ばしたい」という漠然とした理由だけではなく、

  • 新しい顧客層へ商品を知ってもらう
  • 新商品を新たな地域へ販売する
  • 店舗への来店客を増やす
  • 新しい販売チャネルを開拓する

といった目的を整理し、そのために必要な取組を計画します。

補助金を使うこと自体を目的にするのではなく、「自社のどの経営課題を解決するための投資なのか」を先に決めると、対象経費も選びやすくなります。

業務効率化は販路開拓等とあわせて行う取組が対象になる

業務効率化に関する取組も、販路開拓等とあわせて実施する内容であれば補助対象となることがあります。

ただし、「社内業務を楽にしたい」という理由だけで、あらゆる設備やシステムを導入できる制度ではありません。

たとえば、新しい販路へ対応するために作業工程を改善するなど、補助事業全体との関連性が求められます。

小規模事業者持続化補助金は、経営計画に基づく販路開拓等を支援する制度です。その軸から外れないかを確認しながら、業務効率化の内容を組み立てる必要があります。

小規模事業者持続化補助金の対象者

小規模事業者持続化補助金の主な対象は、一定の従業員数以下で事業を営む小規模事業者です。

業種によって基準が異なるため、「中小企業だから対象」と判断せず、常時使用する従業員数を確認してください。

商業・サービス業は常時使用する従業員5人以下が基本

商業・サービス業では、常時使用する従業員数が5人以下であることが小規模事業者の基本的な基準です。

たとえば、小売店や一般的なサービス業などが該当します。

ただし、宿泊業や娯楽業は同じサービス業でも基準が異なるため、5人という数字だけで判断しないようにしてください。

また、「常時使用する従業員」には制度上の定義があります。単純に働いている人を全員数えるのではなく、公募要領上の考え方に沿って確認します。

宿泊業・娯楽業・製造業その他は20人以下が基本

宿泊業・娯楽業と製造業その他では、常時使用する従業員数20人以下が小規模事業者の基本的な基準です。

製造業だけでなく、商業・サービス業に分類されない業種も「製造業その他」に含まれることがあります。

自社の業種区分が分かりにくいときは、事業内容から判断し、公募要領や地域の商工会・商工会議所で確認すると安全です。

従業員数が基準を超えている場合は、売上規模が小さくても持続化補助金の一般型・通常枠の対象となる小規模事業者に該当しません。

法人だけでなく個人事業主も対象になる

小規模事業者持続化補助金は、法人だけでなく、要件を満たす個人事業主も対象です。

たとえば、個人で飲食店、美容室、小売店、各種サービス業などを営んでいる場合でも、事業者要件を満たせば申請を検討できます。

一方、事業を行っていない個人が利用する制度ではありません。

個人事業主の場合も、

  • 業種
  • 常時使用する従業員数
  • 事業の実態
  • 過去の補助金利用状況
  • その他の申請要件

を確認する必要があります。

「法人化していないから対象外」と考える必要はありませんが、個人事業主であることだけで自動的に対象になるわけでもありません。

商工会・商工会議所の会員でなくても申請できる

小規模事業者持続化補助金は、商工会や商工会議所の会員でなくても申請できます。

公式の公募案内でも、商工会の会員・非会員を問わず応募できるとされています。

ただし、申請では事業所所在地を管轄する商工会または商工会議所との手続きが必要です。

「会員ではないから相談できない」と判断するのではなく、自社の事業所が商工会地域と商工会議所地域のどちらに該当するかを確認してください。

申請先となる事務局も地域によって異なります。

小規模事業者持続化補助金は何に使える?

小規模事業者持続化補助金は、経営計画に基づく販路開拓等に必要な経費に利用できます。

広告、展示会への出展、新商品の開発、店舗改装など幅広い支出が対象候補になりますが、事業との関連性や経費区分ごとの条件を満たす必要があります。

チラシ・広告など販路開拓に必要な経費が対象になる

新規顧客の獲得や商品の認知拡大を目的としたチラシ、パンフレットなどの販促物は、代表的な補助対象です。

単に会社案内を作るのではなく、販路開拓につながる取組として行うことが前提になります。

たとえば、

  • 新商品を告知するチラシ
  • 店舗への集客を目的とした広告
  • 新しい顧客層へ配布する販促物
  • 商品の販売促進に使用する看板

などが考えられます。

販促物を作成する際は、「何を作るか」だけでなく、「誰に何を知ってもらい、どのように売上につなげるか」まで経営計画と結びつける必要があります。

展示会出展・新商品開発・店舗改装なども対象になり得る

販路開拓に必要な展示会への出展や新商品の開発、店舗改装なども補助対象になることがあります。

たとえば、新商品を展示会で紹介して新規取引先を獲得したり、新しい顧客層を取り込むため店舗の一部を改装したりする取組です。

対象経費は、取組の目的とセットで判断されます。

「店舗をきれいにしたい」という改装ではなく、新しいサービスの提供や販路開拓のために必要な改装なのか、といった観点が必要です。

また、同じ支出でも計画内容や経費区分によって対象可否が変わるため、発注する前に最新の公募要領を確認してください。

ウェブサイト関連費などは対象条件を確認する

ホームページ制作やECサイト、インターネット広告などのウェブサイト関連費も、販路開拓につながる取組であれば補助対象になることがあります。

ただし、ウェブサイト関連費には独自の上限があります。

一般型・通常枠では、ウェブサイト関連費として計上できる補助金額は、補助金総額の1/4、最大50万円までです。また、ウェブサイト関連費だけで申請することはできません。

たとえば補助金額が50万円の場合、ウェブサイト関連費として計上できる補助金額は最大12万5,000円となります。

「ホームページ制作費を全額持続化補助金でまかなう」といった使い方はできないため、他の販路開拓施策と組み合わせて計画してください。

通常の事業経費や対象外経費には使えない

普段から発生している経費や、補助事業との関係を説明できない支出は対象になりません。

補助金は、事業を続けていれば通常発生するすべての経費を補てんする制度ではないためです。

経費を検討するときは、

「事業に使うものか」ではなく、「今回の補助事業に必要なものか」

で判断する必要があります。

また、対象経費として記載されている種類の支出でも、発注時期や支払方法などの条件を満たしていなければ補助されません。

購入・契約を行う前に、経費区分だけでなく補助対象期間や証拠書類の条件も確認してください。

小規模事業者持続化補助金はいくらもらえる?

一般型・通常枠では、補助率は原則2/3、基本の補助上限額は50万円です。

ただし、特例の要件を満たす事業者は上限額が加算され、賃金引上げ特例を利用する赤字事業者には補助率3/4が適用されます。

一般型・通常枠の補助率は原則2/3

一般型・通常枠の補助率は原則2/3です。

たとえば、補助対象経費として75万円が認められ、ほかの上限条件に抵触しない場合、補助率2/3なら計算上の補助額は50万円となります。

一方、50万円の対象経費を使ったからといって、50万円がそのまま支給されるわけではありません。

原則2/3なので、対象経費50万円なら計算上の補助額は約33万3,000円です。

補助金を前提に予算を組むときは、

対象経費 × 補助率

補助上限額

の両方を確認してください。

補助上限額は通常枠を基本に特例の適用有無で変わる

一般型・通常枠の基本となる補助上限額は50万円です。

2026年の第20回では、要件を満たした場合、

  • インボイス特例:50万円上乗せ
  • 賃金引上げ特例:150万円上乗せ
  • 両方の特例を満たす:200万円上乗せ

となります。

つまり、両方の特例を利用できる場合は、基本の50万円に200万円が上乗せされ、補助上限は最大250万円となります。

ただし、特例は希望すれば自動的に適用されるものではありません。

それぞれ所定の要件があり、補助事業終了時点で要件を満たせなければ特例部分の補助を受けられません。

上限額だけを見て申請計画を立てず、自社が特例の要件を満たせるかを先に確認してください。

補助金は事業完了後の精算払いとなる

小規模事業者持続化補助金は、原則として事業者が先に経費を支払い、実績報告などを経た後に補助金を受け取る仕組みです。

補助事業が終わった後、実績報告書などの確認を受け、補助金額が確定してから精算払いの請求を行います。

そのため、

「採択されたら50万円が先に振り込まれる」

という制度ではありません。

広告費や改装費などをいったん自社で支払える資金を準備する必要があります。

補助対象経費が大きい場合は、補助金の入金時期だけでなく、発注から支払いまでの資金繰りも考えておきましょう。

小規模事業者持続化補助金の申請方法

申請では、経営計画と補助事業計画を作成し、地域の商工会または商工会議所から事業支援計画書の発行を受けたうえで電子申請します。

申請締切より前に事業支援計画書の発行受付が締め切られるため、余裕を持った準備が必要です。

経営計画と補助事業計画を作成する

最初に、自社の経営状況を整理し、経営計画と補助事業計画を作成します。

計画では、

  • 現在の事業内容
  • 顧客や市場の状況
  • 自社の強み
  • 現在抱えている経営課題
  • 今後どのように販路を広げるか
  • 補助金を使って何を実施するか

などを整理します。

単に「広告を出したい」「店舗を改装したい」と経費だけを書くのではなく、その取組が経営課題の解決や販路開拓にどうつながるのかを明確にします。

申請書を作る前に、自社の課題→取組→期待する効果という順で整理すると、計画全体に一貫性を持たせやすくなります。

商工会・商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼する

申請には、事業所を管轄する商工会または商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要です。

第20回では、電子申請システムへ経営計画・補助事業計画などを入力したうえで、地域の商工会・商工会議所へ発行を依頼します。

注意したいのが、様式4には申請そのものとは別の受付期限があることです。

第20回の予定では、

項目日程
申請受付開始2026年11月5日
事業支援計画書(様式4)発行受付締切2026年12月4日
申請受付締切2026年12月15日17時

となっています。

申請締切の12月15日だけを見て準備を始めると、様式4の発行依頼に間に合わないおそれがあります。

申請締切までに電子申請を完了する

事業支援計画書を取得したら、必要な申請情報や添付書類を確認し、申請締切までに電子申請を完了します。

第20回の申請受付締切は、2026年12月15日17時の予定です。

締切日当日に書類を完成させるのではなく、

  • 入力内容に誤りがないか
  • 経費金額が見積内容と一致しているか
  • 必要書類がすべて添付されているか
  • 様式4を取得しているか

を事前に確認してください。

また、公募スケジュールは変更されることもあるため、実際に申請するときは最新情報を確認する必要があります。

採択・交付決定後に補助事業を開始する

申請後は審査が行われ、採択された事業者が交付手続きへ進みます。

ただし、採択された時点ですぐに補助対象経費を自由に支出できるわけではありません。

補助事業として対象になるのは、定められた補助事業期間中に行った発注・契約・支払いなどです。

そのため、

申請
→採択
→交付決定
→補助事業実施
→実績報告
→補助金額確定
→精算払い

という流れを理解しておく必要があります。

設備や店舗改装など納期が発生する取組では、交付決定から補助事業終了までの期間内に完了できるかも確認してください。

小規模事業者持続化補助金を利用するときの注意点

小規模事業者持続化補助金では、採択後の支払い時期や交付決定前の支出、様式4の発行期限などを確認する必要があります。

特に初めて申請する場合は、「採択=すぐ補助金がもらえる」と考えないようにしてください。

採択されても補助金がすぐ入金されるわけではない

採択された後、すぐに補助金が振り込まれるわけではありません。

採択後に必要な手続きを経て補助事業を実施し、事業完了後に実績報告を行います。その内容が確認されて補助金額が確定した後、精算払いの請求へ進みます。

つまり、広告や設備などの支払いは基本的に事業者が先に負担します。

資金に余裕がない状態で大きな補助事業を計画すると、補助金が入るまでの資金繰りが苦しくなることもあります。

補助額だけを見るのではなく、自己負担分と先払いする資金の両方を含めて予算を組みましょう。

交付決定前の発注・契約・支出は避ける

補助対象になる期間より前に発注・契約・支払いを行うと、補助対象経費として認められません。

「どうせ採択されるだろう」と考えて先に店舗改装を始めたり、広告を発注したりするのは避けてください。

また、採択と交付決定は同じではありません。

採択通知を受け取った後も、正式に補助事業を開始できる時期を確認してから発注します。

急ぎの設備やサービスを導入したい場合は、補助金を利用することで開始時期が遅くならないかも含めて判断してください。

事業支援計画書の受付締切は申請締切より早い

申請で見落としやすいのが、事業支援計画書の発行受付締切です。

第20回では、申請締切が2026年12月15日17時であるのに対し、様式4の発行受付締切は12月4日です。

つまり、申請締切まで約10日残っていても、様式4を依頼していなければ申請を進められないことがあります。

商工会・商工会議所側で発行に時間を要することもあるため、締切直前まで依頼を延ばさないほうが安全です。

申請準備は、最終締切ではなく様式4の発行受付締切から逆算して進めてください。

公募回ごとに最新の公募要領を確認する

小規模事業者持続化補助金は、公募回によって申請日程や公募要領が更新されます。

2026年8月現在、一般型・通常枠は第20回公募要領が公開されており、申請受付は11月5日から12月15日までの予定です。

過去の公募記事に掲載された、

  • 補助枠
  • 補助率
  • 補助上限額
  • 対象経費
  • 特例要件
  • 申請期限

を、そのまま現在の申請に使わないようにしてください。

特に補助制度は改定が入りやすいため、実際に申請するときは自分が応募する公募回の要領を基準に判断します。

まとめ|小規模事業者持続化補助金は販路開拓を考える小規模事業者向けの制度

小規模事業者持続化補助金は、経営計画に基づいて販路開拓等へ取り組む小規模事業者を支援する制度です。

商業・サービス業では常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業や製造業その他では20人以下が基本的な対象基準となり、要件を満たせば個人事業主も申請できます。

一般型・通常枠の補助率は原則2/3、基本の補助上限額は50万円です。特例要件を満たせば上限額が引き上げられます。

利用を検討するときは、まず自社が行いたい取組が販路開拓等につながっているかを整理してください。そのうえで対象経費を確認し、経営計画・補助事業計画を作成します。

また、補助金は原則として後払いです。申請には商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書も必要で、発行受付締切は申請締切より早く設定されています。

補助額だけを見て判断せず、対象要件、申請日程、自己負担額まで確認したうえで利用を検討しましょう。

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