Go-Tech事業の補助額は、通常枠で3年間最大9,750万円、大型研究開発枠では3年間最大3億円です。
ただし、補助上限まで必ず受け取れるわけではありません。実際の補助額は、補助対象経費に補助率を掛けた金額と、年度・事業期間ごとの補助上限額をもとに決まります。
2026年度の補助上限、補助率、自己負担額の考え方を具体的な計算例とともに整理します。
Go-Tech事業全体の対象者や共同体、対象経費について確認したい場合は、「Go-Tech事業とは?2026年度の補助金額・対象者・申請要件を解説」もあわせて確認してください。
Go-Tech補助金の補助額はいくら?
2026年度のGo-Tech事業では、通常枠は3年間で最大9,750万円、大型研究開発枠は最大3億円です。
研究開発の規模や事業期間によって上限が変わるため、「最大3億円」という数字だけで判断しないようにしてください。
通常枠は3年間で最大9,750万円
通常枠の補助上限は、3年間で最大9,750万円です。
大学や公設試験研究機関などと連携し、高度化指針を踏まえた研究開発と事業化に取り組む中小企業者等が利用する基本的な枠です。
事業期間ごとの上限は次のとおりです。
| 事業期間 | 通常枠の補助上限 |
| 単年度 | 4,500万円 |
| 2年間 | 7,500万円 |
| 3年間 | 9,750万円 |
たとえば3年間の研究開発だからといって、毎年4,500万円ずつ補助されるわけではありません。
3年間の補助金総額は9,750万円が上限です。
大型研究開発枠は3年間で最大3億円
大型研究開発枠は、3年間で最大3億円まで補助されます。
通常枠よりも大規模な研究開発を支援するため、補助上限が大きく設定されています。
| 事業期間 | 大型研究開発枠の補助上限 |
| 単年度 | 1億円 |
| 2年間 | 2億円 |
| 3年間 | 3億円 |
ただし、大型研究開発枠は単に研究費が高額なら選択できる枠ではありません。
過去の研究開発実績など、通常枠にはない追加要件もあります。
補助額だけで申請枠を選ぶのではなく、自社や共同体が大型研究開発枠の要件を満たしているかを確認してください。
事業期間は2年間または3年間
2026年度のGo-Tech事業では、補助事業期間は2年度または3年度です。
単年度上限は設定されていますが、研究開発そのものは複数年度にわたって実施する制度です。
そのため、事業計画を作る際は、
- 1年目に必要な研究費
- 2年目に必要な研究費
- 3年目に必要な研究費
- 事業期間全体の総額
を分けて考える必要があります。
「3年間で9,750万円使えるから、毎年3,250万円ずつ」と単純に均等配分する必要もありません。
研究内容に合わせて年度ごとの予算を組みながら、各年度と事業期間全体の上限を超えないように計画します。
Go-Tech補助金の補助率
中小企業者等の補助率は、2026年度も原則として2/3以内です。
ただし、すべての共同体構成員に同じ補助率が適用されるわけではありません。企業の所得状況や大学・公設試等の区分によって扱いが異なります。
中小企業者等の補助率は原則2/3以内
中小企業者等に適用される補助率は、原則として補助対象経費の2/3以内です。
たとえば、補助対象として認められた研究開発費が3,000万円で、補助率2/3が適用される場合は、
3,000万円 × 2/3 = 2,000万円
となります。
残りの1,000万円は事業者側の負担です。
ただし、補助率2/3は「研究費の2/3が必ず支給される」という意味ではありません。
補助対象外の経費が含まれていたり、補助上限額を超えたりすれば、実際の補助額は計算額より少なくなります。
課税所得額が15億円を超える中小企業者等は1/2以内
中小企業者等であっても、一定の所得規模を超える場合は補助率が変わります。
課税所得額が15億円を超える中小企業者等については、補助率は1/2以内です。
たとえば補助対象経費3,000万円の場合、
| 補助率 | 計算上の補助額 | 自己負担 |
| 2/3 | 2,000万円 | 1,000万円 |
| 1/2 | 1,500万円 | 1,500万円 |
となります。
同じ中小企業者等でも適用される補助率が異なるため、資本金や従業員数だけで補助額を計算しないようにしてください。
大学・公設試等は2026年度から定額
2026年度のGo-Tech事業では、大学・公設試等の補助率は定額です。
Go-Techは中小企業者等だけでなく、大学や公設試験研究機関などを含む共同体で研究開発を進めます。
そのため、共同体全体の研究費を計算する際は、
- 中小企業者等
- 大学
- 公設試等
のそれぞれに適用される補助方法を分けて考える必要があります。
「共同体全体の研究費に一律2/3を掛ければよい」という計算ではありません。
Go-Tech補助金の上限額は事業期間で変わる
Go-Tech補助金の上限は、申請枠だけでなく事業期間によっても変わります。
特に通常枠は、単年度の上限4,500万円を単純に年数分掛けた金額にはならないため注意が必要です。
通常枠は単年度4,500万円・2年間7,500万円・3年間9,750万円
通常枠では、単年度の補助上限は4,500万円です。
一方、複数年度で見ると、
- 2年間:7,500万円
- 3年間:9,750万円
という別の上限が設定されています。
たとえば2年間の研究開発で、
- 1年目:4,000万円
- 2年目:4,000万円
の補助金を計画すると、合計8,000万円になります。
しかし2年間の上限は7,500万円なので、計画上は上限を超えています。
年度ごとの上限だけではなく、事業期間全体の上限も同時に確認する必要があります。
大型研究開発枠は単年度1億円・2年間2億円・3年間3億円
大型研究開発枠では、
- 単年度:1億円
- 2年間:2億円
- 3年間:3億円
が補助上限です。
通常枠と比べると、より大規模な研究設備、人件費、試作・検証などを伴う研究開発に対応できます。
ただし「最大3億円」というのは3年間実施した場合の事業期間全体の上限です。
2年間の研究であれば最大2億円となります。
研究開発期間を決めるときは、必要な期間だけでなく、年度ごとの研究内容と予算まで具体化したうえで判断してください。
通常枠は4,500万円を3年間受け取れるわけではない
通常枠で誤解しやすいのが、単年度上限4,500万円の扱いです。
次の計算は誤りです。
4,500万円 × 3年間 = 1億3,500万円
通常枠の3年間の補助上限は、9,750万円です。
つまり、3年間すべてで単年度上限いっぱいの4,500万円を受け取ることはできません。
たとえば、
- 1年目:4,000万円
- 2年目:3,500万円
- 3年目:2,250万円
なら、合計9,750万円です。
実際の年度配分は研究内容によって異なりますが、各年度の上限と期間全体の上限の両方を守る必要があります。
Go-Tech補助金はいくら受け取れる?計算例

実際の補助額は、「補助対象経費×補助率」で計算した金額と補助上限額を比較して考えます。
補助率2/3だからといって、計算した金額をそのまま受け取れるとは限りません。
対象経費3,000万円なら補助額は最大2,000万円
中小企業者等に補助率2/3が適用され、補助対象経費が3,000万円なら、計算上の補助額は2,000万円です。
計算式は、
3,000万円 × 2/3 = 2,000万円
となります。
単年度の通常枠上限4,500万円を下回っているため、上限だけを見れば2,000万円が補助額の目安になります。
基本的な自己負担額は、
3,000万円 − 2,000万円 = 1,000万円
です。
対象経費9,000万円でも単年度の通常枠は最大4,500万円
対象経費が高額になると、補助率だけでなく上限額が影響します。
たとえば単年度の通常枠で、補助対象経費9,000万円に補助率2/3を掛けると、
9,000万円 × 2/3 = 6,000万円
です。
しかし、通常枠の単年度上限は4,500万円なので、補助額は最大4,500万円となります。
整理すると次のようになります。
| 補助対象経費 | 2/3で計算した金額 | 通常枠の単年度上限 | 補助額の上限 |
| 3,000万円 | 2,000万円 | 4,500万円 | 2,000万円 |
| 6,000万円 | 4,000万円 | 4,500万円 | 4,000万円 |
| 9,000万円 | 6,000万円 | 4,500万円 | 4,500万円 |
つまり、
補助対象経費 × 補助率
と
補助上限額
を比べ、上限を超えない範囲で補助額を考える必要があります。
3年間の研究開発は年度ごとの上限と合計上限を確認する
3年間の研究では、研究開発費の総額だけで補助額を計算できません。
通常枠なら、
- 各年度:最大4,500万円
- 3年間合計:最大9,750万円
という2つの条件があります。
たとえば、3年間で補助対象経費が1億5,000万円あり、すべてに2/3を掛けると計算上は1億円です。
しかし通常枠の3年間上限は9,750万円なので、上限額を超える250万円分は補助されません。
さらに、特定の年度に補助額が4,500万円を超える計画を組むこともできません。
複数年度の研究では、総額だけでなく年度ごとの予算配分まで確認してください。
Go-Tech補助金の自己負担額を計算する方法

Go-Tech補助金には事業者側の自己負担があります。
補助率による負担だけでなく、上限を超えた経費や補助対象外経費も自己負担になるため、研究開発予算全体で資金を考える必要があります。
補助率2/3なら原則1/3は自己負担となる
補助率2/3が適用される中小企業者等の場合、補助対象経費の基本的な自己負担は1/3です。
たとえば次のようになります。
| 補助対象経費 | 補助額の計算値 | 基本的な自己負担 |
| 1,500万円 | 1,000万円 | 500万円 |
| 3,000万円 | 2,000万円 | 1,000万円 |
| 6,000万円 | 4,000万円 | 2,000万円 |
ただし、これは補助上限を超えていない場合の計算です。
経費が大きくなり上限額に達すると、実際の自己負担割合は1/3より大きくなります。
補助上限を超えた金額も事業者側の負担になる
補助率の計算額が補助上限を超えた場合、超過分は補助されません。
たとえば通常枠の単年度で9,000万円の補助対象経費があり、補助率2/3なら計算額は6,000万円です。
しかし上限は4,500万円なので、
9,000万円 − 4,500万円 = 4,500万円
が事業者側で負担する金額の目安となります。
「補助率2/3だから自己負担は必ず1/3」と考えると、必要な資金を少なく見積もってしまいます。
高額な研究開発では、補助上限に達するかどうかも確認してください。
補助対象外経費は全額自己負担になる
Go-Tech事業で補助対象と認められない支出は、補助率の計算対象に入りません。
たとえば研究開発全体で5,000万円を使うとしても、5,000万円すべてが補助対象経費になるとは限りません。
仮に、
- 研究開発費全体:5,000万円
- 補助対象経費:4,500万円
- 補助対象外経費:500万円
であれば、補助率は4,500万円に対して計算します。
補助対象外の500万円は全額自己負担です。
そのため、資金計画では「研究開発全体の金額」と「補助対象経費」を分けて整理してください。
対象経費の詳細については、「Go-Tech事業とは?2026年度の補助金額・対象者・申請要件を解説」で確認できます。
共同体でGo-Tech補助金を配分するときの注意点

Go-Tech事業は中小企業者等が単独で申請する制度ではなく、大学や公設試等を含む共同体で研究開発を行います。
そのため、補助額を計算する際も「自社はいくら受け取るか」だけでなく、共同体全体での補助金配分を考える必要があります。
中小企業者等への補助金額は共同体全体の2/3以上が必要
2026年度では、中小企業者等が受け取る補助金額を、共同体全体の補助金総額の2/3以上とする必要があります。
たとえば共同体全体の補助金額が9,000万円なら、中小企業者等への補助金額は合計6,000万円以上必要です。
| 共同体全体の補助金 | 中小企業者等への配分額の目安 |
| 3,000万円 | 2,000万円以上 |
| 6,000万円 | 4,000万円以上 |
| 9,000万円 | 6,000万円以上 |
Go-Tech事業は、中小企業者等が研究開発と事業化の中心を担う制度です。
大学や研究機関への研究費を中心に予算を配分し、中小企業側への補助金が少なくなる計画にはできません。
構成員によって適用される補助率が異なる
共同体では、すべての機関に同じ補助率が適用されるわけではありません。
2026年度では、
- 中小企業者等:原則2/3以内
- 一定の中小企業者等:1/2以内
- 大学・公設試等:定額
といった違いがあります。
そのため、共同体全体の補助金額を計算する際は、各構成員が負担する研究開発費と適用される補助方法を分けて計算します。
単純に共同体全体の研究費へ2/3を掛ける方法では正確な補助額を算出できません。
共同体全体で年度ごとの研究費を計画する
複数年度にわたるGo-Tech事業では、共同体全体で年度ごとの研究費を整理します。
たとえば研究内容によって、
- 1年目:試作・基礎研究を中心に実施
- 2年目:改良・検証を実施
- 3年目:量産や事業化に向けた検証を実施
など、必要な経費は年度ごとに変わります。
そのため、最初に補助上限額ありきで予算を埋めるのではなく、研究内容に必要な経費を積み上げたうえで上限と照らし合わせます。
各機関の役割と予算が対応しているかまで確認しながら計画してください。
Go-Tech補助金の補助額を確認するときの注意点

Go-Tech補助金の金額を確認するときは、過去年度の制度情報と混同しないことが必要です。
特に2026年度は申請枠の名称などが変更されているため、古い情報だけで予算を組まないようにしてください。
旧出資獲得枠と2026年度の大型研究開発枠を混同しない
2026年度は、従来の「出資獲得枠」ではなく「大型研究開発枠」が設けられています。
過去の記事や資料には、
通常枠と出資獲得枠
という説明が残っていることがあります。
2026年度の申請を検討する場合は、
通常枠
と
大型研究開発枠
の2つを基準に確認してください。
大型研究開発枠は3年間最大3億円ですが、旧制度の名称だけを置き換えればよいわけではなく、対象要件も最新年度の内容を確認する必要があります。
補助率を掛けた金額がそのまま支給されるとは限らない
補助額を計算するときは、
補助対象経費 × 補助率 = 必ず受け取れる金額
とは考えないでください。
実際には、
- 支出が補助対象経費として認められるか
- 適用される補助率はいくらか
- 単年度上限を超えていないか
- 2年間・3年間の合計上限を超えていないか
を確認する必要があります。
たとえば補助率2/3で計算した金額が5,000万円でも、通常枠の単年度上限は4,500万円です。
金額を確認するときは、補助率と上限額をセットで見るようにしてください。
最新年度の公募要領で上限額・補助率を確認する
Go-Tech事業は年度によって申請枠や要件が変更されることがあります。
2026年度に申請する場合は、2026年度の公募要領に記載された、
- 通常枠・大型研究開発枠
- 補助上限額
- 補助率
- 事業期間
- 共同体での補助金配分
- 補助対象経費
を基準に判断してください。
特に複数年度の研究では、1年目の予算だけではなく、事業期間全体の上限まで確認したうえで研究計画を作る必要があります。
過去年度の金額を参考にするときも、現在の制度へそのまま当てはめないよう注意してください。
まとめ|Go-Tech補助金は補助率と事業期間ごとの上限から計算する

2026年度のGo-Tech補助金は、通常枠で3年間最大9,750万円、大型研究開発枠では最大3億円です。
中小企業者等の補助率は原則2/3以内ですが、実際の補助額は補助率だけでは決まりません。
確認したいのは、
- 通常枠か大型研究開発枠か
- 2年間か3年間か
- 補助対象経費はいくらか
- 自社に適用される補助率はいくらか
- 単年度・事業期間全体の上限を超えていないか
- 共同体内でどのように補助金を配分するか
という点です。
特に通常枠は、単年度上限4,500万円を3年間単純に受け取れるわけではなく、3年間では合計9,750万円が上限となります。
補助率2/3で計算した金額が上限を超える場合、その超過分は事業者側の負担です。補助対象外経費も全額自己負担となるため、補助額だけでなく研究開発全体の資金計画を立ててください。
Go-Tech事業全体の制度内容、対象企業、対象経費なども確認したい場合は、「Go-Tech事業とは?2026年度の補助金額・対象者・申請要件を解説」も参考にしてください。
