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IT導入補助金は個人事業主も使える?対象条件・必要な準備・申請方法を解説

IT導入補助金は、個人事業主でも要件を満たせば利用できます。2026年度から制度名は「デジタル化・AI導入補助金」に変わりましたが、個人事業主も引き続き申請対象に含まれています。

ただし、個人事業主なら誰でも申請できるわけではありません。業種や事業規模などの要件を満たし、GビズIDプライムの取得やSECURITY ACTIONの宣言といった事前準備も必要です。

また、好きなソフトやパソコンを購入してから申請する制度ではありません。対象となるITツールや申請手順を確認し、交付決定を受けてから導入を進める必要があります。

目次

IT導入補助金は個人事業主でも申請できる

IT導入補助金は法人だけを対象とした制度ではなく、個人事業主も申請できます。2026年度のデジタル化・AI導入補助金でも、公式の申請対象に個人事業が含まれています。

2026年度も個人事業主は補助対象に含まれている

2026年度も、個人事業主はデジタル化・AI導入補助金の対象です。

対象には製造業や建設業だけでなく、小売業、サービス業、卸売業、運輸業など幅広い業種が含まれています。個人で店舗や事務所を運営している場合でも、対象要件を満たせば申請を検討できます。

たとえば、次のような目的でITツールを導入する場合が考えられます。

  • 会計・経理業務を効率化したい
  • 受発注管理をデジタル化したい
  • 販売・在庫管理を効率化したい
  • 決済業務をデジタル化したい
  • 顧客情報を一元管理したい

ただし、個人事業主本人の私生活で使用するソフトや機器を購入するための制度ではありません。事業上の業務効率化や生産性向上につながるIT導入が前提です。

個人事業主でも業種・従業員規模などの要件を満たす必要がある

個人事業主であっても、業種や事業規模などの申請要件を満たす必要があります。

2026年度の制度では、個人事業も中小企業の対象区分に含まれています。たとえば従業員規模の基準は、製造業・建設業・運輸業では300人以下、小売業では50人以下、一般的なサービス業では100人以下など、業種によって異なります。

また、小規模事業者には別の基準があり、常時使用する従業員数は次のとおりです。

業種小規模事業者の従業員基準
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

個人事業主だから自動的に「小規模事業者」として扱われるわけではありません。

自分がどの区分に該当するかを確認したうえで、利用する申請枠の要件を確認してください。

IT導入補助金を使える個人事業主の条件

個人事業主がIT導入補助金を利用するには、事業を営んでいることに加え、事業規模や申請時の各種要件を満たす必要があります。

「個人で仕事をしている」というだけで判断せず、現在の事業実態をもとに確認しましょう。

日本国内で事業を営んでいることが基本となる

申請する個人事業主は、日本国内で事業を営んでいることが基本です。

ITツールも、事業上の課題を解決したり、生産性を向上させたりする目的で導入します。

たとえば、個人で飲食店を営んでいる事業者が会計・決済システムを導入する場合や、サービス業を営む事業者が顧客管理システムを導入する場合などです。

一方、事業との関係を説明できないITツールや、プライベート用途を中心とした機器の購入は、補助事業の趣旨から外れます。

申請前には「このITツールを導入することで、どの業務をどのように改善するのか」を整理しておくと判断しやすくなります。

業種ごとの中小企業・小規模事業者の規模要件を確認する

対象となる事業規模は、業種によって異なります。

個人事業主の場合は資本金がないため、主に常時使用する従業員数などから対象区分を確認することになります。

代表的な従業員規模は次のとおりです。

業種中小企業としての従業員基準
製造業・建設業・運輸業300人以下
卸売業100人以下
サービス業100人以下
小売業50人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業300人以下
旅館業200人以下

従業員を雇っていない個人事業主だからという理由だけで対象外になるわけではありません。

ただし、対象者の条件は事業規模だけではありません。実際に申請する際は、公募要領に記載されたすべての要件を確認してください。

開業直後は申請に必要な書類と事業実態を確認する

開業したばかりの個人事業主は、通常の事業者と同じ書類をすべて用意できるとは限らないため、申請前に必要書類を確認してください。

特に確定申告をまだ一度も行っていない段階では、申請時にどの資料が必要になるかを最新の公募要領や交付申請マニュアルで確認する必要があります。

「開業直後だから必ず申請できない」とも、「開業届さえあれば必ず申請できる」とも一律には判断できません。

確認するときは、

  • 開業時期
  • 現在の事業実態
  • 確定申告の状況
  • 申請時に求められる証明書類
  • 利用する申請枠の要件

を整理します。

申請を前提にITツールを先に購入せず、書類と対象要件を確認してから準備を進めてください。

個人事業主がIT導入補助金で導入できるもの

個人事業主でも、事務局の対象として登録されたITツールを導入できます。

会計や受発注、決済など幅広い業務のデジタル化に利用できますが、市販されているITツールすべてが対象になるわけではありません。

登録されたITツールが補助対象となる

補助対象になるのは、所定の要件を満たして登録されたITツールです。

そのため、

ソフトを購入する
→あとから補助金を申請する

という流れではありません。

導入したいITツールが補助対象として登録されていることを確認し、IT導入支援事業者と連携して交付申請を行います。

登録対象にはソフトウェアだけでなく、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、導入設定や研修、保守サポートなども含まれています。

同じ製品名でもプランや機能によって扱いが異なることがあるため、実際に契約する内容まで確認してください。

会計・受発注・決済・販売管理などのITツールが対象候補になる

個人事業主の日常業務で使うさまざまなITツールが補助対象の候補になります。

具体的には、

  • 会計ソフト
  • 受発注システム
  • 決済システム
  • 販売管理システム
  • 在庫管理システム
  • 顧客管理ツール

などです。

たとえば、手入力で行っていた会計処理をクラウド会計ソフトへ移行したり、紙で管理していた受発注業務をシステム化したりする使い方が考えられます。

ただし、対象になるかどうかはツールの種類だけでは決まりません。

現在登録されているITツールであることや、申請する枠の対象経費に該当することを確認してから選びましょう。

パソコン単体では申請できない

パソコンやタブレットだけを購入する目的では申請できません。

2026年度のインボイス対応類型では、対象ソフトウェアとあわせて利用するPC・タブレット等について、条件を満たせば補助対象になります。ただし、ハードウェアのみの申請は認められていません。

判断の目安は次のとおりです。

導入内容対象の考え方
パソコンだけ購入対象外
登録された対象ソフトを導入対象候補
対象ソフト+PC・タブレット条件を満たせば対象候補
未登録ソフト+PC対象外

「パソコンを安く買いたい」ことを起点にするのではなく、事業で必要なITツールを導入し、その利用に必要な機器も対象になるかという順番で確認してください。

個人事業主が申請前に準備するもの

個人事業主が申請する場合は、GビズIDプライム、SECURITY ACTION、申請書類、登録ITツールなどを事前に準備します。

特にGビズIDプライムは取得に時間がかかるため、ITツールを選ぶ前後から早めに確認しておくとスムーズです。

GビズIDプライムを取得する

交付申請には、GビズIDプライムアカウントが必要です。

GビズIDプライムは、複数の行政サービスへ共通してログインするための認証アカウントです。個人事業主が申請する場合も必要になります。

2026年度の公式案内では、アカウント発行までの目安はおおむね2週間とされています。

そのため、公募締切の直前になってから取得を始めるのは避けたほうが安全です。

すでにアカウントを取得している場合も、

  • 現在ログインできるか
  • 登録情報が現在の事業情報と一致しているか

を確認しておきましょう。

SECURITY ACTIONを宣言する

申請前にはSECURITY ACTIONの宣言も必要です。

SECURITY ACTIONは、中小企業・小規模事業者等が情報セキュリティ対策へ取り組むことを自己宣言する制度です。

2026年度のデジタル化・AI導入補助金では、すべての申請枠・類型について、GビズIDプライムの取得とあわせてSECURITY ACTIONの宣言が交付申請の要件となっています。

申請準備を始める際は、

  1. GビズIDプライム
  2. SECURITY ACTION
  3. ITツール・支援事業者の選定

を並行して確認すると進めやすくなります。

個人事業主として必要な申請書類を準備する

個人事業主は、法人とは異なる本人確認・事業確認書類を求められるため、申請前に必要書類を確認してください。

必要書類は公募年度や申請条件によって変更されるため、過去年度の記事に掲載されている書類一覧をそのまま使用しないようにします。

特に確認したいのは、

  • 本人・事業者情報を確認する書類
  • 納税状況などを確認する書類
  • 申請内容に応じて必要となる資料

です。

書類によっては取得から一定期間以内のものを求められることもあるため、取得時期まで含めて最新の申請マニュアルを確認してください。

IT導入支援事業者と登録ITツールを確認する

申請するには、利用するIT導入支援事業者と対象ITツールを決めます。

IT導入支援事業者は、ITツールの導入や申請手続きなどを支援する事業者です。

自分で好きな製品を購入してから支援事業者を探すのではなく、

業務上の課題を整理する
→対象ITツールを探す
→取り扱うIT導入支援事業者を確認する

という順で進めるとよいでしょう。

必要以上に高機能なシステムを選ぶのではなく、個人事業の規模や実際の業務に合ったツールを選定することも大切です。

個人事業主がIT導入補助金を申請する流れ

個人事業主の申請は、IT導入支援事業者と連携しながら進めます。

申請者自身が行う手続きもあるため、「IT業者にすべて任せればよい」という仕組みではありません。

IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受ける

導入するITツールとIT導入支援事業者を決めたら、交付申請の準備へ進みます。

IT導入支援事業者側と申請者側では、入力する内容や担当する手続きが異なります。

そのため、申請を始める前に、

  • 誰が入力する項目か
  • いつまでに何を準備するか
  • 必要な書類は揃っているか

を確認してください。

支援事業者との連携は必要ですが、最終的に申請内容を確認するのは申請者自身です。

申請者自身で基本情報・必要書類を入力する

申請マイページでは、個人事業主自身が事業者の基本情報や必要事項を入力します。

必要書類も申請者側で準備して添付します。

IT導入支援事業者が申請をサポートするからといって、自分の事業情報を確認せず任せきりにするのは避けてください。

入力内容と提出書類に食い違いがないよう、

  • 屋号
  • 所在地
  • 事業内容
  • 従業員情報
  • 各種申請情報

などを確認しながら進めます。

IT導入支援事業者と申請内容を完成させて提出する

申請者側の情報入力後は、IT導入支援事業者側でもITツール情報などの必要事項を入力し、申請内容を完成させます。

最終的には申請者が入力内容を確認し、宣誓を行ったうえで事務局へ提出します。

この段階で、

  • 導入するITツールに間違いがないか
  • 金額が見積内容と一致しているか
  • 事業者情報に誤りがないか

などを確認してください。

申請を送信しただけで補助金の支給が決まるわけではありません。審査を経て交付決定を受ける必要があります。

交付決定後にITツールを契約・導入する

ITツールの正式な契約・導入は、交付決定後に進めます。

申請したからといって、交付決定前に購入してよいわけではありません。交付決定より前に契約や支払いを行うと、補助対象として認められないため注意が必要です。

交付決定後は、

契約・発注
→納品・導入
→支払い
→事業実績報告

という流れで進めます。

ITツールの導入時期が決まっている場合は、公募締切だけでなく交付決定予定日や事業実施期間まで確認してスケジュールを組んでください。

個人事業主がIT導入補助金を利用するときの注意点

個人事業主が利用するときは、購入時期と対象ITツールを特に確認してください。

「補助金があると知ったから先に購入する」という進め方は、補助対象外になる原因になります。

交付決定前にITツールを購入しない

申請予定のITツールは、交付決定前に契約・購入しないようにしてください。

補助金は、すでに購入したソフトや機器の費用を後から補てんしてもらう制度ではありません。

申請を予定している場合は、

  1. 対象要件を確認する
  2. IT導入支援事業者・ITツールを選ぶ
  3. 交付申請する
  4. 交付決定を受ける
  5. 契約・導入する

という順番を守ります。

急いでシステムを導入したい場合も、補助金を使うのであれば交付決定までの期間を事業計画に含めておく必要があります。

登録されていないITツールは補助対象にならない

導入したいITツールが制度の対象として登録されていなければ、基本的にそのツールを使って交付申請することはできません。

「有名な会計ソフトだから対象」
「他の事業者が使っているから対象」

と判断しないようにしてください。

同じサービスでも複数の料金プランが用意されていることがあります。利用したいプランや機能まで対象になっているかを確認してから申請を進めましょう。

2026年度はデジタル化・AI導入補助金の最新要件を確認する

2026年度から、従来のIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」として実施されています。

そのため、2025年度以前のIT導入補助金について書かれた情報を、そのまま2026年度の申請に使わないようにしてください。

特に、

  • 対象者
  • 申請枠・類型
  • 対象ITツール
  • 補助率・補助額
  • 必要書類
  • 申請期限
  • SECURITY ACTIONの手続き

は最新情報を確認する必要があります。

2026年度はSECURITY ACTIONのシステム変更に伴い、利用できる自己宣言IDの扱いにも変更があります。過去に宣言済みの場合でも、実際に申請する公募回で利用できるIDか確認してください。

まとめ|個人事業主も条件を満たせばIT導入補助金を利用できる

IT導入補助金は、個人事業主でも要件を満たせば利用できます。2026年度から制度名はデジタル化・AI導入補助金へ変わっていますが、個人事業も申請対象に含まれています。

申請を検討するときは、まず自分の業種や事業規模が対象となるかを確認してください。

そのうえで、GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言、必要書類の準備、登録ITツールとIT導入支援事業者の選定を進めます。

また、パソコンだけを購入するためには利用できません。条件を満たすインボイス対応ソフトなどとあわせて導入するPC・タブレット等は、対象となる枠があります。

補助金を使う場合は、交付決定前に契約・購入しないことも忘れないようにしてください。

個人事業主だから利用できないと考えるのではなく、現在の事業内容と導入したいITツールを整理し、2026年度の最新要件に沿って申請できるか確認しましょう。

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