企業のデジタル化が加速する一方で、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクも年々高まっています。
特に中小企業では、セキュリティ対策を後回しにしてしまい、結果的に被害を受けてしまうケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、IT導入補助金を活用したUTM(統合脅威管理)導入です。
UTMは、ファイアウォール・ウイルス対策・不正侵入検知などを一括で行うセキュリティ機器で、近年はテレワークやクラウド環境の普及に伴い、導入企業が急増しています。
しかし導入には初期費用や保守コストがかかるため、費用負担を理由に導入をためらう企業も少なくありません。
本記事では、「UTMはIT導入補助金の対象になるのか?」という疑問に明確に答えるとともに、
・補助金の対象枠と申請条件
・申請から導入までの流れ
・実際の導入コストと補助額の目安
・注意点やよくある誤解
までをわかりやすく解説します。
「UTM導入も補助金の対象になり得る」ことを正しく理解し、セキュリティ強化とコスト削減を両立させるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
IT導入補助金とは|中小企業のIT活用を支援する国の制度

デジタル化が進む中で、中小企業にとってIT活用はもはや選択肢ではなく「経営の必須要素」となっています。
しかし、システム導入やツール整備には一定のコストが発生するため、導入をためらう企業も少なくありません。
そうした課題を解決するために設けられたのが、IT導入補助金です。国が一部費用を負担することで、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押ししています。
制度の目的と対象事業者
IT導入補助金の目的は、中小企業や小規模事業者の生産性向上・業務効率化・売上拡大を支援することです。
対象は、製造業・建設業・小売業・サービス業など幅広く、個人事業主も条件を満たせば申請可能です。
ITツールの導入を通じて「アナログ業務からの脱却」や「リモート環境整備」などを実現する企業を支援しています。
補助金の採択を受けるには、「IT導入支援事業者」と呼ばれる登録業者を通じて申請することが必須です。
この仕組みにより、ツールの適正導入や事務手続きの円滑化が保証され、企業の負担が軽減されます。
通常枠・デジタル化基盤導入枠・セキュリティ対策推進枠の違い
IT導入補助金には複数の枠が用意されており、導入目的や対象ツールに応じて使い分ける必要があります。
特に、UTM導入を検討している企業に関連するのが「セキュリティ対策推進枠」です。
| 補助枠 | 主な対象 | 特徴 |
| 通常枠 | 業務効率化ツール・顧客管理システムなど | 幅広いITツールの導入を支援 |
| デジタル化基盤導入枠 | クラウド会計・電子商取引・インボイス対応 | 中小企業のデジタル環境整備に特化 |
| セキュリティ対策推進枠 | UTM・EDR・SOCなどのセキュリティ機器 | サイバー攻撃対策や情報漏えい防止に特化 |
特にセキュリティ対策推進枠は、UTMのような統合型セキュリティ機器の導入費用を補助対象とする唯一の枠であり、近年のサイバーリスク増加を受けて注目が高まっています。
補助率・補助上限の概要(2025年度最新版)
IT導入補助金の補助率・上限は、利用する枠(区分)によって異なります。
特に2025年度は「セキュリティ対策推進枠(保安枠)」が設けられ、UTMなどのサイバーセキュリティ機器やサービス導入を対象に、上限150万円・補助率1/2(小規模企業は2/3)まで支援される仕組みとなっています。
この枠では、機器購入費に加えて最大2年分の保守・利用料も補助対象となる点が大きな特徴です。
| 区分 | 補助率 | 上限額 | 主な対象経費例 |
| 通常枠 | 1/2以内 | 最大450万円 | 業務システム、CRM、会計ソフトなど |
| デジタル化基盤導入枠 | 3/4以内 | 最大350万円 | クラウド・ECサイト・電子取引基盤など |
| セキュリティ対策推進枠(保安枠) | 1/2(小規模企業は2/3) | 最大150万円 | UTM、EDR、SOC、セキュリティ保守サービスなど |
たとえば、UTM導入費が200万円の場合、小規模企業であれば約100万円の補助を受けられ、実質負担は100万円程度に抑えられます。
中小企業の場合でも補助率1/2のため、約100万円の導入費が補助対象となります。
このように、「保安枠=セキュリティ専用の補助メニュー」を活用すれば、高額なセキュリティ機器を導入する際の初期費用を大幅に軽減でき、中小企業でも安心してUTMを導入できる環境が整っています。
IT導入補助金は“コストを抑えてDXを進める最短ルート”
IT導入補助金は、単なる経費支援制度ではなく、中小企業が時代に取り残されないための“成長インフラ”です。
特にセキュリティ対策推進枠は、UTM導入を検討する企業にとって最も費用対効果の高い手段と言えるでしょう。
「導入したいけどコストが不安」と感じている企業ほど、早期の情報収集と事業者選定がカギになります。
UTMとは|中小企業に必要な統合型セキュリティ対策

近年、標的型攻撃やランサムウェアの被害は中小企業にも広がり、サイバーセキュリティは経営課題の一つになっています。
しかし、複数のセキュリティソフトを導入・管理するのはコストも手間もかかります。
そこで注目されているのが、複数の防御機能を一元化できる「UTM(UnifiedThreatManagement)」です。
中小企業でも導入しやすく、限られた人員でも高度な防御体制を構築できるのが大きな魅力です。
UTM(UnifiedThreatManagement)の仕組みと特徴
UTMは、複数のセキュリティ機能を1台の機器で統合管理できる仕組みです。
ファイアウォールやウイルス対策、不正侵入検知、スパムメール防止などをまとめて制御できるため、シンプルかつ効率的なセキュリティ運用が可能になります。
主な機能には以下のようなものがあります。
・ファイアウォール機能(外部からの不正アクセス防止)
・ウイルス・マルウェア対策
・不正侵入検知(IPS/IDS)
・フィッシングや悪意あるサイトの遮断
・VPN(仮想専用線)による安全なリモート接続
これらを一元管理できるため、中小企業でも専門知識がなくても扱いやすいのがUTMの強みです。
導入によって期待できる効果(ウイルス・不正アクセス・情報漏えい防止)
UTMを導入することで、ネットワーク全体を多層的に防御できるようになります。
社内パソコン1台ごとのウイルス対策では防ぎきれない「外部からの侵入」「内部情報の持ち出し」などをまとめて監視できる点が特徴です。
一例として、UTM導入後に「不審な外部通信を自動遮断できた」「ランサムウェア被害を未然に防げた」といった事例も多く報告されています。
結果として、顧客情報や取引データの保全につながり、企業の信頼性を守る効果が期待できます。
クラウド化・テレワーク環境でUTMが注目される理由
リモートワークやクラウドサービスの普及により、社外からのアクセスが増えています。
このような環境では、どこからでも社内ネットワークに安全に接続できる仕組みが欠かせません。
UTMは、VPN機能によってリモートアクセス時も通信を暗号化し、「どの場所からでも安全に働ける」環境を実現します。
また、近年ではクラウド対応UTM(クラウドUTM)も登場しており、オンプレミス環境だけでなくSaaS利用企業にも最適です。
導入・管理が容易で、セキュリティ更新も自動化できるため、人的リソースが限られる中小企業にとって導入価値は高いと言えます。
UTMは“中小企業の防御インフラ”となる存在
UTMは単なるセキュリティ機器ではなく、企業の信頼と事業継続を守る“防御の要”です。
クラウドやテレワークの拡大によってリスクが増す今、IT導入補助金を活用してUTMを導入することは、費用対効果の高い投資です。
限られた予算で最大の安全性を確保したい企業こそ、今こそUTM導入を検討すべきタイミングと言えるでしょう。
IT導入補助金の「セキュリティ対策推進枠」でUTMが対象になる理由

UTM(統合脅威管理)は、サイバー攻撃・情報漏えい・不正アクセスなどの脅威を一括で防御できる統合型セキュリティ機器です。
その重要性が年々高まる中で、IT導入補助金の「セキュリティ対策推進枠(保安枠)」が設けられ、UTMの導入費用が補助対象となっています。
この章では、2025年度版の補助内容と、UTMが対象となる理由を具体的に解説します。
セキュリティ対策推進枠の概要と目的
2025年度のIT導入補助金では、サイバー攻撃やランサムウェア被害の増加を背景に、中小企業のセキュリティ対策を支援する「セキュリティ対策推進枠(保安枠)」が用意されています。
この枠は、従来の「通常枠」「デジタル化基盤導入枠」とは異なり、防御力の強化に特化したITツール(UTMなど)の導入を目的としています。
補助条件は以下の通りです。
| 枠名 | 補助率・上限(2025年度) |
| 通常枠 | 1/2・上限450万円 |
| デジタル化基盤導入枠 | 2/3・上限350万円(ハード含む) |
| セキュリティ対策推進枠(保安枠) | 1/2(小規模企業は2/3)/上限150万円 |
| 補助対象期間 | 機器購入+最大2年分の保守・利用料 |
このように、UTM導入にかかる初期費用だけでなく、最大2年間の保守・運用費も補助対象となるのが2025年の大きな変更点です。
費用負担を抑えながら、継続的なセキュリティ対策を構築できるよう制度が拡充されています。
対象となるUTM製品・サービスの要件(ITツール登録済みであること)
補助金の対象となるUTMは、「IT導入支援事業者」が登録しているITツールである必要があります。
この登録制度は、信頼性の高いセキュリティ製品を導入するための基準となっており、登録済みUTMのみが補助対象です。
申請時は、以下の2点を必ず確認しましょう。
1.導入予定のUTMが「ITツール登録済み」であるかどうか
→未登録ツールを購入しても補助金の対象外になります。
2.IPA(情報処理推進機構)の「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているか
→補助金対象のUTMは、IPA公式サイトで確認可能です。
これらの確認を怠ると、交付決定後に対象外と判定されるリスクがあるため注意が必要です。
導入支援事業者を通じた申請が必要な仕組み
IT導入補助金は、企業が直接申請するのではなく、IT導入支援事業者(補助金登録済みベンダー)を通して行う申請方式です。
支援事業者が補助金の書類作成・ツール登録・実績報告までを一括で支援するため、手続きがスムーズに進みます。
導入支援事業者を選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。
・補助金の採択実績があるか
・セキュリティ製品の取扱経験があるか
・アフターサポートや設定支援体制が整っているか
信頼できる支援事業者を選定することで、不備による不採択や補助対象外リスクを防ぐことができます。
他の補助枠(通常枠・デジタル化基盤枠)との違い
セキュリティ対策推進枠(保安枠)は、“防御のIT投資”に特化している点が最大の特徴です。
他の枠との主な違いは以下の通りです。
| 比較項目 | 通常枠 | デジタル化基盤導入枠 | セキュリティ対策推進枠(保安枠) |
| 主目的 | 生産性向上 | 業務デジタル化 | 情報セキュリティ強化 |
| 対象例 | 業務システム・会計ソフト | クラウド導入・POS・EC | UTM・EDR・SOC監視など |
| 補助上限 | 450万円 | 350万円 | 150万円 |
| 補助率 | 1/2 | 2/3 | 1/2(小規模2/3) |
| 保守費対象 | 一部のみ | 最大2年 | 最大2年分保守・利用料OK |
つまり、UTM導入を検討している企業は、セキュリティ対策推進枠を選ぶのが最も有利です。
通常枠やデジタル化基盤枠では対象外になる機器も、保安枠なら補助対象に含まれるケースがあります。
UTM導入は保安枠を活用して費用負担を最小限に
UTMの導入は、サイバー攻撃から企業を守る経営リスク対策の要です。
2025年度のIT導入補助金では、上限150万円・補助率最大2/3・最大2年分保守費も対象となり、これまで以上に導入しやすくなりました。
さらに、IPA「お助け隊リスト」に掲載された信頼性の高い製品を選ぶことで、補助金の活用+安心のセキュリティ強化が同時に実現できます。
制度を正しく理解し、補助金を賢く使うことで、費用を抑えた“守りのDX”を今すぐ実現しましょう。
申請〜導入までの流れ

IT導入補助金を活用してUTMを導入する際には、いくつかのステップを順に踏む必要があります。
特にセキュリティ対策推進枠は、通常枠に比べて申請手続きがやや複雑なため、事前準備とスケジュール管理が採択のカギとなります。
①gBizIDプライムの取得と事前準備
申請の第一歩は、「gBizIDプライムアカウント」の取得です。
これは、IT導入補助金の申請に必須の電子認証システムで、申請企業の代表者名義で登録を行います。
登録から発行まで約2〜3週間かかるため、できるだけ早めに手続きを開始することが重要です。
また、同時に以下の準備も進めておきましょう。
・直近2期分の決算書の準備
・会社概要・従業員数などの基本情報整理
・導入目的(課題・改善目標)の明確化
②IT導入支援事業者の選定・見積依頼
次に、UTM製品を扱うIT導入支援事業者を選定します。
支援事業者は、国に登録された公式パートナーであり、補助金申請や導入サポートを担います。
選定時のポイントは以下の通りです。
・登録済みのUTMを扱っているか
・過去の採択実績が豊富か
・申請から導入まで一貫対応できる体制があるか
見積依頼時には、導入台数・保守期間・設置環境などを明確に伝えると、スムーズに進みます。
③交付申請書の作成と提出
見積が確定したら、交付申請書を作成・提出します。
この段階では、IT導入支援事業者が主導で書類を整え、企業は内容確認と押印(電子申請)のみ行うのが一般的です。
審査では、以下の点が重視されます。
・導入目的が明確であるか(業務改善・セキュリティ強化の具体性)
・経費の根拠が合理的であるか
・導入による成果目標(業務効率・リスク削減など)が妥当か
形式的な申請ではなく、「なぜ今UTMが必要か」を明確に説明することが採択率向上につながります。
④採択・導入・実績報告・補助金受領までのスケジュール
申請後、採択結果の通知までは通常1〜2か月程度です。
採択が決定したら、UTMの発注・導入作業を行い、導入後に実績報告書の提出を経て補助金が交付されます。
一連の流れは以下の通りです。
1.交付申請→採択決定
2.機器発注・納品・設定(導入期間 – 約1〜2か月)
3.実績報告書を提出(経費証憑・導入証明)
4.事務局審査後、補助金交付
補助金入金までには全体でおよそ4〜6か月程度を見込んでおくと安心です。
審査通過率を上げるためのポイント(自社課題の明確化)
採択率を高めるためには、「自社の課題」と「UTM導入による解決効果」を具体的に示すことが重要です。
たとえば次のような整理を行うと効果的です。
・【現状課題】社内のセキュリティ対策がバラバラで、一元管理ができていない
・【導入目的】外部攻撃の検知精度を高め、情報漏えいリスクを防止
・【期待効果】管理工数の削減、社員の安全なリモートアクセス環境の構築
これにより、単なる機器導入ではなく、経営課題に基づいたIT投資であることを明確にアピールできます。
計画性と根拠のある申請が成功のカギ
UTM導入を補助金で実現するには、事前準備・事業者選定・書類の整合性の3点を徹底することが不可欠です。
「補助金をもらって導入する」ではなく、「企業を守るための投資を国の支援で実現する」という意識を持つことが成功への第一歩です。
早めのスケジュール管理と正確な申請書作成で、採択のチャンスを確実に掴みましょう。
導入コストと補助金額のシミュレーション

UTM導入を検討する際、多くの企業が気にするのが「導入コストと補助金適用後の負担額」です。
2025年度のIT導入補助金(セキュリティ対策推進枠・保安枠)では、機器購入費+最大2年分の保守・利用料が対象となり、上限150万円・補助率1/2(小規模企業は2/3)の支援が受けられます。
ここでは、UTM導入にかかるおおよその費用と、補助金適用後の実質負担額を具体的に見ていきます。
一般的なUTM導入費用の相場(初期費・月額・保守費)
UTMの費用は、機種やネットワーク規模、同時接続数によって異なります。
中小企業における一般的な導入コストの相場は以下の通りです。
| 費用項目 | 内容 | 相場(税抜) |
| 初期導入費 | 本体機器+設置・設定費 | 約20〜100万円 |
| 月額利用料 | ライセンス・アップデート料 | 約5,000〜15,000円 |
| 年間保守費 | メーカー保守・サポート契約 | 約5〜20万円/年 |
| 5年間運用合計目安 | 初期費+5年保守+利用料 | 約80〜200万円前後 |
UTMは、一度導入して終わりではなく、保守契約とアップデート運用が継続的に必要なセキュリティ機器です。
そのため、導入時点で「2年分の保守費を含めた申請」を行うことが推奨されています。
補助率適用後の実質負担額の目安
2025年度の保安枠に基づく補助金適用後の費用シミュレーションを見てみましょう。
| 導入費用総額 | 補助率(中小企業) | 補助金額 | 実質負担額 |
| 150万円 | 1/2 | 75万円 | 75万円 |
| 150万円(小規模企業) | 2/3 | 100万円 | 50万円 |
| 200万円 | 上限150万円対象 | 100万円 | 100万円 |
| 300万円 | 上限150万円対象 | 150万円 | 150万円 |
上限150万円まで補助対象となるため、導入規模が大きいほど自己負担額も増えますが、小規模企業の場合は最大2/3(100万円補助)が受けられるため、実質負担が大きく軽減されます。
補助金を使うことで、約半分〜3分の1のコストで導入可能になる点が大きなメリットです。
併用できる他の支援制度(都道府県助成金など)
国のIT導入補助金に加え、地方自治体でもセキュリティ対策を支援する助成金制度が設けられています。
UTMやファイアウォールなどを対象とする代表的な支援策は次のとおりです。
・東京都 – 「中小企業サイバーセキュリティ対策助成金」
最大100万円(1/2補助)で、UTM・EDR導入や脆弱性診断費用を支援。
・大阪府 – 「デジタルセキュリティ強化支援事業」
セキュリティ対策ツール導入費の一部を補助。
・地方自治体のIT・DX推進助成金
クラウド導入・セキュリティ強化費を対象とするケースも。
これらの制度はIT導入補助金との併用が認められない場合もあるため、申請前に必ず事務局または支援機関に確認しましょう。
実質負担を半減できる「保安枠150万円」を最大限活用しよう
UTM導入は、今や「コスト」ではなく「リスク回避の投資」です。
2025年度のIT導入補助金(セキュリティ対策推進枠)では、上限150万円・補助率1/2(小規模企業は2/3)・最大2年分保守費も対象となり、中小企業でも費用負担を抑えて高性能なUTMを導入できるチャンスが広がっています。
さらに、地方自治体の助成制度と組み合わせることで、実質的な導入負担をさらに低減できます。
セキュリティ対策の第一歩として、今こそ補助金を活用し、「安全なDX基盤」構築の好機を逃さないようにしましょう。
IT補助金でUTMを導入する際の注意点

IT導入補助金を活用することで費用を抑えてUTMを導入できますが、全ての経費が補助対象になるわけではありません。
補助要件を正しく理解していないと、後から「対象外」とされるリスクもあります。
ここでは、UTM導入時によくある注意点を整理します。
補助対象外となるケース(中古機器・既存更新・契約前導入など)
補助金が適用されるのは、採択決定後に発注・支払い・導入した経費のみです。したがって、申請前に契約・購入したUTM機器は対象外になります。
また、以下のようなケースも補助対象外となるため注意が必要です。
・中古・リースアップ品の購入
・既存機器の更新やバージョンアップのみの導入
・申請前に導入を開始していた場合
・個人利用や業務外用途を含む場合
つまり、「交付決定通知を受けた後に導入する」ことが原則です。
スケジュール管理を誤ると補助金を受け取れないため、契約タイミングは慎重に決めましょう。
ITツール登録事業者以外の導入は対象外
UTMを導入する際は、IT導入支援事業者に登録されている業者から購入・申請する必要があります。
非登録業者や独自仕入れによる導入は、補助金対象から外れてしまいます。
登録事業者を選ぶメリットは次のとおりです。
・補助金要件を満たした導入プランを提案してもらえる
・書類作成や申請のサポートを受けられる
・実績報告・経費証憑の整理まで代行してもらえる
補助金を確実に活用するためには、「登録済みITツール」と「支援事業者経由の申請」が絶対条件です。
運用・保守コストは補助の対象外である点に注意
補助金でカバーされるのは初期導入費用(機器購入・設定・構築など)までであり、導入後の運用費・保守費・ライセンス更新費用などは対象外です。
そのため、補助金適用後も年間でどの程度の運用費がかかるかをあらかじめ試算しておく必要があります。
特にクラウド型UTMでは月額課金が発生するため、長期運用コストを見据えた計画が求められます。
補助金は導入のきっかけであり、継続的にセキュリティを維持するための運用体制づくりが最終的な成功ポイントです。
「申請前に契約しない」「登録事業者を通す」が鉄則
UTM導入で補助金を活用する際は、タイミングと手続きの正確さがすべてです。
交付決定前の契約や対象外業者の利用は、採択後でも補助金が支給されない大きなリスクになります。
補助金を“使える”だけでなく、“確実に受け取る”ためにも、事前に支援事業者へ相談し、適正な導入プロセスを踏むことが不可欠です。
マーケティング効果測定にも活用できる「UTMパラメータ」との混同に注意

IT導入補助金を活用して「UTMを導入したい」と考える際、意外と多いのが「UTM(統合脅威管理)」と「UTMパラメータ(アクセス解析用タグ)」の混同です。
どちらも“UTM”という略語を使いますが、意味も目的もまったく異なるものです。
特に補助金の申請時にこの2つを誤認すると、「対象外ツールを申請してしまう」といったトラブルにもつながるため注意が必要です。
ここでは、それぞれの違いと、申請時の誤解を防ぐためのポイントを整理します。
UTM(統合脅威管理)とUTMパラメータの違い
| 項目 | UTM(統合脅威管理) | UTMパラメータ(UrchinTrackingModule) |
| 主な目的 | サイバー攻撃・不正アクセスからネットワークを守る | Web広告・SNSなどのアクセス経路を分析する |
| 分類 | セキュリティ機器 | マーケティング解析ツールの一部 |
| 対象分野 | 情報セキュリティ・ネットワーク保護 | デジタルマーケティング・広告効果測定 |
| IT補助金での扱い | 「セキュリティ対策推進枠」で対象 | 原則として対象外(分析目的のため) |
つまり、補助金の文脈で「UTMを導入する」とは、セキュリティ機器(UnifiedThreatManagement)を指すのが正解です。
一方、UTMパラメータはGoogleAnalyticsなどで使うURLタグのことであり、広告効果を測定するためのWebマーケティング手法です。
この2つを混同して申請すると、審査の段階で「導入目的が異なる」と判断され、不採択や修正指示が入るリスクがあります。
よくある誤解と申請時のトラブル回避策
UTMに関する混同トラブルは、特にマーケティング担当者やWeb運用チームが申請に関わる企業で発生しやすい傾向があります。
以下のような「よくある誤解」に注意しましょう。
よくある誤解の例
・「Google広告で使うUTMパラメータもIT補助金で導入できるのでは?」
・「UTMを使えば広告効果の可視化だから“ITツール”になるはず」
・「UTM付きURLを自社システムに設定したいから補助対象になるかも」
これらはいずれも誤解です。
IT導入補助金では、情報セキュリティ対策(守り)に関するツールが対象であり、UTMパラメータのような広告・解析目的の仕組み(攻めのマーケティング)は補助対象外です。
トラブルを防ぐポイント
1.導入目的を「防御」か「分析」かで明確に分類する
2.「UTMパラメータ」と記載する場合は、文中で「アクセス解析用タグ」と補足する
3.不明な場合は、事務局または支援事業者に事前確認を行う
この確認を怠ると、せっかくの申請が形式上の理由で却下されるリスクがあります。
目的に応じたITツール選定のポイント
UTM(統合脅威管理)とUTMパラメータのように、略語や機能が似ているITツールは多く存在します。
そのため、導入時には「何を達成したいのか」という目的ベースでツールを選定することが最も重要です。
目的別の選定例
・セキュリティ強化が目的の場合
→UTM、EDR、SOCなどの防御系ツール(セキュリティ対策推進枠の対象)
・マーケティング改善・効果測定が目的の場合
→MAツール、アクセス解析、CRMなど(通常枠または対象外)
・業務効率化や電子化が目的の場合
→クラウド会計・ECサイト構築・電子請求書システムなど(デジタル化基盤導入枠)
「何を守る・何を改善するか」を明確にすることで、補助金の適用範囲が自然と定まるのです。
また、UTMのようなセキュリティ機器を導入する場合は、攻めのDX(マーケティング)とは異なる“守りのIT投資”として扱うことを意識しておくと良いでしょう。
UTM導入を補助金で賢く進めるなら「保安枠150万円」を活用しよう

補助金申請の場で最も注意すべきポイントは、「UTM」という言葉をどう使うかです。
UTM(統合脅威管理)はセキュリティ投資として補助対象ですが、UTMパラメータはマーケティングの領域であり、補助対象外です。
この違いを理解しておくことで、誤申請を防ぎ、スムーズな採択・導入を実現できます。
「略語に惑わされず、本来の目的を正確に伝える」それが、成功する補助金活用の第一歩です。
UTM導入を補助金で賢く進めるなら「保安枠150万円」を活用しよう
UTM(統合脅威管理)は、中小企業の情報セキュリティを守る最前線に立つ存在です。
サイバー攻撃・不正アクセス・情報漏えいのリスクが急増する今、UTMの導入はもはや“大企業だけの投資”ではありません。
2025年度のIT導入補助金「セキュリティ対策推進枠(保安枠)」を活用すれば、上限150万円/補助率1/2(小規模企業は2/3)の支援を受けて、初期費用+最大2年分の保守費までカバーできます。
また、IPA(情報処理推進機構)の「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されたツールを選ぶことで、補助金対象かつ信頼性の高いセキュリティ導入を実現できます。
さらに、東京都などの自治体が提供する地域助成金・DX推進支援制度を組み合わせれば、実質負担をより減らしながら、自社の防御力を長期的に底上げすることも可能です。
IT導入補助金を使ったUTM導入は、単なるコスト削減策ではなく、「企業の信頼を守るための投資」として考える時代です。
セキュリティ対策を後回しにせず、今こそ補助金を味方につけて、安心・安全な業務環境を“補助金で実現する”チャンスをつかみましょう。
