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小規模事業者持続化補助金は個人事業主も対象?条件や申請方法を解説

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主でも利用できる可能性があります。

ただし、個人で事業を行っていれば、誰でも申請できるわけではありません。業種ごとに定められた従業員数などの条件を満たし、経営計画に基づく販路開拓へ取り組む必要があります。

「自分は小規模事業者に該当するのか」

「補助金はいくら受け取れるのか」

「どのような書類を準備すればよいのか」

このような疑問を持つ個人事業主も多いのではないでしょうか。

申請には、経営計画書や補助事業計画書の作成だけでなく、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書も必要です。補助金の申請期限より前に発行依頼の期限が設定されるため、早めに準備しなければなりません。

本記事では、個人事業主が小規模事業者持続化補助金を利用するための条件、補助率・上限額、申請方法、注意点を解説します。

目次

小規模事業者持続化補助金は個人事業主も申請できる

小規模事業者持続化補助金は、一定の条件を満たす個人事業主も申請できます。

法人でなければ申請できない制度ではありません。個人事業主であっても、小規模事業者に該当し、販路開拓などの対象事業へ取り組む場合は申請対象になります。

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが自ら経営計画を作成し、その計画に基づいて行う販路開拓や、販路開拓と併せて行う業務効率化を支援する制度です。

対象となる取り組みには、次のようなものがあります。

  • 新規顧客を獲得するための広告
  • チラシやパンフレットの制作
  • 商品を販売するためのWebサイト制作
  • 展示会や商談会への出展
  • 新商品の開発
  • 店舗の改装
  • 販路開拓に必要な機械の導入

補助金を使って自由に運転資金を確保する制度ではありません。

家賃や生活費、既存の借入金の返済などではなく、販路開拓につながる具体的な事業へ使用します。

また、商工会・商工会議所の会員であることは、申請の必須条件ではありません。事業を営む地域を管轄する商工会または商工会議所へ相談し、必要な支援を受けながら申請を進めます。

個人事業主が対象になる条件

個人事業主が申請するには、申請時点で事業を営んでおり、小規模事業者の要件を満たす必要があります。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 個人事業主として事業を営んでいる
  • 業種ごとの従業員数の要件を満たしている
  • 商工会または商工会議所の管轄地域内で事業を行っている
  • 販路開拓などの補助対象事業へ取り組む
  • 過去の補助金受給や課税所得などの条件を満たす
  • 対象外となる事業者に該当しない

個人事業主として活動していても、事業の実態を確認できなければ申請できない可能性があります。

開業届だけでなく、確定申告書や売上台帳など、事業を行っていることを確認できる資料が必要になる場合もあります。提出書類は公募回や申請者の状況によって異なるため、最新の公募要領を確認してください。

業種ごとの従業員数

小規模事業者に該当するかどうかは、業種と常時使用する従業員数によって判断されます。

業種常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
宿泊業・娯楽業20人以下
製造業・その他20人以下

例えば、小売店、美容室、一般的な飲食サービスなどは、商業・サービス業として5人以下が基準です。

製造業や建設業の個人事業主は、20人以下であれば小規模事業者に該当する可能性があります。

従業員数を数えるときは、雇用している人を単純にすべて合計するとは限りません。

会社役員、個人事業主本人、一定条件の短時間労働者などは、常時使用する従業員に含まれない場合があります。誰を従業員として数えるかは、公募要領に記載された定義で判断しましょう。

個人事業主も規模の条件を満たせば対象になる

個人事業主も、業種別の従業員数などの条件を満たせば、小規模事業者持続化補助金を申請できます。

ただし、個人で事業をしていることだけでは不十分です。

事業の実態があり、経営計画に基づいて販路開拓へ取り組むことが求められます。

小規模事業者持続化補助金の補助率と補助上限額

小規模事業者持続化補助金では、補助対象経費の全額が支給されるわけではありません。

対象経費に補助率を掛けた金額と、補助上限額を比較し、低いほうが補助金額の目安になります。

補助率

一般型・通常枠の補助率は、原則として補助対象経費の3分の2です。

賃金引上げ特例を利用する赤字事業者については、一定の条件を満たすと補助率が4分の3になります。

例えば、補助対象経費が60万円で補助率が3分の2の場合、計算上の補助金額は40万円です。

一方、補助対象経費が120万円の場合、3分の2は80万円になります。しかし、通常の補助上限額が50万円であれば、受け取れる補助金は原則として50万円までです。

補助対象外の経費や消費税などは自己負担となります。

補助上限額

一般型・通常枠の補助上限額は50万円です。

一定の条件を満たす場合は、インボイス特例や賃金引上げ特例による上乗せを受けられます。

区分補助上限額
通常50万円
インボイス特例50万円を上乗せ
賃金引上げ特例150万円を上乗せ
両方の特例を利用200万円を上乗せ
両特例を含む最大額250万円

インボイス特例だけを利用する場合は最大100万円、賃金引上げ特例だけを利用する場合は最大200万円です。

両方の特例要件を満たす場合は、通常の50万円に200万円が上乗せされ、最大250万円となります。

申請枠や特例による違い

小規模事業者持続化補助金には、一般型・通常枠のほか、創業型などが設けられることがあります。

創業型は、創業後の期間や特定創業支援等事業の利用など、通常枠とは異なる条件が設定されます。補助上限額も通常枠とは異なるため、開業時期や申請要件を確認して選びましょう。

また、特例は申請時に選べば必ず適用されるものではありません。

インボイス登録や事業場内最低賃金の引き上げなど、それぞれの要件を満たす必要があります。補助事業の終了時までに条件を満たせない場合は、特例分を受け取れない可能性があります。

申請する公募回の金額を確認する

一般型・通常枠の補助率は原則3分の2、補助上限額は50万円です。

ただし、特例や申請枠によって補助率・上限額は変わります。

制度の内容は改定される可能性があるため、申請時には必ず最新の公募要領を確認しましょう。

小規模事業者持続化補助金の申請方法

小規模事業者持続化補助金の申請では、経営計画書を作成するだけでなく、商工会・商工会議所への依頼や電子申請も必要です。

申請期限だけを見て準備すると、事業支援計画書の発行期限に間に合わない可能性があります。

1.最新の公募要領を確認する

最初に、申請する公募回の公募要領とガイドブックを確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 申請受付期間
  • 申請できる事業者
  • 従業員数の条件
  • 補助率・補助上限額
  • 補助対象経費
  • 申請に必要な書類
  • 事業支援計画書の発行期限
  • 補助事業の実施期間

過去の公募回で使われた申請様式は、そのまま利用できない場合があります。公式の申請ページでも、古い様式では申請できないと案内されているため、必ず最新の様式を使ってください。

2.経営計画書と補助事業計画書を作成する

申請では、現在の経営状況と補助金を使って行う取り組みをまとめます。

主な記載内容は次のとおりです。

  • 事業の概要
  • 売上や利益の状況
  • 顧客のニーズ
  • 市場や競合の動向
  • 自社の商品・サービスの強み
  • 現在抱えている経営課題
  • 販路開拓の具体的な取り組み
  • 補助事業に必要な経費
  • 取り組みによって期待できる効果

単に「広告を出して売上を伸ばす」と書くのではなく、なぜ広告が必要なのか、どのような顧客を獲得するのかを説明しましょう。

例えば、次のように現状と取り組みをつなげます。

現在は既存顧客からの紹介が売上の約8割を占めており、新規顧客への認知が不足している。地域内へチラシを5,000部配布し、3か月で新規顧客50人の獲得を目指す。

取り組みの内容だけでなく、期待する効果を数値で示すと、計画が伝わりやすくなります。

3.商工会・商工会議所へ事業支援計画書を依頼する

申請には、管轄の商工会または商工会議所が発行する事業支援計画書が必要です。

事業者自身が作成した経営計画書などを提出し、内容の確認を受けたうえで発行を依頼します。

注意したいのは、事業支援計画書の発行受付期限です。

発行期限は補助金の申請締切より早く設定されます。第20回公募では、申請締切が2026年12月15日であるのに対し、事業支援計画書の発行受付締切は2026年12月4日です。

期限を過ぎると発行してもらえません。

商工会・商工会議所での確認や修正に時間がかかる可能性もあるため、締切直前ではなく早めに相談しましょう。

4.必要書類をそろえる

個人事業主が準備する書類は、公募回や申請内容によって異なります。

一般的には、次のような書類が必要です。

  • 経営計画書
  • 補助事業計画書
  • 補助金交付申請書
  • 宣誓・同意書
  • 事業支援計画書
  • 確定申告書
  • 青色申告決算書または収支内訳書
  • 見積書など経費の内容を確認できる資料
  • 特例を利用する場合の追加書類

電子申請画面へ直接入力する項目と、ファイルを添付する項目があります。

指定された場所へ書類を添付していない場合や、パスワードが設定されていて事務局が内容を確認できない場合は、審査できない可能性があります。

提出前にファイル名、形式、添付場所まで確認しましょう。

5.期限内に申請する

申請は、指定された電子申請システムから行います。

公募回によっては、電子申請にGビズIDプライムのアカウントが必要です。アカウントを持っていない場合は、申請準備と並行して早めに取得しましょう。

申請時には、次の点を確認してください。

  • すべての必須項目を入力したか
  • 添付書類に不足がないか
  • 最新の様式を使っているか
  • 事業支援計画書を添付したか
  • 申請内容の控えを保存したか
  • 申請完了の表示や受付メールを確認したか

締切日時を過ぎた申請は受け付けられません。

電子申請の操作トラブルも考え、締切日より前に提出を完了させることが大切です。

書類発行の期限から逆算して準備する

小規模事業者持続化補助金では、補助金の申請締切より前に、事業支援計画書の発行受付が終了します。

公募要領の確認、計画書の作成、商工会・商工会議所への相談、必要書類の準備という順番で進めましょう。

申請の詳しい流れについては、関連記事の「補助金の申請方法を初心者向けに解説|必要書類や受給までの流れ」もご覧ください。

小規模事業者持続化補助金を申請するときの注意点

小規模事業者持続化補助金は、条件を満たして申請すれば、必ず受け取れる制度ではありません。

申請前だけでなく、採択後の事業実施や実績報告まで見据えて準備する必要があります。

申請しても必ず採択されるわけではない

小規模事業者持続化補助金には採択審査があります。

対象者の条件を満たしていても、事業計画の内容や予算の状況によって不採択になる可能性があります。公式サイトでも、審査によって不採択になる場合があると案内されています。

次のような計画は、必要性や効果が伝わりにくくなります。

  • 自社の経営課題が分からない
  • 販路開拓との関係が不明確
  • 補助金で購入したいものだけが書かれている
  • 売上目標に根拠がない
  • 経費の金額や内訳が曖昧
  • 実施スケジュールに無理がある

補助金を受け取ることではなく、事業の売上や利益を改善することを目的に計画を作りましょう。

申請書類の不備や不足に注意する

必要書類が不足している場合や、添付ファイルを確認できない場合は、審査を受けられない可能性があります。

特に注意したいのは次の点です。

  • 必要な書類を添付していない
  • 指定された場所と異なる場所へ添付している
  • 古い様式を使用している
  • ファイルにパスワードを設定している
  • 確定申告書の必要なページが不足している
  • 入力内容と添付書類の金額が一致していない

提出前にチェックリストを使い、申請画面と添付資料を見直してください。

過去の様式を使用しない

持続化補助金の様式や申請方法は、公募回によって変更される場合があります。

過去に申請した経験があっても、以前の書類をそのまま提出してはいけません。

現在申請する公募回の公式ページから、最新の公募要領、ガイドブック、参考資料を取得しましょう。過去回の様式では申請できないことも、公式ページで明記されています。

申請期限より前に商工会・商工会議所へ相談する

事業支援計画書の発行には、経営計画書などの確認が必要です。

相談した当日に発行されるとは限りません。修正を求められることや、相談が集中して予約を取りにくくなることも考えられます。

発行受付期限を過ぎると、原則として事業支援計画書は発行されません。

申請締切から逆算するのではなく、事業支援計画書の発行期限から逆算して準備してください。

最新資料を使い余裕を持って申請する

申請では、最新の様式を使用し、書類の不足や添付ミスを防ぐ必要があります。

また、条件を満たしていても、必ず採択されるわけではありません。

商工会・商工会議所へ早めに相談し、申請期限に余裕を持って手続きを進めましょう。

個人事業主が経営計画書で明確にしたいこと

個人事業主が採択を目指すうえでは、設備や広告の内容だけでなく、なぜその取り組みが必要なのかを経営計画書で説明することが重要です。

規模の小さい事業では、日々の業務を感覚で判断している場合もあります。

申請をきっかけに、現在の顧客、売上、強み、課題を整理しましょう。

現在の顧客と売上状況

まず、現在の顧客と売上の状況を具体的に整理します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 主な顧客の年齢や属性
  • 顧客が来店・購入する理由
  • 新規顧客と既存顧客の割合
  • 主な集客方法
  • 商品・サービス別の売上
  • 月ごとの売上推移
  • 平均客単価
  • リピート率

例えば、「売上が減っている」と書くだけでは、経営課題を判断できません。

次のように数値を使うと、状況が明確になります。

既存顧客のリピート率は70%あるが、新規顧客は月平均5人にとどまっている。紹介以外の集客経路がなく、売上が前年同期比15%減少した。

現状が明確になれば、必要な販路開拓も考えやすくなります。

自社の商品・サービスの強み

経営計画書では、自社の強みも説明します。

個人事業主の場合、次のような要素が強みになることがあります。

  • 専門的な技術や資格がある
  • 地域で長く事業を続けている
  • 顧客の要望に柔軟に対応できる
  • 大手にはない商品を扱っている
  • リピート率や顧客満足度が高い
  • 納期が短い
  • 特定の顧客層に強い
  • 独自の製造方法やサービスがある

「品質が高い」「対応が丁寧」といった表現だけでは、他社との違いが伝わりません。

顧客からの評価、リピート率、実績などを使って具体化しましょう。

販路開拓で解決したい課題

補助金で行う取り組みは、自社の課題とつながっている必要があります。

現在の課題販路開拓の取り組み
新規顧客が少ないチラシやWeb広告を実施する
店舗周辺の顧客に限られるECサイトを構築する
商品の魅力が伝わらないパッケージやパンフレットを制作する
法人顧客との接点がない展示会や商談会へ出展する
店舗へ入りにくい看板や店舗外観を改修する
新商品を販売できていない試作品や販促物を制作する

「補助金が使えるからホームページを作る」のではなく、「商圏外の顧客を獲得するためにホームページが必要」と説明することが大切です。

取り組み後の数値目標

補助事業の効果は、数値で確認できるようにします。

目標として設定できる項目には、次のようなものがあります。

  • 新規顧客数
  • 問い合わせ件数
  • 来店者数
  • ECサイトの注文数
  • 展示会での商談件数
  • 客単価
  • リピート率
  • 売上高
  • 作業時間
  • 生産数

例えば、次のように記載します。

地域内へチラシを5,000部配布し、3か月で新規来店客100人を獲得する。平均客単価を6,000円と想定し、売上60万円の増加を目指す。

数値目標には、過去の実績や客単価などの根拠を持たせましょう。

大きすぎる目標を掲げるよりも、実現可能な数値を設定することが重要です。

現状・課題・施策・効果をつなげる

経営計画書では、補助金で購入したいものだけを書くのではありません。

現在の状況を分析し、次の流れがつながるように整理します。

  1. 現在の顧客と売上
  2. 自社の強み
  3. 解決したい経営課題
  4. 実施する販路開拓
  5. 取り組み後の数値目標

この流れが明確になれば、補助事業の必要性と実現可能性を伝えやすくなります。

まとめ|個人事業主も条件を確認して早めに申請準備を進めよう

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主も申請できます。

ただし、業種ごとに定められた従業員数などの条件を満たし、経営計画に基づく販路開拓へ取り組む必要があります。

一般型・通常枠の補助率は原則3分の2、補助上限額は50万円です。

インボイス特例や賃金引上げ特例の要件を満たす場合は、補助上限額が引き上げられ、最大250万円になる可能性があります。

申請では、経営計画書や補助事業計画書を作成し、商工会・商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼します。

事業支援計画書の発行期限は、補助金の申請期限より早く設定されます。

申請直前になって慌てないよう、次の順番で準備しましょう。

  1. 最新の公募要領を確認する
  2. 対象条件と補助金額を確認する
  3. 経営計画書を作成する
  4. 商工会・商工会議所へ相談する
  5. 必要書類をそろえる
  6. 期限内に電子申請する

申請しても必ず採択されるわけではありません。

補助金の獲得だけを目的にせず、現在の経営課題を解決し、売上や利益につながる販路開拓を計画することが大切です。

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