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人材開発支援助成金とは?2026年度の7コースと選び方・利用の流れを解説

従業員の研修やスキルアップを進める際、「研修費用に使える助成金はないか」「自社はどのコースを選べばよいのか」と迷う企業も多いのではないでしょうか。

人材開発支援助成金は、事業主等が従業員に職務に関連する職業訓練などを実施した際、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。2026年度は目的に応じて7つのコースが設けられています。

利用するコースによって対象となる訓練や支援内容、申請条件が異なるため、まずは「何のために従業員を育成するのか」を整理することから始めましょう。

目次

人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金は、企業などが従業員の職業能力を高めるために行う訓練を支援する制度です。研修費だけでなく、コースによっては訓練期間中の賃金なども助成対象となります。

従業員の職業訓練にかかる費用や賃金の一部を助成する制度

人材開発支援助成金では、事業主等が雇用する労働者に対し、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合などに支援を受けられます。

対象となるのは、単なる福利厚生としての学習ではなく、従業員の仕事に必要な知識・技能の習得につながる訓練が基本です。

たとえば、業務に必要な専門研修の受講、新たな技術を身につけるための訓練、デジタル人材の育成、新規事業に必要なリスキリングなどが検討対象になります。

ただし、対象となる事業主や労働者、訓練内容にはコースごとの要件があります。研修を申し込む前に、利用予定のコースと最新の支給要領を確認してください。

2026年度は目的に応じて7つのコースに分かれている

2026年度の人材開発支援助成金は、次の7コースで構成されています。

コース主な目的
人材育成支援コース職務に必要な知識・技能の習得
教育訓練休暇等付与コース教育訓練のための休暇制度の導入
人への投資促進コースデジタル人材、高度人材、定額制研修など
事業展開等リスキリング支援コース新規事業などに必要な新しい知識・技能の習得
建設労働者認定訓練コース建設業の認定職業訓練など
建設労働者技能実習コース建設労働者の技能向上
障害者職業能力開発コース障害者の職業能力開発・向上

すべての企業が7コースから自由に選択するわけではありません。

一般企業が従業員研修に利用する場合は、人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースなどが主な候補になります。

人材開発支援助成金の7つのコース

7つのコースは、訓練の目的や対象者によって役割が分かれています。自社が実施したい研修に近いコースから確認すると、候補を絞り込みやすくなります。

一般的な職業訓練なら人材育成支援コース

従業員に職務上必要となる知識や技能を身につけてもらう場合は、人材育成支援コースが主な候補です。

同コースでは、職務に関連した知識・技能を習得する訓練のほか、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者の正社員化を目指す訓練などが支援されています。

一般的な社員教育だから必ず対象になるわけではありません。対象となる訓練時間や労働者などの要件は、実施する訓練の区分ごとに確認する必要があります。

DX・定額制研修などなら人への投資促進コース

デジタル人材や高度人材の育成、定額制の研修サービスなどを活用する場合は、人への投資促進コースを確認します。

厚生労働省では、デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、サブスクリプション型の定額制訓練などを同コースの対象として案内しています。

DX推進のための研修や、複数の従業員に継続的なオンライン研修を提供したい企業などは、利用できる訓練区分がないか確認するとよいでしょう。

新規事業の学び直しなら事業展開等リスキリング支援コース

新しい事業への進出などに伴って従業員へ新たな知識や技能を習得させる場合は、事業展開等リスキリング支援コースが候補です。

新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、新たな分野で必要となる知識・技能を習得するための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

現在の仕事をそのまま続けるための一般的な研修とは目的が異なります。

「新しい商品・サービスを始めるために従業員を育成したい」といった事業計画がある場合に確認したいコースです。

教育訓練休暇制度なら教育訓練休暇等付与コース

従業員が仕事を休んで教育訓練を受けられる制度を整備したい場合は、教育訓練休暇等付与コースを確認します。

同コースは、有給教育訓練等制度を導入し、労働者がその休暇を取得して訓練を受けた場合に助成する仕組みです。

単発の外部研修費用を補助してもらう制度とは性格が異なり、企業側で教育訓練のための休暇制度を整備・運用することが中心になります。

建設業には建設労働者向けの2コースがある

建設業では、建設労働者認定訓練コースと建設労働者技能実習コースが設けられています。

建設労働者認定訓練コースは、建設関連の認定職業訓練などを実施した場合の訓練経費や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた際の賃金の一部を支援する制度です。

建設労働者技能実習コースでは、雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させた場合に、訓練経費や賃金の一部が助成されます。

建設事業者は、一般的な人材育成支援コースだけで判断せず、建設業向けコースの条件も比較してください。

障害者向け職業訓練には障害者職業能力開発コースがある

障害者の職業能力開発を行う施設の設置・運営などには、障害者職業能力開発コースがあります。

一定の教育訓練を継続して実施する施設を設置・運営する場合に、その費用の一部を助成する制度です。

なお、このコースは2024年4月から、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支給業務を行う障害者雇用納付金制度に基づく助成金へ移管されています。

一般的な社員研修とは対象が大きく異なるため、障害者の職業能力開発施設に関する支援を検討する場合に確認します。

自社に合う人材開発支援助成金の選び方

利用するコースは、助成額の大きさではなく「何のために訓練するのか」から選ぶのが基本です。

目的を先に整理すると、似たコースの違いも判断しやすくなります。

研修の目的から利用するコースを絞り込む

まず、実施したい研修の目的を明確にします。

大まかな判断の方向は次のとおりです。

研修の目的確認する主なコース
現在の職務に必要な知識・技能を身につける人材育成支援コース
DX・高度人材育成・定額制研修を活用する人への投資促進コース
新規事業に必要な知識・技能を習得する事業展開等リスキリング支援コース
教育訓練のための休暇制度を導入する教育訓練休暇等付与コース
建設労働者の技能を高める建設労働者向けコース

たとえばIT研修でも、現在の業務に必要な一般的なスキル習得なのか、高度なデジタル人材を育成するのか、新規事業のためのリスキリングなのかによって確認するコースが変わります。

研修名だけで判断せず、その研修を実施する目的まで整理してください。

対象労働者と訓練内容がコース要件に合うか確認する

候補となるコースが決まったら、対象となる労働者と訓練内容を確認します。

人材開発支援助成金には、事業主や支給対象訓練について複数の受給要件があり、詳細はコースごとのパンフレットや支給要領で定められています。

確認したいのは、

  • 誰に訓練を受けさせるのか
  • どのような訓練を実施するのか
  • 職務との関連性があるか
  • 必要な訓練時間等を満たすか
  • 事前に必要な手続きを行えるか

といった点です。

「似た研修が対象になった」という情報だけで判断せず、自社が実施する訓練の条件で確認しましょう。

助成額だけでなく対象経費や申請条件も確認する

コースを比較するときは、助成額だけで選ばないようにしてください。

人材開発支援助成金では、訓練経費や賃金などが支援されますが、助成内容や要件はコースによって異なります。

同じ研修費用でも、すべてが助成対象経費として認められるとは限りません。

また、賃上げや資格等手当の支払いに関する要件を満たした事業所については、助成額が割増される仕組みもあります。

実際に受け取れる金額を確認するときは、利用するコース、企業規模、訓練内容、対象経費などをまとめて確認する必要があります。

人材開発支援助成金を利用するまでの流れ

人材開発支援助成金は、研修を実施してから助成金を探すのではなく、訓練前から手続きを進める制度です。

大まかな流れは、対象コースの確認、事前手続き、訓練実施、支給申請となります。

訓練開始前に利用コースと要件を確認する

研修を予定したら、最初に利用できるコースと要件を確認します。

厚生労働省ではコースごとにパンフレットや支給要領、申請書類を公開しており、計画届の提出時期によって使用する様式が異なることもあります。

研修会社との契約や受講開始を先に進めるのではなく、必要な計画や手続きの時期を確認してから準備してください。

必要な事前手続きを済ませてから訓練を実施する

対象要件を確認したら、利用するコースに応じて職業訓練実施計画届などの必要な手続きを進めます。

人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースなどでは、計画届や支給申請に使用する書類がコースごとに用意されています。

事前手続きが必要な制度を、訓練開始後に知ったとしても同じ条件で申請できるとは限りません。

計画どおりに訓練を行えるよう、受講日程や対象者もあらかじめ整理しておきましょう。

訓練終了後に支給申請を行う

訓練を実施したら、所定の期間内に支給申請を行います。

申請では、計画した訓練が実際に実施されたことや、訓練経費を適切に負担したことなどを確認できる書類が必要になります。

主要な4コースについては、雇用関係助成金ポータルから電子申請も利用できます。

具体的な提出期限や必要書類はコースによって異なるため、訓練終了後に初めて確認するのではなく、計画段階から支給申請までのスケジュールを把握しておくと手続きしやすくなります。

2026年度の人材開発支援助成金の主な変更点

2026年度は人材育成支援コースや人への投資促進コースなどで制度改正が行われています。

さらに2026年8月3日にも最新の支給要領や一部コースの改正が反映されているため、申請時は現在公開されている資料を確認してください。

人材育成支援コースに中高年齢者実習型訓練が新設された

2026年4月8日から、人材育成支援コースに「中高年齢者実習型訓練」が新設されました。

従業員の育成支援は若年者だけを対象とするものではなく、中高年齢者の職業能力開発に対応した仕組みも加わっています。

対象者や訓練内容などの詳細な要件は、2026年度版の人材育成支援コースのパンフレット・支給要領を確認してください。

人への投資促進コースに新たな助成が追加された

2026年4月8日から、人への投資促進コースに「新規採用助成」と「職務代行助成」が追加されています。

同コースは従来から、デジタル人材や高度人材の育成、定額制訓練など幅広い人材投資を支援しています。2026年度は人材育成に伴う企業側の負担を支える仕組みが拡充されました。

利用できる条件は助成の種類ごとに異なるため、新制度の名称だけで対象と判断せず、最新の詳細版パンフレットを確認してください。

一部コースで支給申請時の提出書類が追加された

2026年5月14日の制度改正により、一部コースでは支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出が必要になりました。

対象となるのは、人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースです。

厚生労働省は、2026年5月14日時点で支給申請を行っていないものや、支給申請済みでも支給・不支給決定が行われていないものについても提出が必要と案内しています。

以前の手続き方法を把握している企業でも、2026年度の最新様式を改めて確認してください。

人材開発支援助成金を利用するときの注意点

人材開発支援助成金では、訓練内容だけでなく、手続きを行う時期や証拠書類の管理にも注意が必要です。

制度改正も行われるため、過去年度の情報だけで申請を進めないようにしましょう。

研修開始後ではなく事前に申請要件を確認する

助成金の利用を考えているなら、研修開始前に対象要件と手続きの流れを確認してください。

コースによっては職業訓練実施計画届などの事前手続きが必要です。申請様式も計画届の提出時期によって分かれています。

先に研修を契約・開始してから「助成金を使いたい」と考えるのでは、必要な手続きを行えないおそれがあります。

研修内容を決めた段階で助成制度も並行して確認するのが安全です。

最新年度のパンフレット・支給要領を確認する

申請時は、利用するコースと計画届の提出時期に対応した最新資料を使用してください。

厚生労働省は、支給要領について計画届提出時点のものを参照するよう案内しています。また、2026年度中だけでも4月、5月、8月に関連する改正・更新が行われています。

前年に助成金を利用した企業でも、同じ手続きとは限りません。

制度名や助成内容だけでなく、様式、必要書類、提出方法まで最新情報を確認します。

訓練実施や費用を確認できる証拠書類を保存する

訓練を実施した事実や費用の負担を証明できる書類は、支給申請に備えて適切に保存してください。

コースや訓練形式によって必要書類は異なります。2026年8月3日以降の支給申請では、eラーニング訓練実施結果報告書について改正後の様式を使用するよう案内されている例もあります。

受講記録、訓練内容、支払いに関する資料などを途中で紛失すると、申請時の確認が難しくなります。

訓練を始める前に「実施後に何を提出するのか」まで確認しておくと、必要な記録を残しやすくなります。

人材開発支援助成金に関するよくある質問

人材開発支援助成金はコースによって条件が異なるため、利用前には自社の訓練内容と申請時期を個別に確認する必要があります。

人材開発支援助成金はいつまで申請できる?

人材開発支援助成金には、すべてのコースに共通する一つの年間申請締切が設定されているわけではありません。

計画届や支給申請にはそれぞれ提出時期が定められており、利用するコースや訓練の開始・終了時期によって確認する期限が変わります。

申請を検討する際は、利用するコースの最新パンフレットや支給要領で期限を確認してください。

eラーニングも対象になる?

eラーニングも、利用するコースや要件を満たせば対象となる訓練があります。

たとえば人への投資促進コースでは、サブスクリプション型の定額制訓練も支援対象として案内されています。

ただし、オンラインで受講できる講座なら何でも対象になるわけではありません。受講管理などの条件を含め、利用するコースの要件を確認してください。

個人事業主でも利用できる?

法人でなければ一律に利用できない制度ではありませんが、事業主や対象労働者について受給要件があります。

人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者に職業訓練等を実施する場合の支援制度です。

そのため、個人事業主本人が自分の研修費だけを助成してもらう制度とは異なります。従業員を雇用している個人事業主が利用を検討する場合は、雇用保険関係を含むコースごとの受給要件を確認してください。

どのコースを使えばよいか分からない場合はどうする?

まず「現在の職務のための研修」「DX・高度人材育成」「新規事業のためのリスキリング」など、研修の目的を整理してください。

そのうえで該当しそうなコースの詳細版パンフレットを確認します。

複数のコースに該当しそうで判断できない場合は、厚生労働省が案内する都道府県労働局などの申請窓口へ確認できます。

まとめ|人材開発支援助成金は研修目的に合うコースを確認しよう

人材開発支援助成金は、従業員に職務に関連する知識・技能を習得させるための訓練などを実施した際、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を支援する制度です。2026年度は7つのコースが設けられています。

一般的な職業訓練なら人材育成支援コース、DXや定額制研修などなら人への投資促進コース、新規事業に必要な学び直しなら事業展開等リスキリング支援コースというように、研修目的から候補を絞ると選びやすくなります。

また、助成金を利用するなら研修開始前の確認が欠かせません。必要な事前手続きを行い、計画に沿って訓練を実施したうえで支給申請へ進みます。

2026年度は複数回の制度改正・資料更新が行われています。過去の記事や前年の手続きだけを参考にせず、計画届を提出する時点のパンフレットや支給要領を確認してから申請を進めてください。

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