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ものづくり補助金は個人事業主も申請できる?2026年の条件・補助率・必要書類を解説

ものづくり補助金は、個人事業主でも対象要件を満たせば申請できます。法人化していないことだけを理由に対象外になる制度ではありません。

ただし、「個人事業主だから補助率が高くなる」「設備を購入すれば使える」というわけではありません。小規模事業者に該当するか、新製品・新サービスの開発を伴う事業かなど、複数の条件を確認する必要があります。

2026年の制度内容をもとに、個人事業主が確認したい申請条件、補助率、対象経費、必要書類、申請時の注意点を整理します。

目次

ものづくり補助金は個人事業主でも申請できる

ものづくり補助金は、個人事業主でも申請できます。法人化は必須ではなく、中小企業者等として制度上の要件を満たせば対象です。

ただし、個人事業主というだけで自動的に優遇されるわけではありません。補助率や補助上限額は、事業者区分や従業員数などによって変わります。

法人化していなくても対象要件を満たせば申請できる

個人で事業を営んでいても、ものづくり補助金への申請は可能です。

対象となるのは、製造業に限りません。革新的な新製品・新サービスの開発など、制度の目的に合う取組であれば、幅広い業種の個人事業主が申請を検討できます。

たとえば、

  • 飲食店が新しい製造方法を使った商品を開発する
  • 美容関連事業者が新サービス提供のための専用設備を導入する
  • クリエイターが新たなサービス開発に必要なシステムを構築する

といった取組です。

一方、単なる備品購入や通常業務の効率化だけでは、ものづくり補助金の中心的な対象にはなりません。

個人事業主か法人かではなく、「どのような事業を行うのか」が申請判断の軸になります。

個人事業主でも小規模事業者に該当すれば補助率2/3

個人事業主でも、小規模事業者の要件を満たせば補助率2/3の対象となります。

一方、小規模事業者に該当しない中小企業者等は、原則として補助率1/2です。

つまり、

個人事業主=補助率2/3

ではありません。

個人事業主であることと、小規模事業者に該当することは別の条件です。

小規模事業者に該当するかは、業種や常時使用する従業員数などによって判断されます。

申請前に、自分の事業がどの区分に当てはまるのか確認してください。

従業員数によって補助上限額が変わる

製品・サービス高付加価値化枠では、補助上限額が常勤従業員数によって変わります。

2026年第23次では、通常の補助上限額は次のとおりです。

常勤従業員数補助上限額
5人以下750万円
6~20人1,000万円
21~50人1,500万円
51人以上2,500万円

補助下限額は100万円です。

個人事業主の中には少人数で事業を行っている人も多いため、「最大2,500万円」という制度全体の数字だけを見るのではなく、自分の従業員数に対応する上限を確認してください。

個人事業主が申請できるものづくり補助金の2つの枠

2026年第23次では、主に「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つがあります。

個人事業主の場合も、取り組む事業内容に合わせて申請枠を選びます。

新製品・新サービス開発なら製品・サービス高付加価値化枠

国内を中心に革新的な新製品・新サービスを開発する場合は、製品・サービス高付加価値化枠が基本的な候補です。

対象となるのは、既存の商品やサービスをそのまま続けるための投資ではありません。

たとえば、

  • 新商品の製造に必要な専用機械を導入する
  • 新サービス提供に必要なシステムを開発する
  • 従来とは異なる製造方法を取り入れる
  • 新しい技術を活用して付加価値の高い商品を開発する

といった取組です。

「新しい設備を買うこと」が目的ではなく、設備やシステムを使って何を生み出すのかが問われます。

個人事業主が最初に確認する枠としては、この製品・サービス高付加価値化枠が中心になります。

海外事業に取り組むならグローバル枠

海外市場を対象とした事業を行う場合は、グローバル枠が候補です。

グローバル枠では、海外事業に必要な設備投資などを支援します。

対象となる取組としては、

  • 海外へ直接投資する
  • 海外市場を開拓する
  • インバウンド需要を取り込む
  • 海外企業と共同で事業を行う

などが考えられます。

国内向けの新商品開発が中心なら製品・サービス高付加価値化枠、海外展開を事業計画の中心に据えるならグローバル枠という考え方で整理すると分かりやすくなります。

個人事業主がものづくり補助金を申請する条件

個人事業主がものづくり補助金を利用するには、新製品・新サービス開発など制度の目的に合った事業計画を作成する必要があります。

単なる設備購入ではなく、将来の付加価値向上や事業成長まで含めた計画が求められます。

革新的な新製品・新サービスを開発する事業が対象

製品・サービス高付加価値化枠では、革新的な新製品・新サービスの開発が中心的な対象です。

ここで求められるのは、自社にとって新しいだけではなく、顧客へ新しい価値を提供する取組です。

たとえば、従来手作業で製造していた商品について、新しい設備と独自の製造方法を組み合わせて品質や機能を高める事業などが考えられます。

反対に、これまで販売していた商品を同じ方法で増産するだけでは、新製品・新サービス開発として説明しにくくなります。

事業計画では、

  • 現在どのような課題があるか
  • 新しい商品・サービスで何を解決するか
  • 既存の商品・サービスと何が違うか
  • 設備投資がなぜ必要か

をつなげて説明する必要があります。

機械や設備を購入するだけでは対象にならない

ものづくり補助金は、設備購入そのものを目的とした制度ではありません。

製品・サービス高付加価値化枠では、新製品や新サービスの開発に必要な設備投資であることが前提です。

たとえば、

古くなったオーブンを同程度の新しいオーブンへ交換する
→単なる設備更新であれば対象として説明しにくい

これまで作れなかった新商品を製造するため、新機能を持つ設備を導入する
→新製品開発との関係を説明しやすい

という違いがあります。

設備の性能だけでなく、「その設備によって何が新しくできるのか」を明確にしてください。

3~5年の事業計画と基本要件を満たす必要がある

ものづくり補助金では、3~5年の事業計画を策定し、定められた基本要件を満たす必要があります。

単年度だけの売上や利益ではなく、補助事業終了後も継続して事業を成長させる計画が求められます。

事業計画では、

  • 付加価値額
  • 給与支給に関する目標
  • 事業の成長見込み
  • 投資による効果

などを整理します。

個人事業主であっても、法人より簡易な事業計画でよいという扱いではありません。

投資額、売上計画、商品・サービスの市場性などを数値と根拠を使って説明できる状態にしておく必要があります。

個人事業主も事業実態と継続性を確認できる資料が必要

個人事業主は、確定申告書などを通じて事業実態や財務状況を確認されます。

法人であれば決算書などを使用しますが、個人事業主では確定申告に関する書類が中心です。

特に、

  • 事業を実際に営んでいるか
  • 売上や所得の状況
  • 事業を継続できるか
  • 計画した投資を実施できるか

といった点を確認できる資料が必要になります。

事業を始めたばかりなど、通常の確定申告資料を十分に提出できない場合は、公募回ごとの取扱いを確認してください。

個人事業主がものづくり補助金で使える経費

ものづくり補助金では、事業計画の実施に直接必要となる機械装置やシステムなどが補助対象です。

何でも経費にできるわけではなく、申請枠によって対象となる費目も異なります。

機械装置・システム構築費は必須の補助対象経費

ものづくり補助金では、原則として機械装置・システム構築費を計上する必要があります。

たとえば、

  • 製造機械
  • 加工設備
  • 専用装置
  • 業務用システム
  • 専用ソフトウェア

などです。

ただし、購入する設備やシステムが補助事業に直接必要であることを説明する必要があります。

高額な設備であっても、新製品・新サービスの開発と関係がなければ対象にはなりません。

原材料費・外注費・クラウド利用費なども対象

機械装置・システム構築費以外にも、事業内容に応じて複数の費目が補助対象となります。

代表的なものには、

  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費

などがあります。

たとえば試作品の開発に必要な材料費や、自社で対応できない加工の外注費などです。

ただし、通常の営業活動で継続的に発生する経費ではなく、補助事業に必要な支出であることが前提となります。

パソコンなど汎用品や単なる設備更新は対象外になりやすい

一般的なパソコンやタブレットなど、補助事業以外にも幅広く使用できる汎用品は対象外となるのが基本です。

個人事業主の場合、

新しいパソコンを買いたいからものづくり補助金を使いたい

と考えることもありますが、通常業務にも使用できる汎用品の購入だけでは対象になりません。

同様に、

  • 普通乗用車
  • スマートフォン
  • 一般的な家具
  • 単なる既存設備の入れ替え

なども注意が必要です。

設備の名称ではなく、補助事業専用として必要なものかどうかを確認してください。

広告宣伝・販売促進費は申請枠によって対象範囲が異なる

広告宣伝・販売促進費は、すべての申請枠で共通して使える費目ではありません。

2026年第23次では、グローバル枠で追加される対象経費に広告宣伝・販売促進費などが含まれます。

一方、製品・サービス高付加価値化枠で、

新商品を作るので広告費もすべて補助対象になる

というわけではありません。

同じ経費でも、どの申請枠を利用するかによって扱いが変わります。

経費を見積もる際は、まず利用する枠を決め、その枠で認められている費目だけを計上してください。

個人事業主がものづくり補助金を申請するときに必要な書類

個人事業主は、法人とは異なる確定申告関係の書類を提出します。

事業計画書や経費資料だけでなく、事業実態や財務状況を確認できる書類を早めにそろえておきましょう。

確定申告書などで事業実績を確認する

個人事業主では、確定申告書などが事業実績を確認するための基本資料となります。

申請では、過去の売上や所得、事業の状況などを確認するために使用されます。

そのため、確定申告の内容と事業計画書に記載する数字が一致しているか確認してください。

売上高や利益などの数字に食い違いがあると、申請内容の確認に時間がかかる原因になります。

青色申告決算書・白色申告収支内訳書などを準備する

青色申告をしている個人事業主は青色申告決算書、白色申告の場合は収支内訳書などを使用します。

これらの資料では、

  • 売上
  • 経費
  • 所得
  • 事業の財務状況

などを確認できます。

法人の決算書とは様式が異なるため、「法人向けの必要書類一覧」をそのまま参考にしないよう注意してください。

自分の申告方法に応じて、必要な書類を準備します。

事業計画や補助対象経費に関する資料も必要

確定申告書類だけでは申請できません。

補助事業の内容を説明するため、事業計画や経費に関する情報も準備します。

たとえば、

  • 新製品・新サービスの内容
  • 市場や顧客のニーズ
  • 導入設備の内容
  • 投資金額
  • 売上・付加価値の計画
  • 見積書

などです。

個人事業主の場合でも、「小規模だから説明は簡単でよい」ということはありません。

なぜその投資が必要なのかを第三者が理解できる形でまとめる必要があります。

申請前にGビズIDプライムを取得する

ものづくり補助金の電子申請には、GビズIDプライムアカウントが必要です。

個人事業主も法人と同様に取得しなければなりません。

GビズIDプライムの取得が完了していない状態では申請できないため、公募締切直前ではなく早めに手続きを進めてください。

ものづくり補助金は専用の電子申請システムから手続きを行い、GビズIDプライムを使ってログインします。

アカウント取得だけで申請準備が終わるわけではないため、事業計画や見積書などの準備と並行して進めると効率的です。

個人事業主がものづくり補助金を申請するときの注意点

個人事業主が申請する際は、補助率、資金繰り、採択後の手続きに注意してください。

特に「採択されたらすぐ補助金がもらえる」と考えないことが必要です。

個人事業主だから自動的に補助率2/3になるわけではない

補助率2/3が適用されるかどうかは、個人事業主か法人かではなく、小規模事業者に該当するかなどで判断されます。

そのため、

個人事業主
→必ず2/3

ではありません。

申請前に事業者区分を確認し、自分に適用される補助率で事業資金を計算してください。

補助率を誤って想定すると、採択後に必要となる自己負担額も変わってしまいます。

補助金は原則後払いなので資金を先に準備する

ものづくり補助金は、原則として補助事業を実施した後に補助金が支払われます。

たとえば1,000万円の設備を購入し、補助対象として認められる場合でも、最初から補助金分だけを支払えばよいわけではありません。

原則として、まず事業者側で設備代などを支払います。

その後、

  • 補助事業を実施
  • 実績報告
  • 補助金額の確定
  • 補助金の支払い

という流れです。

個人事業主にとって数百万円規模の先行負担は大きいため、自己資金や金融機関からの借入なども含めて資金計画を立てておきましょう。

採択と交付決定は同じではない

ものづくり補助金では、採択された時点で補助金の交付が確定するわけではありません。

採択後に交付申請を行い、補助対象経費などの内容が確認されます。

たとえば、申請時に500万円の設備を計上していても、交付審査で一部が対象外と判断されれば、実際の補助対象額は変わります。

そのため、

採択=申請額がそのままもらえる

とは考えないようにしてください。

採択後も、交付決定通知の内容を確認してから補助事業を進める必要があります。

交付決定前の発注・契約は補助対象外となることがある

補助対象となる支出の時期にも注意が必要です。

原則として、交付決定後に発注・契約・購入した経費が補助対象となります。

「どうせ採択される予定だから」と先に機械を注文すると、補助対象として認められないおそれがあります。

設備の納期が長い場合でも、独自判断で先に契約せず、公募要領や交付決定時期を確認してください。

補助金を使う予定なら、

申請

採択

交付申請

交付決定

発注・契約

という順序を意識して進める必要があります。

2026年のものづくり補助金の公募状況

2026年第23次公募はすでに終了し、採択結果も発表されています。

次回申請を検討している個人事業主は、過去の締切ではなく、今後公開される最新の公募情報を確認してください。

第23次は2026年5月8日に申請受付を終了

第23次ものづくり補助金は、2026年5月8日17時に申請受付を終了しました。

現在、第23次へ新たに申請することはできません。

ものづくり補助金は公募回ごとに、

  • 申請期間
  • 公募要領
  • 申請様式
  • 対象要件

などが定められます。

次回公募が実施される場合も、第23次とまったく同じ条件になるとは限りません。

第23次は1,275者の申請から448者が採択された

第23次では1,275者が申請し、448者が採択されました。

内訳は次のとおりです。

申請枠申請者数採択者数
製品・サービス高付加価値化枠1,169者418者
グローバル枠106者30者
合計1,275者448者

ただし、この数字は個人事業主だけの採択率ではありません。

「個人事業主だから採択されにくい」「約35%の確率で採択される」といった判断には使わないようにしてください。

あくまで第23次全体の公募結果です。

次回公募は最新の公式情報を確認する

次回公募を検討する場合は、最新の公式情報が発表されてから申請条件を確認してください。

現時点で過去の公募要領を参考に準備することはできますが、

  • 申請枠
  • 補助上限額
  • 補助率
  • 基本要件
  • 対象経費
  • 申請期間

などが変更されることもあります。

設備の選定や事業計画の検討は早めに進めつつ、実際の申請内容は次回公募の要領に合わせて確定するのが安全です。

まとめ|個人事業主は対象条件と補助率を確認して申請を検討する

ものづくり補助金は、個人事業主でも要件を満たせば申請できます。法人化していないことだけを理由に利用できない制度ではありません。

ただし、個人事業主だから自動的に補助率2/3になるわけではなく、小規模事業者に該当するかなどの確認が必要です。

また、設備を購入するだけではなく、新製品・新サービスの開発など制度目的に沿った事業計画が求められます。

申請を検討するときは、

  • 自分が対象事業者に該当するか
  • どの申請枠を利用するか
  • どの補助率・上限額が適用されるか
  • 購入予定の設備や経費が対象か
  • 確定申告書など必要書類を準備できるか
  • GビズIDプライムを取得しているか

を確認してください。

2026年第23次はすでに公募・採択発表まで終了しています。次回の申請を検討する場合は、第23次の情報だけで判断せず、最新の公募要領が公開された段階で条件を改めて確認しましょう。

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