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持続化補助金の事業計画書サンプル|様式2・様式3の書き方と記載例を解説

持続化補助金の事業計画書は、サンプルを参考にしながら、自社の状況に合わせて具体的に書く必要があります。

特に大切なのは、経営計画と補助事業計画をつなげることです。
「自社にはどんな課題があるのか」「補助金を使って何を行うのか」「その結果、販路開拓や売上向上にどうつながるのか」が一貫していると、読み手に伝わりやすくなります。

たとえば、菓子店がEC販売を強化する場合は、次のように整理できます。

項目簡易サンプル
企業概要当店は地域住民向けに焼き菓子を販売する個人経営の菓子店です。手土産需要と季節限定商品の販売に強みがあります。
顧客ニーズ近年は自宅用だけでなく、法人向けギフトやオンライン注文の需要が増えています。
自社の強み地元食材を使った商品開発と、リピーター比率の高さが強みです。
補助事業ECサイトとギフト用パッケージを整備し、法人向け販売を強化します。
効果新規顧客の獲得と客単価向上により、売上増加を目指します。

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が自ら作成した経営計画に基づき、販路開拓等の取り組みを行う際の経費を支援する制度です。商工会議所なども、経営計画に基づく販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度として案内しています。

第20回公募では、電子申請システムへ「経営計画」および「補助事業計画」を入力し、特例や加点に関する書類を添付したうえで、地域の商工会へ「事業支援計画書」(様式4)の作成依頼を行う流れが案内されています。

事業計画書は、きれいな文章を書くための書類ではありません。
自社の現状、課題、取組内容、期待する効果を分かりやすく整理するための書類です。

目次

持続化補助金の事業計画書サンプルを見る前に確認すべきこと

持続化補助金の事業計画書サンプルは、書き方の参考にはなりますが、そのまま使うものではありません。

まずは、最新の公募要領や様式を確認し、自社の経営計画と補助事業計画をつなげて考えましょう。

サンプルは丸写しせず自社の状況に合わせて書く

事業計画書のサンプルは、文章の流れや書く項目を理解するために使います。

丸写しすると、自社の強みや課題が伝わりません。

たとえば、サンプルに「地域密着型の飲食店」と書かれていても、自社が美容室や小売店なら内容は変わります。顧客層、課題、販路開拓の方法、期待する効果が違うためです。

サンプルを使うときは、次の点を置き換えましょう。

サンプルで確認する部分自社用に変える部分
業種自社の業種・サービス内容
顧客層年齢、地域、法人・個人など
課題売上、集客、客単価、リピート率など
補助事業チラシ、Webサイト、EC、設備導入など
効果売上増加、客数増加、商圏拡大など

悪い例は、抽象的な文章のまま終わっているものです。

「売上を増やしたい」「集客を強化したい」だけでは、具体性がありません。
「近隣住宅地3,000世帯へチラシを配布し、平日ランチの新規来店を増やす」のように、誰に何を届けるのかまで書くと伝わりやすくなります。

事業計画書は経営計画と補助事業計画をつなげて作る

持続化補助金の事業計画書では、経営計画と補助事業計画のつながりが欠かせません。

経営計画には、自社の現状や課題を書きます。
補助事業計画には、その課題を解決するために補助金で何を行うかを書きます。

この2つがつながっていないと、補助事業の必要性が伝わりにくくなります。

経営計画の課題補助事業の内容期待する効果
店舗来店客に依存しているECサイトを構築する商圏外からの注文を増やす
客単価が低いギフト用パッケージを開発する贈答需要を取り込み単価を上げる
予約管理に手間がかかるWeb予約システムを導入する予約漏れを減らし接客時間を確保する
新規顧客が少ないチラシとSNS広告を実施する認知度を高め来店数を増やす

たとえば、経営計画で「若年層の新規顧客が少ない」と書いているのに、補助事業で「既存顧客向けDMを送る」と書くと、課題と取組内容がズレます。

課題、取組、効果を一本の線でつなげてください。

最新の公募要領・様式・記載例を確認する

事業計画書を書く前に、最新の公募要領、様式、記載例を確認しましょう。

持続化補助金は公募回によって、スケジュールや提出書類、申請方法が変わることがあります。古いサンプルを使うと、現在の様式と合わない可能性があります。

第20回公募では、公募要領の公開、申請受付開始日、申請受付締切、様式4発行の受付締切などが公式サイトで案内されています。予定は変更される場合があるため、最新スケジュールの確認が必要です。

確認したい資料は、次の通りです。

  • 最新の公募要領
  • 様式2
  • 様式3
  • 様式4
  • 申請システム操作手引き
  • 申請時によくある質問
  • 公式の記載例
  • 商工会・商工会議所の案内

特に、様式4は商工会・商工会議所に依頼する書類です。
申請者だけで完結しないため、締切直前に動くと間に合わないおそれがあります。

持続化補助金の事業計画書に書く内容

持続化補助金の事業計画書では、主に経営計画、補助事業計画、経費明細、資金調達方法を整理します。

まずは様式ごとの役割を理解すると、何を書けばよいか分かりやすくなります。

様式2では応募者の概要・経営計画・補助事業計画を書く

様式2では、応募者の概要、経営計画、補助事業計画を整理します。

事業者の基本情報だけでなく、現在の事業内容、顧客層、強み、課題、補助事業で取り組む内容を分かりやすく書く必要があります。

書く内容の例は、次の通りです。

項目書く内容
応募者の概要事業内容、所在地、従業員数、売上構成など
企業概要商品・サービス、顧客層、販売方法
顧客ニーズ顧客が求めていること、市場の変化
自社の強み他社と違う点、選ばれている理由
経営方針今後どの方向へ伸ばすか
補助事業計画補助金で行う販路開拓や業務効率化

様式2で大切なのは、事業の全体像を読み手が理解できることです。

「飲食店を経営しています」だけでは弱くなります。
「駅前で昼食需要を中心に営業しているが、夜の来店が少ない」「近隣オフィスワーカー向けのテイクアウト需要が伸びている」など、状況が伝わるように書きましょう。

様式3では経費明細表と資金調達方法を整理する

様式3では、補助事業に必要な経費と、その資金をどう準備するかを整理します。

経費明細は、補助事業計画と一致している必要があります。

たとえば、補助事業計画で「ECサイトを構築する」と書いているなら、様式3にはECサイト制作費や商品撮影費など、取組内容に合う経費を記載します。

補助事業の内容経費の例
ECサイトを構築するWeb制作費、商品撮影費、決済機能導入費
チラシを配布するデザイン費、印刷費、折込費
新商品を告知するパッケージ制作費、広告宣伝費
予約導線を改善する予約システム導入費、Web改修費

注意したいのは、経費だけを先に決めないことです。

「この費用を補助対象にしたい」から逆算して書くと、計画が不自然になります。
まず課題と取組内容を決め、その取組に必要な経費を整理してください。

様式4は商工会・商工会議所への依頼が必要になる

様式4は、商工会または商工会議所に作成を依頼する事業支援計画書です。

申請者が自分で作成する書類ではありません。

第20回公募では、電子申請システムへ「経営計画」および「補助事業計画」を入力し、特例や加点に関する書類を添付したうえで、地域の商工会へ様式4の作成依頼を行うよう案内されています。様式4の交付には時間がかかる場合があるため、余裕を持った手続きが必要です。

様式4で失敗しやすいのは、依頼のタイミングです。

申請締切と様式4の受付締切は同じではありません。
第20回公募では、様式4発行の受付締切が申請受付締切より前に設定されています。

次の流れで進めると安全です。

  1. 公募要領を確認する
  2. 経営計画と補助事業計画を作成する
  3. 電子申請システムに入力する
  4. 必要書類を添付する
  5. 商工会・商工会議所へ様式4を依頼する
  6. 様式4の交付を受ける
  7. 申請内容を確認して提出する

締切直前の相談では、対応が間に合わないことがあります。
早めに管轄の商工会・商工会議所へ確認しましょう。

経営計画の書き方とサンプル

経営計画では、自社の現状、顧客ニーズ、強み、今後の方針を具体的に書きます。

補助事業の必要性を伝える土台になるため、抽象的な表現ではなく、事実と数字を使って整理しましょう。

企業概要は売上構成・顧客層・提供サービスを具体的に書く

企業概要では、何を誰に提供している事業なのかを具体的に書きます。

業種名だけで終わらせず、売上構成、顧客層、主力商品、販売方法まで入れると伝わりやすくなります。

悪い例と良い例を比べると、違いが分かります。

悪い例良い例
当店は飲食店です。当店は駅前で定食と弁当を販売する飲食店です。昼は近隣オフィスワーカー、夕方は持ち帰り需要を中心に売上を作っています。
美容室を経営しています。当店は30〜50代女性を主な顧客とする美容室です。カット・カラーに加え、頭皮ケアメニューのリピート利用が増えています。
雑貨を販売しています。当店は地域住民向けに生活雑貨とギフト商品を販売する小売店です。季節イベント時の贈答需要が売上の柱です。

サンプルとして、菓子店なら次のように書けます。

当店は、地域住民向けに焼き菓子と季節限定商品を販売する菓子店です。店舗販売を中心に、手土産や贈答用商品の需要に対応しています。売上は店頭販売が中心ですが、近年は電話注文やSNS経由の問い合わせも増えています。

このように、現在の販売方法と顧客層が分かる文章にしましょう。

顧客ニーズと市場動向は数字や地域情報で根拠を示す

顧客ニーズと市場動向では、なぜ補助事業に取り組む必要があるのかを説明します。

「需要がある」「人気がある」だけでは弱いため、地域の状況や自社の問い合わせ傾向などを使って根拠を示しましょう。

使いやすい材料は、次の通りです。

  • 来店客の年齢層
  • 問い合わせ内容
  • 予約数の変化
  • SNSの反応
  • 地域人口の特徴
  • 周辺の競合状況
  • 客単価や購入頻度
  • 季節ごとの売れ行き

サンプルとして、次のように書けます。

近年、店頭では自宅用だけでなく、法人向けギフトや遠方発送に関する問い合わせが増えています。一方で、現在は店頭販売が中心で、営業時間外や遠方からの注文に十分対応できていません。ECサイトを整備することで、来店できない顧客にも商品を届けられる体制を作ります。

数字を入れられる場合は、さらに強くなります。

直近6か月で、SNS経由の商品問い合わせは月平均15件あります。しかし、オンライン注文の仕組みがないため、購入までつながらない件数が発生しています。

顧客ニーズは、思い込みではなく、事業の現場で確認できる情報をもとに書きましょう。

自社の強みは補助事業に活かせる内容に絞る

自社の強みは、補助事業に活かせる内容に絞って書きます。

強みをたくさん並べても、補助事業との関係が薄いと伝わりません。

たとえば、ECサイト構築を行うなら、商品力、リピーター、SNSでの反応、発送対応の経験などが強みになります。
店舗改装なら、立地、接客、地域顧客との関係性、主力商品の魅力などが関係します。

悪い例と良い例は次の通りです。

悪い例良い例
当店には強みがあります。地元食材を使った焼き菓子の開発力と、季節商品のリピート購入率の高さが強みです。
丁寧な接客をしています。初回来店客へのカウンセリングを徹底しており、カラー施術後の再来店につながっています。
商品が人気です。手土産用の詰め合わせ商品が週末に多く売れており、法人ギフトへの展開余地があります。

サンプルとして、次のように書けます。

当店の強みは、地元食材を使った商品開発と、季節ごとの限定商品によるリピーター獲得です。特に焼き菓子の詰め合わせは手土産需要が高く、ギフト用パッケージを整備することで法人向け販売にも展開できます。

強みは、補助事業の成功理由として使えるものを選びましょう。

経営方針・目標は販路開拓後の売上や顧客増加につなげる

経営方針・目標では、補助事業を通じて何を目指すのかを具体的に書きます。

「売上を上げる」だけではなく、どの販路で、どの顧客に、どのような効果を出すのかまで整理しましょう。

書きやすい目標は、次の通りです。

  • 新規顧客数を増やす
  • 客単価を上げる
  • 商圏を広げる
  • リピート率を高める
  • 店舗外売上を作る
  • 予約数を増やす
  • 業務効率化で接客時間を増やす

サンプルとして、次のように書けます。

今後は、店頭販売に加えてEC販売と法人向けギフト販売を強化します。ギフト用パッケージとオンライン注文導線を整備し、来店客以外からの受注を増やします。補助事業実施後は、月間EC注文数30件、法人ギフト注文月5件の獲得を目指します。

数字は無理に大きくする必要はありません。

現在の売上や人員体制から見て、実行できる目標にしましょう。
過大な目標より、根拠のある目標の方が読み手に伝わります。

補助事業計画の書き方とサンプル

補助事業計画では、補助金を使って何を行い、どのように販路開拓や売上向上へつなげるかを書きます。

経営計画で示した課題に対して、具体的な取組内容と効果を示すことが大切です。

事業名は30文字以内で取組内容が伝わるように書く

事業名は、短くても取組内容が分かる表現にします。

長く説明する場所ではないため、「誰に向けて何を強化するのか」が伝わる言葉を選びましょう。

事業名の例は、次の通りです。

業種事業名サンプル
飲食店テイクアウト強化による新規顧客獲得事業
菓子店EC販売とギフト商品の販路拡大事業
美容室新ヘッドスパ導入によるリピート促進事業
小売店SNS集客とギフト需要開拓事業
整体院Web予約導線改善による新規集客事業

悪い例は、「売上アップ事業」「販路拡大事業」のように内容が見えない事業名です。

良い例は、「何を使って」「どんな販路を広げるか」が伝わります。

事業名は短くても、補助事業の方向性を示す入口になります。

販路開拓等の取組内容は誰に何をどう届けるかを書く

販路開拓等の取組内容では、誰に、何を、どう届けるのかを具体的に書きます。

持続化補助金は、販路開拓等の取り組みを支援する制度です。
そのため、補助事業が売上や顧客拡大にどうつながるのかを示す必要があります。

書くときは、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  1. 対象顧客
  2. 提供する商品・サービス
  3. 実施する取組
  4. 使用する経費
  5. 期待する効果

サンプルとして、次のように書けます。

当店では、既存の店頭販売に加えて、法人向けギフトと遠方顧客向けのEC販売を強化します。補助事業では、ECサイトの制作、ギフト用パッケージのデザイン、商品撮影を行います。これにより、来店できない顧客からの注文を受けられる体制を整え、店舗外売上の獲得を目指します。

悪い例は、次のような文章です。

ホームページを作成して集客を強化します。

これだけでは、誰に向けた取組なのか、何を販売するのか、どのように売上につながるのかが分かりません。

販路開拓の内容は、具体的に書きましょう。

業務効率化は任意だが補助事業との関係がある場合に書く

業務効率化は、補助事業との関係がある場合に書きます。

販路開拓と直接関係しない内容を無理に入れる必要はありません。

たとえば、予約システムを導入して電話対応を減らし、接客や施術時間を確保する場合は、業務効率化として説明しやすくなります。
ECサイト導入により注文管理を自動化し、発送作業を効率化する場合も同様です。

サンプルとして、次のように書けます。

ECサイトの導入により、電話やSNSの個別注文対応を減らし、注文受付から決済までをオンライン化します。これにより、注文内容の確認作業を削減し、商品製造や発送準備に充てる時間を確保します。

業務効率化を書くときは、単に「効率が上がる」と書かないようにしましょう。

何の作業が、どのように減るのか。
その結果、販路開拓や売上向上にどうつながるのか。

ここまで説明すると、補助事業との関係が明確になります。

補助事業の効果は売上・客数・単価などの変化で示す

補助事業の効果は、売上、客数、客単価、注文数などの変化で示します。

「効果が期待できます」だけでは弱いため、できる範囲で数字を入れましょう。

使いやすい指標は、次の通りです。

指標書き方の例
売上月商を現状より10%増やす
客数新規来店を月20人増やす
客単価ギフト商品により平均単価を上げる
注文数EC注文を月30件獲得する
リピート率次回来店予約の導線を整える
商圏店舗周辺から市外・県外へ広げる

サンプルとして、次のように書けます。

補助事業実施後は、EC販売による月間注文数30件、法人ギフト注文月5件の獲得を目指します。店頭販売に依存していた売上構成を見直し、店舗外売上を作ることで、季節変動に左右されにくい販売体制を整えます。

数字は、現実的な範囲で設定してください。

根拠のない大きな目標より、現在の売上や顧客数から説明できる目標の方が自然です。

採択に近づける事業計画書の書き方

採択に近づけるには、経営計画と補助事業計画の一貫性、数字や根拠の具体性、読みやすさを意識して書きます。

文章量を増やすより、読み手が理解しやすい計画にすることが大切です。

経営計画と補助事業計画のつながりを明確にする

経営計画と補助事業計画は、必ずつなげて書きます。

経営計画で示した課題を、補助事業で解決する形にすると、計画全体が分かりやすくなります。

たとえば、次のように整理できます。

経営計画で書く課題補助事業で行うこと効果
店頭販売に依存しているECサイトを作る商圏外から注文を獲得する
新規顧客が少ないチラシとSNS広告を実施する認知度を高める
客単価が低いギフト商品を開発する高単価商品の販売を増やす
予約管理が煩雑Web予約を導入する予約対応の手間を減らす

悪い例は、経営計画と補助事業が別々に見える文章です。

たとえば、経営計画で「リピート率が低い」と書きながら、補助事業では「新規客向けチラシ」だけを行うと、課題と取組がズレます。

課題、取組、効果をセットで整理してください。

抽象的な表現を避けて数字・根拠・スケジュールを入れる

事業計画書では、抽象的な表現を避けます。

「集客を頑張る」「認知度を高める」「売上を伸ばす」だけでは、具体的な計画として伝わりません。

良い例・悪い例を比較すると、修正しやすくなります。

悪い例良い例
売上を増やしたいEC販売を開始し、月間注文数30件を目指す
チラシを作る近隣住宅地3,000世帯へ新メニュー告知チラシを配布する
SNSを頑張るInstagramで週3回投稿し、予約ページへの流入を増やす
新規顧客を増やす30〜40代の子育て世帯向けにギフト商品を展開する

スケジュールも入れると、実行性が伝わります。

例としては、次のような書き方です。

交付決定後1か月目にECサイト制作を開始し、2か月目に商品撮影とページ登録を行います。3か月目からSNSで販売告知を開始し、月間30件の注文獲得を目指します。

計画は、できるだけ「いつ・誰に・何を・どう行うか」が見える形で書きましょう。

図表や箇条書きを使って見やすく整理する

事業計画書は、図表や箇条書きを使って読みやすく整理しましょう。

文章だけで長く書くと、内容が伝わりにくくなります。

特に、次の内容は表に向いています。

  • 売上構成
  • 顧客層
  • 自社の強み
  • 課題と取組
  • 経費の内訳
  • 実施スケジュール
  • 補助事業の効果

たとえば、課題と取組を次のように整理できます。

現状の課題補助事業期待する効果
来店客が近隣住民に限られるECサイトを制作する市外・県外からの注文を増やす
商品単価が低いギフト用商品を開発する客単価を上げる
SNSから購入につながらない購入ページへの導線を整える問い合わせから購入までの流れを作る

ただし、箇条書きだらけにすると説明不足になります。

表で整理した後に、なぜその取組を行うのかを文章で補足しましょう。

持続化補助金の事業計画書でよくある失敗例

持続化補助金の事業計画書でよくある失敗は、サンプルの丸写し、経費と取組内容のズレ、様式4の依頼遅れです。

提出前に確認すれば、防げるミスは多くあります。

サンプルをそのまま使うと自社の強みが伝わらない

サンプルをそのまま使うと、自社の強みや課題が伝わりません。

事業計画書は、自社の状況に合わせて書く必要があります。

たとえば、同じ「ECサイトを作る」取組でも、事業者によって目的は変わります。

事業者ECサイトを作る目的
菓子店ギフト商品を遠方へ販売する
雑貨店季節商品をSNS経由で販売する
アパレル店店舗在庫をオンラインで販売する
工房オーダーメイド商品の受注を増やす

同じ文章を使い回すと、誰に何を届ける計画なのかが曖昧になります。

サンプルは型として使い、自社の商品、顧客、地域、課題に置き換えてください。

補助対象経費と取組内容がつながっていない

補助対象経費と取組内容がつながっていないと、補助金を使う必要性が伝わりにくくなります。

たとえば、補助事業で「新規顧客を増やす」と書いているのに、経費が既存設備の修理だけだとズレます。

確認したい組み合わせは、次の通りです。

取組内容つながる経費の例
新商品をPRするチラシ制作費、広告費、写真撮影費
EC販売を始めるECサイト制作費、商品撮影費
新サービスを周知するLP制作費、SNS広告費
店舗導線を改善する看板制作費、販促物制作費
予約を増やすWeb予約ページ制作費

経費を入れるときは、「なぜその費用が販路開拓に必要なのか」を説明しましょう。

単に欲しいものを並べるのではなく、補助事業の実行に必要な経費だけを整理してください。

商工会・商工会議所への相談が遅れて様式4が間に合わない

様式4の依頼が遅れると、申請に間に合わないおそれがあります。

持続化補助金では、事業支援計画書(様式4)の交付を受けるため、商工会または商工会議所への依頼が必要です。

公式サイトでも、様式4の交付には時間を要する場合があるため、余裕を持って手続きを行うよう案内されています。

注意したい流れは、次の通りです。

  1. 申請締切だけを見て準備する
  2. 事業計画書の作成が遅れる
  3. 様式4の依頼が締切直前になる
  4. 商工会・商工会議所の確認に時間がかかる
  5. 申請に間に合わない

様式4の受付締切は、申請受付締切より前に設定されることがあります。
事業計画書が8割ほどできた段階で、早めに相談へ進みましょう。

業種別の事業計画書サンプル

業種別のサンプルを見ると、自社の事業計画書に落とし込みやすくなります。

ここでは、飲食店、美容室、小売店の3つに絞って、書き方のイメージを整理します。

飲食店は新メニュー・テイクアウト・EC販売の販路開拓を書く

飲食店では、新メニュー、テイクアウト、EC販売などの販路開拓を具体的に書くと伝わりやすくなります。

単に「集客を増やす」と書くのではなく、誰にどの商品をどう届けるかを示しましょう。

サンプルは次の通りです。

当店は、駅前で定食と弁当を販売する飲食店です。昼は近隣オフィスワーカーの来店が中心ですが、夜の売上が伸び悩んでいます。一方で、持ち帰り需要や自宅で食べられる惣菜の需要が増えています。補助事業では、新しいテイクアウトメニューを開発し、チラシとSNS広告で近隣住宅地へ告知します。これにより、夕方以降の持ち帰り需要を取り込み、売上の平準化を目指します。

経費としては、チラシ制作費、メニュー表制作費、写真撮影費、テイクアウト用販促物などが考えられます。

飲食店の場合は、衛生面や提供体制にも触れると、計画に現実味が出ます。

美容室は新サービス・リピート促進・予約導線の改善を書く

美容室では、新サービス導入、リピート促進、予約導線の改善を中心に書くと整理しやすくなります。

特に、既存顧客だけでなく新規顧客をどう獲得するかを明確にしましょう。

サンプルは次の通りです。

当店は、30〜50代女性を主な顧客とする美容室です。カット・カラーの利用が中心ですが、近年は頭皮ケアやリラクゼーション需要が高まっています。補助事業では、新たにヘッドスパメニューを導入し、専用ページとWeb予約導線を整備します。既存顧客への再来店促進に加え、頭皮ケアに関心のある新規顧客の獲得を目指します。

経費としては、Webページ制作費、予約導線の改善費、販促チラシ、メニュー表制作費などが考えられます。

美容室では、施術単価やリピート率に触れると効果を説明しやすくなります。

小売店はギフト需要・ECサイト・SNS集客の強化を書く

小売店では、ギフト需要、ECサイト、SNS集客を組み合わせた販路開拓が書きやすいです。

店舗販売だけに依存している場合は、オンラインや贈答需要への展開を説明すると計画がまとまります。

サンプルは次の通りです。

当店は、地域住民向けに生活雑貨とギフト商品を販売する小売店です。店舗販売が中心ですが、季節イベント時には贈答用商品の問い合わせが増えています。現在はオンラインで注文を受ける仕組みがないため、販売機会を逃しています。補助事業では、ECサイトを構築し、ギフト商品の写真撮影とSNS発信を強化します。これにより、店舗周辺だけでなく市外の顧客にも販売できる体制を整えます。

経費としては、ECサイト制作費、商品撮影費、SNS広告費、ギフト用パッケージ制作費などが考えられます。

小売店の場合は、「どの商品を伸ばすのか」をはっきりさせましょう。
すべての商品を対象にするより、ギフト商品や季節商品など、販路開拓につながる商品に絞る方が書きやすくなります。

持続化補助金の事業計画書に関するよくある質問

持続化補助金の事業計画書では、ページ数、個人事業主の書き方、サンプルの使い方で迷いやすくなります。

提出前に疑問を解消し、最新の公募要領や様式に合わせて準備しましょう。

事業計画書は何ページくらい書けばよい?

事業計画書のページ数は、指定された様式や公募要領に従って作成します。

ページ数を増やせば採択に近づくわけではありません。必要なのは、内容の分かりやすさと一貫性です。

書くべき内容を整理すると、次のようになります。

  • 事業の概要
  • 顧客ニーズ
  • 市場動向
  • 自社の強み
  • 経営方針
  • 補助事業の内容
  • 補助事業の効果
  • 経費明細
  • 資金調達方法

短すぎると説明不足になります。
反対に、長すぎても要点がぼやけます。

各項目で「結論→理由→具体例→効果」の順に書くと、自然に読みやすくなります。

個人事業主でも同じ様式で書く?

個人事業主も、原則として公募要領で指定された様式に沿って書きます。

ただし、法人とは異なり、従業員数、売上、事業実態、屋号、所在地などの書き方で迷うことがあります。

個人事業主が意識したい内容は、次の通りです。

  • どんな事業を行っているか
  • 主な顧客は誰か
  • どの商品・サービスが売上の中心か
  • どのような課題があるか
  • 補助事業で何を改善するか
  • 申請者本人がどのように実行するか

個人事業主の場合、事業者本人の役割も明確にした方が伝わりやすくなります。

たとえば、「店主が商品開発とSNS発信を担当し、外部業者にECサイト制作を依頼する」のように、実行体制まで書くと計画が具体的になります。

サンプルの文章を少し変えて使ってもよい?

サンプルの文章を少し変えるだけでは不十分です。

表現を変えても、内容が自社の実態と合っていなければ、説得力は出ません。

サンプルを使うときは、次の順番で置き換えましょう。

  1. 業種を自社に合わせる
  2. 顧客層を具体化する
  3. 自社の課題を書く
  4. 補助事業の内容を自社用にする
  5. 経費と取組内容を一致させる
  6. 効果を数字で示す
  7. 最新様式に合わせる

サンプルは、文章の型として使うものです。

自社の商品、顧客、地域、強み、課題を入れ込むことで、はじめて事業計画書として使える内容になります。

持続化補助金の事業計画書はサンプルを参考に自社の計画へ落とし込む

持続化補助金の事業計画書は、サンプルを参考にしながら、自社の経営計画と補助事業計画をつなげて作成します。

大切なのは、文章をきれいに整えることではありません。
自社の課題、販路開拓の取組、補助対象経費、期待する効果が一貫していることです。

提出前には、次の点を確認しましょう。

  • 最新の公募要領を確認したか
  • 最新の様式を使っているか
  • 様式2と様式3の役割を理解しているか
  • 経営計画と補助事業計画がつながっているか
  • 顧客ニーズに根拠があるか
  • 自社の強みが補助事業に活かされているか
  • 経費明細と取組内容が一致しているか
  • 売上・客数・単価などの効果を数字で示しているか
  • 商工会・商工会議所へ様式4を依頼したか
  • サンプルの丸写しになっていないか

特に注意したいのは、様式4の依頼です。

第20回公募では、電子申請システムで経営計画と補助事業計画を入力し、地域の商工会に様式4の作成依頼を行う流れが案内されています。様式4の交付には時間がかかることがあるため、早めの準備が必要です。

サンプルは便利ですが、そのまま使うと自社らしさが消えてしまいます。

自社の商品、顧客、課題、販路開拓の方法を具体的に入れ込み、読み手が「この取組なら売上向上につながる」と理解できる事業計画書を作成しましょう。

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