IT導入補助金の採択を受けた後、最終ステップとして必要になるのが「実績報告」です。
この手続きを完了しない限り、補助金は振り込まれません。つまり、実績報告は補助金を受け取るための最終関門です。
とはいえ、初めての方にとっては「どんな書類を用意すればいいの?」「報告書はどこから作成するの?」「間違えたらどうなるの?」といった疑問が多く、報告作業が難しく感じられるのも事実です。
そこでこの記事では、「IT導入補助金の実績報告の手順」を初心者でもわかるように、具体的なステップで丁寧に解説します。
マイページでの入力方法から必要書類のまとめ方、提出時の注意点までを順序立てて説明し、ミスなく報告を完了できる実践的な知識を身につけられる内容です。
この記事を読めば、「なるほど、実績報告書はこう作るのか!」と自分の言葉で説明できるようになり、提出作業に自信を持って取り組めるようになります。
補助金を確実に受け取るための最終ステップを、一緒に整理していきましょう。
実績報告とは何か/交付後の正しい手続きを理解する

IT導入補助金の採択後、多くの事業者が次に直面するのが「実績報告」です。
この実績報告とは、導入したツールや支払い内容を証明し、補助金の最終交付を受けるための手続きです。
つまり、ここで不備があると補助金の入金が遅れたり、最悪の場合は支給対象外になることもあります。
まずは、実績報告の目的と流れを理解し、「なぜこれが必要なのか」から把握することがミス防止の第一歩です。
実績報告の目的と「補助金交付までの流れ」
実績報告の目的は、補助金を適切に使ったことを証明するためです。
補助金は「支援を約束するもの」であって、「自動的にもらえるもの」ではありません。
そのため、導入・支払いが完了したあと、実際に使った金額・証拠書類・成果を提出する必要があります。
基本的な流れは以下の通りです。
1.交付決定通知の受領
採択結果が発表され、交付が正式に決まる。
2.契約・導入・支払い完了
ベンダーと契約を結び、システムやツールを納品・稼働させ、支払いを済ませる。
3.実績報告の作成・提出
導入内容・支払証憑・成果を報告書にまとめ、マイページから提出。
4.事務局による審査・承認
内容確認後、問題がなければ補助金が確定。
5.補助金の入金
指定口座に振り込まれ、交付完了となる。
つまり、実績報告は「導入の完了を証明し、補助金を確定させるための最終チェック工程」といえます。
交付決定〜契約・納品・支払い/いつから手を付けるべきか
実績報告は「導入がすべて完了してから」行いますが、準備は交付決定直後から始めるのが理想です。
なぜなら、報告書に必要な証憑(請求書・納品書・振込明細など)は、導入プロセス中に集めておくことでミスを防げるからです。
準備のポイント
・契約書・納品書・支払証憑は同一名義(法人名または代表者名)で揃える。
・支払いは補助対象経費を明確に区分して行う(不要な経費と混同しない)
・ベンダーとのやり取りはメールなどで記録を残すと、後で証明しやすい。
特に初回申請者に多い失敗は、「領収書や請求書をまとめていない」「支払証明が曖昧」というケース。
これを避けるため、導入完了前から「報告書に添付する書類を意識して保管する」ことが大切です。
報告期限と提出先・申請マイページの基本操作
実績報告の提出期限は、交付決定通知に記載されている期日から30日以内(または年度末)が一般的です。
遅れると交付が取り消されることもあるため、スケジュール管理は必須です。
提出はすべて「IT導入補助金マイページ」上でのオンライン申請です。
主な操作手順は次の通りです。
1.IT導入補助金ポータルサイトにアクセスし、マイページへログイン。
2.対象案件の「実績報告を作成する」をクリック。
3.導入実績や支払情報を入力。
4.証憑書類(PDFや画像)をアップロード。
5.SMS認証による最終確認後、送信で完了。
操作そのものはシンプルですが、アップロード書類の不備や形式エラーが原因で再提出になるケースが多いため、提出前に必ずチェックしましょう。
実績報告は「導入の証明」+「信頼の確認」
実績報告とは、補助金の最終手続きであると同時に、制度利用者としての信頼を証明するプロセスです。
導入完了後に焦って書類を探すのではなく、交付決定直後から必要書類を整理しておくことが成功の鍵です。
報告書を提出して終わりではなく、
・期限を守る
・名義・金額・証憑の整合性を保つ
・マイページでの入力内容を正確に記録する
これらを意識すれば、実績報告は決して難しい作業ではありません。
次に、具体的な作成ステップと必要書類の一覧を見ていきましょう。
実績報告書作成のステップと必要書類一覧

ここからは、実績報告書を実際に作成・提出する具体的な手順を解説します。
報告書はIT導入補助金マイページでオンライン作成しますが、入力内容と添付書類の整合性を取ることが最重要です。
以下の流れに沿って準備すれば、再提出のリスクを最小限に抑えられます。
報告書の入力手順:申請マイページでの入力からSMS認証まで
1.マイページにログイン
申請時に使ったアカウントでログイン。
2.案件選択→実績報告作成
対象となる採択案件を選び、実績報告フォームを開く。
3.導入内容・支払情報を入力
導入したITツール名、契約日、支払金額、支払日などを正確に記載。
4.証憑書類の添付
請求書・領収書・納品書・振込明細などをPDFや画像でアップロード。
5.SMS認証・送信で完了
登録済み電話番号に届く認証コードを入力して送信。
💡ポイント
マイページは一度保存すれば途中再開も可能。作業を分割しても大丈夫です。
ただし、アップロード上限(10MB前後)に注意して、画像を圧縮しておくとスムーズです。
必須証憑書類:請求書・支払証憑・納品書・口座情報など
実績報告に添付すべき代表的な書類は以下の通りです。
| 書類名 | 内容 | 注意点 |
| 請求書 | IT導入支援事業者が発行した正式な請求書 | 事業者名・金額・日付の整合性を確認 |
| 納品書/完了報告書 | 導入完了の証明 | ソフトウェア納品日と支払日を一致させる |
| 支払証憑 | 振込明細書・領収書など | 現金払い・クレカ払いは原則不可 |
| 口座情報 | 通帳写し(口座名義・支店・口座番号) | 申請時の名義と一致しているか要確認 |
| その他 | スクリーンショット・契約書など | 審査側の要求に応じて提出することもある |
名義・金額・日付の一致は最重要項目です。
1つでもズレがあると再提出の対象になるため、提出前にダブルチェックを徹底しましょう。
記載時の注意点・書類の不備で落ちる典型例(名義・金額・日付など)
実績報告で最も多いトラブルは、「書類の不一致」です。
以下は再提出につながる典型的なケースです。
・契約書・請求書・領収書で会社名の表記が異なる
・振込証明書の日付が請求書より前になっている
・金額の端数(税抜/税込)が一致していない
・納品書に導入ツールの名称が記載されていない
これらは小さなミスに見えても、審査側では「不正使用防止のための重大不備」として扱われます。
提出前に必ず「契約→請求→支払い→報告」の一連の整合性を確認しましょう。
事前準備で“提出後の手戻りゼロ”を目指す
実績報告書の作成で最も重要なのは、「提出後に修正が発生しない状態で出すこと」です。
報告内容と証憑書類を正確にそろえるだけで、審査は驚くほどスムーズになります。
特に、
・契約書類・支払証憑の整合性
・提出期限の遵守
・名義・金額・日付の一致
この3点を意識するだけで、不備による再提出リスクはほぼゼロに近づきます。
次の章では、提出後の承認プロセスとフォローアップのポイントを詳しく見ていきましょう。
実績報告で押さえるべき注意点と報告後のフォロー

実績報告を提出した後も、まだ油断はできません。
補助金が実際に振り込まれるまでには、確定検査・承認・入金手続きといった複数のステップがあります。
また、提出後に「報告漏れ」や「証憑不備」が発覚すれば、再提出や減額のリスクも。
ここでは、報告後の流れを整理しながら、提出後にやるべきフォローと注意点を具体的に解説します。
提出後の「確定検査・承認」までの流れと承認手続き
実績報告を提出したら、すぐに補助金が入るわけではありません。
まず事務局による確定検査(内容審査)が行われ、全ての書類が正しく揃っているか、支払いが適正に行われたかをチェックされます。
承認までの主な流れは次の通りです。
1.提出内容の確認(自動受付完了メールが届く)
2.事務局による審査(請求書・証憑・支払明細などの整合性を確認)
3.修正・追提出の依頼がある場合も(多くは名義・日付・金額の不一致)
4.確定通知(承認)が届く
5.補助金の入金(おおむね1〜2か月後)
💡ポイント
・マイページ上で「確認中」や「差戻し」などのステータスが表示されるため、定期的にログインして進捗を確認しましょう。
・「差戻し」が来た場合は、指摘箇所を修正し再提出すれば問題ありません。焦らず対応すれば減額にはなりません。
提出期限の忘れ
実績報告の提出は、交付決定日から通常30日以内または年度末(3月末)までに完了させる必要があります。
この期限を過ぎると、補助金の交付自体が取り消されるリスクがあります。
提出期限を忘れやすい理由は、導入作業の忙しさや支払い処理の遅れにあります。
そのため、以下のような対策を取りましょう。
・📅スケジュール管理ツールに「提出期限3日前・1週間前」のアラートを設定
・📞IT導入支援事業者と定期連絡を取る(一緒に確認すればミスが減る)
・📂必要書類を導入完了時にすぐまとめておく
期限を守ることは、「補助金を正しく使う事業者」としての信頼の証明でもあります。
制度を利用する以上、期日厳守は最低限のマナーといえます。
報告後も残すべき証憑・取得財産等管理台帳などの保存義務
実績報告を提出して承認を受けても、書類をすぐ破棄するのは絶対にNGです。
IT導入補助金では、5年間の書類保存義務が定められています。
保存すべき代表的な資料は以下の通りです。
| 種類 | 内容 | 保存目的 |
| 契約書・請求書・領収書 | 事業者との契約・支払いの証明 | 監査・再調査時に必要 |
| 支払証憑・通帳写し | 補助対象経費の支払いを示す証明 | 不正防止のための確認 |
| 納品書・完了報告書 | 導入が完了した証明 | 実績検査時の確認用 |
| 取得財産等管理台帳 | 補助対象ツール(ソフト・機器)の一覧 | 5年間の管理義務あり |
特に「取得財産等管理台帳」は提出後に作成が求められることが多く、対象設備の利用状況や処分の有無を記録するものです。
監査対象になった場合、この台帳がなければ「補助金返還」となるケースもあるため注意が必要です。
提出後も「報告の完了」ではなく「信頼の維持」を意識する
実績報告の目的は、補助金をもらうためだけではなく、制度を信頼して使う事業者であることを証明することです。
提出後も期限・保存・確認の3点を意識することで、次回の補助金申請や他の制度利用時にもスムーズな対応が可能になります。
補助金は“申請して終わり”ではなく、“報告して信頼を積み上げる”もの。
報告の精度を高めることが、企業としての評価や将来の採択率向上にもつながります。
書類を“作る”だけで終わらせない、採択後の信頼を守る実績報告の進め方

多くの事業者は「実績報告=補助金をもらうための書類」と捉えがちです。
しかし、本質的にはそれ以上の意味があります。
実績報告は、補助金を正しく使い、信頼される事業者であることを示す“証明書”のようなものです。
ここでは、報告書を単なる形式作業で終わらせず、信頼を維持し、次につなげるための進め方を解説します。
報告書は「お金をもらう書類」ではなく「信頼を証明する書類」
補助金制度は税金によって運用されています。
そのため、実績報告は「自社が補助金を適切に使った」ことを社会に対して証明する重要な手続きです。
報告内容が正確であれば、次回以降の公募でも「過去の対応が丁寧だった」として審査上の印象にもプラスになります。
逆に、報告の遅延や不備が多い事業者は、「制度理解が浅い」「管理が不十分」と見なされ、将来的な補助金・助成金申請時にマイナス評価を受けるケースもあります。
つまり、実績報告=信頼構築の第一歩なのです。
再提出・減額を防ぐ“ダブルチェック”の思考法
報告書作成時にありがちなミスを防ぐ最も効果的な方法は、「第三者の目線で確認する」ことです。
自分では完璧と思っていても、以下のような視点で見直すと意外な誤りに気づきます。
✅書類名義・口座名義が一致しているか
✅金額・日付の整合性が取れているか
✅添付ファイル名やフォーマットが統一されているか
✅ベンダー側の請求内容と報告書記載内容が一致しているか
提出前に支援事業者または経理担当者と一度照合するだけで、再提出や減額のリスクはほぼゼロに近づきます。
特に「名義」「金額」「日付」の3点は、審査時に最も注目される項目です。
提出後の確認フローを可視化して、補助金入金までを最短化するコツ
提出後の待機期間に不安を感じる方も多いですが、確認フローを見える化することでスムーズに進みます。
・📌マイページで「審査中」「差戻し」などのステータスを定期確認
・📞IT導入支援事業者に進捗確認を依頼(やり取りを残す)
・🗂️提出済みデータ・書類をフォルダ分けしておく(再提出時も即対応可能)
こうした管理をしておくことで、差戻し対応に時間を取られず、補助金入金までの期間を短縮できます。
「出したら終わり」ではなく、「通るまで見届ける」姿勢が信頼を生むのです。
信頼される報告が“次の採択”を呼び込む
IT導入補助金の実績報告は、単なる事務作業ではなく、企業の信頼を積み上げる機会です。
丁寧で正確な報告は、「この企業はしっかりしている」という印象を与え、次回の補助金申請や取引先からの評価にも好影響をもたらします。
報告=終わりではなく、スタート。
制度を“信頼される使い方”で終えた企業こそが、次のチャンスをつかむ企業です。
今後の補助金活用でも、今回の経験を「再現可能な成功プロセス」として自社の強みにしていきましょう。
手順を理解すれば、実績報告は“誰でもできる”

IT導入補助金の実績報告は、専門知識がなくても手順を理解すれば誰でも確実に完了できる作業す。
難しそうに見えても、実際は次の3つの流れを押さえるだけで十分です。
1.導入完了後に必要書類をそろえる(請求書・納品書・支払証憑など)
2.IT導入補助金マイページから報告書を作成・提出する
3.承認・入金までの進捗を確認し、書類を保管しておく
この3ステップを丁寧に行えば、報告漏れや不備による再提出を避け、スムーズに補助金を受け取ることができます。
また、実績報告は「お金をもらうための書類」ではなく、制度を正しく活用していることを証明する信頼の証でもあります。
内容の整合性・期限の遵守・丁寧な確認を意識することで、今後の補助金申請や他の公的支援でも高い評価につながるでしょう。
「なるほど、こうすれば報告書が作れる!」と自信を持って言えることが、この記事のゴール
す。
正しい手順を理解して、補助金を確実に受け取り、自社のIT導入を次の成長ステップへとつなげましょう。
