防犯カメラを自宅や店舗、事業所などに設置するとき、自治体の補助金を利用できる場合があります。
結論からいうと、個人・企業・個人事業主・自治会・マンション管理組合など、さまざまな立場の人や団体が対象になり得ます。
ただし、全国共通で誰でも利用できる「防犯カメラ補助金」があるわけではありません。
自治体ごとに、
- 個人住宅向け
- 企業・個人事業主向け
- 自治会・町内会向け
- マンション管理組合向け
など対象者が分かれており、同じ自治体でも個人や企業を対象外としている制度があります。
たとえば2026年度には、所沢市で自宅へ防犯カメラを設置する個人を対象とした補助制度が実施されています。一方、堺市では一定の条件を満たす企業や個人事業主による地域防犯カメラ設置を支援しています。箕面市では、自治会やマンション管理組合による設置・更新が対象です。
そのため、「防犯カメラなら補助金が使える」と考えるのではなく、誰が・どこに・どのような目的で設置するのかを確認することが重要です。
この記事では、防犯カメラに使える補助金について、個人・企業・地域団体ごとの違い、対象になりやすい費用、申請方法、設置前に確認しておきたい注意点まで解説します。
防犯カメラの補助金は個人も企業も申請できる?

防犯カメラの設置費を補助する制度は、個人でも企業でも利用できる場合があります。
ただし、同じ補助制度へ個人と企業が自由に申請できるとは限りません。
まずは自分がどの区分に当てはまるのか確認しましょう。
| 設置する人・団体 | 主に確認したい制度 |
| 個人 | 自宅・住宅向け防犯カメラ補助 |
| 個人事業主 | 店舗・事業所向け防犯対策補助 |
| 法人 | 企業・事業所・地域貢献型の防犯補助 |
| 自治会・町内会 | 地域防犯カメラ設置補助 |
| マンション管理組合 | 共同住宅・地域団体向け制度 |
個人向け・企業向け・地域団体向けの制度がある
防犯カメラ補助金は、設置者によって対象制度が異なります。
個人の場合は、自宅や住宅周辺の防犯対策を目的とした制度が中心です。
企業の場合は、店舗・事業所の防犯対策だけでなく、事業所周辺の道路など地域防犯に貢献することを条件とする制度があります。
自治会や町内会では、公道や通学路など地域全体を見守る目的で設置する防犯カメラが主な対象です。
マンション管理組合については、自治会と同じ地域団体向け制度を利用できるケースもあります。
全国共通ではなく自治体ごとに対象者・条件が異なる
防犯カメラ補助金で特に注意したいのが、地域による違いです。
補助対象者だけでなく、
- 補助率
- 補助上限額
- 対象設備
- 設置場所
- 撮影範囲
- 申請期間
まで自治体ごとに異なります。
たとえば2026年度の所沢市では、自宅に防犯カメラを設置する個人や共同住宅の管理組合などを対象とした制度が実施されています。個人の場合は、対象住宅に居住し、住民基本台帳に記録されていること、市税の滞納がないことなどが条件です。
一方、企業向け制度がある自治体でも、すべての事業者が対象になるとは限りません。
同じ自治体でも個人や企業が対象外になる場合がある
地域防犯向けの制度では、対象者を自治会や町内会などに限定していることがあります。
その場合、
市内に住んでいる個人だから利用できる
市内で店舗を経営しているから利用できる
とは限りません。
そのため補助金を探すときは、金額より先に「補助対象者」の欄を確認しましょう。
対象者の確認だけで、利用できない制度への申請準備を避けられます。
個人が使える防犯カメラ補助金

個人向けの補助制度では、自宅への侵入窃盗や不審者対策などを目的として、防犯カメラの購入・設置費を支援するものがあります。
ただし、すべての自治体で実施されているわけではありません。
自宅用防犯カメラを補助する自治体がある
2026年度の所沢市では、自宅へ防犯カメラを設置する個人に対し、購入・設置費の一部を補助しています。対象となるのは、自ら居住する住宅に防犯カメラを設置する個人などです。
対象経費としては、
- 防犯カメラ本体
- 録画用SDカードなどの記録媒体
- カメラ購入と一体で行う設置工事費
などが定められています。
個人宅向けの制度では、自宅を対象とすることが基本です。
店舗や事務所に設置する防犯カメラを、個人住宅向け制度で申請できるとは限りません。
賃貸・共同住宅は所有者や管理者の同意が必要な場合がある
防犯カメラを設置する住宅が自分の所有物でない場合は、設置者だけの判断で工事できないことがあります。
特に、
- 賃貸住宅
- マンション
- 共用部分
- 借地上の建物
などでは、建物所有者や管理組合、管理会社等の同意が必要になる場合があります。
共同住宅については、個人ではなく管理組合が申請者となる制度もあります。
申請前に、自分が補助対象者として申請できるのか、所有者等の承諾書が必要かを確認しましょう。
防犯カメラ以外の防犯用品も対象になる場合がある
自治体によっては、防犯カメラだけでなく、
- センサーライト
- 防犯ブザー
- 録画機能付きインターホン
- 補助錠
- 防犯フィルム
など、住宅の防犯対策をまとめて対象とする制度があります。
一方で、防犯カメラだけを対象とする制度もあります。
「防犯対策に使った費用なら何でも対象」とは限りません。
購入前に対象機器一覧を確認してください。
企業・個人事業主が使える防犯カメラ補助金

企業や個人事業主についても、防犯カメラ設置費を補助する自治体があります。
ただし、店舗内部の監視だけを目的とするカメラではなく、地域防犯への貢献を条件とする制度もあります。
店舗・事業所向け制度を実施する自治体がある
2026年度の堺市では、市内の事業所が地域貢献のために防犯カメラを設置する場合、費用の一部を補助する制度を実施しています。実際に法人だけでなく個人事業の事業所も利用例に含まれています。
こうした制度では、
- 市内に事業所があること
- 指定された団体への加入
- 地域防犯を目的としていること
などの条件が設定される場合があります。
そのため、法人登記や開業届があるだけで自動的に対象になるわけではありません。
地域防犯を目的とするカメラは対象になる制度がある
企業向け制度では、撮影する場所にも条件が付くことがあります。
たとえば、店舗内の商品盗難だけを監視するカメラと、店舗前の道路や地域を見守るカメラでは目的が異なります。
地域防犯型の制度では、
- 道路
- 通学路
- 公共スペース
- 不特定多数が利用する場所
などを一定範囲撮影することが条件になる場合があります。
企業が防犯カメラを設置する場合は、「カメラを設置する企業が対象か」だけでなく、そのカメラの撮影目的が補助制度の目的と一致しているかも確認しましょう。
企業が対象外の地域団体向け制度もある
自治体が実施する地域防犯カメラ補助では、申請者を、
- 自治会
- 町内会
- 防犯団体
- マンション管理組合
などに限定していることがあります。
この場合、企業が同じ場所に防犯カメラを設置しても補助対象になりません。
逆に、企業向け制度が別に用意されている自治体もあります。
自治体サイトで「防犯カメラ 補助金」と検索して制度が見つかっても、対象者欄まで確認することが重要です。
自治会・マンション管理組合向けの防犯カメラ補助金

自治会や町内会、マンション管理組合では、地域全体の安全を目的とした制度を利用できる場合があります。
個人向けより補助率や上限が大きいケースもありますが、設置場所や管理ルールが細かく定められることがあります。
地域防犯を目的としたカメラ設置が主な対象
地域団体向け制度では、
- 通学路
- 公園周辺
- 住宅街
- 道路
- 駐車場出入口
など、不特定多数が利用する場所の防犯を目的とするケースが中心です。
特定の個人宅だけを監視する目的では、対象にならない可能性があります。
撮影範囲についても事前に自治体と調整が必要になることがあります。
新設だけでなく更新が対象になる自治体もある
防犯カメラ補助金は新規設置だけが対象とは限りません。
2026年度の箕面市では、自治会やマンション管理組合による防犯カメラの新設に加え、既設カメラの更新も新たに補助対象となりました。更新費用については、一定の条件を満たす場合に8割が補助されます。
既存カメラが古くなっている場合は、「新設補助」だけでなく「更新・交換補助」がないか確認しましょう。
マンション管理組合も対象になる場合がある
共同住宅の場合、個々の住人ではなく管理組合が申請者となる制度があります。
箕面市でも、自治会に加えてマンション管理組合が補助対象者に含まれています。
マンションの、
- エントランス
- 駐車場
- 駐輪場
- 共用通路
などに設置する場合は、個人住宅向け制度と管理組合向け制度のどちらを利用するのか確認してください。
防犯カメラ補助金の対象経費

補助対象経費は制度によって異なりますが、防犯カメラの購入・設置に直接必要な費用が中心です。
一方、継続的に発生する維持管理費は対象外になる制度も多いため、区別して考えましょう。
カメラ本体・録画装置・設置工事費が対象になる場合が多い
比較的対象になりやすい費用は、
- 防犯カメラ本体
- レコーダー
- SDカードなどの記録媒体
- 配線
- 設置工事
- カメラ設置に必要な付帯機器
などです。
所沢市の2026年度制度でも、防犯カメラ購入費、記録媒体、防犯カメラ購入と一体となった設置工事費などが対象です。
ただし、対象機器の性能や設置方法が指定される場合があります。
表示板や専用ポールなども対象になる場合がある
地域防犯カメラでは、防犯カメラが設置されていることを知らせる表示板や、カメラ設置用のポールなどが対象経費に含まれる場合があります。
特に地域防犯を目的とする制度では、
防犯カメラ作動中
などの表示を求められることがあります。
機器本体だけを基準に予算を組まず、設置工事や付帯設備まで含めて見積書を取得しましょう。
電気代・保守・修繕などは制度ごとに扱いが異なる
カメラ設置後には、
- 電気代
- インターネット通信費
- クラウド利用料
- 保守点検費
- 修理費
- SDカード交換費
などが発生します。
こうした維持費は対象外となる制度がある一方、自治会向け制度では一部を別の補助制度で支援している場合もあります。
たとえば箕面市では、自治会防犯カメラについて電気代やSDカード交換費、一定の修理費などにも支援制度があります。
「維持費はすべて対象外」と決めつけず、設置費補助とは別制度がないか確認するとよいでしょう。
防犯カメラ補助金を申請するときの流れ

具体的な手続きは自治体によって異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。
制度を確認
↓
設置場所・機器を決める
↓
見積書を取得
↓
交付申請
↓
交付決定
↓
購入・工事
↓
実績報告
↓
補助金交付
重要なのは、設置後ではなく事前申請を求める制度があることです。
自治体の公式サイトで対象者と募集期間を確認する
最初に確認するのは、
- 誰が対象か
- 申請受付期間
- 補助率
- 上限額
- 対象機器
- 対象となる設置場所
です。
制度が現在も実施されているか、年度も必ず確認してください。
2026年に申請する場合は、「令和8年度」「2026年度」と記載されている制度情報を確認します。
設置前に見積書・設置場所・撮影範囲を準備する
申請には、
- 見積書
- 設置予定場所の写真
- 配置図
- 撮影範囲が分かる図面
- 機器の仕様書
などが必要になる場合があります。
特に地域防犯カメラでは、どこを撮影するのかが審査上重要です。
公道や近隣住宅が映る場合は、必要以上に個人の敷地や生活空間を撮影しないよう調整しましょう。
交付決定後に購入・設置工事を行う
防犯カメラ補助金で特に注意したいのが、購入・工事のタイミングです。
制度によっては、交付決定前に購入した機器や、すでに完了した工事は補助対象になりません。
そのため、
補助金がありそうだから先に買っておく
という進め方は避けた方が安全です。
申請後、自治体から交付決定通知を受けてから契約・購入・設置を行うのが基本となる制度が多くあります。
設置後は領収書・写真などを添えて実績報告する
防犯カメラの設置が完了したら、実績報告を行います。
提出資料としては、
- 領収書
- 請求書
- 支払い記録
- 設置後の写真
- 設置場所
- 機器情報
などが求められることがあります。
申請時に提出した内容と異なるカメラへ変更した場合、補助対象外になる可能性もあります。
機器や工事内容を変更する必要が生じた場合は、購入前に自治体へ確認しましょう。
防犯カメラ補助金で失敗しないための注意点

防犯カメラは設置自体が目的ではありません。
補助制度では、設置場所や管理方法、プライバシーへの配慮まで求められることがあります。
交付決定前に購入・工事を始めない
申請で最も注意したいのが、購入・工事のタイミングです。
自治体によっては、
申請
↓
審査
↓
交付決定
↓
購入・工事
という順序を明確に定めています。
交付決定前に支払った費用を、後から補助対象へ変更することは難しい場合があります。
まず公式要綱を確認し、「いつから購入してよいのか」を確認してください。
公道・隣家など撮影範囲とプライバシーに配慮する
防犯カメラには、通行人や近隣住民が映り込むことがあります。
そのため、
- 必要以上に隣家を撮影しない
- 私有地内部を大きく映さない
- カメラの向きを調整する
- 録画データを適切に管理する
といった配慮が必要です。
地域団体向け制度では、運用規程を作成し、映像の閲覧者や保存期間を決めることを求める場合もあります。
補助金の要件だけでなく、設置後の管理まで想定しておきましょう。
リース・中古・DIY設置が対象か事前に確認する
補助対象となる購入方法も制度によって異なります。
たとえば、
- 中古品
- リース
- レンタル
- インターネット通販
- DIY施工
- 個人間売買
などを対象外とする制度もあります。
一方、特定の購入方法まで制限していない自治体もあります。
「カメラ本体が対象なら購入方法は自由」と考えず、公募要領の対象経費・対象外経費を確認しましょう。
予算上限に達すると受付終了する場合がある
防犯カメラ補助金は、申請期間内であっても予算上限に達した時点で終了することがあります。
2026年度の所沢市では申請受付を複数期に分け、各期で予定枠を設定しています。予定枠が埋まった場合は、受付期間中でも終了すると案内されています。
制度を見つけたからといって、年度末までいつでも申請できるとは限りません。
設置予定が決まっている場合は、早めに申請期間と予算状況を確認しましょう。
自分の地域の防犯カメラ補助金を探す方法

防犯カメラ補助金は自治体制度が中心となるため、まず設置場所の市区町村から探します。
「市区町村名+防犯カメラ+補助金」で検索する
たとえば、
「大阪市 防犯カメラ 補助金」
「横浜市 自宅 防犯カメラ 補助金」
「○○市 事業所 防犯カメラ 補助」
などで検索します。
企業の場合は、
「自治体名+事業所 防犯」
「自治体名+企業 防犯カメラ」
まで広げると見つかりやすくなります。
検索結果では民間サイトだけで判断せず、自治体公式サイトの情報まで確認してください。
個人・企業・自治会のどの区分に該当するか確認する
制度が見つかったら、最初に対象者を確認します。
個人宅へ設置
→ 個人・住宅向け制度
店舗・事務所へ設置
→ 企業・個人事業主向け制度
道路や地域全体の防犯
→ 自治会・町内会・地域団体向け制度
マンション共用部分
→ 管理組合向け制度
という形で考えると分かりやすくなります。
自宅兼店舗の場合など、区分が判断しにくい場合は自治体窓口へ確認しましょう。
前年度ではなく2026年度の要綱・申請期間を確認する
自治体制度は毎年同じ内容で実施されるとは限りません。
補助率が変更されたり、対象者が追加されたり、新規設置だけでなく更新まで対象になったりすることがあります。
実際に箕面市では、2026年度から既設の自治会防犯カメラを更新する場合の補助制度が新設されました。
過去の記事だけで判断せず、
- 2026年度の交付要綱
- 申請の手引き
- 受付期間
- 現在の予算状況
まで確認しましょう。
防犯カメラ補助金は対象者と設置目的を確認してから申請しよう

防犯カメラの設置費については、個人・企業・個人事業主・自治会・マンション管理組合などが補助金を利用できる場合があります。
ただし、全国共通で利用できる一つの制度があるわけではありません。
主な考え方は、
個人宅
→ 住宅防犯向け補助金
企業・店舗
→ 事業所・地域貢献型の防犯補助
自治会・町内会
→ 地域防犯カメラ補助
マンション管理組合
→ 共同住宅・地域団体向け補助
です。
2026年度も、個人住宅を対象とする制度、企業・個人事業主を対象とする制度、自治会・管理組合を対象とする制度がそれぞれ実施されています。
申請するときは、
①設置者が対象か確認
↓
②設置目的・撮影範囲を確認
↓
③補助対象機器・工事を確認
↓
④見積書などを準備
↓
⑤交付申請
↓
⑥交付決定後に購入・設置
↓
⑦実績報告
という順番で進めると分かりやすくなります。
特に、設置済みの防犯カメラを後から申請できない制度もあるため、購入・工事前の確認が重要です。
また、自治体によって補助率や上限額、対象設備、受付期間は大きく異なります。
防犯カメラを設置する予定がある場合は、まず設置場所の市区町村公式サイトで2026年度の制度を確認し、自分が個人・企業・地域団体のどの区分に該当するのか確認してから申請準備を進めましょう。
