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両立支援等助成金の育児休業等支援コースとは?2026年度の支給額・要件・申請方法を解説

両立支援等助成金の「育児休業等支援コース」は、労働者が円滑に育児休業を取得し、職場へ復帰できるよう支援した中小企業事業主を対象とする助成金です。

2026年度は、育休復帰支援プランに基づいて対象労働者の育児休業取得を支援した場合に育休取得時30万円、その後職場へ復帰させ、一定期間継続雇用した場合に職場復帰時30万円が支給されます。

育休取得時・職場復帰時ともに、1事業主につき無期雇用労働者1人、有期雇用労働者1人までが基本です。正社員だけを対象とした制度ではありません。

ただし、単に従業員が育児休業を取得すれば受給できるわけではありません。

育休前の面談、育休復帰支援プランの作成、業務の引き継ぎ、育休中の情報提供、復帰前面談などを適切なタイミングで実施する必要があります。

この記事では、2026年度の両立支援等助成金「育児休業等支援コース」について、支給額、対象となる企業・労働者、育休取得時と職場復帰時の要件、申請手続きまで解説します。

目次

両立支援等助成金の育児休業等支援コースとは

育児休業等支援コースは、育休復帰支援プランを作成し、労働者が育児休業を取得しやすく、復帰しやすい環境を整備した中小企業事業主を支援する制度です。

2026年度は「育休取得時」と「職場復帰時」の2段階で支給されます。

区分支給額主な条件
育休取得時30万円育休復帰支援プランを作成し、3か月以上の育児休業を取得させる
職場復帰時30万円同じ労働者を原則として原職等へ復帰させ、6か月以上継続雇用する

2026年度は育休取得時30万円・職場復帰時30万円

2026年度の支給額は、育休取得時30万円、職場復帰時30万円です。

育休取得から職場復帰まで要件を満たした場合、1人の対象労働者について合計60万円となります。

ただし、職場復帰時の30万円だけを単独で申請できるわけではありません。

職場復帰時は、育休取得時の助成対象となった同じ労働者について、その後の復帰要件を満たした場合に対象となります。

対象は育休取得と職場復帰を支援する中小企業事業主

育児休業等支援コースの支給対象は中小企業事業主です。

単に育児休業制度を就業規則に定めているだけでは足りません。

実際に対象労働者について、

  • 育児休業取得・職場復帰を支援する方針を周知する
  • 面談を実施する
  • 育休復帰支援プランを作成する
  • 業務の引き継ぎを行う
  • 育児休業を取得させる
  • 復帰に向けた支援を行う

といった一連の取り組みが必要です。

無期雇用・有期雇用の労働者それぞれ1人まで対象

育休取得時・職場復帰時ともに、1事業主につき2人までが基本です。

内訳は、

  • 無期雇用労働者:1人
  • 有期雇用労働者:1人

です。

そのため、「正社員でなければ申請できない」という制度ではありません。

契約社員などの有期雇用労働者でも、育児休業やその他の要件を満たせば対象になる可能性があります。

育休取得時30万円の支給要件

育休取得時は、対象労働者が育児休業へ入ってから準備を始めるのではなく、育休開始前から会社側が支援を進めておくことが重要です。

2026年度の主な要件として、方針の周知、面談、育休復帰支援プラン、業務引き継ぎ、3か月以上の育児休業などがあります。

育児休業と職場復帰を支援する方針を社内周知する

まず、会社として労働者の育児休業取得と職場復帰を支援する方針を明確にします。

そのうえで、その方針を労働者へ周知します。

「育休を申請されたら対応する」という受け身の状態ではなく、会社として育児休業から復帰まで支援することを示しておく必要があります。

周知方法や記録についても、申請時に確認できる状態にしておきましょう。

対象労働者と面談して育休復帰支援プランを作成する

対象労働者が育児休業に入る前に、上司や人事労務担当者などが面談を行います。

面談では、

  • 育休取得予定期間
  • 担当している業務
  • 引き継ぎ方法
  • 休業中に必要な情報
  • 復帰後の働き方

などを確認します。

面談内容をもとに作成するのが「育休復帰支援プラン」です。

厚生労働省は面談シートや育休復帰支援プランの参考様式を公開しているため、様式を一から作成する必要はありません。

ただし、参考様式を使えば自動的に要件を満たすわけではありません。

実際の対象労働者に合わせて必要事項を記載し、プランに沿って取り組む必要があります。

育休開始前に業務を引き継ぎ3か月以上の育児休業を取得させる

育児休業開始前には、育休復帰支援プランに基づいて業務の引き継ぎを行います。

その後、対象労働者が連続3か月以上の育児休業を取得することが必要です。

産後休業から続けて育児休業を取得する場合は、一定の条件のもとで産後休業期間も含めて判断されます。

そのため、

1か月だけ育児休業を取得した

といったケースでは、育児休業等支援コースの育休取得時の要件を満たさない可能性があります。

職場復帰時30万円の支給要件

職場復帰時は、育休取得時の助成対象となった同じ労働者について、育児休業中から復帰後まで適切な支援を行った場合に申請できます。

単に「育休期間が終わったので出勤してもらう」だけではありません。

育休中に職場の情報・資料を提供する

対象労働者が育児休業を取得している間も、円滑に職場へ復帰できるよう必要な情報を提供します。

たとえば、

  • 組織変更
  • 担当部署の状況
  • 業務内容の変更
  • 社内制度の変更
  • 復帰後に関係する業務情報

などです。

育児休業中に会社から完全に切り離された状態になると、復帰時の負担が大きくなります。

育休復帰支援プランに沿って、必要な情報提供を行いましょう。

復帰前に面談して働き方や業務内容を確認する

育児休業終了前には、対象労働者と面談します。

復帰前面談では、

  • 復帰予定日
  • 復帰後の担当業務
  • 勤務時間
  • 育児との両立状況
  • 必要な配慮

などを確認します。

育休前に作った計画と状況が変わっていることもあります。

そのため、育休取得前の面談だけで終わらせず、復帰前にも改めて本人の状況を確認することが重要です。

原則として原職等へ復帰させ6か月以上継続雇用する

職場復帰時の支給を受けるには、対象労働者を原則として原職または原職相当職へ復帰させます。

さらに、育児休業終了後も雇用保険の被保険者として6か月以上継続雇用し、支給申請日時点でも雇用していることが必要です。

復帰させた直後に申請する制度ではありません。

職場復帰後の雇用状況まで含めて助成対象となります。

育休復帰支援プランはどのように作成する?

育児休業等支援コースでは、育休復帰支援プランが重要な書類です。

これは会社全体について一度作ればよい計画ではありません。

育児休業を取得する労働者ごとに作成する実施計画です。

育休取得前の面談で本人の希望を確認する

プランを作成する前に、対象労働者と面談します。

会社側だけで、

この人の業務はこう引き継ごう

と決めるのではなく、本人の希望や状況も確認します。

特に、

  • 休業期間
  • 担当業務
  • 復帰予定
  • 休業中に必要な情報
  • 復帰後に想定する働き方

などをすり合わせます。

この面談内容が、その後の育休復帰支援プランの基礎になります。

引き継ぎ・休業中の情報提供・復帰支援をプランに記載する

育休復帰支援プランには、主に、

  • 育休前の業務整理
  • 引き継ぎ方法
  • 休業中の情報提供方法
  • 職場復帰に向けた支援

などを盛り込みます。

大切なのは、申請用に形式だけ整えることではありません。

作成したプランに沿って実際に引き継ぎや情報提供を行い、その実施状況を確認できるようにしておきましょう。

厚生労働省の参考様式を利用できる

厚生労働省は2026年度用として、

  • 育休復帰支援面談シート
  • 育休復帰支援プラン
  • 支給申請書
  • 記載例

などを公開しています。

参考様式を利用すると、必要事項を整理しやすくなります。

一方、必要な情報が不足している場合は、参考様式を使用していても支給対象外になる可能性があります。

最新年度の様式を利用しましょう。

育児休業等支援コースの申請期限と必要書類

育児休業等支援コースは、育休前の準備から職場復帰後まで長期間にわたる制度です。

そのため、どのタイミングで何を行ったか記録を残しておくことが重要になります。

育休取得時は3か月以上の育休取得後に申請する

育休取得時の助成金は、対象労働者が所定の育児休業期間を取得した後に申請します。

申請時には、

  • 育児休業を定めた就業規則等
  • 方針を周知したことが分かる資料
  • 面談内容
  • 育休復帰支援プラン
  • 業務引き継ぎを確認できる資料
  • 育児休業期間を確認できる資料

などが必要になります。

実際の提出書類は申請年度や状況によって異なるため、2026年度版の支給申請手引き・支給要領を確認してください。厚生労働省は2026年度の申請様式と記載例を公開しています。

職場復帰時は復帰後6か月経過後に申請する

職場復帰時は、育児休業終了後に職場へ復帰し、6か月以上継続雇用した後に申請します。

2026年度の公式資料では、育児休業終了日の翌日から起算して6か月を経過する日の翌日から2か月以内が申請期限です。

たとえば、

  • 7月15日:育休終了
  • 7月16日:職場復帰
  • 翌年1月15日:6か月経過

の場合、1月16日から3月15日までが申請期間となる例が示されています。

期限を過ぎると受け付けられないため注意しましょう。

就業規則・面談シート・育休復帰支援プランなどを準備する

申請では、実際に支給要件を満たしていることを確認できる資料が必要です。

主な資料として、

  • 支給申請書
  • 就業規則等
  • 育休復帰支援面談シート
  • 育休復帰支援プラン
  • 出勤簿・タイムカード
  • 賃金台帳
  • 雇用契約に関する資料
  • 育児休業期間を確認できる資料

などがあります。

申請直前にまとめて作るのではなく、育休前の面談から記録を残しておくことが重要です。

雇用関係助成金ポータルから電子申請できる

両立支援等助成金は電子申請に対応しています。

厚生労働省では、育児休業等支援コースについても雇用関係助成金ポータルから電子申請できるよう案内しています。

紙で申請する場合は、原則として人事労務管理機能を持つ本社等の所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が申請先です。

申請前に確認したい注意点

支給額だけを確認して育児休業後に申請準備を始めると、必要な手続きがすでに間に合わない可能性があります。

特に、育休前の面談とプラン作成は重要です。

有期雇用労働者も対象だが支給人数に上限がある

育児休業等支援コースは、有期雇用労働者も対象になり得ます。

ただし、1事業主あたりの支給上限は、無期雇用労働者1人、有期雇用労働者1人の合計2人です。

雇用期間の定めがあるかどうかは、育休復帰支援プランを作成した時点で判断されます。

職場復帰時だけを単独で申請することはできない

職場復帰時の30万円は、育休取得時の対象となった同じ労働者について支給されます。

そのため、

育休取得時は申請しなかったが、復帰後だけ申請する

という使い方はできません。

育休取得前の段階から制度利用を想定して準備しておく必要があります。

プラン作成前に育休へ入ると要件を満たせない可能性がある

育休復帰支援プランは、育児休業を取得した後に形式的に作成するものではありません。

育休前に本人と面談し、業務整理や引き継ぎなどを含めた計画を作成します。

そのため、対象労働者がすでに育児休業へ入ってから制度を知った場合、育休取得時の要件を満たせない可能性があります。

従業員から育児休業の相談があった段階で確認しましょう。

情報公表で2万円が加算される場合がある

2026年度は、育児休業等に関する一定の情報を「両立支援のひろば」で公表した場合、情報公表加算として2万円が加算されます。

育児休業等支援コースでは、育休取得時または職場復帰時のいずれかに1回限り加算できます。加算だけを単独で受給することはできません。

対象となる情報や公表時期などにも条件があるため、利用する場合は申請前に確認しましょう。

他の両立支援等助成金との違い

両立支援等助成金には、育児に関する複数のコースがあります。

目的を取り違えないようにしましょう。

会社が支援したい内容主に確認するコース
男性労働者の育児休業取得出生時両立支援コース
育休取得から職場復帰まで育児休業等支援コース
育休中の業務代替者への手当・新規雇用育休中等業務代替支援コース
育児期の柔軟な働き方柔軟な働き方選択制度等支援コース

2026年度も、それぞれ別コースとして実施されています。

男性育休の取得促進は出生時両立支援コース

男性労働者が子の出生後早い時期に育児休業を取得しやすい環境を整える取り組みでは、出生時両立支援コースを確認します。

育児休業等支援コースとは目的・要件が異なります。

「男性が育休を取得した」という理由だけで、すべて同じコースになるわけではありません。

業務代替者への手当・新規雇用は育休中等業務代替支援コース

育休を取得した従業員の仕事を、周囲の従業員が代替して手当を受け取る場合や、新しい代替要員を雇用する場合は、育休中等業務代替支援コースが主な候補です。

育児休業等支援コースは、「育休を取った人本人の取得・復帰支援」が中心です。

業務を代替する側への支援とは分けて考えましょう。

育休取得から復帰までを支援するなら育児休業等支援コース

対象労働者ごとに育休復帰支援プランを作成し、

育休前の面談
↓
業務引き継ぎ
↓
3か月以上の育児休業
↓
育休中の情報提供
↓
復帰前面談
↓
原職等への復帰
↓
6か月継続雇用

という流れで支援するのが育児休業等支援コースです。

育児休業等支援コースは育休前から準備を始めよう

2026年度の両立支援等助成金「育児休業等支援コース」は、労働者の育児休業取得と、その後の円滑な職場復帰を支援した中小企業事業主を対象とする制度です。

支給額は、

  • 育休取得時:30万円
  • 職場復帰時:30万円

です。

1事業主につき、無期雇用労働者1人、有期雇用労働者1人までが基本となります。

育休取得時では、

支援方針の周知
↓
育休前面談
↓
育休復帰支援プラン作成
↓
業務引き継ぎ
↓
3か月以上の育児休業

という準備が必要です。

さらに職場復帰時には、

育休中の情報提供
↓
復帰前面談
↓
原職等へ復帰
↓
6か月以上継続雇用

まで進めます。

特に注意したいのは、従業員が育児休業へ入ってから制度を知っても、育休前に必要だった面談やプラン作成をさかのぼって実施できない点です。

育児休業の申し出や相談を受けた段階で、制度利用の可能性を確認しましょう。

また、2026年度の申請様式、支給要領、Q&A、面談シート、育休復帰支援プランなどは厚生労働省から公開されています。

過年度の28.5万円など古い情報ではなく、申請時点の最新年度資料を確認しながら手続きを進めることが重要です。

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