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中小企業省力化投資補助金の採択率は?第1回~最新結果と推移を解説

中小企業省力化投資補助金を検討していると、「採択率はどれくらい?」「一般型は通りやすいのか」と気になる方も多いでしょう。

一般型の最新第6回では、1,841件の申請に対して1,176件が採択され、採択率は約63.9%でした。第1回から第6回までを見ると、採択率は約60.9~69.3%で推移しています。

ただし、全体の採択率が約6割だからといって、自社の申請が同じ確率で採択されるわけではありません。省力化効果や付加価値向上、投資内容の妥当性など、申請内容ごとに審査されます。

過去の採択率の推移とともに、数字を見るときの注意点や採択を目指すために確認したい審査項目を整理します。

目次

中小企業省力化投資補助金の採択率はどれくらい?

中小企業省力化投資補助金の一般型は、第1回から第6回まで約60.9~69.3%の採択率で推移しています。

最新の第6回は約63.9%、6回累計では約65.6%です。おおむね6~7割程度で推移していると考えると分かりやすいでしょう。

最新の一般型第6回の採択率は約63.9%

一般型第6回は、1,841件の申請に対して1,176件が採択されました。

採択率を計算すると、

1,176件÷1,841件×100=約63.9%

です。

単純に見ると、申請された事業のうち約3件に2件が採択された計算になります。

ただし、これは第6回全体の結果です。

申請内容や業種、投資規模などによって個別の審査結果は変わるため、「申請すれば約64%の確率で通る」という意味ではありません。

第1回から第6回の採択率は約60.9~69.3%で推移

一般型の採択率は、公募回によって差があります。

第1回から第6回までの実績は次のとおりです。

公募回申請数採択数採択率
第1回1,809件1,240件約68.5%
第2回1,160件707件約60.9%
第3回2,775件1,854件約66.8%
第4回2,100件1,456件約69.3%
第5回2,035件1,251件約61.5%
第6回1,841件1,176件約63.9%

6回の中で最も高いのは第4回の約69.3%、最も低いのは第2回の約60.9%です。

いずれの回も6割を超えていますが、毎回同じ水準ではありません。

第1回から第6回までの累計採択率は約65.6%

第1回から第6回までを合計すると、申請件数は11,720件、採択件数は7,684件です。

累計採択率は、

7,684件÷11,720件×100=約65.6%

となります。

単独の公募回だけを見るより、複数回の累計を見ることで一般型全体の傾向を把握しやすくなります。

ただし、今後の公募でも65.6%前後になるとは限りません。

新しい採択結果が公表されたら、最新回と累計の両方を確認するのがよいでしょう。

採択率は公募回によって変動する

中小企業省力化投資補助金の採択率は固定されていません。

第1回68.5%から第2回60.9%へ下がった後、第4回には69.3%まで上昇し、第5回では61.5%になっています。

このように変動するため、

前回の採択率が高かったから、次回も採択されやすい

とは判断できません。

また、採択率の上下だけを見て「競争が激しくなった」「審査が緩くなった」と断定することも避けた方がよいでしょう。

申請数や申請内容など、複数の要素が関係します。

一般型の採択率・申請数・採択数の推移

一般型では、公募回ごとに申請件数と採択件数が公表されています。

採択率だけでなく、申請数と採択数も合わせて見ると、公募ごとの規模感を把握しやすくなります。

第1回は1,809件中1,240件が採択

一般型第1回では、1,809件の申請に対して1,240件が採択されました。

採択率は約68.5%です。

制度開始後の最初の採択結果として比較的高い数字になっていますが、この1回だけを基準に制度全体を評価するのは適切ではありません。

実際、その後の公募では60%台前半から後半まで幅があります。

第1回の68.5%は、一般型の一つの実績として見るのが適切です。

第2回は1,160件中707件が採択

第2回は1,160件が申請し、707件が採択されました。

採択率は約60.9%で、第1回から約7.6ポイント低下しています。

第1回だけを見て「約7割採択される」と考えていた場合、第2回では印象が変わる結果です。

採択率は公募ごとに変動するため、最新結果だけでなく過去数回を確認する必要があります。

第3回は2,775件中1,854件が採択

第3回は2,775件の申請があり、1,854件が採択されました。

採択率は約66.8%です。

第1回から第6回までの中では、申請数・採択数ともに最も多い公募となっています。

申請数が増えても採択率が必ず下がるわけではないことが分かります。

単純に「申請件数が多い=採択されにくい」と考えず、各回の実績を個別に確認しましょう。

第4回は2,100件中1,456件が採択

第4回は2,100件の申請に対して1,456件が採択されました。

採択率は約69.3%で、第1回から第6回の中では最も高い数字です。

第2回より約8ポイント高く、公募回による差があることが分かります。

この結果からも、「初期公募ほど採択されやすい」「回を重ねるほど厳しくなる」といった単純な傾向は確認できません。

第5回は2,035件中1,251件が採択

第5回は2,035件の申請に対して1,251件が採択され、採択率は約61.5%でした。

第4回の約69.3%から約7.8ポイント下がっています。

一方、申請数は第4回と大きく変わっていません。

採択率の変動を申請件数だけで説明できないことが分かります。

採択率は参考情報として使いつつ、実際の申請では審査項目を満たせるかを優先して確認してください。

第6回は1,841件中1,176件が採択

最新の第6回では1,841件が申請し、1,176件が採択されました。

採択率は約63.9%です。

第5回より約2.4ポイント上昇しましたが、第1回や第4回の水準には届いていません。

第1回から第6回までの実績を見ると、60%台前半から60%台後半を行き来しています。

「一般型はおおむね6~7割で推移している」という捉え方が、現在の実績には近いでしょう。

採択率を見るときに注意したい3つのこと

採択率は制度の傾向を知る参考になりますが、数字だけで自社の採択可能性を判断するのは危険です。

特に「全体採択率」「業種別の構成比」「次回の採択率」は別々に考える必要があります。

全体の採択率は自社が採択される確率ではない

全体採択率が約65%でも、自社の申請が65%の確率で採択されるわけではありません。

採択率は、

採択件数÷申請件数

で算出した全体結果です。

個別の申請は、

  • 省力化効果
  • 投資内容
  • 事業計画
  • 付加価値向上
  • 投資規模の妥当性
  • 公募要領への適合

などをもとに審査されます。

たとえば、省力化効果を十分に説明できていない申請と、現状分析・設備導入後の効果を具体的に示した申請では、同じ全体採択率でも条件は異なります。

採択率は「制度全体の結果」として見るようにしましょう。

業種別の採択件数割合と採択率は異なる

「採択者のうち製造業が多い」という情報と、「製造業の採択率が高い」という情報は同じではありません。

たとえば、採択者全体の約半数が製造業だったとしても、それだけでは製造業の採択率は計算できません。

業種別採択率を出すには、

その業種の採択件数÷その業種の申請件数

が必要です。

申請件数が分からない状態では、確認できるのは「採択者に占める業種別の割合」までです。

数字意味
全体採択率全申請のうち採択された割合
業種別採択構成比採択者全体に占める特定業種の割合
業種別採択率特定業種の申請者のうち採択された割合

「製造業の採択者が多い=製造業なら通りやすい」と結び付けないようにしてください。

前回の採択率が次回も続くとは限らない

過去の採択率は、次回公募の結果を保証する数字ではありません。

第1回から第6回まででも約60.9~69.3%の差があります。

次回について、

前回が63.9%だから今回も約64%

とは限りません。

申請者は過去の採択率を見て公募回を選ぶより、自社の投資計画や必要な設備、申請準備が整っているかを優先して判断した方がよいでしょう。

カタログ注文型と一般型では採択結果の見方が異なる

中小企業省力化投資補助金にはカタログ注文型と一般型がありますが、採択率を同じ基準で比較することはできません。

一般型は申請数・採択数が公開されている一方、カタログ注文型は一般型と同じ形式で採択率を示す仕組みではありません。

一般型は申請数と採択数から採択率を確認できる

一般型では、公募回ごとの申請件数と採択件数が公開されています。

そのため、

採択数÷申請数×100

で採択率を算出できます。

第6回なら、

1,176件÷1,841件×100

で約63.9%です。

過去公募についても同じ方法で比較できるため、採択率の推移を確認しやすくなっています。

カタログ注文型は一般型と同じ採択率では比較できない

カタログ注文型については、一般型と同様の申請数・採択数の公表を前提に採択率を並べることはできません。

そのため、

カタログ注文型の方が採択率が高い
一般型より○%通りやすい

といった比較は避けるべきです。

カタログ注文型と一般型は、申請の仕組みや対象となる投資内容自体が異なります。

自社に合う方を、採択率ではなく導入設備や事業内容から選びましょう。

カタログ注文型は登録製品を使うため申請手続きが一般型より簡易

カタログ注文型は、あらかじめ公式カタログに登録された省力化製品を選んで導入する仕組みです。

製品自体の省力化効果が確認された状態で登録されているため、自社専用の設備投資を計画する一般型より申請手続きが簡易になっています。

一方、一般型では自社の現場や工程に合わせた設備・システムを導入するため、事業計画の内容がより重視されます。

「申請が簡単=採択率が高い」とは限りません。

申請方法の違いと採択率は分けて考えてください。

中小企業省力化投資補助金で採択を目指すための審査ポイント

一般型で採択を目指すなら、過去の採択率より審査項目に沿った事業計画を作ることが重要です。

省力化効果だけでなく、その効果が付加価値向上や事業成長へどうつながるかまで整理する必要があります。

導入設備による省力化効果を具体的に示す

事業計画では、設備を導入すると何が省力化されるのかを具体的に示します。

たとえば、

搬送作業を効率化する

だけでは抽象的です。

より具体的に、

  • 現在は2人で対応
  • 1日20回搬送
  • 1回10分
  • 設備導入後は自動搬送
  • 管理作業のみ1日30分

のように導入前後を比較します。

省力化の対象業務、人数、作業時間を数値化すると、設備投資の必要性を説明しやすくなります。

省力化による付加価値向上まで説明する

省力化によって人手が減ることだけでなく、その先にどのような効果が生まれるかも整理します。

たとえば、

  • 生産量を増やす
  • 新たな受注へ対応する
  • 従業員を高付加価値業務へ配置する
  • 品質管理を強化する
  • 接客時間を増やす

などです。

「2人の仕事を1人にした」で終わるより、

空いた人員を別工程へ配置し、生産量を増やす

まで示した方が、省力化投資が事業成長へつながる流れを説明できます。

自社の課題と導入設備の必要性を結び付ける

導入する設備が高性能でも、自社の課題との関係が弱ければ投資の必要性を説明しにくくなります。

たとえば配膳ロボットを導入するなら、

  • 配膳回数が多い
  • ホールスタッフが不足している
  • 配膳に長い移動時間がかかる

といった現状が必要です。

他社が利用している設備だから選ぶのではなく、

自社の課題→導入設備→省力化効果

が一直線につながっているか確認してください。

事業規模に対して投資額が妥当か確認する

設備投資額は、大きければ高く評価されるわけではありません。

自社の売上規模や事業内容、省力化できる業務量に対して妥当な投資であることが求められます。

たとえば年間の作業コストが小さい業務に対して、極端に高額な設備を導入する計画では投資効果を説明しにくくなります。

導入設備の価格だけでなく、

  • 削減できる作業時間
  • 処理能力の増加
  • 生産量
  • 売上への効果

などを踏まえて投資の合理性を確認しましょう。

一般型では自社現場に合わせた設備・システムの内容を明確にする

一般型では、自社の現場に合わせた設備・システムによる省力化投資が中心です。

既存の機械を購入するだけでなく、

  • 複数設備の連携
  • 自社工程に合わせた仕様変更
  • システム構築
  • 自動化ラインの構築

などを行う事業も対象候補になります。

そのため、「何を買うか」だけではなく、

どの工程を、どのような仕組みで省力化するのか

を具体的に整理します。

自社の業務フローを図や工程単位で整理しておくと、設備導入による変化を説明しやすくなります。

採択率が高くても不採択になる申請の注意点

全体採択率が6割を超えていても、申請内容が審査要件を満たしていなければ採択されません。

特に、省力化効果の数値不足、設備の必要性が不明確、書類不備などは避けたいところです。

省力化効果を数字で説明できていない

「作業が楽になる」「人手不足を解決できる」といった説明だけでは、設備導入効果を客観的に判断しにくくなります。

少なくとも、

  • 現在の担当人数
  • 作業時間
  • 処理件数
  • 導入後の人数
  • 導入後の作業時間

などを把握しておきましょう。

たとえば、

毎日3時間かかっている作業を1時間に短縮する

なら、省力化効果が明確です。

設備導入後の予測値だけでなく、現在の実績を正確に把握することも必要になります。

設備を導入する必要性が自社の課題とつながっていない

省力化設備を導入する理由が弱いと、事業計画全体の説得力も下がります。

たとえば、

最新設備だから導入したい
他社が使っているから導入したい

という理由では、自社の人手不足解消との関係が見えません。

まず自社の業務課題を明確にし、

この課題を解決するために、この設備が必要

という順番で計画を組み立てましょう。

公募要領の要件・必要書類を満たしていない

事業計画の内容が良くても、公募要領で定められた条件や必要書類を満たしていなければ申請を進められません。

申請前には、

  • 補助対象者
  • 補助対象事業
  • 補助対象経費
  • 賃上げ等の要件
  • 必要書類
  • 申請期限

を確認します。

また、公募回によって要件や様式が変更されることがあります。

過去に作成した申請書や古い解説資料をそのまま流用せず、申請する回の公募要領を基準にしてください。

過去の採択率だけを見て申請内容の確認を省かない

採択率が約6割以上だからといって、準備を簡略化してよいわけではありません。

一般型では一定数が不採択になっています。

第6回でも1,841件中665件は採択されていません。

「採択率が高いから通りやすい」と考えるより、

  • 自社が制度目的に合っているか
  • 設備投資の必要性を説明できるか
  • 省力化効果を数字で示せるか
  • 審査項目に沿っているか

を確認する方が実務的です。

採択率は申請を検討するための参考情報として使い、採択を保証する数字として扱わないようにしましょう。

省力化投資補助金は採択率だけでなく審査項目を確認して申請しよう

中小企業省力化投資補助金の一般型は、最新第6回で1,841件中1,176件が採択され、採択率は約63.9%でした。

第1回から第6回までは約60.9~69.3%で推移し、6回累計では11,720件中7,684件が採択されています。累計採択率は約65.6%です。

数字だけを見ると、おおむね6~7割で推移している制度ですが、全体採択率は個別案件の採択確率を表すものではありません。

申請するときは、

  • 人手不足の課題を具体化する
  • 省力化する業務を特定する
  • 導入前後の人数・作業時間を数値化する
  • 付加価値向上まで整理する
  • 投資額の妥当性を確認する
  • 最新の公募要領に沿って書類を準備する

ことを優先しましょう。

また、製造業などの採択件数が多くても、それだけで「その業種の採択率が高い」とは判断できません。申請件数を分母として確認できる数字なのかを見極める必要があります。

カタログ注文型についても、一般型と同じ採択率として単純比較するのは避け、自社の投資内容に合う申請類型を選んでください。

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