2026年08月29日 更新
商業施設の電気代を削減する方法は?空調・照明・設備別の省エネ対策を解説

- 商業施設の電気代が高くなりやすい理由
- 空調や照明を長時間使用する
- エレベーターやエスカレーターなど昇降機を使う
- テナントごとに電気の使い方が異なる
- 快適性を維持する必要がある
- 商業施設で電気代削減を進める際の注意点
- 来店者の快適性を損なわない
- 電気代だけでなく光熱費全体を見る
- 管理部門とテナントで節電ルールを共有する
- 空調設備の電気代削減方法
- 設定温度を適切に管理する
- フィルター清掃やメンテナンスを行う
- エリアごとに空調の使い方を見直す
- 照明設備の電気代削減方法
- 照明をLED化する
- 点灯時間を見直す
- エリア別点灯や調光を活用する
- エレベーター・エスカレーターの電気代削減方法
- 利用状況に応じて稼働台数を調整する
- 営業時間やフロア利用に合わせて運転を見直す
- 安全性とバリアフリーを優先する
- テナントと連携して商業施設全体の電気代を削減する
- テナントごとの電力使用状況を把握する
- 共通の節電ルールを決める
- テナントの営業に支障が出ない範囲で進める
- 電力契約や料金プランを見直して電気代を削減する
- 電気代の内訳を確認する
- 高圧・特別高圧の契約内容を見直す
- 電力会社や料金プランを比較する
- 2026年以降はBEMSと補助金で施設全体の電力を見える化する
- BEMSで設備ごとの電力使用量を把握する
- デマンド管理でピーク電力を抑える
- 省エネ設備更新に使える補助金を確認する
- まとめ:商業施設の電気代削減は快適性を守りながら設備・契約・テナント運用を見直すことが重要

商業施設では、空調、照明、エレベーター、エスカレーターなどを長時間稼働させるため、電気代が高くなりやすい施設です。
特に大型施設やショッピングモールでは、売場だけでなく、共用通路、バックヤード、事務所、駐車場などでも電気を使います。
ただし、商業施設の電気代削減では、単純に空調を弱めたり照明を暗くしたりすればよいわけではありません。
来店者が「暑い」「寒い」「暗い」と感じる環境になれば、滞在時間や購買意欲に影響する可能性があります。
テナントの営業にも支障が出る可能性があります。
そのため、商業施設では快適性を守りながら、過剰な運転や無駄な点灯を見直すことが重要です。
空調や照明の使い方、昇降機の運転、テナントとの連携、電力契約の見直しを組み合わせることで、無理のない電気代削減につなげやすくなります。
この記事では、商業施設の電気代が高くなりやすい理由と、施設側が取り組める具体的な削減方法を解説します。
設備投資を伴う対策だけでなく、日々の運用で見直せるポイントも紹介します。
電気に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
商業施設の電気代が高くなりやすい理由

商業施設の電気代が高くなりやすい理由は、営業時間中に多くの設備を同時に使うからです。
空調や照明はもちろん、エレベーターやエスカレーターなどの昇降機も稼働します。
さらに、商業施設ではテナントごとに電気の使い方が異なります。
物販店舗、飲食店、サービス店舗などが入っている場合、施設全体の電力使用状況は複雑になりがちです。
空調や照明を長時間使用する
商業施設では、営業時間中に空調や照明を長時間使用します。
売場、共用通路、エントランス、休憩スペース、バックヤード、事務所など、電気を使う場所が多いのが特徴です。
特に空調は、商業施設の電気代に大きく影響します。
夏は冷房、冬は暖房の稼働が増えます。
建物が広い施設では、空調する面積も大きくなります。
人の出入りが多いほど外気の影響も受けやすく、空調負荷が高まりやすいです。
照明も同じです。
売場や共用部では、商品を見やすくするため、一定の明るさが必要です。
暗すぎる店舗は見にくく、施設全体の印象にも関わります。
そのため、家庭の節電のように「こまめに消す」だけでは対応しきれない部分があります。
一方で、すべての場所を同じ明るさ・同じ空調で運用する必要はありません。
人の少ないエリア、営業時間外のバックヤード、清掃時間帯の照明など、見直せる部分はあります。
商業施設の電気代削減では、必要な快適性を保ちながら、過剰な運転を減らす視点が大切です。
エレベーターやエスカレーターなど昇降機を使う
大型商業施設では、エレベーターやエスカレーターなどの昇降機も電気代に関わります。
来店者が複数フロアを移動するためには、昇降機の稼働が欠かせません。
特にショッピングモールやデパートでは、営業時間中ずっとエスカレーターを稼働させているケースもあります。
エレベーターも、来店者用、業務用、搬入用など複数台設置されていることがあります。
利用者が多い時間帯は必要な設備ですが、来店者が少ない時間帯まで同じように動かす必要があるかは確認したいところです。
ただし、昇降機の節電には注意が必要です。
高齢者、車いす利用者、ベビーカー利用者、荷物を持った来店者にとって、エレベーターは重要な移動手段です。
電気代削減のために利便性を大きく下げると、施設の使いやすさに影響します。
そのため、昇降機は完全に止めるのではなく、時間帯やフロアの利用状況に応じて運転を見直すことが現実的です。
平日と休日、開店直後とピーク時間、閉店前などで利用状況を確認し、無理のない範囲で調整しましょう。
テナントごとに電気の使い方が異なる
商業施設では、テナントごとに電気の使い方が異なります。
物販店舗は照明や空調の使用が中心になりやすく、飲食店では厨房設備や換気設備も使います。
サービス店舗では施術機器や業務用機器が稼働することもあります。
つまり、施設全体の電気代を下げるには、共用部だけを見直しても不十分です。
テナント側の使い方も含めて、全体で取り組む必要があります。
実際の現場では、開店前から照明をすべて点けている、閉店後もバックヤードの空調が動いている、使っていない機器の電源が入ったままになっている、といったケースがあります。
小さな無駄でも、複数のテナントで積み重なると電力使用量が大きくなります。
ただし、管理部門が一方的に節電ルールを押し付けると、テナントの営業に支障が出る可能性があります。
必要なのは、業種や営業時間に合わせた現実的なルールづくりです。
施設側とテナントが協力して進めることが、商業施設の電気代削減では欠かせません。
快適性を維持する必要がある
商業施設では、来店者の快適性を維持する必要があります。
電気代を下げるために空調を弱めすぎると、夏は暑く、冬は寒い施設になってしまいます。
照明を暗くしすぎれば、商品が見にくくなり、施設全体の印象も悪くなります。
節電自体は大切です。
しかし、来店者が不快に感じるほどの節電は、結果的に売上や満足度に影響する可能性があります。
商業施設では、「我慢する節電」よりも「無駄を減らす省エネ」の方が適しています。
たとえば、空調の設定温度を極端に変えるのではなく、フィルター清掃やエリア別運転を見直す。
照明を一律で暗くするのではなく、LED化や点灯時間の最適化を進める。
こうした方法なら、快適性を大きく損なわずに電気代削減を進めやすくなります。
商業施設の電気代削減では、来店者、テナント、従業員のすべてに配慮する必要があります。
費用だけで判断せず、施設の魅力を落とさない範囲で取り組むことが大切です。
商業施設で電気代削減を進める際の注意点

商業施設で電気代削減を進める際は、いきなり設備を止めたり、空調や照明を大きく制限したりしないことが大切です。
施設の快適性や安全性を損なうと、利用者の満足度に影響します。
まずは、どこに無駄があるのかを確認しましょう。
空調、照明、昇降機、テナントの電力使用などを整理し、削ってよい部分と維持すべき部分を分けることが重要です。
来店者の快適性を損なわない
商業施設では、来店者の快適性を損なわないことが前提です。
暑すぎる、寒すぎる、暗すぎる、移動しにくいといった環境になると、滞在時間や購買行動に影響する可能性があります。
たとえば、夏場に空調を弱めすぎると、来店者だけでなく従業員にも負担がかかります。
冬場に暖房を抑えすぎると、ゆっくり買い物をする雰囲気が失われるかもしれません。
照明が暗いと、商品が見えにくくなり、店舗の印象も下がります。
だからこそ、商業施設の節電では「快適性を下げる対策」ではなく「快適性を維持しながら無駄を減らす対策」を選ぶ必要があります。
空調や照明を一律で削るのではなく、場所や時間帯に応じて調整することが大切です。
来店者の多いエリア、商品演出が重要な売場、安全確認が必要な通路などは、必要な環境を維持しましょう。
一方で、営業時間外のエリアや人の少ない場所は見直しやすい部分です。
電気代だけでなく光熱費全体を見る
商業施設では、電気代だけでなく光熱費全体を見ることも重要です。
施設によっては、水道代やガス代、給排水設備、厨房設備、空調関連費用なども大きな負担になります。
電気代だけを削ろうとすると、対策が偏ることがあります。
たとえば、空調の電気代を下げるために換気や温度管理を無理に変えると、別の設備に負担が出る場合もあります。
飲食テナントが多い施設では、厨房設備や給排水も含めて考える必要があります。
光熱費全体を見ることで、施設全体のコスト構造が見えやすくなります。
電気代の削減だけでなく、水道やガスの使い方、空調と換気のバランス、設備更新の優先順位も整理できます。
特に大型商業施設では、1つの対策だけで大きく削減するのは難しい場合があります。
空調、照明、昇降機、契約見直し、テナント運用などを組み合わせることで、全体として効果を出しやすくなります。
管理部門とテナントで節電ルールを共有する
商業施設の節電は、管理部門だけでは完結しません。
テナント側の照明、空調、厨房設備、バックヤードの使い方も、施設全体の電気代に影響します。
そのため、管理部門とテナントで節電ルールを共有することが大切です。
開店前や閉店後の照明、バックヤードの空調、不要な機器の電源、共用部の使い方など、基本的なルールを決めておくと運用が安定します。
ただし、テナントによって営業形態は異なります。
飲食店、物販店、サービス店舗では、必要な設備や営業時間が違います。
すべてのテナントに同じルールを当てはめると、現場に無理が出る場合があります。
節電ルールは、テナントの営業に支障が出ない範囲で作ることが重要です。
管理部門が一方的に決めるのではなく、現場の意見を聞きながら調整しましょう。
協力しやすいルールにすることで、施設全体の省エネ効果も高まりやすくなります。
空調設備の電気代削減方法

商業施設の電気代削減で、まず見直したいのが空調設備です。
空調は使用時間が長く、電力使用量も多くなりやすいため、改善効果を期待しやすい設備です。
ただし、空調は来店者の快適性に直結します。
温度を極端に変えるのではなく、設定、清掃、運転エリア、営業時間外の使い方を見直すことが大切です。
設定温度を適切に管理する
空調の設定温度は、電気代に大きく影響します。
冷やしすぎ、暖めすぎがあると、余分な電力を使いやすくなります。
ただし、単純に夏は高め、冬は低めにすればよいわけではありません。
商業施設では、来店者や従業員の快適性を守る必要があります。
特に人の出入りが多いエントランス付近や、滞在時間が長い売場では、体感温度にも配慮が必要です。
設定温度を見直す際は、エリアごとの状況を確認しましょう。
日当たりが強い場所、出入口に近い場所、人が密集しやすい場所では、同じ設定でも感じ方が変わります。
施設全体で一律に設定するより、エリアごとに調整したほうが無駄を減らしやすくなります。
また、スタッフが個別に設定を変え続けると、空調効率が悪くなることがあります。
施設として基準を決め、必要に応じて調整する運用が望ましいです。
フィルター清掃やメンテナンスを行う
空調フィルターや室外機まわりの汚れは、効率低下につながります。
フィルターが詰まると空気の流れが悪くなり、同じ温度にするために余分な電力を使う場合があります。
「空調の効きが悪いから設定温度を下げる」という運用になっている場合、まずは清掃や点検が必要かもしれません。
設備が本来の性能を発揮できていなければ、設定を変えても電気代が増えるだけになりやすいです。
室外機のまわりに物が置かれている場合も注意が必要です。
排熱しにくい状態になると、空調効率が落ちることがあります。
定期的に点検し、障害物がないか確認しましょう。
メンテナンスは、電気代削減だけでなく設備トラブルの予防にもなります。
商業施設では空調停止が来店者やテナントに大きく影響するため、計画的な点検が重要です。
エリアごとに空調の使い方を見直す
商業施設では、売場、共用通路、飲食エリア、バックヤード、事務所など、場所によって必要な空調が異なります。
すべてのエリアを同じように空調すると、無駄が出やすくなります。
たとえば、来店者が多いメイン通路や売場では快適性を重視する必要があります。
一方で、使用頻度が低いバックヤードや営業時間外のエリアでは、運転時間や設定を見直せる可能性があります。
また、施設内には温度ムラが発生することがあります。
暑い場所があるからといって全体の空調を強めると、別の場所が寒くなりすぎることもあります。
温度ムラの原因を確認し、エリア別に調整することが大切です。
エリアごとの空調管理を行うと、快適性を守りながら電気代を抑えやすくなります。
全館一律ではなく、場所ごとの使われ方に合わせた運用を意識しましょう。
照明設備の電気代削減方法

照明設備も、商業施設の電気代に大きく関わります。
売場、通路、駐車場、バックヤードなど、長時間点灯する場所が多いためです。
照明の見直しでは、単に暗くするのではなく、必要な明るさを確保しながら消費電力を抑えることが大切です。
商品演出や安全性に関わる場所は、特に注意が必要です。
照明をLED化する
商業施設の照明をLED化することで、電気代削減につながりやすくなります。
LED照明は従来の照明より消費電力を抑えやすく、寿命も長いため、交換作業の負担を減らせる点もメリットです。
商業施設では、天井が高い場所や広い通路、駐車場など、交換に手間がかかる照明も多くあります。
交換頻度が減れば、メンテナンス作業の負担や安全面のリスクも軽減できます。
ただし、LED化では明るさや色味の確認が重要です。
売場の照明は、商品を魅力的に見せる役割もあります。
明るさが不足したり、商品の見え方が変わりすぎたりすると、店舗の印象に影響する可能性があります。
LED化を進める際は、場所ごとの目的に合わせて選びましょう。
売場、共用通路、バックヤード、駐車場では、必要な明るさや色味が異なります。
点灯時間を見直す
照明の点灯時間を見直すことも、電気代削減に有効です。
開店前、閉店後、清掃時間、搬入時間などに、必要以上に照明が点いていないか確認しましょう。
商業施設では、営業時間外にも作業があります。
清掃、品出し、搬入、点検などです。
もちろん作業に必要な明るさは確保しなければなりません。
しかし、施設全体を営業中と同じ明るさにする必要はない場面もあります。
点灯時間を見直す際は、作業の流れに合わせてルールを決めると効果的です。
開店準備中は必要なエリアだけ点灯する。
閉店後は段階的に消灯する。
清掃エリアごとに照明を切り替える。
こうした運用で無駄な点灯を減らせます。
現場では、消し忘れも起こりがちです。
担当者を決めたり、チェックリストを作ったりすると、運用が定着しやすくなります。
エリア別点灯や調光を活用する
商業施設全体を一律に点灯するのではなく、エリア別点灯や調光を活用すると、無駄な電力使用を抑えやすくなります。
来店者が多いエリア、商品演出が重要な売場、安全確認が必要な通路では、必要な明るさを確保します。
一方で、人の少ないエリア、バックヤード、営業時間外のスペースでは、点灯範囲や明るさを調整できる場合があります。
調光を活用すれば、時間帯や自然光の入り方に応じて明るさを変えられます。
日中に外光が入るエリアでは、照明を少し抑えても問題ない場合があります。
反対に、夕方以降や天候が悪い日は明るさを確保する必要があります。
照明は、施設の雰囲気や安全性に関わります。
暗くして電気代を下げるのではなく、必要な場所に必要な明るさを届ける考え方が重要です。

エレベーター・エスカレーターの電気代削減方法

エレベーターやエスカレーターは、商業施設の利便性を支える設備です。
来店者の移動に欠かせない一方で、長時間稼働するため電気代にも影響します。
昇降機の節電では、利用者の安全性と利便性を守ることが前提です。
そのうえで、時間帯や利用状況に合わせて運転を見直すことがポイントになります。
利用状況に応じて稼働台数を調整する
来店者が少ない時間帯に、すべてのエレベーターやエスカレーターをフル稼働させる必要があるか確認しましょう。
平日昼間、開店直後、閉店前などは、ピーク時間帯と比べて利用者が少ない場合があります。
利用状況に応じて稼働台数を調整すれば、利便性を大きく損なわずに電気代を抑えられる可能性があります。
特に複数台のエレベーターやエスカレーターがある施設では、時間帯別の運転ルールを作ると管理しやすくなります。
ただし、待ち時間が長くなりすぎると来店者の不満につながります。
特に上層階の店舗や飲食フロアでは、移動しにくさが集客に影響する可能性もあります。
削減効果だけでなく、利用者の動線も見ながら調整しましょう。
営業時間やフロア利用に合わせて運転を見直す
商業施設では、時間帯や曜日によってフロアの利用状況が変わります。
平日と休日、イベント開催日、セール期間、飲食フロアの混雑時間などで、人の流れは大きく異なります。
そのため、昇降機の運転も固定ではなく、実際の利用状況に合わせて見直すことが大切です。
たとえば、閉店前に利用者が少ないフロアのエスカレーターを一部停止する、開店前の搬入時間は業務用動線を優先する、といった調整が考えられます。
フロアごとの利用状況を把握すると、無理のない節電がしやすくなります。
来店者が多い時間帯は通常運転を維持し、利用が少ない時間帯に調整する。
こうしたメリハリが重要です。
安全性とバリアフリーを優先する
昇降機の節電では、安全性とバリアフリーを優先する必要があります。
高齢者、子ども、車いす利用者、ベビーカー利用者にとって、エレベーターは欠かせない移動手段です。
電気代削減を目的にエレベーターの台数を減らしすぎると、移動に困る来店者が出る可能性があります。
エスカレーターの停止も、動線がわかりにくくなる場合があります。
そのため、昇降機の運転見直しでは、案内表示や代替動線の確保も必要です。
どのエレベーターが使えるのか、どのルートで移動できるのかをわかりやすく示しましょう。
商業施設は、多様な来店者が利用する場所です。
節電は大切ですが、誰もが利用しやすい環境を保つことも同じくらい重要です。
テナントと連携して商業施設全体の電気代を削減する

商業施設の電気代削減では、テナントとの連携が欠かせません。
共用部の空調や照明を見直しても、テナント側で無駄な電力使用が続いていると、施設全体の削減効果は限られます。
ただし、テナントごとに業種や営業時間が異なるため、一律のルールだけではうまくいかないこともあります。
現場に合った形で、協力しやすい仕組みを作ることが大切です。
テナントごとの電力使用状況を把握する
まずは、テナントごとの電力使用状況を把握しましょう。
物販店舗、飲食店、サービス店舗では、電気の使い方が異なります。
物販店舗では、照明や空調が中心になりやすいです。
飲食店では、厨房設備や換気設備の使用も大きくなります。
サービス店舗では、業務用機器や施術機器などを使う場合があります。
使用状況を把握せずに節電を求めると、効果の低い対策になりやすいです。
まずは、どのテナントでどのような電力使用が多いのかを整理しましょう。
そのうえで、業種ごとに取り組みやすい対策を考えると、現場にも受け入れられやすくなります。
共通の節電ルールを決める
商業施設全体で電気代を削減するには、共通の節電ルールを決めることが有効です。
開店前や閉店後の照明、バックヤードの空調、不要な機器の電源、共用部の使い方などは、ルール化しやすい項目です。
たとえば、閉店後は売場照明を段階的に消す、バックヤードの空調は使用時間を決める、使っていない機器は電源を切る、といった内容です。
小さな取り組みでも、複数のテナントで実施すれば施設全体の削減につながります。
ただし、ルールはわかりやすくすることが大切です。
複雑すぎると守られにくくなります。
チェックリストや掲示物を使い、誰でも同じように実行できる形にしましょう。
テナントの営業に支障が出ない範囲で進める
節電対策は、テナントの営業に支障が出ない範囲で進める必要があります。
店舗ごとに必要な明るさ、空調、設備は異なります。
売場演出や商品管理に関わる電気使用まで無理に削ると、売上や品質に影響する可能性があります。
管理部門が一方的にルールを決めるのではなく、テナントと相談しながら進めましょう。
現場から見れば「ここは削れない」「この時間帯なら見直せる」といった事情があります。
実際の現場では、少しの調整なら協力できるケースも多いです。
開店前の照明、閉店後の空調、バックヤードの使い方など、営業に直接影響しにくい部分から始めると進めやすくなります。
テナント連携の目的は、負担を押し付けることではありません。
施設全体で無駄を減らし、運営コストを抑えることです。
協力しやすい形にすることが、継続的な電気代削減につながります。
電力契約や料金プランを見直して電気代を削減する

商業施設の電気代削減では、設備運用だけでなく、電力契約や料金プランの見直しも重要です。
同じ電力量を使っていても、契約内容によって支払額が変わる場合があります。
特に大型商業施設では、高圧・特別高圧契約になっていることも多く、契約電力や最大需要電力が電気代に大きく影響します。
設備投資をする前に、契約面で改善できる余地がないか確認しましょう。
電気代の内訳を確認する
まずは、電気代の内訳を確認しましょう。
電気代は主に、基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金などで構成されます。
商業施設では、電力量料金だけでなく基本料金も大きな負担になることがあります。
特に契約電力が高い場合、使用量を少し減らしても、思ったほど電気代が下がらないことがあります。
請求書を見るときは、以下の項目を確認すると整理しやすくなります。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
| 基本料金 | 契約電力に対して適正か |
| 電力量料金 | 月ごとの使用量に変化があるか |
| 燃料費調整額 | 単価上昇の影響を受けていないか |
| 再エネ賦課金 | 使用量に応じた負担を把握しているか |
| 最大需要電力 | ピークが高い時間帯がないか |
電気代が高い原因が、使用量なのか、契約なのか、単価なのかを分けて見ることが大切です。
高圧・特別高圧の契約内容を見直す
大型商業施設では、高圧・特別高圧契約になっているケースが多くあります。
この場合、契約電力や最大需要電力が基本料金に影響することがあります。
たとえば、夏場の空調、照明、昇降機などが同時に稼働し、短時間だけピークが高くなることがあります。
そのピークが契約電力に影響すると、毎月の基本料金が高くなる可能性があります。
契約内容を見直す際は、直近1年分の使用量や最大需要電力を確認しましょう。
季節ごとの変動、ピークが出る時間帯、イベント時の使用量などを見ると、改善のヒントが見つかります。
契約見直しは、来店者の快適性を下げずに取り組みやすい対策です。
空調を弱めたり照明を暗くしたりする前に、契約内容が現在の使い方に合っているか確認する価値があります。
電力会社や料金プランを比較する
商業施設は電力使用量が多いため、電力会社や料金プランの違いが費用差が大きくなる場合があります。
現在の契約が、施設の使用状況に合っているとは限りません。
営業時間が長い施設、休日の来店者が多い施設、夏冬の空調負荷が大きい施設など、電気の使い方は施設ごとに異なります。
複数の電力会社やプランを比較し、現在の使用実態に合っているか確認しましょう。
ただし、単価だけで決めるのは避けたいところです。
契約期間、解約条件、燃料費調整の扱い、基本料金の計算方法なども確認が必要です。
安く見えるプランでも、条件によっては想定ほど削減できない場合があります。
電力契約の見直しは、設備投資なしで削減できる可能性がある方法です。
現場への負担も少ないため、商業施設の電気代削減では優先して検討したいポイントです。
2026年以降はBEMSと補助金で施設全体の電力を見える化する

2026年以降の商業施設の電気代削減では、感覚的な節電だけでなく、電力使用量の見える化がより重要になります。
どの設備が、どの時間帯に、どれくらい電気を使っているのかを把握できれば、効果の高い対策を選びやすくなります。
特に大型の商業施設では、空調、照明、昇降機、共用部、テナント設備など、電気を使う場所が多くあります。
BEMSやデマンド管理を活用することで、施設全体の電力使用を管理しやすくなります。
BEMSで設備ごとの電力使用量を把握する
BEMSを活用すると、空調、照明、昇降機、共用部などの電力使用量を把握しやすくなります。
施設全体の電気代だけを見ても、どの設備に無駄があるのかはわかりにくいものです。
BEMSで設備ごとの使用状況が見えるようになると、具体的な改善につなげやすくなります。
たとえば、営業時間外の空調が多い、特定エリアの照明使用が長い、ピーク時間帯に設備稼働が重なっている、といった傾向が見える場合があります。
データがあると、テナントへの説明もしやすくなります。
「節電してください」と感覚で伝えるより、「この時間帯の使用量が高いので、ここを見直しましょう」と共有できるほうが協力を得やすいです。
BEMSは導入して終わりではありません。
見える化したデータをもとに改善し、効果を確認する流れを作ることが大切です。
デマンド管理でピーク電力を抑える
商業施設では、空調、照明、昇降機などが重なる時間帯にピーク電力が上がりやすくなります。
特に夏場の午後や、来店者が集中する時間帯は注意が必要です。
デマンド管理を行うと、電力使用量が高くなるタイミングを把握しやすくなります。
ピークが上がりそうなときに、空調や一部設備の運用を調整できれば、基本料金の抑制につながる可能性があります。
ただし、ピーク対策でも快適性は守る必要があります。
来店者が多い時間帯に空調を大きく弱めると、施設の満足度に影響します。
大切なのは、影響の少ない設備やエリアから調整することです。
たとえば、バックヤードや事務所の運転、営業時間外の設備、使用頻度の低いエリアなどは見直しやすい部分です。
来店者の快適性を守りながら、ピークを抑える運用を考えましょう。
省エネ設備更新に使える補助金を確認する
空調、照明、BEMSなどの省エネ設備更新では、補助金を活用できる場合があります。
設備更新にはまとまった費用がかかるため、補助制度を確認しておくことは重要です。
補助金は、対象設備、補助率、上限額、公募期間、申請条件が年度ごとに変わります。
使えると思っていた設備が対象外になる場合もありますし、申請前に契約や工事を進めると対象外になることもあります。
設備更新を検討する場合は、見積もり段階で補助金の条件を確認しましょう。
空調や照明を更新するだけでなく、BEMSによる見える化やデマンド管理と組み合わせることで、より効果的な省エネにつながる可能性があります。
商業施設では、設備更新のタイミングが限られることもあります。
営業への影響を抑えるため、工事時期の調整も必要です。
だからこそ、早めに情報を集め、スケジュールに余裕を持って検討することが大切です。
まとめ:商業施設の電気代削減は快適性を守りながら設備・契約・テナント運用を見直すことが重要

商業施設では、空調、照明、エレベーター、エスカレーターなどを長時間使うため、電気代が高くなりやすい施設です。
施設の規模が大きいほど、売場、共用通路、バックヤード、事務所など、電気を使う場所も増えます。
電気代削減で大切なのは、来店者の快適性を損なわないことです。
空調を弱めすぎたり、照明を暗くしすぎたりすると、満足度や売上に影響する可能性があります。
商業施設では、我慢する節電ではなく、無駄を減らす省エネを意識しましょう。
空調設備では、設定温度の適正管理、フィルター清掃、エリア別運転の見直しが有効です。
照明設備では、LED化、点灯時間の調整、エリア別点灯や調光の活用がポイントになります。
エレベーターやエスカレーターは、利用状況に応じて運転を見直しつつ、安全性とバリアフリーを優先することが大切です。
また、商業施設全体で電気代を削減するには、テナントとの連携も欠かせません。
テナントごとの電力使用状況を把握し、開店前や閉店後の照明、バックヤードの空調、不要な機器の電源など、共通ルールを整えましょう。
さらに、電力契約や料金プランの見直しも有効です。
電気代の内訳、契約電力、最大需要電力、料金プランを確認することで、設備投資なしで削減できる可能性もあります。
2026年以降は、BEMSやデマンド管理を活用した電力の見える化も重要です。
どの設備・時間帯で電力使用量が多いかを把握できれば、感覚ではなくデータにもとづいた改善ができます。
省エネ設備更新を検討する場合は、補助金の対象や申請条件も早めに確認しましょう。
商業施設の電気代削減は、設備運用・契約内容・テナント連携を総合的に見直すことが重要です。
快適性を守りながら無理なく省エネを進めることで、施設全体のコスト削減につながります。

関連キーワード



