デマンド監視とは?仕組み・機能・導入メリットを解説
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デマンド監視とは、施設や工場などで使っている電力を監視し、電力のピークを抑えるための仕組みです。
特に高圧契約の施設では、30分ごとの平均使用電力が高くなると、契約電力や基本料金に影響することがあります。
この30分ごとの平均使用電力を「デマンド値」と呼びます。
デマンド監視では、この値を確認し、設定した基準に近づくとアラートで通知します。
管理者はその通知をもとに、空調や照明、生産設備などの使い方を調整できます。
デマンド監視装置を導入すると、電力使用量の見える化、警報通知、遠隔監視、データ記録などが可能になります。
電力の使い方を把握できるため、電気料金の削減や省エネに取り組みやすくなる点がメリットです。
ただし、デマンド監視は設置して終わりではありません。
大切なのは、監視したデータをもとに運用を見直すことです。
ピークが出やすい時間帯を確認し、空調や設備の使い方を調整することで、継続的な省エネにつながります。
電気に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
デマンド監視とは

デマンド監視とは、一定時間内の電力使用量を監視し、最大需要電力が高くなりすぎないように管理する仕組みです。
電力使用のピークを把握し、契約電力や電気料金の上昇を防ぐために活用されます。
最大需要電力を監視して電気の使いすぎを防ぐ仕組み
デマンド監視は、最大需要電力を監視して、電気の使いすぎを防ぐ仕組みです。
工場、オフィスビル、商業施設、病院、学校、店舗など、電力使用量が大きい施設で導入されることがあります。
電気料金は、使った電力量だけで決まるわけではありません。
契約内容によっては、一定期間内の最大需要電力が基本料金に影響します。
短時間でも多くの設備を同時に使うと、電力使用のピークが高くなる場合があります。
たとえば、夏場の午後に空調、照明、生産設備、厨房機器などを同時に使うと、電力使用量が一気に増えます。
このようなピークを把握し、必要に応じて設備の運転を調整することで、電気の使いすぎを防ぎやすくなります。
デマンド監視では、電力使用状況をリアルタイムに確認できます。
設定値に近づいた場合は、警報や通知で管理者に知らせます。
管理者はその情報をもとに、空調の設定温度の変更や、不要な設備の一時停止などを行います。
デマンド値とは
デマンド値とは、一定時間内に使用した平均電力のことです。
高圧契約では、一般的に30分ごとの平均使用電力がデマンド値として扱われます。
分かりやすく言うと、デマンド値は「30分間にどれくらい電気を使ったか」を見るための指標です。
1か月の使用電力量が同じでも、特定の時間帯に電気の使用が集中すると、デマンド値が高くなる場合があります。
デマンド値が上がりやすい場面には、以下があります。
- 空調を一斉に起動する
- 生産設備を同じ時間帯に動かす
- 厨房機器や冷凍冷蔵設備を同時に使う
- 夏場や冬場に空調負荷が大きくなる
- 営業開始時に照明や設備をまとめて稼働する
デマンド値が高くなると、契約電力や基本料金に影響する可能性があります。
そのため、電気料金を抑えるには、使用電力量だけでなく、デマンド値の管理も重要です。
デマンド監視は、このデマンド値を見える化する仕組みです。
設定した上限に近づいた段階で通知を出し、ピークが発生する前に対応しやすくします。
デマンド監視の目的
デマンド監視の主な目的は、電力使用のピークを抑え、契約電力や基本料金の上昇を防ぐことです。
あわせて、電力使用状況を把握し、省エネや設備運用の見直しにも役立てます。
デマンド監視の目的は、主に以下の通りです。
- 最大需要電力の上昇を防ぐ
- 電気料金の削減につなげる
- 電力使用状況を把握する
- 空調や照明などの使い方を見直す
- 複数拠点の電力使用を管理する
デマンド監視を導入すると、どの時間帯に電力使用が集中しているのかが分かります。
感覚ではなくデータで確認できるため、改善すべき設備や時間帯を見つけやすくなります。
たとえば、毎日決まった時間にデマンド値が上がる場合、その時間帯に使っている設備を確認します。
空調の立ち上げが重なっているのか、生産設備の稼働が集中しているのかを判断できます。
デマンド監視は、電気料金削減だけでなく、施設全体のエネルギー管理にも役立つ仕組みです。
デマンド監視の仕組み
デマンド監視は、電力使用状況を計測し、設定値に近づいたときに警報や通知で知らせる仕組みです。
管理者はその情報をもとに、設備の運転を調整します。
基本的な流れは、以下の通りです。
- 電力使用量を計測する
- デマンド値を算出する
- 設定した目標値と比較する
- 目標値に近づいたら警報を出す
- 管理者が設備運用を調整する
- データを蓄積して分析する
たとえば、設定したデマンド値に近づくと、管理画面、警報ランプ、メール通知などで知らせます。
通知を受けた管理者は、空調の一部停止、設定温度の変更、照明の調整、設備の稼働タイミング変更などを行います。
装置によっては、監視だけでなく設備制御と連携できるものもあります。
空調や照明などを自動で制御できれば、管理者が常に対応しなくてもピークを抑えやすくなります。
デマンド監視装置の主な機能
デマンド監視装置には、電力使用量の見える化、警報通知、遠隔監視、設備制御連携、データ記録・分析などの機能があります。
施設の規模や管理体制によって、必要な機能を選ぶことが大切です。
電力使用量の見える化
デマンド監視装置では、電力使用量やデマンド値をグラフや管理画面で確認できます。
これにより、電気を多く使っている時間帯を把握しやすくなります。
見える化できる主な情報は、以下の通りです。
- 現在の電力使用量
- デマンド値
- 日別・月別の使用状況
- ピークが発生しやすい時間帯
- 過去データとの比較
電力使用量が見えるようになると、無駄な使い方にも気づきやすくなります。
営業時間外にも電力使用が多い場合は、待機電力や停止し忘れの設備があるかもしれません。
また、ピークが発生する時間帯が分かれば、設備の稼働タイミングをずらす対策も検討できます。
感覚ではなく、データをもとに判断できる点がメリットです。
警報・アラート通知
警報・アラート通知は、デマンド値が設定値に近づいたときに管理者へ知らせる機能です。
ピークを超える前に気づけるため、早めに対応できます。
通知方法は、装置やサービスによって異なります。
- 警報ランプ
- ブザー
- 管理画面での表示
- メール通知
- スマートフォン通知
アラートが出た場合、管理者は空調、照明、生産設備などの運用を調整します。
たとえば、空調の設定温度を少し変更する、一部設備の稼働を後ろ倒しにする、不要な照明を消すといった対応が考えられます。
アラート設定では、通知のタイミングが重要です。
遅すぎると対応が間に合わない場合があります。
反対に、早すぎる段階で頻繁に通知されると、管理者の負担になります。
施設の運用に合わせて、適切な通知基準を設定しましょう。
遠隔監視
遠隔監視は、クラウドやネットワークを使って、離れた場所から電力使用状況を確認できる機能です。
複数拠点を管理している企業や、常駐管理者がいない施設で役立ちます。
遠隔監視により、以下のような管理がしやすくなります。
- 複数店舗の電力使用状況をまとめて確認する
- 本部から工場や施設の状況を見る
- 管理者が外出先からアラートを確認する
- 異常な使用状況を早めに把握する
- 拠点ごとの使用量を比較する
たとえば、複数の店舗を運営している企業では、店舗ごとの電力使用量を本部で確認できます。
使用量が多い店舗やピークが出やすい店舗を特定できれば、改善の優先順位を決めやすくなります。
遠隔監視に対応している装置を選ぶ場合は、通信環境やクラウド利用料も確認しましょう。
管理画面の使いやすさも大切です。
設備の制御連携
デマンド監視装置の中には、空調、照明、生産設備などと連携できるものがあります。
設定値に近づいた際に、一部設備の運転を調整することで、ピーク抑制につなげます。
制御対象になりやすい設備は、以下の通りです。
- 空調設備
- 照明設備
- 換気設備
- ポンプ
- コンプレッサー
- 冷凍冷蔵設備
- 生産設備の一部
設備制御と連携できると、管理者が毎回手動で対応する負担を減らせます。
一定の条件になったときに空調の出力を抑えたり、一部設備の稼働を調整したりできます。
ただし、すべての設備を制御すればよいわけではありません。
生産ラインや医療設備など、停止や出力調整が業務に影響する設備もあります。
制御する設備は、業務への影響を確認したうえで選ぶ必要があります。
データ記録・分析
デマンド監視装置では、過去の電力使用データを記録し、分析に活用できます。
日別、月別、時間帯別に確認することで、電力使用の傾向が見えやすくなります。
分析で確認したい項目は、以下の通りです。
- ピークが発生しやすい時間帯
- 曜日ごとの使用傾向
- 季節による変動
- 設備稼働との関係
- 導入前後のデマンド値の変化
- 電気料金への影響
データを蓄積すると、省エネ計画や設備更新の判断にも活用できます。
たとえば、空調負荷が大きい時間帯が分かれば、空調更新や運用ルールの見直しを検討しましょう。
デマンド監視の効果を確認するには、導入前後の比較も必要です。
ピーク発生回数、最大需要電力、電気料金の変化を見ると、改善効果を判断しやすくなります。
デマンド監視装置とデマンドコントローラーの違い

デマンド監視装置は、電力使用状況を計測・表示・通知する役割を持ちます。
一方、デマンドコントローラーは、設定値に近づいた際に設備を自動制御し、ピークを抑える役割を持ちます。
監視が中心か、制御まで行うかが大きな違いです。
デマンド監視装置は使用状況を知らせる役割
デマンド監視装置は、電力使用量やデマンド値を計測し、使用状況を知らせるための装置です。
主な役割は、見える化と通知です。
デマンド監視装置でできることは、以下のような内容です。
- 現在の電力使用量を確認する
- デマンド値を確認する
- 設定値に近づいたらアラートを出す
- 過去データを記録する
- 電力使用の傾向を分析する
デマンド監視装置は、管理者が状況を把握して対応する運用に向いています。
アラートが出たら施設管理者が空調や照明を調整する、といった使い方です。
手動で対応できる体制がある施設では、監視装置だけでも十分な場合があります。
導入コストを抑えたい場合や、まず電力使用状況を把握したい場合にも適しています。
デマンドコントローラーは設備制御まで行う役割
デマンドコントローラーは、電力使用状況を監視するだけでなく、設備制御まで行う装置です。
設定したデマンド値に近づいたときに、空調や照明などを自動的に制御し、ピークを抑えます。
デマンドコントローラーで行える制御には、以下のようなものがあります。
- 空調の出力制御
- 一部設備の停止
- 照明の制御
- 負荷の優先順位制御
- 設定条件に応じた自動制御
管理者が常に対応できない施設では、自動制御が役立ちます。
アラートを確認してから人が対応するよりも、早くピーク抑制に動ける場合があります。
ただし、自動制御には注意も必要です。
制御による業務や快適性への影響を確認しましょう。
空調の抑えすぎは、室内環境の悪化につながりかねません。
生産設備を停止すると、作業効率や品質に影響する可能性もあります。
施設の運用体制に合わせて選ぶ
デマンド監視装置とデマンドコントローラーは、施設の運用体制に合わせて選ぶことが大切です。
どちらが優れているというよりも、自社の管理方法や設備構成に合っているかが重要です。
選び方の目安は、以下の通りです。
- 人が対応できる体制がある:デマンド監視装置
- 自動でピークを抑えたい:デマンドコントローラー
- まず使用状況を把握したい:デマンド監視装置
- 管理者が常駐していない:デマンドコントローラー
- 複数拠点をまとめて見たい:遠隔監視対応の装置
- 空調制御まで行いたい:制御連携できる装置
導入前には、施設内の設備、管理者の有無、ピークが発生する時間帯、制御できる設備、予算を整理しましょう。
既存設備との連携が必要な場合は、追加工事が発生することもあります。
最初から大きな制御システムを導入するのではなく、まず監視から始める方法もあります。
データを見ながら制御範囲を広げると、現場の負担を抑えやすくなります。
デマンド監視を導入するメリット
デマンド監視を導入するメリットは、電気料金の削減につながること、電力使用状況を把握しやすくなること、複数拠点の管理に役立つことです。
電力使用のピークを確認できるため、施設全体の省エネ改善にもつなげやすくなります。
電気料金の削減につながる
デマンド監視を導入すると、電気料金の削減につながる可能性があります。
最大需要電力を抑えることで、契約電力や基本料金の上昇を防ぎやすくなるためです。
高圧契約の施設では、過去の最大需要電力が契約電力に影響する場合があります。
短時間でも電力使用が集中してデマンド値が高くなると、翌月以降の基本料金への影響に注意が必要です。
デマンド監視を行うと、ピークが発生しそうなタイミングを把握できます。
早めにアラートを受け取り、空調や照明、設備の使い方を調整すれば、デマンド値の上昇を抑えやすくなります。
対策例は以下の通りです。
- 空調の一斉起動を避ける
- 設備の稼働タイミングをずらす
- 不要な照明を消す
- ピーク時間帯の運用ルールを決める
- 空調設定を見直す
電気料金削減の効果は、施設の規模や契約内容、設備の使い方によって異なります。
導入前に現在のデマンド値や電気料金を確認し、削減可能性を試算しておくと判断しやすくなります。
電力使用状況を見える化できる
デマンド監視を導入すると、電力使用状況を見える化できます。
どの時間帯に電力使用が増えているのか、どの設備がピークに影響しているのかを把握しやすくなります。
電力使用量が見えない状態では、どこに無駄があるのか分かりにくくなります。
節電を呼びかけても、具体的に何を改善すればよいか判断しづらい場合があります。
データで使用状況を確認できれば、改善すべきポイントが明確になります。
始業直後にピークが出ているなら、空調や設備の立ち上げ時間を分散する方法があります。
営業時間外の使用量が高い場合は、待機電力や消し忘れを確認できます。
見える化は、省エネ活動の出発点です。
現状を把握することで、効果的な改善策を考えやすくなります。
省エネ意識の向上につながる
デマンド監視は、省エネ意識の向上にもつながります。
電力使用状況が見えるようになると、従業員や施設管理者が電気の使い方を意識しやすくなります。
ただし、省エネ意識を高めるには、単に「節電してください」と伝えるだけでは不十分です。
どの時間帯にピークが出ているのか、どの行動が効果的なのかを共有することが大切です。
具体的には、以下のような取り組みが考えられます。
- ピーク時間帯を共有する
- 空調運用ルールを決める
- 省エネ効果を定期的に共有する
- アラート発生時の対応手順を決める
デマンド監視によって電力使用が見えるようになると、現場の協力を得やすくなります。
施設管理者に限らず、従業員全体で省エネに取り組むきっかけにしましょう。
遠隔監視や複数拠点管理に役立つ
遠隔監視に対応したデマンド監視装置であれば、複数拠点の電力使用状況をまとめて確認できます。
店舗、工場、オフィス、病院、学校、商業施設などを複数運営している企業にとって便利です。
遠隔監視では、以下のような管理がしやすくなります。
- 本部から各拠点の使用状況を確認する
- 電力使用量が多い拠点を特定する
- アラート発生状況をまとめて管理する
- 拠点ごとの省エネ効果を比較する
- 現地に行かなくても状況を把握する
複数拠点を管理している場合、拠点ごとに管理者の経験や意識が異なることがあります。
遠隔監視で使用状況を確認できれば、拠点間の差を把握しやすくなります。
同じ業態の店舗でも、電力使用量に差が出ることがあります。
空調運用、照明の使い方、設備の稼働時間などを比較すれば、改善のヒントが見つかります。
デマンド監視装置を選ぶ際のポイント

デマンド監視装置を選ぶ際は、必要な機能、導入コストと運用コスト、既存設備との連携、サポート体制を確認します。
機能が多ければよいわけではありません。
自社の施設規模や運用目的に合っているかを見極めることが大切です。
必要な機能が備わっているか確認する
デマンド監視装置を選ぶ際は、自社に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
施設の規模、管理者の有無、制御したい設備、複数拠点管理の必要性によって、必要な機能は変わります。
確認したい機能は、以下の通りです。
- 電力使用量の見える化
- デマンド値の表示
- 警報・アラート通知
- 遠隔監視
- データ記録
- レポート出力
- 設備制御連携
- 複数拠点管理
- 管理画面の使いやすさ
まずは、何のために導入するのかを明確にしましょう。
電力使用状況を把握したいだけなのか、ピーク超過を防ぎたいのか、設備制御まで行いたいのかで選ぶ装置は変わります。
また、管理画面の使いやすさも重要です。
機能が多くても、現場の担当者が使いこなせなければ効果は出にくくなります。
導入前にデモ画面や操作性を確認できると安心です。
導入コストと運用コストを確認する
デマンド監視装置を選ぶ際は、導入コストと運用コストを確認しましょう。
機器本体の価格だけでなく、設置工事費、通信費、クラウド利用料、保守費用なども含めて判断する必要があります。
確認したい費用は、以下の通りです。
- 機器費用
- 設置工事費
- 通信費
- クラウド利用料
- 保守費用
- 設定費用
- 追加工事費
- 設備連携費用
初期費用が安く見えても、月額費用や保守費用がかかる場合があります。
反対に、初期費用が高くても、削減効果が大きければ長期的にはメリットが出る場合もあります。
導入前には、現在の電気料金、最大需要電力、ピーク発生状況を確認し、削減効果を試算しましょう。
費用対効果を見ずに導入すると、期待したほどの削減効果が得られない可能性があります。
費用を見る際は、単純な価格比較だけでなく、サポート内容や分析機能も含めて判断することが大切です。
既存設備と連携できるか確認する
デマンド監視装置を導入する際は、既存設備と連携できるかを確認しましょう。
特に、空調、照明、生産設備、受電設備などと連携する場合は、設備の種類や設置状況によって対応可否が変わります。
確認したい内容は、以下の通りです。
- 受電設備と接続できるか
- 空調設備と連携できるか
- 照明設備を制御できるか
- 生産設備への影響がないか
- 既存の管理システムと連携できるか
- 追加工事が必要か
- 停止できない設備があるか
古い設備や特殊な設備では、連携に追加工事が必要になる場合があります。
設備制御を行う場合は、業務や安全性への影響も確認しなければなりません。
たとえば、生産設備を制御する場合、短時間の停止でも工程に影響する可能性があります。
空調を制御する場合も、快適性や品質管理に影響がない範囲で行う必要があります。
導入前には、設備管理担当者や施工業者と相談し、どこまで連携できるかを確認しましょう。
サポート体制を確認する
デマンド監視装置は、導入後のサポート体制も重要です。
設置して終わりではなく、設定、運用、トラブル対応、データ分析まで支援してもらえるかを確認しましょう。
確認したいサポート内容は、以下の通りです。
- 導入前の現地調査
- 機器選定の相談
- 設置工事
- 初期設定
- 操作説明
- アラート設定の調整
- トラブル対応
- 定期点検
- データ分析支援
- 省エネ提案
施設管理者が装置を使いこなせなければ、導入効果は出にくくなります。
特に初めてデマンド監視を導入する場合は、運用ルールの作成やアラート発生時の対応方法まで支援してもらえると安心です。
また、トラブル時の対応スピードも確認しましょう。
電力管理に関わる装置のため、不具合が長く続くと運用に影響する場合があります。
サポート体制は、価格だけでは見えにくい部分です。
導入前に、問い合わせ窓口、対応時間、保守内容、レポート提供の有無を確認しておきましょう。
デマンド監視は省エネ制御やDR対応まで見据えて活用する
デマンド監視は、設置して電力使用量を見るだけで終わらせないことが重要です。
監視データをもとに空調や照明、設備運用を見直すことで、省エネ効果を高めやすくなります。
施設規模が大きい場合は、BEMSやデマンドレスポンスへの対応も視野に入ります。
監視データをもとに空調・照明・設備運用を見直す
デマンド監視で得られるデータは、省エネ改善の材料になります。
ピークが発生しやすい時間帯や設備の使い方を把握し、運用ルールを見直すことが大切です。
見直しやすい項目は、以下の通りです。
- 空調の起動時間
- 空調の設定温度
- 照明の点灯範囲
- 換気設備の運転時間
- 生産設備の稼働スケジュール
- 冷凍冷蔵設備の運用
- 営業時間外の電力使用
たとえば、始業直後に空調や設備を一斉に起動してピークが出ている場合は、起動時間を分散する方法があります。
空調の負荷が大きい場合は、設定温度や運転スケジュールを見直すこともできます。
重要なのは、現場の業務に支障が出ない範囲で改善することです。
無理な節電は、快適性や生産性に影響する場合があります。
監視データを見ながら、効果と影響のバランスを確認しましょう。
BEMSやエネルギーマネジメントと連携する
施設規模が大きい場合は、デマンド監視をBEMSやエネルギーマネジメントと組み合わせる方法があります。
BEMSとは、ビル内のエネルギー使用状況を把握し、空調や照明などの設備管理に活用する仕組みです。
デマンド監視だけでも、電力のピークは把握できます。
さらにBEMSと連携すると、設備ごとの使用状況や運転状態まで確認しやすくなります。
たとえば、電力ピークの原因が空調、照明、生産設備のどれにあるのかを把握するのに役立ちます。
原因を特定し、具体的な対策につなげましょう。
空調の運転時間の変更、照明の点灯範囲の見直し、設備の稼働タイミングの調整といった改善が考えられます。
ただし、小規模な施設では、必ずしもBEMSまで必要とは限りません。
まずはデマンド監視で使用状況を把握し、必要に応じて管理範囲を広げる考え方で十分です。
デマンドレスポンスに対応できる体制を整える
デマンドレスポンスとは、電力需給の状況に合わせて、需要家側が電力使用量を調整する仕組みです。
簡単に言うと、電気が不足しやすい時間帯に、使う電気を減らす取り組みです。
デマンド監視は、デマンドレスポンスへの準備にも役立ちます。
どの時間帯に電力を多く使っているか、どの設備なら調整できるかを把握できるためです。
対応するには、次のような準備が必要です。
- どの設備を調整できるか把握する
- 停止できない設備を整理する
- ピーク時の運用ルールを決める
- 遠隔監視や制御の仕組みを整える
- 電力使用データを継続的に管理する
- 担当者と対応フローを決める
たとえば、空調の一部制御や照明の調整、蓄電池の活用、生産設備の稼働時間変更などが考えられます。
ただし、すべての施設で同じ対応ができるわけではありません。
まずは、自社で無理なく調整できる設備を把握することが大切です。
電気料金削減だけでなく、将来的な電力需給対応にも備えやすくなります。
削減効果を定期的に検証して運用を改善する
デマンド監視は、導入しただけでは成果が見えにくい場合があります。
導入後は、削減効果を定期的に検証し、運用を改善することが重要です。
確認したい項目は、以下の通りです。
- 導入前後の最大需要電力
- 電気料金の変化
- ピーク発生回数
- アラート発生回数
- 設備運用の変更内容
- 拠点ごとの使用状況
- 省エネ施策の実施状況
たとえば、アラートは減っているのに電気料金があまり変わらない場合は、契約内容や使用電力量も確認する必要があります。
逆に、最大需要電力が下がっていても現場の負担が増えている場合は、運用方法を見直しましょう。
削減効果を検証する際は、季節ごとの変動も見ましょう。
夏場や冬場は空調負荷が大きくなるため、ピークが出やすくなります。
年間を通じてデータを確認すると、より現実的な改善策を立てやすくなります。
データを確認し、運用ルールを調整し、現場に共有する。
このサイクルを回すことで、デマンド監視の効果を高められます。
まとめ|デマンド監視は電力ピークを見える化して電気料金削減につなげる仕組み

デマンド監視とは、一定時間内の電力使用量を監視し、最大需要電力が高くなりすぎないように管理する仕組みです。
高圧契約では、一般的に30分ごとの平均使用電力であるデマンド値が、契約電力や基本料金に影響することがあります。
デマンド監視装置には、電力使用量の見える化、警報・アラート通知、遠隔監視、設備制御連携、データ記録・分析などの機能があります。
施設の規模や運用体制に合わせて、必要な機能を選ぶことが大切です。
デマンド監視装置とデマンドコントローラーは、役割が異なります。
監視装置は使用状況を知らせることが中心です。
デマンドコントローラーは、設定値に近づいた際に設備制御まで行います。
導入メリットは、電気料金の削減だけではありません。
電力使用状況を把握できるため、省エネ施策を考えやすくなります。
複数拠点の管理や、現場の省エネ意識向上にも役立ちます。
導入時には、必要な機能、コスト、既存設備との連携、サポート体制を確認しましょう。
さらに、導入後は監視データをもとに空調・照明・設備運用を見直し、削減効果を定期的に検証することが重要です。
デマンド監視は、設置して終わりの設備ではありません。
電力使用のピークを把握し、運用改善につなげることで、電気料金削減と省エネを継続的に進めるための仕組みになります。
監修者コメント
製品選定では、カタログ上の性能よりも「導入後に誰が面倒を見るか」で差が出ます。保守の範囲と連絡先を契約時に明文化しておくことを、あわせておすすめします。
三浦 健一 みうら けんいち
ITコーディネータ / 情報処理安全確保支援士
株式会社中小企業のチカラ DX推進室
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