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新事業進出補助金は従業員1名でも申請できる?対象者要件・中小企業区分・注意点を解説

新事業進出補助金は、従業員1名の小規模事業者でも申請できる可能性があります。

ただし、応募申請時点で従業員数が0名の事業者は補助対象外と明記されているため、役員のみの一人法人や、常時使用する従業員がいない事業者は注意が必要です。

公式FAQでも、役員のみで常時使用する従業員がいない法人について、応募申請時点で従業員数0名の事業者は補助対象外とされています。

従業員1名で申請を検討する場合は、「その1名が常時使用する従業員に該当するか」「新規事業の要件を満たせるか」「賃上げ要件を達成できるか」「補助金が入金されるまで資金繰りを維持できるか」を確認する必要があります。

第4回公募要領でも、従業員0名の事業者や新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外とされています。

目次

新事業進出補助金は従業員1名でも申請できる可能性がある

新事業進出補助金では、従業員1名だからといって一律に対象外になるわけではありません。

ポイントは、従業員数が0名ではないこと、そして補助対象者・申請要件・新事業の内容を満たせることです。

小規模な会社や個人事業主でも、制度の要件に合えば検討余地がありますが、役員だけの法人や創業直後の事業者は対象外になりやすいため、最初に自社の状態を確認しておく必要があります。

応募申請時点で従業員0名の事業者は対象外

新事業進出補助金では、応募申請時点で従業員数が0名の事業者は補助対象外です。

公募要領では、中小企業等の新規事業への進出を通した企業規模の拡大や賃上げを目的とする制度であるため、従業員が0名の事業者は対象にならないとされています。

従業員数が0名だと、賃上げ要件の対象となる給与が存在しないため、制度の目的に合いません。

旧公募要領でも、応募申請時に従業員数が0名の場合、対象となる給与が存在しないことから申請できないと記載されています。

従業員数で注意したいケースを整理すると、次のとおりです。

事業者の状態申請可否の考え方
従業員1名を雇用している法人他の要件を満たせば申請できる可能性がある
役員のみの法人従業員0名と判断される可能性が高い
代表者1人だけの個人事業主常時使用する従業員がいなければ対象外になりやすい
業務委託だけで運営している事業者従業員として扱えるか確認が必要
家族だけで運営している事業者雇用実態や給与支払いの確認が必要

従業員1名で申請を検討する場合は、その1名が制度上の従業員に該当するかを確認することが出発点になります。

一人法人でも従業員がいない場合は対象外になりやすい

一人法人でも、代表取締役などの役員だけで運営している場合は注意が必要です。

公式FAQでは、役員のみの法人で常時使用する従業員がいない場合について、応募申請時点で従業員数が0名の事業者は補助対象外とされています。

つまり、法人を設立していても、代表者だけで運営している状態では対象になりにくいと考えられます。

補助金では、法人格の有無だけでなく、従業員を雇用しているか、給与支給総額や一人当たり給与支給総額を算定できるかが重要になります。

一人法人で確認したいポイントは、次のとおりです。

確認項目見るべき内容
役員のみか役員報酬だけでは従業員給与に含まれない可能性がある
従業員を雇用しているか常時使用する従業員がいるか
給与支給実績があるか賃金台帳や給与明細で確認できるか
雇用保険・社会保険の状況雇用関係を示す資料が整っているか
賃上げ計画を作れるか従業員給与を基準に目標設定できるか

「法人だから対象」「小規模だから対象外」という単純な判断ではありません。

役員だけの一人法人は、従業員0名として対象外になる可能性が高いため、従業員の有無と雇用実態を確認する必要があります。

個人事業主でも要件を満たせば申請できる可能性がある

個人事業主でも、新事業進出補助金の要件を満たせば申請できる可能性があります。

ただし、従業員数、創業年数、確定申告書類、事業計画、資金計画などの確認が必要です。

公式FAQでは、個人事業主から法人成りして1年に満たない場合でも、個人事業主としての開業日から1年以上が経過し、個人事業主として営んでいた事業を承継して法人成りしている場合は、補助対象事業者となり得るとされています。

また、決算書の提出方法についても、法人としての決算を迎えているかどうかで扱いが整理されています。

個人事業主が確認したいポイントは、次のとおりです。

確認項目内容
開業からの期間創業後1年以上か
従業員数応募申請時点で従業員0名ではないか
確定申告書類必要な申告書類を提出できるか
新事業の内容既存事業と異なる新市場・新サービスか
資金計画補助金入金まで立て替えられるか
賃上げ要件従業員給与を引き上げる計画を作れるか

個人事業主に近い規模でも、従業員1名を雇用していて、事業実績や申告書類があり、新事業の実行体制を示せる場合は検討余地があります。

一方で、代表者1人だけで従業員がいない場合は、従業員0名として対象外になる可能性が高くなります。

従業員1名なら可能性はあるが0名は対象外

新事業進出補助金は、従業員1名だからといって一律に申請できない制度ではありません。
ただし、応募申請時点で従業員数0名の事業者は対象外です。
役員のみの一人法人や、代表者1人だけの個人事業主は注意が必要です。
従業員1名で申請を考える場合は、その1名が常時使用する従業員に該当するか、給与支給実績を示せるか、賃上げ要件を満たせるかを早めに確認しましょう。

新事業進出補助金とは

新事業進出補助金は、中小企業等が新しい事業へ挑戦し、企業規模の拡大や賃上げにつなげるための補助金です。

従業員1名の事業者が申請できるかを判断するうえでも、制度の目的や補助対象となる事業、補助金額・補助率を理解しておく必要があります。

小規模事業者でも対象になる可能性はありますが、制度は「新規事業への進出」と「成長・賃上げ」を重視しているため、単なる設備購入では不十分です。

制度の基本概要

新事業進出補助金は、中小企業等が企業の成長・拡大に向けて新規事業へ挑戦する取り組みを支援する制度です。

中小企業庁の資料では、新規事業とは、事業者にとって新製品または新サービスを新規顧客に提供する新たな挑戦であると説明されています。

制度の基本を整理すると、次のようになります。

項目内容
主な対象新規事業に挑戦する中小企業等
制度目的企業の成長・拡大、賃上げの実現
事業内容新製品・新サービスを新規顧客に提供する新たな挑戦
対象外従業員0名、新規設立・創業後1年未満など
注意点補助金は後払いであり、事業実施体制が必要

従業員1名の事業者でも、制度目的に合う新規事業を計画できるかが重要です。

事業規模が小さくても、既存事業の単なる延長ではなく、新しい市場や顧客への展開として説明できる必要があります。

補助対象となる事業

新事業進出補助金で対象となるのは、既存事業の単なる拡大ではなく、新しい事業への進出です。

新事業進出指針では、新市場性や高付加価値性のある事業が求められます。従業員1名の事業者でも、事業内容が明確で、投資によって売上拡大や生産性向上が見込める計画であれば検討余地があります。

補助対象となる事業の考え方を整理すると、次のとおりです。

事業の方向性説明のポイント
新商品・新サービスの提供既存の商品・サービスと何が違うか
新規顧客への提供これまでとは異なる顧客層か
新市場への参入市場性や需要があるか
高付加価値化価格競争ではなく付加価値を生むか
企業規模拡大売上・雇用・賃上げにつながるか

従業員1名の小規模事業者では、実行体制が弱く見られやすいため、どの業務を誰が担当し、外部委託や設備導入をどう活用して新事業を進めるのかまで整理することが大切です。

補助金額・補助率

新事業進出補助金は、従業員数に応じて補助上限額が設定されています。

公式サイトでは、補助上限額として従業員数20人以下は2,500万円、大幅賃上げ特例適用時は3,000万円、従業員数21〜50人は4,000万円、大幅賃上げ特例適用時は5,000万円などが示されています。

また、補助下限は750万円です。

補助率は原則1/2で、地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は2/3となる場合があります。

従業員数別の金額感は、次のとおりです。

従業員数補助上限額大幅賃上げ特例適用時
20人以下2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円

従業員1名の場合は、通常「20人以下」の区分で考えることになります。

ただし、補助下限が750万円であるため、かなり小さな投資では制度に合わない可能性があります。

従業員1名でも、一定規模の設備投資やシステム導入を行い、成長計画を示せるかが重要です。

小規模でも新規事業と成長計画が必要

新事業進出補助金は、中小企業等の新規事業への挑戦を支援する制度です。
従業員1名でも対象になる可能性はありますが、制度の目的は企業規模の拡大や賃上げです。
既存事業の延長ではなく、新製品・新サービスを新規顧客に提供する計画であること、一定規模の投資があること、賃上げや付加価値向上につながることを説明できる必要があります。

新事業進出補助金の対象者要件

新事業進出補助金では、対象者要件を満たすことが前提です。
従業員1名で申請できるかを考える場合、単に人数だけを見るのではなく、中小企業者としての資本金・従業員数要件、新事業進出の要件、付加価値額・賃上げ要件を総合的に確認する必要があります。
従業員数が1名でも、他の要件を満たせなければ申請は難しくなります。

中小企業者としての資本金・従業員数要件

新事業進出補助金の対象は、中小企業等です。

中小企業等の定義は公募要領で確認する必要がありますが、一般的には業種ごとに資本金または常勤従業員数の上限が設けられます。

従業員1名の事業者は、従業員数の面では中小企業区分に入りやすいものの、資本金や法人形態、みなし大企業の該当性なども確認が必要です。

確認すべき項目は、次のとおりです。

確認項目内容
業種区分製造業、サービス業、小売業など
資本金業種ごとの上限を超えていないか
常勤従業員数業種ごとの上限を超えていないか
みなし大企業大企業の支配を受けていないか
法人形態法人格のない任意団体などに該当しないか
従業員数0名応募申請時点で0名ではないか

公募要領では、みなし大企業や、応募申請後から補助事業終了までの間に中小企業等に該当しなくなった事業者なども対象外として整理されています。

従業員1名であっても、資本金や支配関係によって対象外になる可能性があります。

人数だけでなく、会社全体の要件確認が必要です。

新事業進出の要件

新事業進出補助金では、新規事業への進出が必須です。制度資料では、新規事業とは、事業者にとって新製品または新サービスを新規顧客に提供する新たな挑戦であるとされています。

従業員1名の事業者で特に重要なのは、既存事業との違いを明確にすることです。

人数が少ない場合、既存事業の延長や単なる設備更新に見えると、新規事業性の説明が弱くなります。

新事業進出として整理しやすい観点は、次のとおりです。

観点確認内容
新製品・新サービスこれまで提供していない商品・サービスか
新規顧客既存顧客とは異なる顧客層に提供するか
新市場性既存市場とは異なる市場へ進出するか
高付加価値性価格競争ではなく付加価値を生むか
投資との整合性設備やシステムが新事業に必要か

「今の事業を少し便利にする」「古くなった設備を更新する」だけでは弱くなります。

従業員1名であっても、新事業としての違いを明確に示すことが必要です。

付加価値額・賃上げ要件

新事業進出補助金では、付加価値額の向上や賃上げ要件も重要です。

中小企業庁の資料では、基本要件として、付加価値額の年平均成長率が4.0%以上増加、1人あたり給与支給総額の年平均成長率が3.5%以上増加、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上の水準などが示されています。

従業員1名の場合、賃上げ要件の影響は特に大きくなります。

対象となる従業員が1名しかいないため、その1名の給与水準や昇給計画が、計画全体に直接影響します。

確認すべきポイントは、次のとおりです。

要件従業員1名での注意点
付加価値額成長新事業で利益を生める計画が必要
1人あたり給与支給総額1名分の給与上昇がそのまま反映されやすい
給与支給総額従業員数が少ないほど計画のブレが大きい
最低賃金+30円事業場内最低賃金を毎年確認する必要がある
未達時のリスク要件未達時の返還等を確認する必要がある

従業員1名の事業者では、賃上げの負担が小さく見える一方、1名の退職や勤務時間変更だけでも計画に影響が出やすくなります。給与計画と採用計画を現実的に組むことが大切です。

従業員数だけでなく事業・賃上げ要件も見る

新事業進出補助金の対象者要件では、従業員数だけを見ても判断できません。
従業員1名であれば、従業員0名の対象外要件は避けられる可能性がありますが、中小企業区分、新事業進出、付加価値額、賃上げ、最低賃金などの要件を満たす必要があります。
小規模事業者ほど、事業計画と賃上げ計画の実現性を丁寧に確認することが重要です。

ケース別に見る対象可否

新事業進出補助金では、従業員1名の事業者、一人法人、個人事業主、新設法人で判断ポイントが異なります。

特に、従業員がいない事業者と従業員1名の事業者は扱いが変わります。

申請できるかどうかは、従業員数だけでなく、雇用実態、創業年数、決算書類、事業計画の内容で判断されます。

従業員がいない事業者

従業員がいない事業者は、新事業進出補助金の対象外です。

公募要領では、応募申請時点で従業員数0名の事業者は対象外とされています。

従業員0名に該当しやすいケースは、次のとおりです。

ケース注意点
代表者のみの個人事業主従業員がいなければ対象外になりやすい
役員のみの法人常時使用する従業員がいなければ対象外
外注だけで運営業務委託先は従業員に含めにくい
家族が無給で手伝っている雇用実態や給与支払いがなければ注意
アルバイトが一時的常時使用する従業員に該当するか確認が必要

従業員0名の状態で申請準備を進めても、対象者要件で不適格となる可能性が高くなります。

まずは自社の従業員数の扱いを確認することが必要です。

一人法人

一人法人は、代表者だけで運営している法人を指すことが多いです。

この場合、代表者が役員であり、従業員を雇っていないなら、従業員数0名と判断される可能性があります。

公式FAQでも、役員のみの法人で常時使用する従業員がいない場合、応募申請時点で従業員数0名の事業者は補助対象外とされています。

一人法人で対象可否を確認する際は、次のように整理できます。

状態判断の方向性
代表取締役1名のみ対象外になりやすい
役員報酬のみ給与支給総額の対象に含まれない可能性
従業員1名を雇用他の要件を満たせば検討余地あり
パート1名を継続雇用常時使用する従業員に該当するか確認
業務委託1名従業員には含めにくい

一人法人が申請する場合は、「従業員1名」と言える実態があるかが重要です。

役員、業務委託、外注先を従業員として扱うのは危険です。

個人事業主

個人事業主でも、新事業進出補助金の対象になり得ます。

ただし、創業後1年以上であること、従業員数が0名ではないこと、必要な確定申告書類を提出できることなどが重要です。

公式FAQでは、個人事業主としての開業日から1年以上が経過し、個人事業主として営んでいた事業を承継して法人成りしている場合は、補助対象事業者となり得るとされています。

個人事業主が確認したい内容は、次のとおりです。

確認項目内容
開業日開業後1年以上か
従業員数0名ではないか
申告書類青色申告決算書などを提出できるか
新事業内容既存事業と異なる取り組みか
資金力補助金入金まで立て替えられるか
事業実施体制1名体制でも実行可能か

個人事業主に近い規模でも、従業員1名を雇用し、事業実績があり、新事業を実行できる体制があれば検討余地があります。

新設法人

新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外です。

第4回公募要領では、新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外とされ、最低1期分の決算書の提出が必要とされています。

新設法人で注意したいケースは、次のとおりです。

ケース注意点
設立から1年未満対象外となる可能性が高い
まだ決算を迎えていない最低1期分の決算書提出が必要
個人事業から法人成りした個人事業の開業日や承継実態を確認
従業員1名を雇ったばかり従業員数だけでは判断できない
補助金のために法人化した対象者になるための変更と見られる可能性

従業員1名を雇用していても、創業後1年未満であれば対象外になる可能性があります。

事業実績と決算書類の有無を確認してから申請を検討することが大切です。

従業員1名でもケースごとに確認点が違う

従業員1名の事業者は、新事業進出補助金に申請できる可能性があります。
ただし、代表者だけの一人法人、従業員0名の個人事業主、新設法人などは対象外になりやすいです。
個人事業主や小規模法人でも、創業年数、従業員の雇用実態、決算書類、新事業の内容を満たせるかを確認する必要があります。

対象外となりやすいケース

新事業進出補助金では、従業員1名の事業者でも申請できる可能性がありますが、対象外となるケースも明確にあります。

特に、従業員数0名、新規設立・創業後1年未満、補助対象者になるために形式的に資本金や従業員数を変更したケースは注意が必要です。

申請前に対象外要件へ該当しないかを確認することで、準備の無駄や不支給リスクを避けやすくなります。

応募申請時点で従業員数が0名の事業者

最も注意すべき対象外ケースは、応募申請時点で従業員数が0名の事業者です。

第4回公募要領では、従業員数0名の事業者は対象外とされ、その理由として、企業規模の拡大や賃上げを目的とする制度であることが示されています。

従業員0名と判断されやすい状態は、次のとおりです。

状態注意点
役員のみの法人従業員がいないため対象外になりやすい
代表者だけの個人事業主常時使用する従業員がいなければ注意
外注先のみで運営業務委託は従業員ではない可能性
家族が無給で手伝う雇用実態がなければ従業員に含めにくい
採用予定だけ応募申請時点で0名なら対象外

「今後雇う予定がある」だけでは不十分です。応募申請時点で従業員数が0名ではないことが重要です。

新規設立・創業後1年に満たない事業者

新規設立・創業後1年に満たない事業者も対象外です。

公募要領では、創業間もない事業者は対象にならず、最低1期分の決算書の提出が必要とされています。

この要件は、従業員1名の事業者にも関係します。

たとえば、設立直後に従業員を1名雇ったとしても、創業後1年未満であれば申請できない可能性があります。

確認すべきポイントは、次のとおりです。

確認項目内容
設立日・開業日1年以上経過しているか
決算書最低1期分を提出できるか
確定申告書個人事業主の場合、申告書類があるか
法人成り個人事業からの承継として扱えるか
事業実績既存事業の実績を説明できるか

新事業進出補助金は、これから創業する人向けの創業補助金ではありません。

既存事業を持つ事業者が、新たな事業へ進出する制度として考える必要があります。

専ら対象者になるために従業員数等を変更した事業者

補助対象者になるためだけに資本金や従業員数などを変更したと見られる場合も注意が必要です。

公式FAQでは、補助対象者になることを目的に、資本金、従業員数、株式保有割合等を変更したと認められる場合、本事業の補助対象外となる可能性があるとされています。

従業員1名で申請を考える場合、たとえば申請直前に形式的に従業員を雇っただけのように見えると、制度趣旨に合わないと判断されるリスクがあります。

注意したい行為は、次のとおりです。

行為リスク
申請直前だけ従業員を雇う実態確認で問題になる可能性
業務実態のない雇用契約を作る虚偽申請と見られるリスク
資本金を形式的に変更する対象者になるための変更と判断される可能性
グループ会社の支配関係を一時的に変えるみなし大企業回避と見られる可能性
書類上だけ事業者要件を整える採択後や実績報告で問題になる可能性

従業員1名での申請では、雇用実態、給与支払い、事業実施体制が自然に説明できることが大切です。

制度のためだけに形式を整えるのではなく、実態に合った申請を行う必要があります。

対象外要件に該当しないか先に確認する

新事業進出補助金では、従業員0名、新規設立・創業後1年未満、補助対象者になるための形式的な変更などが対象外になりやすいケースです。
従業員1名で申請する場合も、単に人数を満たすだけでは不十分です。
雇用実態、創業年数、決算書類、資本金や支配関係の変更理由まで確認し、対象外要件に該当しない状態で申請することが重要です。

採択されやすい対象者の共通点

従業員1名で申請できる可能性があっても、採択されるには事業計画の中身が重要です。

新事業の内容が既存事業と明確に異なり、設備投資と事業計画に一貫性があり、賃上げや企業規模拡大の計画が現実的であることが求められます。

小規模事業者の場合、実行体制の弱さを不安視されやすいため、計画の具体性がより大切になります。

新事業の内容が既存事業と明確に異なる

採択されやすい事業計画では、既存事業と新事業の違いが明確です。

新事業進出補助金は、新製品または新サービスを新規顧客に提供する新たな挑戦を支援する制度であり、既存事業の単なる延長では弱くなります。

新事業性を示すには、次のような観点を整理します。

観点具体的に示す内容
既存事業これまで何を誰に提供してきたか
新事業新たに何を誰に提供するか
顧客層既存顧客と新規顧客の違い
提供価値新サービスの付加価値
収益構造どう売上・利益を作るか
市場性需要や競合状況

従業員1名の事業者では、事業の広がりを示しにくいことがあります。

だからこそ、どの市場に入り、どのように売上を伸ばすのかを具体的に書く必要があります。

設備投資と事業計画に一貫性がある

新事業進出補助金では、設備投資やシステム導入が新事業に必要であることを説明する必要があります。

単に「便利だから買う」「古くなったから更新する」ではなく、導入する設備が新事業の売上拡大や生産性向上にどうつながるかを示すことが重要です。

一貫性を確認するためには、次の表のように整理します。

設備・経費新事業での役割期待される効果
機械装置新商品の製造・加工生産量増加、品質向上
システム受注・顧客管理作業時間削減、販売管理強化
建物改修新サービス提供スペース新規顧客対応、売上拡大
広告宣伝新市場への販路開拓認知拡大、受注獲得
外注費専門業務の委託1名体制の不足補完

従業員1名の場合は、設備投資によって一人では対応しきれない業務をどう効率化するのか、外部パートナーをどう活用するのかも重要です。事業実施体制と投資内容をつなげて説明しましょう。

賃上げや企業規模拡大の計画が現実的である

新事業進出補助金は、企業規模の拡大や賃上げを目的とする制度です。

公募要領でも、従業員0名の事業者が対象外とされる理由として、企業規模の拡大や賃上げが制度目的であることが示されています。

従業員1名の小規模事業者では、賃上げ計画や人員計画が現実的かどうかが重要です。

給与を上げるだけでなく、その原資となる売上・利益をどう作るのかまで示す必要があります。

確認したい内容は、次のとおりです。

計画項目見るべきポイント
売上計画新事業で売上が増える根拠があるか
利益計画賃上げ後も利益が残るか
給与計画従業員1名の賃上げが可能か
採用計画事業拡大に応じて人員を増やせるか
外部委託1名体制の不足を補えるか
資金繰り補助金入金まで支払いを維持できるか

従業員1名でも、事業計画に説得力があれば申請の検討は可能です。

ただし、計画が大きすぎる場合は、実行体制とのバランスが見られます。

売上目標、賃上げ、人員体制を現実的に整えることが重要です。

従業員1名ほど計画の具体性が重要

従業員1名で申請する場合は、新事業の違い、設備投資の必要性、賃上げ計画の現実性を丁寧に示す必要があります。

小規模事業者でも対象になる可能性はありますが、実行体制が弱く見えやすいため、事業計画の具体性が重要です。

既存事業との差、新規顧客、投資効果、資金繰り、賃上げの根拠を一貫して説明できるようにしておきましょう。

従業員1名で申請する前に確認したい実務ポイント

従業員1名で新事業進出補助金を検討する場合、制度上の対象可否だけでなく、実務上の確認も欠かせません。

特に、その1名が常時使用する従業員に該当するか、賃上げ要件を満たせるか、自己資金や融資を含めた事業実施体制があるかは重要です。

従業員1名は申請の入口に立てる可能性がある一方、計画のブレが結果に直結しやすいため、事前準備を丁寧に行う必要があります。

常時使用する従業員に該当するか確認する

従業員1名で申請する場合、まず確認したいのは、その1名が制度上の従業員として扱えるかです。

役員、業務委託、外注先、単発アルバイトなどは、常時使用する従業員として扱えない可能性があります。

確認すべき雇用実態は、次のとおりです。

対象者従業員数への扱いで注意する点
正社員常時使用する従業員に該当しやすい
パート・アルバイト勤務実態や雇用契約を確認
役員従業員には含まれにくい
業務委託雇用関係がないため含めにくい
家族従業員給与支払いと雇用実態を確認
短期・単発スタッフ継続性がない場合は注意

従業員として説明するには、雇用契約、賃金台帳、給与明細、出勤簿などの資料が必要になることがあります。

申請時だけでなく、採択後の報告でも整合性が求められるため、実態に合った整理が必要です。

従業員数1名で賃上げ要件を満たせるか確認する

従業員1名の場合、賃上げ要件の影響が大きくなります。従業員が複数いる場合と違い、1名の給与変更がそのまま一人当たり給与支給総額や給与支給総額に影響するためです。

基本要件として、1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上増加、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上の水準などが示されています。

従業員1名で確認したいことは、次のとおりです。

確認項目内容
現在の給与水準地域別最低賃金+30円以上か
昇給余地3〜5年の計画で賃上げできるか
売上原資新事業で賃上げ分を吸収できるか
勤務時間時給・月給の計算に影響しないか
退職リスク1名が退職した場合の計画影響
採用予定事業拡大に合わせて増員できるか

小規模事業者では、賃上げ要件が実行可能かを甘く見ないことが重要です。

給与を上げる計画だけでなく、賃上げ後も利益を確保できる事業計画を作る必要があります。

自己資金・融資・事業実施体制を整理する

新事業進出補助金は後払いです。採択されても、すぐに補助金が入金されるわけではありません。

設備やシステムの契約、発注、支払いを先に進め、実績報告後に補助金が支給される流れになります。

従業員1名の事業者は、資金繰りと実施体制を特に丁寧に確認する必要があります。

確認項目内容
自己資金事業実施までに用意できる資金
融資金融機関から借入できるか
見積額補助対象経費と対象外経費の切り分け
支払時期補助金入金前に支払えるか
実施体制1名体制で新事業を回せるか
外注活用不足する業務を外部委託できるか
採択後手続き交付申請・実績報告に対応できるか

従業員1名でも、外注先や専門家、金融機関をうまく活用すれば事業実施体制を補強できます。

ただし、補助金申請書では、誰が何を担当し、どのように事業を進めるのかを説明できる状態にしておく必要があります。

1名体制では従業員性・賃上げ・資金繰りを先に見る

従業員1名で新事業進出補助金を申請する場合は、その1名が常時使用する従業員に該当するか、賃上げ要件を満たせるか、補助金入金まで資金繰りを維持できるかを確認する必要があります。
従業員1名は申請できる可能性がある一方、1名の給与や退職、勤務時間の変化が計画全体に影響します。
雇用実態、給与計画、実施体制を具体的に整理してから申請準備を進めましょう。

従業員1名でも対象になり得るが0名は申請できない

新事業進出補助金は、従業員1名の事業者でも申請できる可能性があります。

ただし、応募申請時点で従業員数0名の事業者は対象外です。

公募要領では、制度目的が企業規模の拡大や賃上げであることから、従業員0名の事業者は対象にならないとされています。

一人法人でも、役員のみで常時使用する従業員がいない場合は対象外になりやすいです。

公式FAQでも、役員のみの法人で常時使用する従業員がいない場合、応募申請時点で従業員数0名の事業者は補助対象外とされています。

最後に、従業員1名で申請前に確認したいポイントを整理します。

確認ポイント内容
従業員数応募申請時点で0名ではないか
従業員性役員・外注ではなく常時使用する従業員か
創業年数新規設立・創業後1年未満ではないか
決算書類最低1期分の決算書等を提出できるか
新事業性既存事業の延長ではないか
賃上げ要件給与支給総額や最低賃金+30円を満たせるか
資金繰り補助金入金まで立て替えられるか
実施体制1名体制でも新事業を実行できるか

従業員1名だからといって諦める必要はありません。

ただし、従業員0名との違い、雇用実態、賃上げ要件、資金計画の確認は必須です。

小規模事業者ほど、事業計画の具体性と実行可能性が重要になります。

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