MENU

新事業進出補助金で担保は必要?抵当権・根抵当権の違いと注意点を解説

新事業進出補助金を検討していると、「申請時に担保が必要なのか」「金融機関から融資を受ける場合、補助金で取得する建物や設備を担保に入れてよいのか」と迷うことがあります。

特に建物費や大型設備を含む申請では、補助金が入金される前に支払いが発生しやすく、融資と担保の話がセットになりがちです。

結論からいうと、新事業進出補助金の申請や交付そのものに、担保が必須になるわけではありません。

ただし、補助金で取得・整備した建物や設備を金融機関の担保に入れる場合は、補助金側のルールに沿った事前確認が必要です。

場合によっては、担保権設定に関する承認申請が必要になるため、金融機関の判断だけで進めるのは避けるべきです。

特に注意したいのが、抵当権と根抵当権の違いです。

抵当権は特定の借入に紐づく担保権ですが、補助金で取得した財産に設定する場合は、補助事業との関係や承認の要否を必ず確認する必要があります。一方、根抵当権は複数の取引や将来の借入まで広く担保する性質があるため、補助対象財産への設定は認められません。

なお、新事業進出補助金の担保に関する取り扱いは、公募回や年度、交付規程、事務局Q&Aの更新によって細部が変わる可能性があります。

実際に申請する際は、最新の公募要領・交付規程・補助事業の手引き・事務局Q&Aを確認したうえで、金融機関や専門家と調整することが大切です。

目次

新事業進出補助金で担保が関係する場面

新事業進出補助金で担保が関係するのは、主に融資を受ける場面と、補助金で取得・整備した財産を担保に入れる場面です。

補助金そのものは返済不要の資金ですが、入金は後になるため、補助事業の実施中に自己資金や金融機関からの借入で支払いをつなぐ必要があります。

建物の新築・改修、大型設備の導入、システム構築などは、先にまとまった支払いが発生しやすい投資です。

補助金が採択されたとしても、支払いに必要な資金を確保できなければ、補助事業を予定どおり進められません。

そこで金融機関から融資を受ける場合に、担保の話が出てきます。

補助金の申請や交付そのものに担保が必要なわけではない

新事業進出補助金を申請するために、担保を差し入れる必要があるわけではありません。

申請時に見られるのは、事業計画の内容、新事業としての要件、補助対象経費の妥当性、資金計画の実現性などです。

担保を出せるかどうかで応募資格が決まる制度ではありません。

ただし、補助金は採択後すぐに全額入金されるものではありません。

一般的には、補助事業を実施し、支払いを行い、実績報告などの手続きを経たあとに補助金が支払われます。

そのため、工事費や設備代金を先に支払う資金が必要になります。

担保の必要性は、次のように分けて考えると整理しやすくなります。

場面担保の考え方
補助金の応募申請担保が必須になるわけではない
交付決定担保を差し入れることで交付される制度ではない
補助事業の実施先に工事費や設備費の支払いが発生する
金融機関からの融資金融機関の判断で担保を求められる場合がある
補助資産への担保設定事前確認や承認申請が必要になる場合がある

つまり、担保が問題になるのは、補助金の入口ではなく、補助事業を実行するための資金調達の場面です。

「補助金に担保が必要なのか」と考えるより、「融資を受けるときに担保が必要になるか」「その担保が補助資産にあたるか」と分けて確認することが重要です。

実際の現場では、「採択されれば資金面は何とかなる」と考えてしまうケースがあります。しかし、建物工事や設備導入では、補助金が入る前に多額の支払いが発生します。

採択後に融資条件が合わない、担保設定が認められないと分かると、事業計画そのものに影響するため、申請前から資金調達の方針を固めておきましょう。

補助金で取得した建物や設備を担保に入れる場合は注意が必要

補助金で取得・整備した建物や設備は、事業者が自由に処分できる財産ではありません。

一定期間は、売却・廃棄・貸付・転用・担保設定などに制限がかかります。

こうした財産は処分制限財産として扱われるため、金融機関が求めたからといって、自己判断で担保に入れるのは危険です。

特に建物費を使う場合は注意が必要です。

建物は金融機関の担保として使われやすい資産ですが、補助金で整備した建物には補助金側の制限がかかります。

担保対象が補助対象財産にあたる場合は、処分制限期間内かどうか、担保設定が財産処分に該当するか、承認申請が必要かを確認しなければなりません。

補助資産を担保に入れる前に確認したい項目は、次の通りです。

確認項目内容
担保対象補助金で取得・整備する建物や設備か
処分制限財産売却・転用・担保設定などに制限がかかる財産か
処分制限期間担保設定時点で制限期間内か
借入目的補助事業の遂行に必要な資金調達か
担保権の種類抵当権か、根抵当権か
承認手続き事前確認・承認申請が必要か

金融機関から「この建物を担保に入れたい」と言われた場合でも、すぐに同意するのではなく、補助金側のルールと照らし合わせる必要があります。

特に根抵当権は補助資産への設定が認められないため、金融機関にも早めに共有しておくことが大切です。

担保は資金調達と補助資産の管理で問題になりやすい

新事業進出補助金では、申請や交付そのものに担保が必要なわけではありません。

担保が関係するのは、補助事業を進めるために融資を受ける場合や、補助金で取得した建物・設備を担保に入れる場合です。

補助対象財産を担保にする場合は、処分制限期間や承認申請の要否まで含めて確認する必要があります。

補助金の申請条件と金融機関の融資条件を分けて考えることが、担保まわりの誤解を防ぐ第一歩です。

抵当権と根抵当権の違い

新事業進出補助金で担保を考えるときは、抵当権と根抵当権の違いを押さえておく必要があります。

どちらも不動産などを担保にする仕組みですが、補助金で取得・整備した財産に対する扱いは同じではありません。

特に根抵当権は、補助対象財産への設定が認められないため、金融機関との打ち合わせで必ず確認したい項目です。

担保という言葉だけで見ると同じように感じますが、抵当権と根抵当権では、担保する借入の範囲が大きく異なります。

補助金では、補助事業に必要な借入かどうかを明確にする必要があるため、担保の種類はかなり重要です。

抵当権とは

抵当権とは、特定の借入金を担保するために、土地や建物などの財産に設定する権利です。

借入をした事業者が返済できなくなった場合、金融機関は担保に入っている不動産を処分し、貸付金の回収に充てることができます。

抵当権の特徴は、特定の借入と結びついていることです。たとえば、新事業で使う建物改修費のために3,000万円を借り、その借入に対して建物に抵当権を設定する、といった形です。

借入目的や金額が明確なため、補助事業との関係を説明しやすくなります。

ただし、ここで注意したいのは、抵当権だから補助金上そのまま設定できるわけではない点です。

補助金で取得・整備した財産に抵当権を設定する場合は、補助事業との関係、処分制限財産への該当、処分制限期間、承認申請の要否を必ず確認する必要があります。

項目抵当権の特徴
担保する借入特定の借入に紐づく
借入目的明確にしやすい
補助金との関係補助事業に必要な借入か確認が必要
注意点補助資産に設定する場合は事前確認・承認が必要になる場合がある

抵当権は、根抵当権より補助事業との関係を説明しやすい担保権です。

しかし、補助資産に設定する場合は、金融機関の融資条件だけでなく、補助金側の承認ルールも必ず確認しましょう。

根抵当権とは

根抵当権とは、一定の限度額の範囲内で、継続的な取引や複数の借入を担保する仕組みです。

事業者が金融機関と継続的に融資取引を行う場合、極度額を設定し、その範囲内で複数の債務をまとめて担保することがあります。

根抵当権は、追加融資や運転資金の取引に対応しやすい一方で、補助金との相性はよくありません。

補助事業に必要な借入だけでなく、別の借入や将来の取引まで担保する可能性があるため、補助対象財産に設定することは認められません。

項目根抵当権の特徴
担保する借入複数の借入や継続取引
金額極度額の範囲で変動し得る
補助事業との関係不明確になりやすい
補助金との関係補助対象財産への設定は認められない

金融機関側では、通常の事業融資として根抵当権を希望することがあります。

しかし、新事業進出補助金で取得する建物や設備に根抵当権を設定する前提では進められません。

金融機関に補助金のルールを共有し、抵当権や補助資産以外の担保で対応できるか相談する必要があります。

抵当権と根抵当権の違い

抵当権と根抵当権の違いは、担保する借入の範囲です。抵当権は特定の借入に対して設定されます。一方、根抵当権は一定の極度額内で、複数の借入や将来の取引まで担保します。

比較項目抵当権根抵当権
担保する債務特定の借入継続取引や複数の借入
借入目的明確にしやすい広くなりやすい
補助事業との関係説明しやすい不明確になりやすい
補助対象財産への設定事前確認・承認が必要認められない
金融機関との調整借入目的と担保対象を整理する別の担保方法を相談する

新事業進出補助金では、補助事業のために必要な資金調達かどうかが重要です。

抵当権であっても、補助事業と関係の薄い資金の担保に補助資産を使うのは避けるべきです。

根抵当権は、複数の借入を広く担保する性質があるため、補助対象財産には設定できません。

担保の種類で補助金上の扱いは変わる

抵当権と根抵当権は、どちらも担保権ですが、補助金上の扱いは同じではありません。

抵当権は特定の借入に紐づくため、補助事業との関係を説明しやすい一方、補助対象財産に設定する場合は事前確認や承認申請が必要になる場合があります。

根抵当権は複数の取引を広く担保するため、補助対象財産への設定は認められません。金融機関と話す際は、担保権の種類を必ず確認することが重要です。

新事業進出補助金における抵当権・根抵当権の扱い

新事業進出補助金では、補助金で取得・整備した財産に対して、自由に担保権を設定できません。

建物や設備は処分制限財産に該当する可能性があり、売却や転用だけでなく、担保設定にも制限がかかります。

ここで重要なのは、「抵当権なら設定できる」と簡単に考えないことです。

抵当権であっても、補助対象財産に設定する場合は、補助事業の遂行に必要な資金調達かどうか、事前承認が必要かどうかを確認する必要があります。根抵当権については、補助対象財産への設定は認められません。

根抵当権は原則として認められない

補助事業で取得・整備した施設や設備などに、根抵当権を設定することは認められません。

根抵当権は、将来の借入や複数の取引を広く担保する性質があるため、補助事業に必要な資金調達だけを担保しているとは言いにくいからです。

たとえば、新事業のために建物を新築し、その建物に金融機関が根抵当権を設定したいと求めた場合、そのまま進めるのは避けるべきです。

通常融資では自然な条件に見えても、補助対象財産では制度上の制限が優先されます。

根抵当権が問題になりやすい理由内容
借入範囲が広い補助事業以外の借入も担保する可能性がある
将来債務を含みやすい申請時点で取引内容を特定しにくい
補助事業との関係が曖昧何のための借入か説明しにくい
処分制限財産と相性が悪い補助資産を広く担保に使う形になる

また、処分制限期間内の補助対象財産に根抵当権を設定することは認められないため、単に金融機関が求めているという理由だけでは進められません。

補助金で取得・整備する建物や設備が担保対象に含まれる場合は、根抵当権ではなく、別の担保方法を検討する必要があります。

抵当権は条件付きで設定できる可能性がある

抵当権についても、「条件付きで認められる可能性がある」とだけ考えるのは危険です。

補助対象財産に抵当権を設定する場合は、補助事業の遂行に必要な資金調達であることを説明し、事前確認・必要に応じた承認申請を行うことが前提になります。

つまり、金融機関から抵当権を求められたとしても、補助金側でそのまま認められるとは限りません。

補助事業と関係のない借入、既存債務の保全、運転資金全般を担保するような形では、補助金の趣旨に合わない可能性があります。

抵当権を検討する際は、次の内容を整理しておきましょう。

整理項目内容
借入目的補助事業に必要な資金か
借入金額補助事業に必要な範囲か
担保対象補助対象財産か、補助資産以外か
処分制限期間担保設定時点で制限期間内か
担保権の種類抵当権であり、根抵当権ではないか
承認手続き事前確認や承認申請が必要か
返済計画補助金入金後も無理なく返済できるか

抵当権を設定できるかどうかは、金融機関だけで判断できるものではありません。

補助金の公募要領、交付規程、補助事業の手引き、事務局Q&Aを確認し、必要な手続きを踏むことが大切です。

担保設定には事前の確認や承認が必要

補助金で取得・整備した財産に担保権を設定する場合は、事前の確認や承認が必要です。

採択後に制限へ気づくと、融資実行や工事着工に影響することがあります。

担保設定を検討する場合は、次の流れで確認すると整理しやすくなります。

  1. 補助事業に必要な資金額を整理する
  2. 自己資金と融資予定額を確認する
  3. 金融機関に担保の必要性を確認する
  4. 担保対象が補助対象財産か確認する
  5. 処分制限期間や承認申請の要否を確認する
  6. 担保権の種類が抵当権か根抵当権か確認する
  7. 必要に応じて事前承認を受ける

担保権設定承認申請が必要な場合は、借入目的、担保対象、補助事業との関係、資金使途を説明できる状態にしておく必要があります。

金融機関から求められたからそのまま設定するのではなく、補助金側で認められる形かどうかを必ず確認しましょう。

根抵当権は不可、抵当権も事前確認が前提

新事業進出補助金では、補助対象財産への根抵当権設定は認められません。

一方、抵当権についても、自由に設定できるわけではなく、補助事業に必要な資金調達であることや、事前確認・承認申請の要否を確認することが前提です。

年度や公募回によって細部が変わる可能性もあるため、最新の公募要領・交付規程・事務局Q&Aを必ず確認しましょう。

担保の種類、補助対象財産への該当、処分制限期間、承認手続きをセットで見ることが重要です。

すでに根抵当権が設定されている場合の注意点

補助金で新たに建物を建てる場合、建設予定地にすでに根抵当権が設定されていることがあります。

過去の融資や継続的な事業取引のために、土地を金融機関の担保に入れているケースです。

この場合、土地だけでなく、将来建てる建物まで担保関係に含まれないかを確認する必要があります。

特に注意したいのが、追加担保差入条項です。

既存の根抵当権契約に、将来建てる建物を追加で担保に入れる内容が含まれていると、補助金で新築する建物が根抵当権の対象になる可能性があります。

補助対象財産に根抵当権が及ぶと、補助金のルールに抵触するおそれがあるため、申請前の確認が欠かせません。

根抵当権付きの土地に建物を新築する場合は注意する

土地に根抵当権があるからといって、必ず補助金申請ができないわけではありません。

問題になるのは、補助金で新築する建物まで根抵当権の対象になってしまう場合です。

土地と建物は別の不動産ですが、契約内容によっては、将来建てる建物を追加担保として差し入れるよう求められることがあります。

確認すべきポイントは次の通りです。

確認項目内容
土地の登記根抵当権が設定されているか
金融機関との契約追加担保に関する条項があるか
新築建物の扱い将来建物が担保対象になる可能性があるか
補助金との関係補助対象財産に根抵当権が及ばないか
対応方針担保対象の見直しや別担保を相談できるか

建物費を使う申請では、工事内容や見積額だけでなく、土地や担保の状況も確認しておきたいところです。

建設予定地の登記情報や金融機関との契約を早めに確認しておくと、申請後の手戻りを防ぎやすくなります。

追加担保差入条項の有無を確認する

追加担保差入条項とは、既存の担保契約に関連して、将来取得する財産や新たに建てる建物を追加で担保に差し入れることを求める条項です。

補助金で建物を新築する場合、この条項の有無は非常に重要です。

確認するときは、登記事項証明書だけでなく、金融機関との契約書や担保設定契約書まで見る必要があります。

登記だけでは、将来建物の追加担保に関する取り決めまで分からないことがあるためです。

確認資料見るべきポイント
登記事項証明書土地に根抵当権が設定されているか
金銭消費貸借契約書借入条件や担保の範囲
担保設定契約書将来建物の扱い
金融機関からの説明資料追加担保を求められていないか

この確認は、補助金の申請直前では遅い場合があります。土地の担保状況は、建物費の申請可否や資金調達に大きく影響します。

新築を予定しているなら、建築計画と同時に金融機関へ確認しておくと安心です。

既存の根抵当権は建物新築前に確認する

すでに根抵当権が設定されている土地に補助金で建物を新築する場合は、将来建物が追加担保の対象にならないかを確認する必要があります。

補助対象財産に根抵当権が及ぶと、申請や交付手続きに影響する可能性があります。登記情報だけでなく、金融機関との契約内容まで確認することが重要です。

根抵当権の解除方法と注意点

既存の根抵当権が補助金申請の支障になりそうな場合、解除や抹消を検討することがあります。

ただし、根抵当権の解除は事業者だけの判断で進められるものではありません。

借入残高、担保評価、金融機関の融資方針、今後の取引見込みなどが関係します。

また、根抵当権を抵当権へそのまま変更すれば解決する、と単純に考えるのも危険です。実務上は、根抵当権の抹消や新たな抵当権設定が必要になる場合があります。

登記手続きや金融機関内の確認にも時間がかかるため、申請期限直前に対応しようとすると間に合わない可能性があります。

根抵当権を解除する方法

根抵当権を解除する方法としては、債務の完済、金融機関との協議、担保の差し替え、極度額の見直し、抹消登記などが考えられます。

どの方法が使えるかは、現在の借入状況や契約内容によって異なります。

方法内容
債務を完済する借入残高を返済し、根抵当権の抹消を依頼する
担保を差し替える別の不動産や資産を担保にしてもらう
極度額を見直す担保範囲や金額の調整を相談する
抹消登記を行う金融機関の同意後、登記上の根抵当権を消す
融資条件を再調整する補助金ルールに合う条件へ見直す

根抵当権の解除は、金融機関の同意がなければ進みません。借入が残っている場合は、別担保や返済計画の見直しを求められることがあります。補助金に使うから外してほしいと伝えても、すぐ判断してもらえるとは限りません。

根抵当権は抵当権へそのまま変更できるとは限らない

根抵当権が問題になると、「抵当権に変えればよいのでは」と考えがちです。

しかし、根抵当権と抵当権は性質が違うため、単純な変更で対応できるとは限りません。

実務上は、根抵当権を抹消し、新たに抵当権を設定するような調整が必要になる場合があります。

抵当権への見直しを相談する際は、補助事業に必要な借入額、既存借入との区分、補助資産以外で担保にできる資産、金融機関側の条件、登記手続きにかかる時間を整理しておくと話が進めやすくなります。

補助事業に必要な借入だけを抵当権で担保する形にできれば、補助金ルールとの整合性を取りやすくなります。

ただし、その場合も補助対象財産への担保設定であれば、事前確認や承認申請の要否を確認しなければなりません。

解除には時間がかかるため早めに確認する

根抵当権の解除や抹消には時間がかかります。

金融機関内の確認、契約書の見直し、必要書類の準備、司法書士による登記手続きなど、複数の工程があるためです。

申請期限直前に問題が分かると、補助金申請に間に合わない可能性があります。

担保の確認は、事業計画書を書き終えてからではなく、資金計画を作る段階で行いましょう。

建物費を使う場合や、補助金で取得する設備を融資の担保に使う可能性がある場合は、早めに登記や契約書を確認しておくことが大切です。

根抵当権の解除は金融機関との調整が不可欠

根抵当権の解除や抹消は、事業者だけで簡単に決められるものではありません。

借入残高、担保評価、金融機関の融資方針、登記手続きが関係します。

根抵当権を抵当権へそのまま変更できるとも限らないため、補助金申請の直前ではなく、資金計画の段階で担保状況を確認することが重要です。

担保が必要か迷ったら金融機関に確認すべきこと

新事業進出補助金で担保が必要か迷った場合は、補助金制度だけで判断せず、金融機関の融資条件も確認する必要があります。

担保が必要になるかどうかは、補助金側ではなく、融資を行う金融機関の判断で決まる場面が多いためです。

補助金の申請や交付に担保が必須ではなくても、融資を受けるときに担保を求められる場合があります。

その担保対象が補助金で取得する建物や設備であれば、補助金上の制限とぶつかる可能性があります。申請前に確認しておけば、担保対象の変更や融資条件の見直しを早めに検討できます。

融資に担保が必要かを確認する

まず確認すべきなのは、補助事業に必要な融資に担保が必要かどうかです。

金融機関は、融資金額、財務状況、既存取引、担保余力、保証制度の利用有無などを踏まえて判断します。

確認項目内容
融資額必要資金に対していくら借りられるか
担保の要否不動産や設備を担保に求められるか
担保の種類抵当権か、根抵当権か
実行時期工事や設備発注に間に合うか
保証制度信用保証付き融資などで対応できるか

補助金は後払いのため、融資の実行時期も重要です。担保の有無だけでなく、支払いスケジュールと融資実行のタイミングも確認しておきましょう。

担保対象が補助金で取得する財産か確認する

次に、金融機関が求める担保対象が、補助金で取得・整備する財産かどうかを確認します。

補助金で建てる建物、改修する施設、導入する設備などを担保に入れる場合は、処分制限財産としての制限が関係します。

補助対象財産にあたる場合は、担保設定が財産処分に該当する可能性があります。

そのため、処分制限期間内か、事前承認が必要か、公募要領や交付規程でどのように扱われているかを確認する必要があります。

補助金を使わない既存不動産や別担保で融資条件を組めるなら、補助金ルールとの衝突を避けやすくなります。

金融機関と相談するときは、担保対象を「補助資産」と「補助資産以外」に分けて整理しておきましょう。

根抵当権ではなく抵当権で対応できるか相談する

金融機関から担保を求められた場合は、根抵当権ではなく抵当権で対応できるか相談しましょう。

補助金で取得・整備した財産に根抵当権を設定することは認められないため、根抵当権を前提にした融資条件では補助金と両立しにくくなります。

相談する際は、補助対象財産に根抵当権は設定できないこと、補助事業に必要な借入だけを切り分けたいこと、既存借入と新規借入を分けたいことを伝えると整理しやすくなります。

抵当権で対応する場合でも、補助金側の事前確認や承認申請が必要になる場合があるため、金融機関と補助金ルールを共有しながら進めましょう。

担保の必要性は金融機関と補助金ルールの両方で確認する

担保が必要かどうかは、補助金制度だけでは判断できません。

補助金の申請や交付に担保が必須ではなくても、融資を受ける金融機関から担保を求められる場合があります。

重要なのは、担保対象が補助対象財産にあたるか、根抵当権ではなく抵当権で対応できるか、承認手続きが必要かを早めに確認することです。

補助金と融資を両立させるためのポイント

新事業進出補助金を活用する際は、補助金と融資をセットで考える場面が多くあります。

補助金は返済不要の資金ですが、入金は後になるため、先に発生する支払いをどうまかなうかが重要です。

特に建物費や大型設備を含む申請では、融資を使わずに進めるのが難しいケースもあります。

担保の問題は、この資金繰りと密接に関係しています。

金融機関から融資を受ける際に担保を求められ、その担保が補助金で取得する建物や設備に関係する場合、補助金側の制限を確認しなければなりません。

補助金は後払いのため資金繰りを確認する

補助金は、交付決定後すぐに全額が入金されるものではありません。補助事業を実施し、支払いを行い、実績報告などの手続きを経たあとに補助金が支払われます。

そのため、事業者は先に工事費や設備費を支払う必要があります。

確認項目内容
補助対象経費どの費用を補助金対象として申請するか
自己負担額補助金でまかなえない金額はいくらか
先払い資金補助金入金前に必要な支払いはいくらか
融資予定額金融機関からいくら借りる必要があるか
返済原資投資後の売上や利益から返済できるか
入金時期補助金の受け取りまで資金が持つか

資金繰りが曖昧なままだと、採択後に支払いができない、融資条件が合わないといった問題が起こります。

担保の要否も、融資予定額や返済見通しとセットで確認しましょう。

金融機関に補助金の担保ルールを共有する

補助金と融資を両立させるには、金融機関に補助金の担保ルールを共有することが重要です。

金融機関は事業融資の専門家ですが、すべての担当者が新事業進出補助金の担保制限を細かく把握しているとは限りません。

共有すべき内容は、補助対象財産に根抵当権は設定できないこと、抵当権でも事前確認や承認申請が必要になる場合があること、補助金は後払いでつなぎ資金が必要になりやすいことです。

金融機関に相談する際は、補助金で取得する資産、借入目的、担保に入れたい資産を具体的に示しましょう。

また、制度の細部は年度や公募回で変わる可能性があります。

金融機関との相談時には、最新の公募要領・交付規程・補助事業の手引き・事務局Q&Aを確認しながら進めると、認識のズレを防ぎやすくなります。

補助金と融資は担保ルールを共有して進める

新事業進出補助金は後払いのため、補助事業を実施するには自己資金や融資の準備が必要になることがあります。

融資を受ける場合は、担保の要否や担保対象を早めに確認し、補助対象財産に関する制限を金融機関と共有しましょう。

補助金と融資を別々に考えず、資金計画として一体で整理することが失敗を防ぐポイントです。

まとめ|新事業進出補助金では担保そのものより担保設定の扱いが重要

新事業進出補助金では、申請や交付を受けるために担保が必須になるわけではありません。

ただし、補助事業を進めるために金融機関から融資を受ける場合や、補助金で取得・整備した建物や設備を担保に入れる場合は、補助金特有の制限に注意が必要です。

特に重要なのは、抵当権と根抵当権の違いです。

抵当権は特定の借入に紐づく担保権ですが、補助対象財産に設定する場合は、補助事業との関係や承認申請の要否を必ず確認する必要があります。

一方、根抵当権は補助対象財産への設定が認められません。

金融機関から根抵当権を求められた場合は、そのまま進めず、抵当権で対応できるか、補助資産以外の担保を使えるかを相談する必要があります。

確認すべきポイントは、申請時に担保が必須ではないこと、融資では金融機関から担保を求められる場合があること、補助対象財産への根抵当権は認められないこと、抵当権でも事前確認や承認申請が必要になる場合があることです。

担保の確認は、採択後に慌てて行うものではありません。

建物費を使う場合、融資を利用する場合、既存の土地や建物に根抵当権がある場合は、申請前から金融機関に確認しておくことが大切です。

公募要領・交付規程・補助事業の手引き・事務局Q&Aの最新情報を確認し、補助金のルールと融資条件をそろえておけば、採択後の資金調達や事業実施をスムーズに進めやすくなります。

この記事を書いた人

目次