2026年08月08日 更新

非化石証書とは?仕組みや種類、メリット・注意点をわかりやすく解説

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目次
  1. 非化石証書とは
  2. 非化石電源の環境価値を証書化したもの
  3. 環境価値とは
  4. 企業の脱炭素や再エネ利用の説明に活用される
  5. 非化石証書の仕組み
  6. 電気の価値と環境価値を分けて扱う
  7. 非化石電源で発電された電気に由来する
  8. 証書を購入することで環境価値を利用できる
  9. 非化石証書とグリーン電力証書・J-クレジットとの違い
  10. グリーン電力証書との違い
  11. J-クレジットとの違い
  12. 利用目的に応じて使い分ける
  13. 非化石証書の種類
  14. FIT非化石証書
  15. 非FIT非化石証書(再エネ指定あり)
  16. 非FIT非化石証書(再エネ指定なし)
  17. 非化石証書を購入するメリット
  18. 温暖化対策推進法への対応に活用できる
  19. RE100など脱炭素関連の取り組みに活用できる
  20. 企業やブランドイメージの向上につながる
  21. 非化石証書を使用する際の注意点
  22. 証書の種類や再エネ指定の有無を確認する
  23. 取引価格や調達コストが変動する
  24. 使用期限を確認する
  25. 非化石証書を購入する方法
  26. 電気と環境価値がセットになったメニューを導入する
  27. 非化石証書を直接購入する
  28. 購入方法ごとの費用や手間を比較する
  29. 2026年以降はトラッキング情報と報告用途を確認して選ぶ
  30. トラッキング情報で電源の属性を確認する
  31. RE100などで使う場合は要件を確認する
  32. 温対法・開示・取引先説明など用途に合わせて選ぶ
  33. 証明書類や対象年度を管理する
  34. まとめ:非化石証書とは非化石電源の環境価値を証書化したもの

非化石証書とは、非化石電源で発電された電気が持つ「環境価値」を証書化したものです。

石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料を使わない電源を指します。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーのほか、非化石電源に由来する電気が対象になります。

企業が脱炭素経営を進めるうえでは、実際に使う電気の量だけでなく、その電気が持つ環境価値をどう扱うかが重要です。

非化石証書を活用すると、電気の使用に環境価値を組み合わせ、CO2排出量削減や再エネ利用の取り組みに役立てられる場合があります。

ただし、非化石証書には複数の種類があります。

FIT非化石証書、非FIT非化石証書の再エネ指定あり、非FIT非化石証書の再エネ指定なしでは、使い道や意味合いが異なります。再エネとして説明したい場合は、証書の種類を確認することが大切です。

また、非化石証書はグリーン電力証書やJ-クレジットとも異なります。

どれも脱炭素に関係する制度ですが、対象となる価値や使い方が違います。

この記事では、非化石証書の意味、仕組み、種類、グリーン電力証書・J-クレジットとの違い、購入するメリット、使用時の注意点、購入方法をわかりやすく解説します。

あわせて、2026年以降に確認したいトラッキング情報や報告用途の考え方も紹介します。

電気に関するお悩みはお気軽にご相談ください。

非化石証書とは

非化石証書とは、非化石電源で発電された電気が持つ環境価値を証書化したものです。

電気そのものとは別に、CO2を排出しない、または排出量が少ない電源で発電されたことによる価値を扱います。

企業は非化石証書を活用することで、脱炭素への取り組みや再エネ利用を説明しやすくなります。

ただし、どの証書でも同じように使えるわけではありません。

種類や利用目的を確認する必要があります。

非化石電源の環境価値を証書化したもの

非化石証書は、非化石電源で発電された電気の環境価値を証書として切り出したものです。

電気には、実際に使えるエネルギーとしての価値があります。

これとは別に、化石燃料を使わずに発電されたことによる環境面の価値があります。

この環境価値を証書化したものが、非化石証書です。

非化石電源には、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーが含まれます。

また、非化石証書の種類によっては、再エネ以外の非化石電源に由来するものもあります。

そのため、非化石証書を使う際は「非化石」と「再エネ」を同じ意味で扱わないことが重要です。

再エネ利用として説明したい場合は、再エネ指定の有無を確認しましょう。

環境価値とは

環境価値とは、電気そのものとは別に、CO2を排出しない、または排出量が少ない電源で発電されたことによる価値です。

通常、電気は送配電網を通じて供給されます。

そのため、実際に使っている電気がどの発電所から来たものかを物理的に分けて使うことは難しい場合があります。

そこで重要になるのが、環境価値です。

電気そのものと環境価値を分けて扱うことで、企業は環境価値を購入し、自社の電力使用に組み合わせることができます。

たとえば、通常の電気を使用していても、非化石証書を組み合わせることで、実質的に非化石電源由来の環境価値を利用したと整理できる場合があります。

ただし、環境価値は正しく管理する必要があります。

同じ環境価値を複数の企業が主張すると、二重計上になる可能性があります。

企業の脱炭素や再エネ利用の説明に活用される

非化石証書は、企業の脱炭素や再エネ利用の説明に活用されます。

CO2排出量削減、温暖化対策推進法への対応、RE100などの取り組み、サステナビリティ開示などで使われる場合があります。

企業が電力使用に伴う排出量を減らしたい場合、再エネ電力メニューやPPA、自家消費型太陽光発電などを検討します。

非化石証書は、こうした再エネ調達の選択肢のひとつです。

特に、自社で太陽光発電設備を設置できない場合や、テナントで電力契約を自由に変更しにくい場合でも、環境価値を活用できる可能性があります。

ただし、非化石証書を購入すれば、どの用途にも使えるわけではありません。

温対法、RE100、取引先への説明、企業PRなど、利用目的ごとに求められる条件を確認しましょう。

非化石証書の仕組み

非化石証書は、電気の価値と環境価値を分けて扱う仕組みです。

企業は非化石証書を購入することで、電力使用に環境価値を組み合わせられます。

この仕組みにより、企業は実際の電力契約とは別に、環境価値を調達できる場合があります。

再エネ利用やCO2排出量削減の説明に活用しやすくなる点が特徴です。

電気の価値と環境価値を分けて扱う

非化石証書では、電気そのものの価値と環境価値を分けて扱います。

電気そのものの価値とは、照明や空調、設備を動かすためのエネルギーとしての価値です。

一方、環境価値は、その電気が非化石電源で発電されたことによる価値です。

この2つを分けることで、企業は電気の供給とは別に、環境価値を購入できるようになります。

たとえば、通常の電力契約を継続しながら、非化石証書を組み合わせる方法があります。

仕組みを整理すると、次のようになります。

項目内容
電気の価値実際に使うエネルギーとしての価値
環境価値非化石電源で発電されたことによる価値
非化石証書環境価値を証書化したもの
企業の活用排出量削減や再エネ利用の説明に使う

非化石証書は、電力の物理的な供給と環境価値を分けて考えるための制度です。

脱炭素対応では、この考え方を理解しておくことが大切です。

非化石電源で発電された電気に由来する

非化石証書は、非化石電源で発電された電気に由来します。

非化石電源とは、化石燃料を使わない電源です。

代表的なものには、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどがあります。

これらは再生可能エネルギーに分類されます。

一方で、非化石証書には「再エネ指定あり」と「再エネ指定なし」があります。

再エネ指定なしの場合、非化石電源由来ではあっても、再エネに限定されているわけではありません。

この違いは重要です。

企業が「再エネ電力を使っている」と説明したい場合、再エネ指定のある証書かどうかを確認する必要があります。

非化石証書は、脱炭素に活用できる便利な仕組みです。

しかし、証書の種類を理解せずに使うと、意図した説明ができない場合があります。

証書を購入することで環境価値を利用できる

企業は非化石証書を購入することで、環境価値を利用できます。

これにより、電力使用に伴うCO2排出量の削減や、再エネ利用の説明に活用できる場合があります。

たとえば、通常の電気を使っている企業でも、非化石証書を組み合わせることで、実質的に非化石電源の環境価値を利用したと整理できます。

ただし、証書を購入するだけでは不十分です。

どの年度の電力使用に充てるのか、対象電力量はいくらか、証明書類を保管しているかを管理する必要があります。

また、温対法やRE100などで使う場合は、それぞれの要件に合う証書であるか確認が必要です。

証書の種類、対象年度、環境価値の帰属、トラッキング情報などを整理しましょう。

非化石証書は、企業の脱炭素対応を支える手段です。

目的に合った証書を選び、根拠を示せる形で管理することが大切です。

非化石証書とグリーン電力証書・J-クレジットとの違い

非化石証書と似た制度に、グリーン電力証書やJ-クレジットがあります。

いずれも脱炭素や環境価値に関わる制度ですが、対象となる価値や使い道が異なります。

どれを使うべきかは、目的によって変わります。

再エネ電力の利用を示したいのか、CO2削減量を活用したいのか、制度対応に使いたいのかを整理しましょう。

グリーン電力証書との違い

グリーン電力証書は、再生可能エネルギーで発電された電気が持つ環境価値を証書化したものです。

太陽光、風力、水力、バイオマスなどの再エネ由来の価値を扱います。

非化石証書も環境価値を扱う点では似ています。

ただし、非化石証書は「非化石電源」由来の証書です。

種類によって、再エネ指定ありと再エネ指定なしがあります。

つまり、非化石証書は必ずしもすべてが再エネ由来として使えるわけではありません。

再エネとして主張したい場合は、再エネ指定のある非化石証書を選ぶ必要があります。

違いを簡単に整理すると、次のとおりです。

種類主な対象注意点
非化石証書非化石電源の環境価値再エネ指定の有無を確認する
グリーン電力証書再エネ電力の環境価値対象電源や用途を確認する

どちらも環境価値を扱いますが、制度や用途が異なります。

利用目的に合うかを確認しましょう。

J-クレジットとの違い

J-クレジットは、省エネ設備の導入や森林管理などによるCO2削減量・吸収量を国が認証する制度です。

非化石証書とは、対象となる価値が異なります。

非化石証書は、電気の環境価値に関する証書です。

一方、J-クレジットは、削減・吸収されたCO2量をクレジットとして扱います。

たとえば、省エネ設備を導入してCO2排出量を削減した場合や、森林管理によってCO2吸収量を増やした場合などに、J-クレジットが関係します。

違いを整理すると、次のようになります。

種類対象主な使い方
非化石証書非化石電源の環境価値電力使用の脱炭素化、再エネ利用の説明
J-クレジットCO2削減量・吸収量排出量の相殺、削減活動の活用
グリーン電力証書再エネ電力の環境価値再エネ利用の説明

非化石証書とJ-クレジットは、どちらも脱炭素に使われます。

しかし、電気の環境価値を扱うのか、CO2削減量・吸収量を扱うのかが異なります。

利用目的に応じて使い分ける

非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジットは、利用目的に応じて使い分ける必要があります。

たとえば、自社の使用電力を実質的に再エネ化したい場合は、非化石証書やグリーン電力証書が選択肢になります。

CO2排出量を相殺したい場合は、J-クレジットが候補になります。

また、温対法対応、RE100、企業PR、取引先への説明など、用途によって求められる要件が異なる場合があります。

確認したい項目は、次のとおりです。

  • 何の目的で使うのか
  • 再エネとして主張したいのか
  • CO2削減量として扱いたいのか
  • 対象年度に合っているか
  • 証明書類を取得できるか
  • 報告や開示に使えるか

制度名だけで選ぶのではなく、自社の目的に合うかを確認することが重要です。

非化石証書の種類

非化石証書には、主にFIT非化石証書、非FIT非化石証書の再エネ指定あり、非FIT非化石証書の再エネ指定なしがあります。

同じ非化石証書でも、由来する電源や使い道が異なります。

特に、再エネとして説明したい場合は、再エネ指定の有無を確認しましょう。

FIT非化石証書

FIT非化石証書は、FIT制度で買い取られた再生可能エネルギー電源に由来する非化石証書です。

FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電された電気を、一定価格で買い取る制度です。

太陽光や風力などの再エネ普及を支える仕組みとして使われてきました。

FIT非化石証書は、再エネ由来の環境価値を活用したい企業にとって選択肢になります。

企業の脱炭素や再エネ利用の説明に使われる場合があります。

ただし、利用目的によっては、トラッキング情報や対象年度などの確認が必要です。

特に、RE100などで活用する場合は、要件に合っているかを確認しましょう。

非FIT非化石証書(再エネ指定あり)

非FIT非化石証書の再エネ指定ありは、FIT制度に依存しない再生可能エネルギー電源に由来する証書です。

再エネ指定ありのため、再エネ由来の環境価値として活用しやすい点が特徴です。

企業が再エネ利用を説明したい場合に、重要な選択肢になります。

FIT制度による電源ではなく、非FITの再エネ電源に由来するため、企業の再エネ調達や脱炭素対応で検討されることがあります。

ただし、購入前には、対象電源、発電種別、対象年度、利用目的への適合性を確認しましょう。

証書の名称だけで判断せず、自社の報告や開示に使えるかを見ることが大切です。

非FIT非化石証書(再エネ指定なし)

非FIT非化石証書の再エネ指定なしは、非化石電源由来ではあるものの、再エネに限定されない証書です。

ここが注意点です。

非化石証書という名前であっても、再エネ指定がない場合は、再エネ電力として説明する用途に合わない可能性があります。

企業が「再エネを使っている」と示したい場合は、再エネ指定ありの証書かどうかを確認する必要があります。

温対法や社内管理など、用途によっては活用できる場合もありますが、目的に応じた判断が必要です。

3種類の違いを整理すると、次のようになります。

種類主な特徴確認ポイント
FIT非化石証書FIT再エネ電源に由来トラッキング情報や用途を確認
非FIT非化石証書(再エネ指定あり)非FIT再エネ電源に由来再エネ利用の説明に使いやすい
非FIT非化石証書(再エネ指定なし)非化石電源由来だが再エネ限定ではない再エネ主張には注意が必要

非化石証書を選ぶ際は、価格だけでなく、証書の種類と使い道を確認しましょう。

非化石証書を購入するメリット

非化石証書を購入するメリットは、温暖化対策推進法への対応、RE100など脱炭素関連の取り組みへの活用、企業やブランドイメージの向上につながることです。

自社で再エネ設備を持たない企業でも、環境価値を調達できる点が特徴です。

脱炭素の第一歩としても検討しやすい方法です。

温暖化対策推進法への対応に活用できる

非化石証書は、温暖化対策推進法に基づく報告や排出量算定で活用できる場合があります。

企業が電力使用に伴うCO2排出量を把握し、削減の取り組みを示す際に役立ちます。

温暖化対策推進法では、一定規模以上の事業者に温室効果ガス排出量の算定・報告が求められます。

非化石証書を活用することで、電力使用に伴う排出量の調整に使える場合があります。

ただし、どの証書でも同じように使えるわけではありません。

対象年度、証書の種類、算定方法、報告ルールを確認する必要があります。

自社の報告に使う場合は、証明書類を保管し、対象電力量や使用年度を明確にしておきましょう。

RE100など脱炭素関連の取り組みに活用できる

非化石証書は、RE100など脱炭素関連の取り組みに活用される場合があります。

企業が使用電力を再エネ化したい場合、非化石証書は重要な選択肢になります。

RE100では、企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指します。

そのため、非化石証書を活用する場合も、再エネ由来として認められるか、トラッキング情報があるかなどを確認する必要があります。

また、取引先から再エネ利用状況を聞かれる場合にも、非化石証書の活用が説明材料になることがあります。

ただし、RE100や取引先報告では、求められる条件が異なる場合があります。

証書の種類、再エネ指定の有無、発電所情報、対象年度などを整理しておくことが大切です。

企業やブランドイメージの向上につながる

非化石証書を活用することで、再エネ利用や脱炭素への取り組みを社外に示しやすくなります。

顧客、取引先、投資家に対して、環境対応を進めていることを説明できます。

特に、脱炭素経営やESG対応が重視されるなかで、環境価値を調達していることは企業姿勢を示す材料になります。

ただし、イメージ向上だけを目的にすると危険です。

実態や根拠が不十分なまま「再エネを使っています」と発信すると、誤解を招く可能性があります。

発信する際は、どの種類の証書を、どの年度に、どれだけ購入したのかを説明できる状態にしておきましょう。

環境価値の根拠を示すことで、信頼性のある情報発信につながります。

非化石証書を使用する際の注意点

非化石証書を使用する際は、証書の種類や再エネ指定の有無、取引価格や調達コスト、使用期限を確認する必要があります。

証書の選び方を間違えると、目的の報告や開示に使いにくい場合があります。

購入前に、利用目的と必要条件を整理しましょう。

証書の種類や再エネ指定の有無を確認する

非化石証書には複数の種類があります。

再エネとして主張したい場合は、再エネ指定の有無が特に重要です。

非化石証書は「化石燃料を使わない電源」に由来する証書ですが、すべてが再エネ由来とは限りません。

非FIT非化石証書の再エネ指定なしは、再エネとして説明したい用途には合わない可能性があります。

確認したい項目は、次のとおりです。

確認項目内容
証書の種類FITか非FITか
再エネ指定再エネ由来として使えるか
対象年度使用したい年度に合うか
利用目的温対法、RE100、企業PRなどに合うか
証明書類報告時に根拠を示せるか

購入前に、どの用途で使うのかを明確にしておきましょう。

取引価格や調達コストが変動する

非化石証書の取引価格や調達コストは、市場や需給によって変動します。

購入時期、証書の種類、調達方法によって費用が変わる場合があります。

非化石証書を継続的に活用する場合、単年度の価格だけでなく、将来の調達コストも考える必要があります。

価格が上昇すると、再エネ化にかかる費用が想定より大きくなる可能性があります。

また、購入方法によって手数料や管理コストが発生する場合もあります。

電力メニューに含まれる形で調達するのか、直接購入するのかによって、手間や費用は変わります。

導入前には、次の点を確認しましょう。

  • 証書の単価
  • 必要な購入量
  • 手数料や管理費
  • 継続購入のしやすさ
  • 予算との整合性

非化石証書は、環境価値を比較的柔軟に調達できる手段です。

ただし、コストの変動リスクは見ておく必要があります。

使用期限を確認する

非化石証書には、使用できる対象年度や期限があります。

購入した証書が、使いたい報告年度に合っているかを確認しましょう。

たとえば、ある年度の電力使用量に対して証書を使いたい場合、対象年度がずれていると活用しにくくなる可能性があります。

また、証書を購入しただけで安心せず、どの年度のどの電力量に使ったのかを記録することが大切です。

後から報告や開示で確認が必要になる場合があります。

管理しておきたい情報は、次のとおりです。

  • 証書の対象年度
  • 購入量
  • 対象とする電力使用量
  • 使用する拠点
  • 証明書類
  • 報告・開示に使った内容

非化石証書は、購入後の管理も重要です。

証書の期限や対象範囲を整理し、根拠を示せる状態にしておきましょう。

非化石証書を購入する方法

非化石証書を購入する方法には、電気と環境価値がセットになったメニューを導入する方法、非化石証書を直接購入する方法があります。

どの方法がよいかは、自社の目的や体制によって異なります。

手続きのしやすさ、費用、管理負担、報告への使いやすさを比較しましょう。

電気と環境価値がセットになったメニューを導入する

非化石証書を活用する方法のひとつが、電力会社の再エネ電力メニューや実質再エネメニューを導入する方法です。

この方法では、電気と環境価値がセットになっているため、企業側の手続きが比較的シンプルです。

自社で証書を個別に購入・管理する負担を抑えやすい点がメリットです。

複数拠点で電気を使っている企業でも、電力契約を見直すことで実質再エネ化を進められる場合があります。

ただし、メニューの内容は確認が必要です。

どの証書が使われているのか、再エネ指定があるのか、対象年度や証明書類はどうなるのかを見ておきましょう。

電力メニューを導入する際は、料金だけでなく、環境価値の中身まで確認することが大切です。

非化石証書を直接購入する

一定の条件を満たす電力ユーザーは、非化石証書を直接購入する方法もあります。

自社で必要な量を調達し、電力使用に組み合わせる方法です。

直接購入のメリットは、証書の種類や購入量を自社で調整しやすいことです。

利用目的に合わせて、必要な証書を選びやすくなります。

一方で、制度の理解や手続き、証書管理が必要です。

対象年度、購入量、利用目的、証明書類などを自社で管理しなければなりません。

直接購入が向いているのは、社内にエネルギー管理やサステナビリティ担当があり、証書の管理体制を整えられる企業です。

初めて非化石証書を活用する場合は、電力会社や専門事業者に相談しながら進めると安心です。

購入方法ごとの費用や手間を比較する

非化石証書を購入する方法を選ぶ際は、費用や手間を比較しましょう。

電力メニューを利用する方法と直接購入する方法では、管理負担が異なります。

比較すると、次のようになります。

購入方法メリット注意点
電力メニューを導入手続きが比較的簡単証書の中身を確認する必要がある
直接購入証書の種類や量を調整しやすい制度理解や管理体制が必要
専門事業者に相談自社に合う方法を選びやすい手数料や契約条件を確認する

重要なのは、購入しやすさだけで判断しないことです。

温対法、RE100、企業PR、取引先報告など、自社の利用目的に合っているかを確認しましょう。

また、継続的に使う場合は、毎年どのように証書を調達し、管理するかも考える必要があります。

単年度の対応で終わらせず、社内の脱炭素計画に組み込むことが大切です。

2026年以降はトラッキング情報と報告用途を確認して選ぶ

2026年以降に非化石証書を活用する場合は、トラッキング情報と報告用途を確認して選ぶことが重要です。

トラッキング情報とは、証書がどの発電所や電源に由来するかを示す属性情報です。

企業が再エネ利用や脱炭素への取り組みを説明する際、根拠として重要になります。

トラッキング情報で電源の属性を確認する

トラッキング情報では、発電種別、発電所名、所在地などの属性を確認できます。

これにより、どの電源に由来する環境価値なのかを説明しやすくなります。

たとえば、太陽光由来なのか、風力由来なのか、どの地域の発電所なのかといった情報が確認できる場合があります。

企業がサステナビリティ開示や取引先への説明に使う場合、こうした情報は重要です。

単に「証書を購入した」と言うだけでなく、どのような環境価値を調達したのかを示せるためです。

ただし、必要なトラッキング情報は利用目的によって異なります。

RE100、温対法、企業PR、取引先報告など、それぞれに合う情報を確認しましょう。

RE100などで使う場合は要件を確認する

非化石証書をRE100などで活用する場合は、要件を確認する必要があります。

証書の種類やトラッキング情報、電源の属性が条件に合っていないと、目的通りに使えない場合があります。

特に、再エネ電力として主張する場合は、再エネ指定の有無が重要です。

また、発電所情報や対象年度が確認できるかも見ておきたいポイントです。

RE100以外でも、取引先が独自の基準を設けている場合があります。

たとえば、再エネ指定ありの証書を求める、トラッキング情報付きの証書を求める、対象年度を指定するなどです。

証書を購入する前に、何に使うのかを明確にしましょう。

目的に合わない証書を購入すると、報告や開示で使いにくくなる可能性があります。

温対法・開示・取引先説明など用途に合わせて選ぶ

非化石証書は、利用目的に合わせて選ぶことが大切です。

温対法対応、サステナビリティ開示、取引先説明、企業PRでは、確認すべき内容が少しずつ異なります。

用途別の確認ポイントは、次のとおりです。

用途確認ポイント
温対法対応算定・報告に使える証書か
RE100対応再エネ指定やトラッキング情報が要件に合うか
取引先説明証明書類や対象年度を示せるか
企業PR誤解のない表現で説明できるか
社内管理購入量や使用量を継続管理できるか

非化石証書は便利な制度ですが、用途に合わなければ効果的に活用できません。

目的に合った証書を選び、根拠を整理しておくことが重要です。

証明書類や対象年度を管理する

非化石証書を活用するには、証明書類や対象年度の管理が欠かせません。

購入した証書をどの電力使用量に充てたのかを整理しておく必要があります。

管理が不十分だと、後から取引先や監査、社内確認で説明できなくなる可能性があります。

特に、複数拠点で電力を使う企業は注意が必要です。

管理しておきたい項目は、次のとおりです。

  • 証書の種類
  • 購入量
  • 対象年度
  • 対象拠点
  • 対象電力量
  • トラッキング情報
  • 証明書類
  • 報告・開示での使用状況

非化石証書は、購入して終わりではありません。

使い方と管理まで含めて、企業の脱炭素対応に組み込むことが大切です。

まとめ:非化石証書とは非化石電源の環境価値を証書化したもの

非化石証書とは、非化石電源で発電された電気が持つ環境価値を証書化したものです。

電気そのものの価値と、CO2を排出しない・排出量が少ないという環境価値を分けて扱う仕組みです。

非化石証書は、企業の脱炭素、再エネ調達、温暖化対策推進法への対応、RE100などに活用できる場合があります。

通常の電力使用に環境価値を組み合わせることで、実質的な再エネ利用や排出量削減の説明に役立てられます。

非化石証書には、FIT非化石証書、非FIT非化石証書の再エネ指定あり、非FIT非化石証書の再エネ指定なしがあります。

再エネとして説明したい場合は、再エネ指定の有無を確認することが重要です。

また、非化石証書はグリーン電力証書やJ-クレジットとは異なります。

グリーン電力証書は再エネ電力の環境価値、J-クレジットはCO2削減量・吸収量を扱います。

利用目的に応じて使い分けましょう。

非化石証書を購入するメリットは、温対法対応、RE100など脱炭素関連の取り組みへの活用、企業やブランドイメージの向上につながることです。

一方で、証書の種類、再エネ指定の有無、取引価格、使用期限には注意が必要です。

購入方法には、電気と環境価値がセットになったメニューを導入する方法や、非化石証書を直接購入する方法があります。

費用、手続き、管理負担、報告用途への適合性を比較して選ぶことが大切です。

2026年以降は、トラッキング情報と報告用途の確認も重要になります。

発電種別、発電所名、所在地などを確認し、RE100、温対法、取引先説明、企業PRなどの目的に合う証書を選びましょう。

非化石証書は、企業が環境価値を調達し、脱炭素や再エネ利用を説明するための重要な手段です。

購入して終わりではなく、対象年度、対象電力量、証明書類まで管理し、根拠ある脱炭素対応につなげましょう。

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