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非常電源専用受電設備とは?仕組みや設置基準、認定キュービクルとの違いを解説

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執筆 中小企業のチカラ編集部 監修 三浦 健一 (ITコーディネータ / 情報処理安全確保支援士)

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非常電源専用受電設備とは、火災などの非常時に消防用設備等へ電力を供給するための非常電源の一つです。

 

消防用設備等には、火災時に確実に作動しなければならない設備があります。

 

たとえば、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、排煙設備、非常コンセント設備などです。

 

これらの設備は、通常の電源が使えない状況でも動かせるようにしておく必要があります。

 

そのために設けられる非常電源の一つが、非常電源専用受電設備です。

 

非常電源には、非常電源専用受電設備のほか、自家発電設備や蓄電池設備などがあります。

 

電源の確保方法や適した用途はそれぞれ異なるため、建物の用途や消防用設備の種類に応じて選定しましょう。

 

非常電源専用受電設備は、発電機のように建物内で電気をつくる設備ではありません。

 

また、蓄電池のように電気をためておく機能も持ちません。

 

電力会社からの受電を前提に、消防用設備等へ非常用の電源を供給する設備です。

 

この記事では、非常電源専用受電設備の意味、構造や設置場所、高圧・低圧で受電する場合の違い、認定キュービクルや告示7号適合キュービクルとの違いを解説します。

 

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非常電源専用受電設備とは

 

非常電源専用受電設備とは、消防用設備等に電源を供給するための非常電源の一つです。

 

火災などの非常時でも、必要な消防用設備等が作動できるようにするために設けられます。

 

自家発電設備や蓄電池設備とは異なり、電力会社からの受電を前提とする点が特徴です。

 

消防用設備等に電源を供給する非常電源の一つ

非常電源専用受電設備は、消防用設備等に電源を供給するための設備です。

 

建物には、火災時に作動しなければならない設備があります。

 

これらの設備が停電や電源遮断によって動かなくなると、消火活動や避難に支障が出るおそれがあるため、注意が必要です。

 

そのため、消防用設備等には非常電源が求められる場合があります。

 

非常電源の種類には、主に以下があります。

 

  • 非常電源専用受電設備
  • 自家発電設備
  • 蓄電池設備
  • 燃料電池設備

 

非常電源専用受電設備は、このうちの一つです。

 

消防用設備等に必要な電源を、専用の受電設備として確保します。

 

ただし、すべての消防用設備等に非常電源専用受電設備を使えるわけではありません。

 

設備の種類、建物の用途、規模、設置条件によって、求められる非常電源の種類が変わる場合があります。

 

そのため、実際に採用する際は、消防法令や技術基準を確認することが重要です。

 

あわせて、所轄消防署や電気設備設計者への確認も欠かせません。

 

電力会社からの受電を前提とする設備

非常電源専用受電設備は、電力会社からの受電を前提とする設備です。

 

この点で、自家発電設備や蓄電池設備と大きく異なります。

 

自家発電設備は、発電機を使って建物側で電気をつくります。

 

蓄電池設備では、あらかじめためておいた電気を非常時に供給する仕組みです。

 

一方、非常電源専用受電設備は、電力会社から受けた電気を非常用として消防用設備等に供給する設備です。

 

建物内で電気をつくるわけではありません。

 

違いを簡単に整理すると、以下のようになります。

 

非常電源の種類 電源の確保方法 主な特徴
非常電源専用受電設備 電力会社から受電する 受電設備を非常用として確保する
自家発電設備 発電機で発電する 停電時にも自力で発電できる
蓄電池設備 電気をためておく 瞬時の電源供給に向いている

 

非常電源専用受電設備は、受電が維持されていることを前提にした設備です。

 

そのため、建物全体の停電や受電停止時にどこまで対応できるかは、設計段階で確認する必要があります。

 

停電時の継続性が特に重要な建物では、自家発電設備や蓄電池設備との比較も検討しましょう。

 

非常電源専用受電設備の構造と設置場所

非常電源専用受電設備は、火災時でも消防用設備等へ電力を供給するための設備です。

 

そのため、構造や設置場所には安全性が求められます。

 

火災の影響を受けにくいこと、点検や操作がしやすいことが重要です。

 

火災の影響を受けにくい構造が求められる

非常電源専用受電設備には、火災の影響を受けにくい構造が求められます。

 

火災時に消防用設備等へ電力を供給する設備である以上、火災によってすぐに機能を失う構造では意味がありません。

 

そのため、機器を収納する箱体、配線、区画などに配慮する必要があります。

 

確認したい主なポイントは以下です。

 

  • 機器を収納する箱体の構造
  • 防火性能や耐火性
  • 配線経路の保護
  • 非常電源回路の独立性
  • 他の回路から遮断されない構成
  • 火災の影響を受けにくい配置
  • 保守点検ができる構造

 

特に重要なのは、非常電源回路が他の回路の遮断器などによって不用意に遮断されないことです。

 

消防用設備等へ確実に電力を供給できる構成にする必要があります。

 

また、配線経路も重要です。

 

設備本体だけでなく、消防用設備等までの配線が火災の影響を受けやすい場所を通っていないかも確認しましょう。

 

非常電源専用受電設備は、単に受電設備を設置すればよいものではありません。

 

非常時に機能することを前提に、構造と回路を計画することが大切です。

 

点検しやすく安全な場所に設置する必要がある

非常電源専用受電設備は、点検しやすく安全な場所に設置する必要があります。

 

非常時に使う設備であっても、日常的な点検や保守ができなければ、いざというときに正常に機能しないおそれがあるためです。

 

そのため、設置場所の選定は非常に重要です。

 

設置場所で確認したいポイントは以下です。

 

  • 火災の影響を受けにくい場所か
  • 水損や浸水のリスクが低いか
  • 点検や操作がしやすいか
  • 周囲に必要なスペースがあるか
  • 他の設備や荷物でふさがれないか
  • 保守作業員が安全に近づけるか
  • 配線経路を確保できるか

 

屋内に設置する場合は、区画や周囲の不燃性に注意が必要です。

 

屋外に設置する場合は、周囲との離隔、雨水、塩害、浸水、衝突リスクなども確認します。

 

また、設備の前に物を置いてしまうと、点検や操作ができなくなります。

 

非常時に操作できない配置は避けなければなりません。

 

非常電源専用受電設備は、設置して終わりではありません。

 

設置後も点検できる状態を維持することが重要です。

 

高圧又は特別高圧で受電する非常電源専用受電設備

 

高圧又は特別高圧で受電する場合、キュービクル式非常電源専用受電設備として設けるケースがあります。

 

キュービクルとは、受電設備を金属製の箱体に収納した設備です。

 

非常電源専用受電設備として使用する場合は、消防庁告示第7号などの基準を確認する必要があります。

 

キュービクル式非常電源専用受電設備として設ける

高圧又は特別高圧で受電する場合、非常電源専用受電設備はキュービクル式として設けられることがあります。

 

キュービクル式とは、受電に必要な機器を金属製の箱体に収納した方式です。

 

高圧受電設備として、建物や施設で広く使われています。

 

非常電源専用受電設備として設ける場合、消防用設備等へ電力を供給するための非常電源として機能する必要があります。

 

キュービクル内には、以下のような機器が収納されます。

 

  • 断路器
  • 遮断器
  • 変圧器
  • 保護装置
  • 計器類
  • 配線用機器
  • 開閉器類

 

ただし、一般的なキュービクルを設置すれば、非常電源専用受電設備になるわけではありません。

 

非常電源として必要な構造や性能を満たしているか、確認しましょう。

 

また、非常電源専用として使う場合は、非常電源回路が他の一般回路の影響を受けないようにすることが重要です。

 

消防用設備等へ確実に電源を供給できる構成になっているかを確認しましょう。

 

消防庁告示第7号などの基準を確認する

高圧又は特別高圧で受電するキュービクル式非常電源専用受電設備では、消防庁告示第7号などの基準を確認する必要があります。

 

消防庁告示第7号では、キュービクル式非常電源専用受電設備の構造や性能に関する基準が定められています。

 

そのため、設計や選定の際には、基準に適合しているかを確認しなければなりません。

 

確認したいポイントは以下です。

 

  • 告示基準に適合しているか
  • 認定品かどうか
  • 認定銘板を確認できるか
  • 設置場所が基準に合っているか
  • 非常電源回路の構成が適切か
  • 保守点検できる構造か
  • 所轄消防署の確認を受けられるか

 

特に、消防検査や設計協議では、認定品かどうか、告示基準に適合しているかが確認されることがあります。

 

メーカー資料だけで判断せず、認定銘板や仕様書、図面で確認することが重要です。

 

また、所轄消防署によって確認の進め方が異なる場合もあります。

 

設計段階で、電気設備設計者やメーカー、所轄消防署と協議しておくと、後の手戻りを防ぎやすくなります。

 

 

低圧で受電する非常電源専用受電設備

低圧で受電する非常電源専用受電設備は、配電盤や分電盤を用いて構成されます。

 

高圧受電のキュービクル式とは異なり、低圧用の盤として設ける点が特徴です。

 

設置場所や耐火性能に応じて、第1種配電盤等・第2種配電盤等の区分を確認する必要があります。

 

配電盤や分電盤を用いて構成される

低圧で受電する非常電源専用受電設備は、配電盤や分電盤などを用いて構成されます。

 

低圧で受電した電気を、消防用設備等へ供給するための設備です。

 

開閉器、過電流保護器、計器、配線用機器などを盤内に収納します。

 

主に確認したい機器や構成は以下です。

 

  • 配電盤
  • 分電盤
  • 開閉器
  • 過電流保護器
  • 計器類
  • 配線用遮断器
  • 非常電源回路
  • 消防用設備等への配線

 

低圧で受電する場合でも、非常電源としての機能を確保する必要があります。

 

一般回路と混在して、非常電源回路が遮断されるような構成は避けなければなりません。

 

また、設置場所も重要です。

 

火災の影響を受けにくく、点検しやすい場所に設置する必要があります。

 

低圧だからといって、基準確認が不要になるわけではありません。

 

消防用設備等へ確実に電源を供給できる構成になっているかを確認しましょう。

 

第1種配電盤等・第2種配電盤等の区分を確認する

低圧で受電する非常電源専用受電設備では、第1種配電盤等・第2種配電盤等の区分を確認する必要があります。

 

これらは、設置場所や耐火性能などに応じて区分されます。

 

必要な区分は、建物条件や設置する消防用設備等に応じて確認することが大切です。

 

確認したいポイントは以下です。

 

  • 第1種配電盤等に該当するか
  • 第2種配電盤等に該当するか
  • 設置場所の条件
  • 耐火性能の要件
  • 火災時の影響を受けにくい構造か
  • 消防用設備等への供給に適しているか

 

第1種配電盤等と第2種配電盤等では、求められる性能や設置条件が異なります。

 

そのため、どちらでもよいと安易に判断するのは避けましょう。

 

建物用途、設置場所、消防用設備等の種類を整理したうえで、必要な仕様を確認することが大切です。

 

既存建物の改修では、現在の盤が必要な区分に適合しているかも確認しましょう。

 

図面上では問題がないように見えても、実際の設置環境が条件を満たさない場合があります。

 

現地確認と設計確認をセットで進めることが重要です。

 

認定キュービクルや告示7号適合キュービクルとの違い

 

非常電源専用受電設備を調べると、認定キュービクルや告示7号適合キュービクルという言葉が出てくることがあります。

 

どちらも非常電源専用受電設備と関係しますが、意味は同じではありません。

 

認定の有無や基準への適合を整理して理解することが大切です。

 

認定キュービクルは登録認定機関の認定を受けたもの

認定キュービクルとは、消防庁告示第7号などの基準に適合し、登録認定機関による認定を受けたキュービクルを指します。

 

非常電源専用受電設備として使うキュービクルでは、基準への適合が重要です。

 

認定キュービクルであれば、登録認定機関による確認を受けているため、基準適合を確認しやすくなります。

 

確認する際は、以下を見ます。

 

  • 認定銘板
  • 認定番号
  • メーカー仕様書
  • 図面
  • 機器構成
  • 適用範囲
  • 設置条件

 

認定キュービクルであっても、設置場所や配線が不適切であれば、非常電源として十分に機能しない可能性があります。

 

そのため、キュービクル本体の認定だけでなく、設置計画全体で確認することが重要です。

 

消防協議や検査では、本体、配線、設置場所、回路構成などを総合的に確認される場合があります。

 

告示7号適合キュービクルは基準に適合したキュービクルを指す

告示7号適合キュービクルとは、消防庁告示第7号の基準に適合したキュービクルを指します。

 

認定キュービクルと似た意味で使われることがありますが、厳密には認定の有無を確認する必要があります。

 

「告示7号に適合している」と「登録認定機関の認定を受けている」は、確認方法が異なる場合があるためです。

 

混同しやすいポイントは以下です。

 

  • 告示7号に適合しているか
  • 認定品として扱えるか
  • 認定銘板があるか
  • 仕様書で基準適合を確認できるか
  • 所轄消防署がどの確認を求めるか

 

設計や見積もりの段階では、「告示7号適合」と書かれているだけで安心せず、認定の有無や確認資料を確認しましょう。

 

また、既存キュービクルを流用する場合も注意が必要です。

 

既存設備が基準に適合しているか、非常電源専用受電設備として使えるかを確認する必要があります。

 

名称だけで判断せず、実際の仕様と認定状況を見ることが重要です。

 

設計・消防協議では認定の有無を確認する

非常電源専用受電設備を計画する際は、認定の有無を確認しましょう。

 

消防協議や消防検査では、設備が基準に適合しているか確認される可能性があります。

 

そのときに、認定銘板や仕様書、図面などで説明できる状態にしておくことが大切です。

 

事前に確認したい資料は以下です。

 

  • 認定銘板の有無
  • 認定番号
  • 仕様書
  • 外形図
  • 単線結線図
  • 配線経路図
  • 設置場所の図面
  • 消防用設備等との接続関係

 

認定品を採用していれば、基準適合の確認が進めやすい場合があります。

 

ただし、認定品であっても、設置方法や配線計画が適切でなければ不備につながりかねません。

 

非常電源専用受電設備は、設備単体ではなく、建物全体の防災計画と関係します。

 

そのため、早い段階で所轄消防署や電気設備設計者と確認しておくことが重要です。

 

非常電源専用受電設備を選ぶ前に確認したいポイント

非常電源専用受電設備を選ぶ前には、対象となる消防用設備や必要容量を整理することが重要です。

 

また、自家発電設備や蓄電池設備との違いも比較する必要があります。

 

既存建物の改修では、キュービクルや配線経路、設置スペースの確認も欠かせません。

 

停電時にも消防用設備を動かせるか確認する

非常電源専用受電設備を検討する際は、停電時にも消防用設備を動かせるか確認しましょう。

 

非常電源専用受電設備は、電力会社からの受電を前提とする設備です。

 

そのため、建物全体が停電した場合や、受電そのものが停止した場合にどこまで対応できるかを確認する必要があります。

 

確認したいポイントは以下です。

 

  • 停電時に受電が維持されるか
  • 消防用設備に必要な電力を供給できるか
  • 受電停止時の対応が必要か
  • 自家発電設備が必要な条件か
  • 蓄電池設備との併用が必要か
  • 建物用途に応じた非常電源の条件を満たすか

 

停電時にも継続して電源供給が必要な場合は、非常電源専用受電設備だけでよいとは限りません。

 

自家発電設備や蓄電池設備との比較が必要です。

 

特に、災害時の停電リスクや長時間の電源確保が求められる建物では、非常電源の方式を慎重に選ぶ必要があります。

 

対象となる消防用設備と必要容量を整理する

非常電源専用受電設備を計画する前に、対象となる消防用設備と必要容量を整理しましょう。

 

消防用設備ごとに、必要な電源容量や作動時間が異なる場合があります。

 

そのため、どの設備に電源を供給するのかを明確にすることが重要です。

 

対象となる設備の例には、以下があります。

 

  • 屋内消火栓設備
  • スプリンクラー設備
  • 排煙設備
  • 非常コンセント設備
  • 自動火災報知設備
  • 誘導灯
  • 消防用ポンプ

 

ただし、どの設備に非常電源専用受電設備を適用できるかは、建物条件や設備の種類によって変わります。

 

確認したい項目は以下です。

 

  • 対象設備の種類
  • 必要な電源容量
  • 必要な作動時間
  • 起動時の電流
  • 同時に作動する設備の範囲
  • 受電方式
  • 配線経路

 

必要容量を正しく見積もらないと、非常時に十分な電力を供給できない可能性があります。

 

また、容量に余裕を見すぎた場合の設備コスト増にも注意が必要です。

 

設計段階で対象設備と必要容量を整理し、適切な方式を選定しましょう。

 

自家発電設備や蓄電池設備との違いを比較する

非常電源専用受電設備を選ぶ際は、自家発電設備や蓄電池設備との違いも比較しましょう。

 

非常電源の方式によって、電源の確保方法や適した用途が異なります。

 

建物の用途や消防用設備の条件に合わせて、適した方式を選びましょう。

 

比較したいポイントは以下です。

 

項目 非常電源専用受電設備 自家発電設備 蓄電池設備
電源の確保方法 電力会社から受電 発電機で発電 電気を蓄える
停電時の対応 受電状況に左右される 自力で発電できる 蓄電分を供給できる
瞬時供給 設計による 起動時間が必要な場合がある 瞬時供給しやすい
保守点検 受電設備の点検が必要 燃料・エンジン等の点検が必要 電池劣化や容量確認が必要
設置スペース 盤・キュービクルのスペースが必要 発電機・燃料設備が必要 蓄電池スペースが必要

 

非常電源専用受電設備は、建物内で発電する設備ではありません。

 

そのため、停電時の電源確保という観点では、自家発電設備や蓄電池設備との違いを理解する必要があります。

 

一方で、設備構成や維持管理の面では、非常電源専用受電設備が適しているケースもあります。

 

重要なのは、どの方式が優れているかではありません。

 

対象となる消防用設備、建物用途、停電時の想定、設置スペース、保守体制に合わせて選ぶことです。

 

既存建物ではキュービクルや配線経路も確認する

既存建物で非常電源専用受電設備を改修・更新する場合は、既存設備の確認が重要です。

 

新築と違い、既存建物では設置スペースや配線経路に制約がある場合があります。

 

また、既存キュービクルや配電盤をそのまま使えるとは限りません。

 

確認したいポイントは以下です。

 

  • 既存キュービクルの仕様
  • 認定の有無
  • 告示基準への適合
  • 配電盤や分電盤の区分
  • 非常電源回路の構成
  • 引込ケーブルの経路
  • 耐火区画の有無
  • 設置スペース
  • 保守点検スペース
  • 消防用設備等への配線経路

 

既存設備を流用できれば、コストを抑えられる可能性があります。

 

しかし、基準に適合していなければ改修が必要です。

 

特に注意したいのは、配線経路です。

 

非常電源専用受電設備本体が基準を満たしていても、消防用設備等までの配線が適切でなければ問題になる場合があります。

 

現地調査を行い、図面と実際の設備が一致しているか確認しましょう。

 

所轄消防署や電気設備設計者と早めに協議する

非常電源専用受電設備を計画する際は、所轄消防署や電気設備設計者と早めに協議することが重要です。

 

非常電源専用受電設備は、消防法、電気設備、建築計画が関係する設備です。

 

そのため、設計後に不備が見つかると、手戻りが大きくなる可能性があります。

 

早めに確認したい内容は以下です。

 

  • 対象となる消防用設備
  • 非常電源の方式
  • 必要容量
  • 受電方式
  • キュービクルや盤の仕様
  • 認定品の要否
  • 設置場所
  • 配線経路
  • 保守点検スペース
  • 消防検査で確認される資料

 

所轄消防署によって、確認の進め方や求められる資料が異なる場合があります。

 

そのため、設計の早い段階で相談しておくと安心です。

 

また、電気主任技術者やメーカーとの確認も重要です。

 

既存設備の改修では、現場の状態を把握している担当者の意見が役立ちます。

 

非常電源専用受電設備は、非常時に機能して初めて意味がある設備です。

 

設計、施工、消防協議、保守点検まで含めて計画しましょう。

 

まとめ:非常電源専用受電設備は消防用設備等へ電力を供給する重要な設備

 

非常電源専用受電設備とは、火災時などに消防用設備等へ電力を供給するための非常電源の一つです。

 

自家発電設備や蓄電池設備とは異なり、電力会社からの受電を前提とします。

 

建物内で電気をつくったり、ためたりする設備ではありません。

 

非常電源専用受電設備には、火災の影響を受けにくい構造や、点検しやすい設置場所が求められます。

 

非常電源回路が他の回路によって遮断されない構成も重要です。

 

高圧又は特別高圧で受電する場合は、キュービクル式非常電源専用受電設備として設けるケースがあります。

 

この場合は、消防庁告示第7号などの基準を確認し、認定品や基準適合の有無を確認する必要があります。

 

低圧で受電する場合は、配電盤や分電盤を用いて構成されます。

 

第1種配電盤等・第2種配電盤等の区分を確認し、建物条件や消防用設備に合った仕様を選ぶことが大切です。

 

認定キュービクルや告示7号適合キュービクルは、非常電源専用受電設備を計画する際に混同しやすい言葉です。

 

認定の有無、告示基準への適合、認定銘板や仕様書を確認しましょう。

 

非常電源専用受電設備を選ぶ前には、対象となる消防用設備と必要容量を整理する必要があります。

 

停電時の対応が必要な場合は、自家発電設備や蓄電池設備との比較も重要です。

 

既存建物では、キュービクル、配電盤、非常電源回路、配線経路、設置スペースを確認しましょう。

 

後から改修が難しくならないよう、早い段階で現地調査を行うことが大切です。

 

非常電源専用受電設備は、防災上重要な設備です。

 

所轄消防署、電気設備設計者、電気主任技術者、メーカーと確認しながら、建物条件に合った計画を進めましょう。

 

 

監修者コメント

製品選定では、カタログ上の性能よりも「導入後に誰が面倒を見るか」で差が出ます。保守の範囲と連絡先を契約時に明文化しておくことを、あわせておすすめします。

三浦 健一
SUPERVISOR

三浦 健一 みうら けんいち

ITコーディネータ / 情報処理安全確保支援士

株式会社中小企業のチカラ DX推進室

SIerでインフラ構築に従事したのち、中小企業のIT導入支援へ。ツールを入れることではなく「入れたあと運用が回るか」を判…

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