2025年09月14日 更新

複合機購入ガイド|失敗しない選び方とコスト比較のポイント

    • オフィス向け
    • 小売店向け
    • 不動産向け
    • 学習塾向け

複合機は、印刷・コピー・スキャン・FAXなど、オフィス業務を効率化する上で欠かせない設備です。

しかし、導入方法には購入・リース・レンタルといった複数の選択肢があり、それぞれのメリットやデメリットを正しく理解しないまま契約すると、無駄なコストや使い勝手の不満につながるリスクがあります。

特に法人の場合、初期費用だけでなくランニングコストや保守体制、将来的な機種更新まで含めた総合的な判断が必要です。

また、主要メーカーごとの強みや機能の違いを把握しておくことで、自社の業務内容や予算に最適なモデルを選びやすくなります。

  • 購入・リース・レンタルの導入方式の違い 
  • 複合機購入時に押さえておきたい費用構造や注意点 
  • 主要メーカーごとの特徴やおすすめモデルの選び方 
  • 導入後の運用やサポートまで考慮した選定ポイント

この記事では、上記を網羅的に解説します。

これを読めば、複合機選びで迷うポイントが整理でき、コストを抑えながら業務効率を最大化できる導入方法が見つかるはずです。

複合機の購入 vs リース vs レンタル|導入方式の違いと選び方

法人が複合機を導入する際には、「購入」「リース」「レンタル」という3つの選択肢があります。

それぞれに特徴やコスト構造、契約条件の違いがあり、自社の利用期間や予算、管理体制に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

ここでは、各導入方式のメリット・デメリットと向いている企業像を詳しく解説します。

購入のメリット・デメリット(例:所有権、中途解約可、総コスト)

購入の最大のメリットは所有権が自社にあるため、自由に使用や処分ができることです。

一括または分割払いによる導入が可能で、長期的に使い続ける場合には総コストを抑えやすい傾向があります。

また、固定資産として計上し減価償却ができるため、資産管理の観点から有利な場合もあります。

中古機を選べる点も柔軟性の高いポイントです。

一方で、初期費用が高額になりやすいことや、メンテナンス・消耗品管理を自社で担う必要がある点がデメリットです。

故障時の修理費用や固定資産税申告などの手間も発生します。

購入は、長期的な運用を想定し、資産として複合機を保有したい企業に向いています。

リースのメリット・デメリットと法人への向き不向き(例:初期費用・経費処理・機種選択)

リースの大きな特徴は、初期費用を抑えつつ最新の複合機を導入できることです。月額の定額料金に保守・点検サービスが含まれている場合が多く、コスト管理がしやすくなります。

契約期間終了後に機種を更新しやすい点も法人にとってメリットです。

また、リース料は全額経費として計上できるため、節税効果があるケースもあります。

ただし、所有権はリース会社にあるため自由なカスタマイズができない点や、3〜7年の契約期間中に途中解約が難しい点は注意が必要です。

長期的に見ると、購入より総支払額が高くなる傾向があります。

リースは、初期投資を抑え、保守込みで安定運用したい企業や、定期的に最新機種へ入れ替えたい法人に向いています。

レンタル方式の特徴と短期利用の適性(例:契約期間、費用構造)

レンタルは、短期間の利用や試験的な導入に適した柔軟性の高い方式です。

契約期間は1日から利用できる場合もあり、イベントやキャンペーン、急な増設などに対応しやすいのが特徴です。

中古機のレンタルも多く、法人審査が不要なケースもあります。

ただし、月額料金はリースより高めで、長期利用すると割高になりやすい点はデメリットです。保守サービスもリースほど包括的ではない場合があります。

レンタルは、短期利用や試用、急な業務拡張に対応したい企業におすすめです。

▼自社に最適な導入方式を選ぶポイント

複合機の導入方式は、自社の利用期間や予算、管理体制によって最適解が異なります。

導入方式所有権初期費用契約期間コスト管理保守対応向いている企業
購入自社高額なし自社管理自社負担長期運用・資産計上を重視する企業
リースリース会社低い3〜7年定額管理多くは込み初期投資を抑えたい企業、最新機種を使いたい企業
レンタルレンタル会社なし〜低額1日〜数か月高め限定的短期利用や試用、イベント利用に最適

長期的なコスト削減や資産としての管理を重視するなら「購入」初期費用を抑えて安定運用したいなら「リース」短期利用や試用目的なら「レンタル」が適しています。

複合機導入は、一度の選択が長期的なコストや業務効率に影響するため、自社の運用方針や将来の機種更新まで見据えた選択が重要です。

法人が複合機購入前に知っておくべき費用構造と注意点

法人で複合機を導入する際、本体価格だけを基準に判断すると、導入後に予想以上のランニングコストが発生するリスクがあります。

購入は初期費用が高額になりやすい反面、長期運用ではコストを抑えられる場合も多く、固定資産としての管理や税務上の取り扱いも考慮する必要があります。

ここでは、複合機購入にかかる初期費用や税務面、さらに導入後に必要となるランニングコストの実態について詳しく解説します。

初期投資と固定資産税・減価償却の影響

複合機を購入する場合、本体価格が大きな初期投資となります。

中規模オフィス向けのモデルであれば数十万円〜100万円、大規模オフィス向けのハイスペック機では100万円を超えることも珍しくありません。

購入した複合機は法人の固定資産として計上され、毎年の固定資産税が発生する可能性があります。

税額は購入時の価格や評価額によって変動するため、導入前に税理士などの専門家に相談し、税務負担を把握しておくことが重要です。

さらに、複合機は減価償却資産として扱われ、通常は耐用年数5年で分割して費用計上されます。

この仕組みにより、一度に全額を経費計上する必要がなく、税負担を平準化できる点がメリットです。

ただし、資産計上や減価償却処理は会計管理の手間が増えるため、導入前に社内の経理体制や会計方針との整合性を確認しておく必要があります。

ランニングコスト比較:リース料 vs トナー購入 vs 保守契約料

購入の場合、リース契約のように月額料金に保守や消耗品代が含まれていないため、導入後のランニングコストを別途計算しておく必要があります。

  • トナー・インク代
    モノクロ印刷では1枚あたり約0.5〜3円、カラー印刷では5〜20円程度が目安となります。
    大量印刷が多い企業では、印刷単価のわずかな差が年間コストに大きく影響します。 

  • 保守契約料
    購入後は修理やメンテナンスのために保守契約を別途結ぶケースが一般的です。
    月額2,000〜10,000円程度が相場で、定期点検や故障対応の有無により価格が変動します。 

  • 電気代や紙代などの付随コスト
    印刷量が増えるとこれらのコストも加算されるため、予算計画に含めておくことが重要です。

一方、リース契約の場合は月額リース料にトナーや保守サービスが含まれる場合が多く、コスト管理がしやすい点がメリットです。

ただし、長期間利用すると購入より総支払額が高くなる傾向もあります。

コスト比較の一例(5年間利用した場合)

項目購入リース
初期費用約100万円なし
リース料なし月額約12万円程度
保守契約料月額2,000〜10,000円多くは込み
トナー・消耗品費実費カウンター料金に含まれる場合が多い
総コスト目安約250万円(印刷量による)月額×60か月で計算

▼購入前に総コストを把握し最適な方法を選択する

複合機を購入する際は、初期費用だけで判断せず、固定資産税や減価償却、ランニングコストをすべて含めた総費用で比較することが重要です。

  • 長期的に運用し、資産として計上する場合は購入が有利。 
  • 印刷量や保守体制を考慮すると、リースのほうが管理が楽なケースも多い。 
  • 消耗品費や保守契約料を含めた5〜7年スパンでの試算を行い、費用対効果を判断する。

購入は一見コストが高く見えますが、長期使用を前提とした場合にはコスト削減につながることもあります。

導入前に複数のシミュレーションを行い、事業規模や運用スタイルに合わせた最適な方法を選ぶことが成功のポイントです。

購入時に比較すべき主要メーカーと機種選定の視点

複合機を購入する際は、価格だけでなく、印刷速度や耐久性、機能構成、サポート体制など複数の要素を総合的に比較することが重要です。

導入後の業務効率やランニングコストに大きく影響するため、メーカーごとの強みやモデルの特徴を把握し、自社の業務に最適な複合機を選ぶ必要があります。

ここでは、主要メーカーの特徴やおすすめモデル、比較時の評価ポイントを詳しく解説します。

印刷速度・耐久性・機能構成をもとに導入モデルを検討

印刷速度

法人向け複合機では、印刷速度は業務効率を左右する大きな要素です。
中小規模オフィスであれば毎分20〜30枚程度のモデルがコストパフォーマンスの面でバランスが良く、大規模オフィスや大量印刷が必要な企業では30枚以上/分の高速モデルが適しています。

例として、キヤノンの「imageRUNNER ADVANCE DX C3900シリーズ」は、高速かつ高品質な印刷を実現し、幅広い業務に対応可能です。

耐久性

複合機は長期間使用する設備であるため、耐久性と故障率の低さは非常に重要です。特にリコーや京セラは耐久性や信頼性で高評価を得ています。

また、全国的な保守ネットワークを持つメーカーを選ぶことで、万が一のトラブル時にも迅速な対応が可能になります。

機能構成

業務効率化を進めるためには、必要な機能を備えているかを確認することが欠かせません。

両面印刷、自動給紙、スキャン速度、カラー対応、給紙カセット数、セキュリティ機能(ICカード認証やセキュアプリント)など、自社の業務に必要な機能を満たすかをチェックすることがポイントです。

さらに、クラウド連携やモバイル印刷対応など、近年の働き方に適応した機能も重視されるようになっています。

コストパフォーマンスと性能バランスでおすすめモデルを絞り込む

主要メーカー

  • キヤノン(Canon)
    ITサービスとの連携にも強みがあり、中小企業の業務効率化にも適しています。 

  • 富士フイルム(FUJIFILM)
    故障率が低く品質重視の企業に向いています。 

  • シャープ(SHARP)
    環境性能や省エネ性も評価され、長期運用コストの低減にもつながります。 

  • 京セラ(Kyocera)
    印刷枚数が多い業界で導入実績が多く、コスト重視の法人に適しています。

おすすめモデルの一例

  • シャープ MX-2650FV – 印刷速度26枚/分、コスト重視の中小企業向け。 
  • リコー IM C320F – コンパクトながら毎分32枚の高速印刷、環境性能にも優れる。 
  • キヤノン imageRUNNER ADVANCE DX C3900 – 高画質・多機能でセキュリティ機能も充実。

モデル選定の際には、本体価格だけでなく消耗品や保守契約料金を含めたトータルコスト(TCO)を比較することが重要です。

主要メーカーの性能や特徴の比較も行っておりますので、ぜひこちらをチェックしてみてください。

▼機能とコストを総合的に見て最適な複合機を選ぶ

複合機購入時には、印刷速度や耐久性、機能構成を基準に、業務効率とコストのバランスを取ることが成功のポイントです。

  • 大量印刷や高速処理が必要な企業は、キヤノンやリコーの高性能モデルが最適。 
  • 中小規模でコスト重視ならシャープや京セラが有力候補。 
  • 高画質や色再現性を重視する場合は富士フイルムが適しています。

購入前には複数のメーカーから見積もりを取得し、導入後の保守サービスや契約条件まで比較した上で最終的な判断を下すことが推奨されます。

購入後の運用を見据えた選定チェックポイント

法人が複合機を購入した後、安定稼働と効率的なコスト管理を実現するには、導入時点から運用面まで見据えた選定が不可欠です。 

特に重要なのが、保守契約やサポート体制、消耗品補充の仕組みといった運用に直結する要素、そして将来的な機種更新や売却を踏まえた資産管理の計画です。

ここでは、購入後の運用で押さえるべき2つの重要なポイントを解説します。

サポート契約・保守対応速度・消耗品補充・故障対応の体制

保守契約の種類と特徴を理解する 複合機の運用には、適切な保守契約を結ぶことが欠かせません。

代表的な契約には以下のような種類があります。

  • カウンター契約(カウンター保守)
    印刷枚数に応じて費用を支払う方式。
    トナー代やメンテナンス代が含まれる場合が多く、印刷量の多い企業に向いています。 

  • コピーキット契約
    トナー購入時に保守が付属する形式で、印刷量が少ない法人に適した契約です。 

  • 年間保守契約
    定額で保守サービスを受けられる契約。
    トナー代は別途購入が必要ですが、予算計画を立てやすい点がメリットです。

保守対応のスピードとサポート体制の確認法人利用では、故障時の対応速度が業務効率に直結します。

メーカーや代理店によっては当日対応や24時間対応を行っており、特にリコーやキヤノンは全国規模の保守ネットワークを備えています。

また、自動トナー補充や定期メンテナンス、部品交換の案内など、運用負担を軽減する仕組みの有無も確認が必要です。

消耗品補充の管理体制

ナーやインクの補充方法、費用負担、配送体制も運用コストに影響します。自動補充サービスがある場合、管理工数を削減できる点で大きなメリットがあります。

さらに、契約期間や解約条件、複数台契約時の割引の有無なども事前に交渉・確認しておくと安心です。

将来的な機種更新や売却を視野に入れた資産管理・処分方法の検討

資産管理と減価償却の把握 複合機は固定資産として計上されるため、減価償却期間(通常5年)を踏まえた資産管理が必要です。

耐用年数経過後には資産除却や帳簿処理を行い、機種更新や売却をスムーズに進められる体制を整えておきましょう。

売却や廃棄の手続き使用済み複合機は、状態によっては中古市場で売却できる場合があります。再販価値を高めるために、保守履歴や稼働状況を記録しておくと有利です。廃棄の場合は、電子機器リサイクル法の対象であるため、メーカー回収や専門業者による適切な処分が必要です。

将来を見据えた機種選定同一メーカーを継続利用することで、トナーや部品の互換性、サポートの一貫性が保たれ、運用コストの削減や管理の効率化につながります。

また、クラウド連携やIT環境との互換性も考慮し、長期的な運用に適した製品を選ぶことが重要です。

▼購入後の運用を見据えた複合機選びで失敗を防ぐ

複合機は導入して終わりではなく、購入後の運用管理こそがコスト効率や業務効率に直結します。

  • 保守契約の種類と対応スピードを確認し、最適な契約形態を選ぶ。 
  • 消耗品補充の管理や自動補充サービスの有無を把握する。 
  • 将来的な機種更新や売却を見据えた資産管理計画を立てる。

これらを考慮することで、長期的なコスト削減と安定運用が実現できます。
複合機導入時には、「購入後の運用負担まで含めて選定する」視点を持つことが成功のカギとなります。

まとめ|複合機購入で失敗しないために押さえるべきポイント

法人が複合機を導入する際は、購入・リース・レンタルといった導入方式の違いを理解し、自社の資金計画や運用スタイルに合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。 

特に購入を検討する場合は、本体価格だけでなく、固定資産税や減価償却といった税務面、トナーや保守契約料などのランニングコストまで含めて総合的に比較する必要があります。

さらに、メーカーごとの特徴や機能性、耐久性、サポート体制を比較し、長期的に使えるコストパフォーマンスの高い機種を選定することが鍵です。

 導入後も、適切な保守契約やメンテナンス体制を整え、資産管理や将来的な機種更新の計画まで視野に入れることで、運用効率を最大化できます。

複合機は単なる印刷機器ではなく、企業の業務効率や情報管理の基盤となる重要な設備です。

自社にとって最適な導入方法と機種を選び、長期的なコスト削減と安定運用を実現できる複合機購入を目指しましょう。

人気記事

新着記事

目次