2026年08月22日 更新
クリニックの電気代を削減する方法は?料金が高くなってしまう理由や節電のポイントを解説

- クリニックの電気代が高くなりやすい理由
- 空調や換気設備の稼働時間が長い
- 医療機器や検査機器で多くの電力を使う
- 照明や給湯設備を長時間使う
- 電気料金の高騰が固定費を押し上げている
- クリニックで電気代削減が重要な理由
- 電気代は毎月発生する固定コストである
- 医療サービスの質を維持しながらコストを抑える必要がある
- 省エネ対策は継続的な経営改善につながる
- クリニックの空調で電気代を削減する方法
- エリアごとに空調の温度設定を見直す
- 使っていない場所の空調を止める
- フィルター清掃や室外機周辺の整理を行う
- 古い空調設備の更新を検討する
- クリニックの照明で電気代を削減する方法
- LED照明に切り替える
- 不要な照明をこまめに消す
- 人感センサーやタイマーを活用する
- クリニックの設備運用で電気代を削減する方法
- 使っていない機器の電源を切る
- 待機電力を減らす運用ルールを決める
- 給湯設備の温度設定や使用時間を見直す
- 古い医療機器や設備の更新を検討する
- クリニックの電力契約や料金プランを見直す方法
- 検針票や請求書で契約内容を確認する
- 基本料金と使用量の両方を見直す
- 複数の電力会社やプランを比較する
- 2026年以降にクリニックの電気代削減で確認したいポイント
- 省エネ設備更新に使える補助金を確認する
- EMSで電力使用量を見える化する
- 太陽光発電や蓄電池との連携を検討する
- BCP対策として停電時に必要な設備を整理する
- 診療科ごとに優先して見直す設備を決める
- まとめ:クリニックの電気代削減は医療品質を守りながら無駄を減らすことが重要

クリニックの電気代を削減するには、空調・照明・医療機器・給湯設備の使い方を見直すことが重要です。
あわせて、電力契約や料金プランが自院の使い方に合っているかも確認しましょう。
クリニックでは、待合室や診察室の空調、検査室や処置室の照明、医療機器、給湯設備などを長時間使います。
患者の快適性や衛生管理を保つ必要があるため、単純に電気を止めることはできません。
特に医療機器は、安易に電源を切ると診療や安全管理に影響する場合があります。
節電対象にできる機器と、常時稼働が必要な機器を分けて考えることが大切です。
また、診療科によって電気を多く使う設備は異なります。
内科、歯科、整形外科、眼科、美容クリニックなどでは、必要な機器や稼働時間が変わります。
そのため、電気代削減では自院の設備構成に合わせた見直しが必要です。
ただし、節電を優先しすぎると、患者の快適性や診療品質に影響するおそれがあります。
大切なのは、必要な電気を削ることではありません。
無駄な電力使用を減らし、医療サービスの質を維持しながらコストを抑えることです。
この記事では、クリニックの電気代が高くなりやすい理由、電気代削減が重要な理由、空調・照明・設備運用の見直し方法、電力契約の確認ポイント、2026年以降に検討したい省エネ対策まで解説します。
電気に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
クリニックの電気代が高くなりやすい理由

クリニックの電気代が高くなりやすい理由は、診療に必要な設備を長時間使うためです。
空調、換気、照明、医療機器、検査機器、給湯設備などは、患者対応や衛生管理に関わります。
飲食店や一般的なオフィスと違い、単純な節電だけでは対応しにくい設備も多くあります。
まずは、自院でどの設備が電気代に影響しているのかを確認しましょう。
空調や換気設備の稼働時間が長い
クリニックでは、空調や換気設備の稼働時間が長くなりやすいです。
待合室、診察室、処置室、検査室、スタッフルームなど、複数のエリアで空調を使用します。
患者が安心して過ごせる環境を保つため、暑すぎる・寒すぎる空間は避けなければなりません。
また、感染対策や衛生管理の観点から、換気設備を使う場面もあります。
空調と換気を同時に行うと、外気の影響を受けやすくなり、冷暖房の負荷が増えることもあります。
電気代が増えやすいケースは以下のとおりです。
- 待合室の空調を長時間使っている
- 診察室や処置室ごとに空調を稼働している
- 換気により冷暖房効率が下がっている
- 空調の設定温度が極端になっている
- フィルター清掃が不十分
- 室外機周辺に物が置かれている
- 古い空調設備を使っている
空調は患者の快適性に関わるため、無理に止めるのは現実的ではありません。
エリアごとの運転状況や設定温度を見直し、過剰な運転を減らすことが大切です。
医療機器や検査機器で多くの電力を使う
クリニックでは、診療科によって医療機器や検査機器の電力使用量が大きくなります。
たとえば、画像診断機器、検査装置、滅菌器、処置機器などを使うクリニックでは、一般的な事務所よりも電力消費が増えやすくなります。
歯科や眼科、美容クリニックなどでも、専門機器の稼働が電気代に影響します。
電気代に影響しやすい設備は以下のとおりです。
- 画像診断機器
- 検査機器
- 滅菌器
- 処置機器
- 診療ユニット
- 吸引装置
- 医薬品用冷蔵庫
- 電子カルテ端末
- 受付・会計システム
- 事務機器
医療機器は、安全管理上、安易に電源を切れないものがあります。
常時稼働が必要な機器、再起動に時間がかかる機器、電源を落とすと設定やデータに影響する機器もあります。
電子カルテ端末や受付・会計システムも、診療継続や会計処理、災害時対応に関わる場合があります。
待機電力削減の対象にする場合でも、診療時間外の運用やバックアップ体制を確認したうえで判断しましょう。
医療機器の節電では、止めてよい機器と止めてはいけない機器を明確に分けることが重要です。
メーカーの取扱説明書、保守業者の指示、院内の安全管理ルールに従い、診療に支障がない範囲で見直しましょう。
照明や給湯設備を長時間使う
クリニックでは、照明や給湯設備も電気代に影響します。
診察室や処置室では、診療や作業に必要な明るさを確保しなければなりません。
待合室や受付では、患者が安心できる雰囲気づくりも大切です。
そのため、照明の使用時間が長くなりやすい傾向があります。
また、手洗い、清掃、処置、衛生管理などで給湯設備を使うクリニックもあります。
給湯温度が高すぎたり、使わない時間帯も稼働し続けたりすると、電気代が増える原因になります。
見直したい設備は以下のとおりです。
- 待合室の照明
- 診察室の照明
- 処置室の照明
- 検査室の照明
- 廊下やトイレの照明
- 給湯設備
- 温水洗浄便座
- 手洗い設備
照明や給湯設備は、患者やスタッフが日常的に使う設備です。
小さな見直しでも、毎日積み重なることで電気代削減につながる場合があります。
ただし、診療や衛生管理に必要な明るさや温度は維持しましょう。
省エネと安全性のバランスが大切です。
電気料金の高騰が固定費を押し上げている
電気料金の高騰も、クリニックの経営負担につながります。
電気代は、燃料価格、為替、電力市場、再エネ賦課金などの影響を受けることがあります。
自院で使用量を変えていなくても、料金単価の上昇によって請求額が増える場合があります。
クリニックでは、電気代が毎月発生します。
患者数や診療日数に関係なく、一定程度の電気代はかかるため、固定費として経営に影響しやすい費用です。
確認したいポイントは以下のとおりです。
電気代が上がっている場合は、使用量が増えたのか、料金単価が上がったのかを分けて確認しましょう。
使用量が増えているなら、設備運用の見直しが必要です。
単価や契約条件が原因なら、電力契約や料金プランの比較も検討できます。
クリニックで電気代削減が重要な理由

クリニックで電気代削減が重要なのは、電気代が継続的に発生する固定コストだからです。
固定費を抑えられれば、経営の安定につながります。
ただし、医療サービスの質を下げる節電は避けなければなりません。
患者の安全、快適性、衛生管理を守りながら、無駄な電力使用を減らすことが重要です。
電気代は毎月発生する固定コストである
クリニックの電気代は、毎月発生する固定コストです。
診療日数や患者数によって多少の変動はありますが、空調、照明、医療機器、給湯設備などは継続的に使います。
そのため、電気代は経営に大きく影響する費用のひとつです。
電気代が高い状態が続くと、以下のような負担につながります。
- 毎月の経費が増える
- 利益を圧迫する
- 設備更新の余力が減る
- 人件費や材料費の上昇と重なる
- 経営計画が立てにくくなる
電気代を削減できれば、その効果は毎月積み重なります。
単発の節約ではなく、継続的な経費改善につながる点が大きなメリットです。
ただし、やみくもに電気を使わないようにするだけでは不十分です。
診療に必要な設備は維持しながら、無駄な使用を見つけることが大切です。
医療サービスの質を維持しながらコストを抑える必要がある
クリニックの電気代削減では、医療サービスの質を維持することが前提です。
空調を弱めすぎると、患者が待合室で不快に感じる可能性があります。
照明を暗くしすぎると、診察や処置の作業性に影響します。
医療機器の電源管理を誤ると、診療に支障が出るおそれもあります。
守るべきポイントは以下のとおりです。
- 患者の快適性
- 診療品質
- 衛生管理
- スタッフの作業性
- 医療機器の安全性
- 感染対策
- 医薬品の保管環境
- 診療データや会計データの保全
クリニックの節電は、一般的なオフィスの節電とは異なります。
患者対応や医療安全を優先する必要があります。
削減すべきなのは、必要な電気ではなく無駄な電気です。
たとえば、使っていない部屋の空調や照明、不要な待機電力、過剰な設定温度などを見直すことが現実的です。
医療品質を守りながら、運用の無駄を減らしましょう。
省エネ対策は継続的な経営改善につながる
省エネ対策は、クリニックの継続的な経営改善につながります。
空調、照明、医療機器、給湯設備などの使い方を見直せば、毎月の電気代を抑えられる場合があります。
さらに、古い設備を省エネ性能の高い機器に更新すれば、長期的な削減効果を期待できることもあります。
省エネ対策で見直したい項目は以下のとおりです。
- 空調の設定温度
- 空調の運転時間
- 照明のLED化
- 使っていない機器の電源管理
- 給湯設備の温度設定
- 電力契約の見直し
- 設備更新
- 電力使用量の見える化
省エネ対策は、一度やって終わりではありません。
定期的に請求書や使用量を確認し、改善を続けることが大切です。
小さな取り組みでも、毎月継続すれば効果が積み重なります。
クリニックの経営基盤を整える意味でも、電気代削減は重要な取り組みです。
クリニックの空調で電気代を削減する方法

クリニックの電気代削減では、空調の見直しが重要です。
空調は使用時間が長く、待合室や診察室など複数の場所で稼働します。
患者の快適性を守る必要があるため、単純に止めるのではなく、エリアごとに適切に管理することが大切です。
エリアごとに空調の温度設定を見直す
空調の温度設定は、エリアごとに見直しましょう。
クリニック内には、待合室、診察室、処置室、検査室、スタッフルーム、バックヤードなどがあります。
すべてのエリアを同じ温度で管理する必要はありません。
エリアごとの考え方は以下のとおりです。
- 待合室は患者が快適に過ごせる温度にする
- 診察室は診療しやすい環境を保つ
- 処置室や検査室は機器や作業内容に合わせる
- スタッフルームは使用時間に合わせて調整する
- バックヤードは過剰な冷暖房を避ける
空調の設定温度を極端にすると、電力消費が増えやすくなります。
冷房を効かせすぎたり、暖房を強くしすぎたりすると、電気代が高くなる原因になります。
患者の快適性を保ちながら、過剰な運転を避けましょう。
室温だけでなく、風向きや空気の流れも調整すると、体感温度を整えやすくなります。
使っていない場所の空調を止める
使っていない場所の空調は、止めるか運転時間を短くしましょう。
診療時間外の診察室、使用していない処置室、会議室、バックヤードなどで空調が動き続けていると、無駄な電力使用につながります。
見直しやすい場所は以下のとおりです。
- 使用していない診察室
- 処置室
- 検査室
- スタッフルーム
- 会議室
- 倉庫
- バックヤード
ただし、医療機器や医薬品の保管環境に関わる場所では注意が必要です。
温度管理が必要な部屋では、必要な条件を守らなければなりません。
空調を止められる場所と、止めてはいけない場所を明確に分けましょう。
スタッフ間で運用ルールを共有しておくと、消し忘れを防ぎやすくなります。
フィルター清掃や室外機周辺の整理を行う
空調の効率を保つには、フィルター清掃や室外機周辺の整理も重要です。
フィルターが汚れていると、空気の流れが悪くなります。
その結果、空調効率が下がり、同じ室温にするために余分な電力を使う場合があります。
室外機の周りに物が置かれている場合も注意が必要です。
風通しが悪くなると、熱交換がうまくいかず、空調効率が下がることがあります。
確認したい項目は以下のとおりです。
- フィルターの汚れ
- 吹き出し口のほこり
- 室外機周辺の障害物
- 室外機の風通し
- 異音や異常運転
- 冷暖房の効きにくさ
定期的な清掃や点検は、大きな設備投資をせずに始められる対策です。
空調の効きが悪いと感じる場合は、設定温度を変える前にメンテナンス状況を確認しましょう。
古い空調設備の更新を検討する
古い空調設備を使っている場合は、省エネ性能の高い機器への更新も検討しましょう。
空調設備は、年式によって消費電力が変わります。
長期間使っている機器は、効率が下がっていたり、故障リスクが高くなっていたりする場合があります。
更新を検討したいケースは以下のとおりです。
- 空調の効きが悪い
- 電気代が年々増えている
- 修理回数が増えている
- 異音がする
- 室温が安定しない
- 開業時から長く使っている
- 部屋の広さに能力が合っていない
設備更新には初期費用がかかります。
そのため、現在の電気代、修理費、使用年数、今後の運用期間を含めて判断しましょう。
空調は患者の快適性に直結する設備です。
電気代削減だけでなく、院内環境の改善や故障リスクの低減という面でも見直す価値があります。

クリニックの照明で電気代を削減する方法

クリニックでは、照明の使い方も電気代に影響します。
待合室や診察室、処置室では、患者の安心感や診療のしやすさを保つ必要があります。
照明を暗くしすぎるのではなく、必要な明るさを確保しながら無駄を減らすことが大切です。
LED照明に切り替える
蛍光灯や古い照明を使っている場合は、LED照明への切り替えを検討しましょう。
LED照明は、従来の照明より消費電力を抑えやすく、寿命も長い傾向があります。
交換頻度を減らせるため、メンテナンスの手間を抑えられる点もメリットです。
LED化を検討したい場所は以下のとおりです。
- 待合室
- 診察室
- 処置室
- 検査室
- 受付
- 廊下
- トイレ
- バックヤード
- 看板照明
ただし、診察室や処置室では必要な明るさを確保しなければなりません。
明るさが不足すると、診療や作業に影響する可能性があります。
待合室では、明るさだけでなく雰囲気も大切です。
患者が落ち着いて過ごせるよう、色温度や照明の配置も確認しましょう。
不要な照明をこまめに消す
使っていない部屋や時間帯の照明は、こまめに消しましょう。
診療時間外、休憩時間、清掃後、使用していない処置室やバックヤードなどでは、照明が点いたままになりやすいです。
小さな無駄でも、毎日積み重なると電気代に影響します。
消灯ルールを作りたい場所は以下のとおりです。
- 使用していない診察室
- 処置室
- 検査室
- スタッフルーム
- 倉庫
- トイレ
- バックヤード
- 看板照明
スタッフ全員でルールを共有しておくと、消し忘れを防ぎやすくなります。
最終退出者が確認する場所を決めておくのも有効です。
ただし、患者の安全や防犯に関わる場所は、必要な明るさを確保しましょう。
削る場所と残す場所を分けることが大切です。
人感センサーやタイマーを活用する
人感センサーやタイマーの活用も、照明の無駄を減らす方法です。
人の出入りが少ない場所では、照明を消し忘れやすくなります。
人感センサーを設置すれば、人がいるときだけ照明を点ける運用がしやすくなります。
活用しやすい場所は以下のとおりです。
- トイレ
- 廊下
- 倉庫
- バックヤード
- スタッフ用通路
- 休憩室
- 看板照明
タイマーを使えば、看板照明や外部照明の消し忘れも防ぎやすくなります。
診療時間に合わせて点灯・消灯を管理できるため、無駄な点灯時間を減らせます。
導入には費用がかかる場合があります。
まずは消し忘れが多い場所や、点灯時間が長い場所から検討するとよいでしょう。
クリニックの設備運用で電気代を削減する方法

クリニックでは、医療機器や事務機器、給湯設備などの運用も電気代に影響します。
ただし、医療機器や診療システムは安全管理と診療継続が最優先です。
電気代削減のために、必要な機器を安易に停止するのは避けましょう。
まずは、止めてよい機器、止めてはいけない機器、条件付きで停止できる機器を分けることが大切です。
使っていない機器の電源を切る
診療に支障がない範囲で、使っていない機器の電源を切りましょう。
クリニックでは、医療機器だけでなく、パソコン、プリンター、モニター、受付機器なども使用します。
診療終了後や休診日に電源が入りっぱなしになっていると、待機電力が発生します。
見直したい機器は以下のとおりです。
- 事務用パソコン
- モニター
- プリンター
- 充電器
- 使用頻度の低い周辺機器
- スタッフルームの家電
- 待合室の音響・映像機器
一方で、電源を切ってはいけない機器もあります。
医薬品用冷蔵庫、常時監視が必要な機器、電子カルテサーバー、バックアップ機器、通信機器などは、診療継続やデータ保全に関わる場合があります。
電子カルテ端末や受付・会計システムも、単なる事務機器として扱わないことが大切です。
診療時間外に停止する場合でも、データ保存、バックアップ、翌日の起動確認、停電時対応への影響を確認しましょう。
機器ごとに「切ってよいもの」「切ってはいけないもの」「条件付きで切れるもの」を一覧化しておくと、安全に運用できます。
待機電力を減らす運用ルールを決める
待機電力を減らすには、院内で運用ルールを決めることが大切です。
待機電力は1台あたりでは小さく見えます。
しかし、複数の機器が毎日稼働していると、電気代に影響する場合があります。
ルール化したい項目は以下のとおりです。
- 診療終了後に電源を確認する
- 休診日前に不要な機器をオフにする
- スタッフルームの家電を管理する
- 使わない充電器を抜く
- 電源管理の担当者を決める
- チェックリストを作る
- 重要機器は停止対象から外す
ただし、医療機器や診療システムの電源管理は慎重に行う必要があります。
メーカーの指示、保守契約、院内の安全管理ルールに従いましょう。
特に、電子カルテ、受付会計システム、通信機器、バックアップ機器は、BCPの観点でも重要です。
災害時や停電時に必要になる可能性があるため、単純な待機電力削減の対象として扱わず、継続稼働の必要性を確認したうえで判断しましょう。
待機電力対策は、無理なく始めやすい取り組みです。
まずは事務機器やスタッフルームなど、診療への影響が少ない場所から進めるとよいでしょう。
給湯設備の温度設定や使用時間を見直す
給湯設備の温度設定や使用時間も見直しましょう。
クリニックでは、手洗い、清掃、処置、衛生管理などで給湯設備を使います。
必要な場面ではしっかり使う必要がありますが、温度設定が高すぎたり、不要な時間帯も稼働していたりすると、電気代が増えやすくなります。
確認したい項目は以下のとおりです。
- 給湯温度が高すぎないか
- 使用時間に合った運転になっているか
- 休診日に稼働していないか
- 手洗い設備の使い方
- 清掃時の使用量
- 温水洗浄便座の設定
- 給湯器の年式
衛生管理に必要な温度は守る必要があります。
その範囲で、過剰な温度設定や無駄な稼働を減らしましょう。
給湯設備は、普段あまり意識されにくい設備です。
しかし、見直しによって毎月の電気代削減につながる場合があります。
古い医療機器や設備の更新を検討する
古い医療機器や設備を使っている場合は、更新も検討しましょう。
医療機器は性能や安全性が重要です。
あわせて、省エネ性能や保守費用も確認すると、長期的なコストを把握しやすくなります。
更新時に確認したい項目は以下のとおりです。
- 消費電力
- 本体価格
- 保守費用
- 修理頻度
- 部品供給期間
- 使用頻度
- 診療効率への影響
- 省エネ性能
- 設置スペース
古い設備は、電力消費が大きいだけでなく、修理費や故障リスクが増える場合があります。
診療に影響する設備であれば、故障による機会損失も考える必要があります。
設備更新は初期費用がかかります。
短期的な電気代だけでなく、保守費用や診療効率も含めて検討しましょう。
クリニックの電力契約や料金プランを見直す方法

電気代を削減するには、設備の使い方だけでなく、電力契約や料金プランの見直しも重要です。
同じ電力使用量でも、契約容量や料金プランによって請求額が変わる場合があります。
まずは検針票や請求書を確認し、自院の使い方に合った契約かを見直しましょう。
検針票や請求書で契約内容を確認する
電力契約を見直す第一歩は、検針票や請求書の確認です。
現在の契約内容を把握しなければ、どこを見直せるか判断できません。
直近1か月分だけでなく、できれば1年分の使用量を確認しましょう。
夏場や冬場は空調使用量が増えるため、季節ごとの変動も見ておくことが大切です。
確認したい項目は以下のとおりです。
- 契約している電力会社
- 契約種別
- 契約容量
- 使用量
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再エネ賦課金
- 月ごとの請求額
電気代が高くなっている場合は、使用量が増えたのか、料金単価が上がったのかを確認しましょう。
使用量が増えているなら、設備運用の見直しが有効です。
単価や契約条件が原因なら、料金プランの比較を検討できます。
基本料金と使用量の両方を見直す
電気代は、基本料金と電力量料金の両方で考える必要があります。
電力量料金は、使った電気の量に応じてかかります。
一方、基本料金は契約容量などに応じて発生します。
使用量を減らすだけでなく、契約容量が適正かどうかも確認しましょう。
見直しポイントは以下のとおりです。
- 契約容量が実際の使用状況に合っているか
- 基本料金が高くなっていないか
- 電力量料金の単価が適正か
- 季節ごとの使用量に合っているか
- 診療時間と料金プランが合っているか
- 医療機器の追加で契約が変わっていないか
開業時の契約をそのまま使っている場合、現在の診療体制に合っていないことがあります。
診療時間を変更した、機器を増やした、患者数が変わったなどの場合は、契約を見直す余地があります。
基本料金と使用量の両方を確認することで、削減できるポイントを見つけやすくなります。
複数の電力会社やプランを比較する
電力会社や料金プランは、複数比較しましょう。
1社だけで判断すると、本当に安いかどうか分かりにくいです。
実際の使用量をもとに、複数のプランで試算することが大切です。
比較したい項目は以下です。
- 月額料金の試算
- 年間料金の試算
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 契約期間
- 解約金
- 料金改定条件
- サポート体制
- 請求書の分かりやすさ
料金単価だけでなく、実際の請求額で比較しましょう。
燃料費調整額や契約条件によって、見た目より高くなる場合があります。
また、医療機関では安定した運営が重要です。
料金だけでなく、問い合わせ対応や契約内容の分かりやすさも確認しておくと安心です。
2026年以降にクリニックの電気代削減で確認したいポイント

2026年以降にクリニックの電気代削減を進めるなら、省エネ設備更新や電力使用量の見える化も検討しましょう。
日々の節電だけでなく、EMS、太陽光発電、蓄電池、BCP対策まで含めて考えることで、コスト削減と安定運営の両方につなげやすくなります。
ただし、補助金や支援制度は、医療機関向けの制度と中小企業向けの制度で対象や条件が異なる場合があります。
制度名や補助内容を決め打ちせず、自院が対象になるかを個別に確認することが大切です。
省エネ設備更新に使える補助金を確認する
クリニックでは、省エネ設備更新に補助金を活用できる場合があります。
対象になりやすい設備には、空調、照明、給湯設備、EMSなどがあります。
古い設備を使っている場合は、補助金を確認しながら更新を検討するとよいでしょう。
確認したい項目は以下のとおりです。
- 対象設備
- 補助率
- 上限額
- 申請期間
- 医療機関が対象になるか
- 中小企業向け制度を使えるか
- 申請前着工の可否
- 必要書類
- 採択後の報告義務
補助金は、年度や地域、制度ごとに内容が変わります。
国の制度だけでなく、自治体の制度も確認しましょう。
また、医療機関向けの支援制度と、中小企業向けの省エネ支援制度では、対象設備や申請条件が異なる場合があります。
制度名だけで判断せず、自院の法人形態、規模、設備内容、導入時期が条件に合うかを確認することが重要です。
補助金は、申請前に契約や工事を始めると対象外になる場合があります。
設備更新を考えている場合は、先に公募状況を確認しましょう。
EMSで電力使用量を見える化する
EMSを導入すると、電力使用量を見える化できます。
EMSとは、エネルギー管理システムのことです。
空調、照明、医療機器、給湯設備などの使用状況を把握しやすくなります。
EMSで確認できる内容は以下です。
- 時間帯別の電力使用量
- 設備ごとの使用傾向
- ピーク電力
- 空調の使用状況
- 照明の使用状況
- 無駄な稼働
- 改善後の削減効果
電気代を削減するには、どの設備が、いつ、どれだけ電力を使っているかを知ることが大切です。
請求書だけでは、設備ごとの使用状況までは分かりません。
EMSを活用すれば、感覚ではなくデータをもとに改善策を考えられます。
電気代が高い原因を見つけやすくなるため、継続的な省エネにも役立ちます。
太陽光発電や蓄電池との連携を検討する
電気代削減や災害時の備えとして、太陽光発電や蓄電池を検討する方法もあります。
ただし、太陽光発電や蓄電池を導入しても、クリニック全館を通常通り運転できるとは限りません。
停電時に使える設備や時間は、発電量、蓄電池容量、配線設計、切替方式によって変わります。
太陽光発電を導入すれば、発電した電気をクリニック内で使える場合があります。
日中に診療するクリニックでは、発電時間帯と電力使用時間帯が合いやすいケースもあります。
蓄電池を組み合わせると、発電した電気をためて使える場合があります。
停電時の備えとしても検討できます。
確認したいポイントは以下のとおりです。
- 設置できる屋根やスペース
- 日中の電力使用量
- 自家消費率
- 蓄電池容量
- 停電時に使いたい設備
- どの回路に電気を供給するか
- 導入費用
- 補助金の有無
- メンテナンス費用
停電時の活用を目的にする場合は、照明、通信設備、電子カルテ、医薬品用冷蔵庫など、優先して使いたい設備を先に決めましょう。
太陽光発電や蓄電池は、導入費用が大きくなりやすい設備です。
導入前に、発電量、使用量、費用対効果、非常時に使える範囲をシミュレーションすることが重要です。
BCP対策として停電時に必要な設備を整理する
クリニックでは、BCP対策として停電時に必要な設備を整理しておくことも重要です。
BCPとは、災害や停電などの緊急時でも、必要な業務を継続するための計画です。
クリニックでは、診療科や地域の役割によって、停電時に必要な設備が異なります。
優先して確認したい設備は以下です。
- 照明
- 通信設備
- 電子カルテ
- 受付・会計システム
- 医薬品用冷蔵庫
- 医療機器
- 空調
- 給湯設備
- 防犯設備
停電時にすべての設備を通常通り動かすのは難しい場合があります。
そのため、優先順位を決めることが大切です。
たとえば、電子カルテや通信設備を優先するのか、医薬品用冷蔵庫を優先するのか、診療科によって判断は変わります。
受付・会計システムも、患者対応や診療再開に関わるため、停止してよい機器として扱わない方がよい場合があります。
太陽光発電や蓄電池を導入する場合も、BCP計画と連動させて設計しましょう。
電気代削減だけでなく、非常時に最低限どの業務を継続するかを決めておくことが大切です。
診療科ごとに優先して見直す設備を決める
クリニックの電気代削減では、診療科ごとに優先して見直す設備を決めることが大切です。
内科、歯科、整形外科、眼科、美容クリニックなどでは、使用する機器が異なります。
電気を多く使う設備も変わります。
診療科ごとの見直し例は以下です。
| 診療科 | 優先して見直したい設備 |
| 内科 | 空調、照明、検査機器、電子カルテ |
| 歯科 | 診療ユニット、コンプレッサー、滅菌器、空調 |
| 整形外科 | 画像診断機器、リハビリ機器、空調 |
| 眼科 | 検査機器、照明、空調 |
| 美容クリニック | 施術機器、空調、照明、給湯設備 |
すべての設備を同時に見直そうとすると、負担が大きくなります。
まずは、使用時間が長い設備や消費電力が大きい設備から確認しましょう。
自院の診療内容に合わせて優先順位を決めることで、無理なく電気代削減を進めやすくなります。
まとめ:クリニックの電気代削減は医療品質を守りながら無駄を減らすことが重要

クリニックの電気代は、空調、照明、医療機器、給湯設備などを長時間使うため高くなりやすいです。
特に、患者の快適性や衛生管理、診療品質に関わる設備は簡単に止められません。
電気代を削減するには、まず請求書や検針票を確認しましょう。
使用量、基本料金、契約容量、電力量料金、燃料費調整額を把握することが大切です。
具体的な対策としては、空調の温度設定、フィルター清掃、LED照明への切り替え、不要な照明の消灯、待機電力の削減、給湯設備の見直しがあります。
電力会社や料金プランの比較も有効です。
ただし、医療機器や診療システムは安易に停止しないよう注意が必要です。
電子カルテ、受付・会計システム、医薬品用冷蔵庫、通信設備などは、診療継続やBCPの観点で重要な設備になる場合があります。
2026年以降は、省エネ設備更新の補助金、EMSによる電力使用量の見える化、太陽光発電や蓄電池、BCP対策も確認したいポイントです。
補助金は医療機関向けと中小企業向けで条件が異なる場合があるため、自院が対象になるかを個別に確認しましょう。
また、太陽光発電や蓄電池を導入しても、停電時に全館を通常運転できるとは限りません。
非常時に使いたい設備を決めたうえで、必要な容量や設備構成を検討することが大切です。
クリニックの電気代削減は、単なる節電ではありません。
医療品質を守りながら、固定費を継続的に見直す取り組みです。
自院の診療科や設備構成に合わせて、無理のない方法から進めましょう。

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