デマンドコントロールとは?仕組み・種類・導入メリットを解説
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デマンドコントロールとは、電力使用のピークを抑え、契約電力や電気料金の上昇を防ぐための取り組みです。
工場、オフィスビル、商業施設、病院、学校、店舗など、電力使用量が大きい施設で導入されることがあります。
デマンドとは、一定時間内に使った平均電力を指します。
高圧契約では、一般的に30分間の平均使用電力がデマンド値として扱われます。
このデマンド値が高くなると、契約電力や基本料金に影響する場合があります。
たとえば、夏場に空調を一斉に起動したり、生産設備を同じ時間帯に動かしたりすると、電力使用のピークが高くなります。
短時間でも大きなピークが発生すると、電気料金に影響する可能性があります。
デマンドコントロールでは、電力使用状況を把握し、ピークが高くなりそうなタイミングで設備の使い方を調整します。
デマンド監視装置でアラートを受けて人が対応する方法もあります。
デマンドコントロールシステムを使えば、設備の自動制御も可能です。
電気料金の削減を目指す場合、単に使用電力量を減らすだけでは不十分なことがあります。
電気を「どれだけ使うか」だけでなく、「いつ集中して使うか」を管理することが重要です。
電気に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
デマンドコントロールとは

デマンドコントロールとは、最大需要電力を抑え、電気料金の上昇を防ぐための仕組みです。
電力使用量を確認し、設定したデマンド値に近づいたときに、空調や照明、生産設備などの使い方を調整します。
最大需要電力を抑えて電気料金の上昇を防ぐ仕組み
デマンドコントロールは、最大需要電力を抑えるために行います。
最大需要電力とは、一定期間内で最も高くなった使用電力のことです。
電気料金は、使った電力量だけで決まるわけではありません。
高圧契約では、最大需要電力が契約電力や基本料金に影響することがあります。
そのため、短時間のピークを抑えることも、電気料金を削減するうえで有効な場合があるのです。
電力使用が集中しやすい場面には、以下があります。
- 始業時に空調を一斉に起動する
- 工場設備を同じ時間帯に稼働させる
- 厨房機器や冷凍冷蔵設備を同時に使う
- 夏場や冬場に空調負荷が高くなる
- 照明、換気、空調、生産設備が重なる
デマンドコントロールでは、このようなピークを把握し、必要に応じて設備の運転を調整します。
空調の立ち上げ時間をずらす、設備の稼働タイミングを分ける、一部設備の出力を抑えるといった方法があります。
ポイントは、電気を使わないようにすることだけではありません。
電力使用が集中する時間帯を避け、ピークをなだらかにすることが重要です。
デマンド値とは30分間の平均使用電力のこと
デマンド値とは、30分間の平均使用電力のことです。
高圧契約では、この30分ごとの平均使用電力が重要な指標になります。
分かりやすく言うと、デマンド値は「30分間にどれくらい電気を使ったか」を見る数値です。
瞬間的に電力を多く使ったかどうかではなく、30分間の平均として計算されます。
たとえば、ある30分間に空調、照明、生産設備、冷凍冷蔵設備を同時に使うと、その時間帯の平均使用電力が高くなります。
その結果として、デマンド値も上昇するのです。
デマンド値が上がりやすい状況には、以下があります。
- 空調を一斉に起動した
- 大型設備を同時に動かした
- ピーク時間帯に照明や換気も重なった
- 繁忙時間に多くの機器を使った
- 夏場や冬場で空調負荷が大きかった
電気料金を抑えるには、月全体の使用電力量だけでなく、30分ごとの使い方にも注意が必要です。
デマンドコントロールは、この30分単位のピークを管理するための考え方です。
最大デマンド値が電気料金に影響する理由
最大デマンド値が電気料金に影響するのは、高圧契約の基本料金が契約電力と関係するためです。
契約電力は、過去の最大需要電力をもとに決まる場合があります。
つまり、短時間でも大きな電力ピークが発生すると、その後の契約電力や基本料金に影響する可能性があります。
月全体の電力使用量が少なくても、ピークが高ければ基本料金が上がる可能性がある点に注意が必要です。
たとえば、普段は一定の電力使用で運用している施設でも、ある日の30分だけ電力使用が集中すると、その最大値が料金に影響する場合があります。
これが、デマンド管理が重要とされる理由です。
最大デマンド値を抑えるためには、以下のような対策が考えられます。
- 設備の同時起動を避ける
- 空調の起動時間をずらす
- ピーク時間帯の設備稼働を調整する
- 不要な照明や機器を停止する
- 自動制御で一部設備の出力を抑える
電気料金を削減するには、使用電力量の削減とピークの抑制を分けて考えることが大切です。
デマンドコントロールは、特にピーク抑制に効果を発揮しやすい取り組みです。
デマンドコントロールを行う方法
デマンドコントロールを行う方法には、主に手動制御タイプと自動制御タイプがあります。
手動制御タイプは、デマンド監視装置のアラートを受けて人が対応します。
自動制御タイプでは、デマンドコントロールシステムによる設備の自動調整が可能です。
手動制御タイプでアラートを受けて対応する
手動制御タイプは、デマンド監視装置で電力使用状況を確認し、アラートを受けて人が対応する方法です。
設定したデマンド値に近づくと、警報や通知で管理者に知らせます。
管理者は、通知を受けたあとに設備の運用を調整します。
具体的には、以下のような対応が考えられます。
- 空調の設定温度を調整する
- 一部の空調を一時的に停止する
- 不要な照明を消す
- 設備の稼働を少し遅らせる
- 換気やポンプの運転タイミングを見直す
手動制御タイプのメリットは、比較的導入しやすいことです。
まずは電力使用状況を把握したい場合や、大がかりな自動制御までは必要ない場合に向いています。
一方で、人が対応するため、管理者がアラートに気づけなければ効果が出にくくなります。
対応ルールが曖昧だと、現場が何をすればよいか迷う可能性もあります。
手動制御タイプを使う場合は、アラートが出たときの対応手順を決めておきましょう。
誰が、どの設備を、どの順番で調整するのかを明確にすることが大切です。
自動制御タイプで設備を自動的に調整する
自動制御タイプは、デマンドコントロールシステムを使い、設備を自動的に調整する方法です。
設定したデマンド値に近づくと、システムが空調や照明などを制御します。
自動制御の対象になりやすい設備には、以下があります。
- 空調設備
- 照明設備
- 換気設備
- ポンプ
- コンプレッサー
- 冷凍冷蔵設備
- 一部の生産設備
自動制御タイプのメリットは、人が毎回対応しなくてもピークを抑えやすいことです。
管理者が常駐していない施設や、アラート後の手動対応が難しい施設に向いています。
たとえば、デマンド値が設定値に近づいた場合、空調の出力を少し抑える、照明の一部を制御する、優先度の低い設備を一時的に止めるといった対応ができます。
ただし、自動制御には注意も必要です。
空調を抑えすぎると、室内環境が悪化する場合があります。
生産設備を止めた場合は、作業効率や品質への影響にも注意しなければなりません。
自動制御を導入する場合は、制御する設備の優先順位を決めておきましょう。
業務に影響しにくい設備から制御する設計にすると、現場の負担を抑えやすくなります。
ピークカットとピークシフトで使用電力を抑える
デマンドコントロールでは、ピークカットとピークシフトの考え方が重要です。
どちらも電力使用のピークを抑えるための方法ですが、意味は少し異なります。
ピークカットは、電力使用の山を小さくする方法です。
たとえば、空調の出力を一時的に抑えたり、不要な設備を停止したりして、最大デマンド値が高くならないようにします。
ピークシフトは、電力を使う時間帯をずらす方法です。
電力使用が集中する時間帯を避け、別の時間帯に設備を動かすことでピークを抑えます。
それぞれの例は以下の通りです。
- ピークカット:空調の出力を抑える
- ピークカット:不要な照明を消す
- ピークカット:一部設備を一時停止する
- ピークシフト:空調の起動時間をずらす
- ピークシフト:生産設備の稼働時間を分散する
- ピークシフト:充電や加熱工程の時間を変更する
ピークカットは、ピークそのものを下げる対策です。
一方、ピークシフトでは、ピークが発生する時間帯を分散させます。
どちらが適しているかは、施設の設備や業務内容によって異なります。
業務への影響を抑えながら、無理なく実施できる方法を選ぶことが大切です。
デマンド監視装置とデマンドコントロールシステムの違い

デマンド監視装置は、電力使用状況を見える化し、設定値に近づいたときに知らせる装置です。
一方、デマンドコントロールシステムは、監視に加えて設備制御まで行います。
人が対応するのか、システムで自動制御するのかが大きな違いです。
デマンド監視装置は電力使用状況を知らせる
デマンド監視装置は、電力使用量やデマンド値を確認するための装置です。
電力使用状況を見える化し、設定値に近づいたときに警報や通知で知らせます。
主な役割は、以下の通りです。
- 現在の電力使用量を表示する
- デマンド値を確認する
- 設定値に近づいたら警報を出す
- 過去データを記録する
- 電力使用の傾向を把握する
デマンド監視装置は、基本的に「知らせる」ことが中心です。
アラートが出たあとの空調や照明などの調整は、管理者が担います。
そのため、管理者が対応できる施設に向いています。
まずは電力使用状況を把握したい場合にも、適した選択肢です。
一方で、アラートに気づくのが遅れたり、対応できる担当者がいなかったりすると、ピーク抑制が間に合わない場合があります。
手動対応を前提にする場合は、運用ルールを決めておくことが必要です。
デマンドコントロールシステムは設備制御まで行う
デマンドコントロールシステムは、電力使用状況を確認するだけでなく、設備制御まで行う仕組みです。
設定したデマンド値に近づくと、空調や照明などを自動で調整し、ピークを抑えます。
主な役割は、以下の通りです。
- 電力使用量を確認する
- デマンド値を確認する
- 警報や通知を出す
- 設備を自動制御する
- 制御履歴を記録する
- 運用改善に使うデータを蓄積する
デマンドコントロールシステムは、人手に頼らずピークを抑えたい施設に向いています。
管理者が常駐していない場合や、複数拠点を管理する場合にも便利です。
ただし、設備制御を行うため、導入前の確認が重要です。
制御する設備、制御による業務への影響、快適性や安全性に問題がないかを、事前に整理する必要があります。
特に空調制御では、快適性とのバランスが大切です。
生産設備の場合は、品質や作業工程への影響も考慮しましょう。
施設の規模や管理体制に合わせて選ぶ
デマンド監視装置とデマンドコントロールシステムは、施設の規模や管理体制に合わせて選ぶことが大切です。
どちらがよいかは、目的や運用体制によって変わります。
選び方の目安は、以下の通りです。
- まず使用状況を把握したい:デマンド監視装置
- 人がアラート対応できる:デマンド監視装置
- 自動でピークを抑えたい:デマンドコントロールシステム
- 管理者が常駐していない:デマンドコントロールシステム
- 複数拠点を管理したい:遠隔監視対応のシステム
- 空調や照明を制御したい:制御連携できるシステム
小規模な施設では、まずデマンド監視装置で電力使用状況を把握する方法があります。
ピークが出る時間帯や設備が分かったうえで、デマンドコントロールシステムを検討すると失敗しにくくなります。
一方、大規模な工場や商業施設では、人が毎回対応するのが難しい場合があります。
そのような場合は、デマンドコントロールシステムで自動制御まで行う方が向いています。
導入前には、現場の運用体制を確認しましょう。
管理する担当者、制御できる設備、必要な自動化の程度を整理することが、適切な選定につながります。
デマンドコントロールのメリットと注意点
デマンドコントロールには、電気料金の削減や電力使用状況の把握といったメリットがあります。
一方で、設備制御による業務や快適性への影響、導入費用とのバランスには注意が必要です。
電気料金の削減につながる
デマンドコントロールの大きなメリットは、電気料金の削減につながることです。
最大デマンド値を抑えることで、契約電力や基本料金の上昇を防ぎやすくなります。
高圧契約の施設では、最大需要電力が料金に影響する場合があります。
短時間のピークでも、契約電力に影響する可能性があるため、ピーク管理が重要です。
デマンドコントロールでは、ピークが発生しそうなタイミングで設備を調整します。
空調、照明、生産設備などの使い方を見直すことで、最大デマンド値を抑えやすくなります。
電気料金削減につながる対策には、以下があります。
- 空調の起動時間を分散する
- ピーク時間帯の設備稼働をずらす
- 不要な照明や機器を止める
- 自動制御で空調の出力を調整する
- 電力使用データをもとに運用を改善する
ただし、削減効果は施設の規模や契約内容によって異なります。
導入前には、現在の最大デマンド値と電気料金を確認し、どの程度の削減が見込めるかを試算することが大切です。
電力使用状況を把握しやすくなる
デマンドコントロールを行うと、電力使用状況を把握しやすくなります。
どの時間帯に電力使用が集中しているのか、どの設備がピークに影響しているのかを確認できます。
電力使用状況が見えると、改善点を見つけやすくなります。
たとえば、始業時にピークが出ている場合は、空調や設備の立ち上げ時間をずらす対策が考えられます。
営業時間外に電力使用が多い場合は、待機電力や消し忘れの設備を確認しましょう。
把握できる情報には、以下があります。
- 時間帯別の電力使用量
- 最大デマンド値
- ピークが出やすい曜日や季節
- 設備稼働と電力使用の関係
- 対策前後の変化
感覚だけで節電を行うと、効果が分かりにくくなります。
データを確認しながら運用を見直すことが、無理のない省エネにつなげるポイントです。
電力使用状況を把握することは、デマンドコントロールの第一歩です。
現状が分かるからこそ、どの設備をどのように調整すべきか判断できます。
設備制御によって業務や快適性に影響する場合がある
デマンドコントロールでは、設備制御によって業務や快適性に影響する場合があります。
特に自動制御タイプを導入する場合は注意が必要です。
たとえば、空調を制御すると、室温が上がったり下がったりすることがあります。
オフィスや店舗では、従業員や来店者の快適性への配慮が欠かせません。
工場では、設備の停止や出力制限が生産工程に影響するおそれもあるため、注意が必要です。
影響を抑えるには、制御対象の優先順位を決めておくことが大切です。
- 業務への影響が少ない設備から制御する
- 停止できない設備は制御対象から外す
- 空調制御は快適性を確認しながら行う
- 生産設備は工程や品質への影響を確認する
- アラート時の手動対応ルールも用意する
デマンドコントロールは、電気料金削減だけを優先すればよいものではありません。
現場の業務、快適性、安全性とのバランスが重要です。
導入前には、施設管理者だけでなく、現場担当者にも確認しましょう。
実際の業務に支障が出ない範囲で制御することで、継続しやすい運用になります。
導入費用と削減効果のバランスを確認する
デマンドコントロールを導入する際は、導入費用と削減効果のバランスを確認しましょう。
システムを入れれば必ず大きな削減効果が出るとは限りません。
導入時に確認したい費用には、以下があります。
- 機器費用
- 設置工事費
- 通信費
- 保守費用
- クラウド利用料
- 既存設備との連携費用
- 設定や調整にかかる費用
自動制御タイプの場合、設備との連携工事が必要になることがあります。
既存設備が古い場合や、特殊な設備を制御する場合は、追加費用が発生する可能性も考慮しましょう。
費用対効果を見るには、現在の電気料金と最大デマンド値を確認します。
そのうえで、どの程度ピークを抑えられるかを試算しましょう。
導入費用だけで判断するのではなく、運用後の削減効果、管理負担、サポート体制も含めて検討することが大切です。
デマンドコントロール導入前に確認すること

デマンドコントロールを導入する前には、現在のデマンド値や電気料金を把握し、目標デマンド値と制御する設備を決める必要があります。
導入後は削減効果を検証し、設定や運用を見直すことが重要です。
現在のデマンド値と電気料金を確認する
導入前にまず行うべきことは、現在のデマンド値と電気料金の確認です。
現状を把握しなければ、どの程度の改善が必要なのか判断できません。
確認したい項目は、以下の通りです。
- 現在の契約電力
- 最大デマンド値
- 月ごとの電気料金
- 基本料金
- 使用電力量
- ピークが出やすい時間帯
- 季節ごとの使用傾向
特に重要なのは、ピークが発生している時間帯です。
始業時なのか、昼過ぎなのか、夕方なのかによって対策は変わります。
たとえば、始業直後にピークが出ている場合は、空調や設備の起動時間を分散する方法があります。
夏場の午後にピークが出る場合は、空調負荷や設備稼働の重なりを確認します。
現状把握をせずにシステムだけ導入すると、適切な目標設定ができません。
まずは電気の使い方を確認し、改善の余地を見つけることが大切です。
目標デマンド値を決める
現在の状況を確認したら、目標デマンド値を決めます。
目標デマンド値とは、どの程度まで最大デマンド値を抑えたいかを示す基準です。
目標を決めるときは、無理のない設定にすることが重要です。
目標が厳しすぎると、頻繁に設備制御が発生します。
その結果、業務や快適性に影響する可能性があります。
目標設定では、以下の点を確認しましょう。
- 現在の最大デマンド値
- 契約電力
- ピークが出る原因
- 制御できる設備
- 現場への影響
- 削減したい電気料金
- 季節ごとの変動
たとえば、空調負荷が大きい施設では、夏場と冬場でデマンド値が変わりやすくなります。
年間を通じて同じ目標値にするのではなく、季節ごとの運用も考える必要があります。
目標デマンド値は、一度決めたら終わりではありません。
導入後の状況を見ながら、必要に応じて調整しましょう。
制御する設備を決める
デマンドコントロールを行うには、どの設備を制御するかを決める必要があります。
すべての設備を同じように制御するのではなく、業務への影響が少ないものから検討します。
制御対象になりやすい設備には、以下があります。
- 空調設備
- 照明設備
- 換気設備
- ポンプ
- コンプレッサー
- 冷凍冷蔵設備
- 一部の生産設備
一方で、制御に注意が必要な設備もあります。
生産ライン、医療機器、品質管理に関わる設備などは、停止や出力制限によって大きな影響が出る可能性があります。
制御する設備を決める際は、以下の点を確認しましょう。
- 一時的に停止しても問題ないか
- 出力を抑えても業務に支障がないか
- 快適性や安全性に影響しないか
- 制御の優先順位を決められるか
- 現場担当者の理解を得られるか
制御対象を適切に選ぶことで、電気料金削減と現場運用のバランスを取りやすくなります。
導入後に削減効果を検証する
デマンドコントロールは、導入後の効果検証が重要です。
システムを設置しただけでは、想定通りの効果が出ているか分かりません。
導入後に確認したい項目は、以下の通りです。
- 最大デマンド値の変化
- 電気料金の変化
- アラート発生回数
- 自動制御の回数
- 設備運用の変化
- 現場への影響
- 季節ごとの効果
たとえば、最大デマンド値は下がっているのに電気料金があまり変わらない場合は、契約内容や使用電力量も確認する必要があります。
反対に、削減効果は出ていても現場の負担が大きい場合は、制御条件を見直しましょう。
効果検証は、月単位だけでなく、季節ごとにも行いましょう。
夏場や冬場は空調負荷が大きくなるため、ピークが発生しやすくなります。
導入後は、データを確認しながら運用を改善していくことが大切です。
デマンドコントロールは、継続して見直すことで効果を高められます。
デマンドコントロールは太陽光・蓄電池・DR対応まで見据えて活用する
デマンドコントロールは、設備制御だけでなく、太陽光発電や蓄電池と組み合わせて活用する方法もあります。
さらに、電力需給に応じて使用量を調整するデマンドレスポンスへの対応も、今後の選択肢になります。
導入時は、補助金や制度情報も確認しておくとよいでしょう。
太陽光発電で日中の購入電力を抑える
太陽光発電を活用すると、日中に使用する電力の一部を自家発電でまかなえます。
特に、日中の電力使用量が多い工場、倉庫、商業施設、オフィスなどでは、購入電力を抑えやすくなります。
デマンドコントロールと太陽光発電を組み合わせると、電力使用のピーク対策にもつながる場合があります。
日中に発電した電力を自家消費できれば、電力会社から購入する電力を減らせるためです。
ただし、太陽光発電は天候に左右されます。
晴天時は発電量が多くても、曇天や雨天では発電量が下がる点に注意が必要です。
そのため、太陽光発電だけで安定してデマンド値を抑えられるとは限りません。
活用する際は、以下の点を確認しましょう。
- 日中の電力使用量
- 屋根や敷地の設置スペース
- 発電量の見込み
- 自家消費できる割合
- デマンド値への影響
- メンテナンス体制
太陽光発電は、電気料金削減だけでなく、脱炭素やBCP対策の一環として検討されることもあります。
デマンドコントロールと組み合わせる場合は、発電量と使用量のバランスを見ながら判断しましょう。
蓄電池でピーク時間帯の電力使用を補う
蓄電池を活用すると、ピーク時間帯の購入電力を抑えやすくなります。
電力使用が少ない時間帯や太陽光発電で余った電力を蓄え、電力使用が集中する時間帯に使う方法です。
蓄電池は、ピークカットやピークシフトと相性があります。
ピークカットでは、電力使用が増える時間帯に蓄電池から放電し、購入電力の山を抑えます。
ピークシフトでは、電力を使う時間帯をずらす考え方と組み合わせます。
蓄電池を活用するメリットには、以下があります。
- ピーク時間帯の購入電力を抑えられる
- 太陽光発電の余剰電力を活用しやすい
- 停電時の備えになる場合がある
- 電力使用の平準化に役立つ
- 脱炭素施策と組み合わせやすい
一方で、蓄電池は導入費用が大きくなりやすい設備です。
容量、設置場所、制御システム、メンテナンスも確認する必要があります。
蓄電池を導入する場合は、現在のデマンド値だけでなく、電力使用パターンも確認しましょう。
ピークが短時間に集中している施設では、効果が出やすい場合があります。
デマンドレスポンスに対応できる体制を整える
デマンドレスポンスとは、電力需給の状況に合わせて、需要家側が電力の使用量や時間を調整する取り組みです。
簡単に言うと、電気が不足しやすい時間帯に使用量を抑えたり、使う時間をずらしたりします。
デマンドコントロールは、このデマンドレスポンスへの準備にもつながります。
どの設備なら調整できるか、どの時間帯に電力使用が多いかを把握できるためです。
対応に向けて確認したいことは、以下です。
- 調整できる設備があるか
- 停止できない設備は何か
- 空調や照明の制御が可能か
- 蓄電池や太陽光と連携できるか
- 遠隔監視や自動制御に対応できるか
- 担当者と対応フローを決められるか
すべての施設で、すぐにデマンドレスポンスへ対応できるわけではありません。
まずは自社の電力使用状況を把握し、無理なく調整できる範囲を整理することが大切です。
今後、電力需給の変動や再生可能エネルギーの拡大により、需要側の調整力がより重要になる可能性があります。
デマンドコントロールを導入する際は、将来的な活用も見据えておくとよいでしょう。
補助金や制度情報を確認して導入負担を抑える
デマンドコントロールに関連する設備を導入する際は、補助金や支援制度を確認しましょう。
省エネ設備、エネルギーマネジメント、太陽光発電、蓄電池などは、国や自治体の補助対象になる場合があります。
代表的には、省エネ設備投資を支援する制度や、エネルギーマネジメントシステムの導入を支援する制度があります。
太陽光発電や蓄電池を組み合わせる場合は、再エネ設備や蓄電池向けの補助制度も確認対象になります。
ただし、補助金は年度や地域によって内容が変わります。
対象設備、補助率、公募期間、申請条件も制度ごとに異なるため、確認が必要です。
確認したいポイントは、以下の通りです。
- 対象設備に該当するか
- 法人や事業所が対象になるか
- 公募期間に間に合うか
- 事前申請が必要か
- 見積書や事業計画が必要か
- 導入後の報告義務があるか
- 他の補助金と併用できるか
特に注意したいのは、契約や発注のタイミングです。
補助金によっては、交付決定前に契約や発注をすると対象外になる場合があります。
制度を使う可能性がある場合は、導入前に確認しましょう。
補助金を活用できれば、初期費用の負担を抑えられる可能性があります。
ただし、補助金ありきで導入するのではなく、削減効果や運用体制も含めて判断することが大切です。
まとめ|デマンドコントロールは電力ピークを抑えて電気料金削減につなげる仕組み

デマンドコントロールとは、最大需要電力を抑え、電気料金の上昇を防ぐための仕組みです。
高圧契約では、30分間の平均使用電力であるデマンド値が、契約電力や基本料金に影響する場合があります。
デマンドコントロールを行う方法には、手動制御タイプと自動制御タイプがあります。
手動制御タイプは、デマンド監視装置のアラートを受けて人が対応します。
自動制御タイプでは、デマンドコントロールシステムによる空調や照明などの自動調整が可能です。
デマンド監視装置とデマンドコントロールシステムは、役割が異なります。
デマンド監視装置は電力使用状況を知らせることが中心です。
デマンドコントロールシステムは、監視に加えて設備制御まで行います。
導入するメリットは、電気料金の削減だけではありません。
電力使用状況を把握できるため、設備運用の見直しや省エネにもつなげやすくなります。
一方で、設備制御による業務や快適性への影響には注意が必要です。
導入前には、現在のデマンド値と電気料金を確認し、目標のデマンド値を決めましょう。
さらに、制御する設備を選び、導入後は削減効果を定期的に検証することが大切です。
デマンドコントロールは、設置して終わりの仕組みではありません。
電力使用のピークを把握し、設備運用を改善し続けることで、電気料金削減と省エネを継続的に進めやすくなります。
監修者コメント
製品選定では、カタログ上の性能よりも「導入後に誰が面倒を見るか」で差が出ます。保守の範囲と連絡先を契約時に明文化しておくことを、あわせておすすめします。
三浦 健一 みうら けんいち
ITコーディネータ / 情報処理安全確保支援士
株式会社中小企業のチカラ DX推進室
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