2026年09月12日 更新
Webサイトの要件定義とは?必要な項目・進め方を解説
- オフィス向け
- 小売店向け
- 不動産向け
- 飲食店向け
- 学習塾向け

- Webサイトの要件定義とは
- Webサイトの仕様を決める工程
- Webサイト制作やリニューアルの土台になる
- 要件定義は制作の前提を整理する工程
- Webサイトの要件定義が必要な理由
- 制作目的や解決したい課題を明確にするため
- 関係者の認識をそろえるため
- 見積もりやスケジュールの精度を高めるため
- 要件定義は目的・認識・進行を整えるために必要
- Webサイトの要件定義を進める流れ
- 現状分析と課題整理を行う
- 課題を解決する方向性を決める
- 関係部署と合意形成を行う
- 要件定義書を作成する
- 要件定義は課題整理から文書化まで順に進める
- Webサイトの要件定義で決めるべき項目
- 背景・目的・プロジェクト概要
- ターゲットとサイト構成
- システム要件・技術要件
- インフラ要件・セキュリティ要件
- リリース要件・運用保守
- 要件定義では制作前から公開後まで整理する
- Webサイトの要件定義ではアクセシビリティ・プライバシー・計測要件も確認する
- アクセシビリティ対応の方針を決める
- 個人情報・Cookie・同意管理の要件を整理する
- GA4や広告タグなどの計測要件を決める
- 公開後の改善に使うKPIを設定する
- 使いやすさ・安全性・改善指標も要件に含める
- まとめ|Webサイトの要件定義は制作前に目的・仕様・運用を整理する工程

Webサイトの要件定義とは、Webサイト制作やリニューアルを始める前に、目的・必要なページ・機能・運用方法などを整理し、制作の前提条件を決める工程です。
簡単にいえば、「どのようなWebサイトを、何のために、どこまで作るのか」を明確にする作業です。
要件定義が曖昧なまま制作を進めると、「必要なページが足りなかった」「問い合わせフォームの仕様が決まっていなかった」「公開後に誰が更新するのか決まっていなかった」などの問題が起こりやすくなります。
結果として、追加費用や納期遅延、制作会社との認識違いにつながる可能性があります。
特に企業サイト、採用サイト、サービスサイト、ECサイトなどでは、経営層、営業、採用、マーケティング、情報システム、法務など、複数の関係者が関わることがあります。
そのため、制作前に目的や仕様を整理し、関係者の認識をそろえておくことが大切です。
要件定義では、サイトの背景や目的、ターゲット、サイト構成、必要な機能、システムやサーバー、セキュリティ、公開後の運用保守などを決めます。
さらに近年では、アクセシビリティ、個人情報やCookieの取り扱い、GA4などのアクセス解析、公開後に見るKPIも、事前に整理しておきたい項目です。
この記事では、Webサイトの要件定義の意味、必要な理由、進め方、決めるべき項目を初心者にも分かりやすく解説します。
制作会社へ依頼する前に何を整理すべきかを把握し、手戻りの少ないWebサイト制作につなげましょう。
ホームページ制作に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
Webサイトの要件定義とは

Webサイトの要件定義とは、制作やリニューアルに必要な条件を整理し、Webサイトの仕様を決める工程です。
目的、ターゲット、ページ構成、必要な機能、公開後の運用方法などを明確にし、制作関係者が同じ認識で進められる状態にします。
Webサイトの仕様を決める工程
Webサイトの要件定義は、Webサイトの仕様を決める工程です。
ここでいう仕様とは、デザインだけを指すものではありません。
誰に向けたサイトなのか、どのような成果を目指すのか、どのページが必要なのか、どの機能を入れるのか、公開後に誰が更新するのかなど、制作全体に関わる条件を整理します。
たとえば、サービスサイトを制作する場合は、以下のような内容を決める必要があります。
| 項目 | 決める内容 |
| 目的 | 問い合わせを増やす、認知を広げるなど |
| ターゲット | 誰に向けたWebサイトか |
| ページ構成 | トップ、サービス、事例、FAQ、問い合わせなど |
| 機能 | フォーム、CMS、検索、資料請求など |
| デザイン方針 | 信頼感、親しみやすさ、高級感など |
| 運用方法 | 誰が更新し、どこまで保守するか |
要件定義の段階では、細かい画面デザインやボタンの位置まですべて決める必要はありません。
まずは、Webサイトに必要な条件を整理し、制作の方向性と範囲を固めることが重要です。
なお、要件定義と基本設計の境界は、制作会社やプロジェクトによって少し異なります。
一般的には、要件定義では「何を実現するか」を決め、基本設計では「それをどのような画面・機能・構造で実現するか」をより具体的に詰めていきます。
Webサイト制作やリニューアルの土台になる
要件定義は、Webサイト制作やリニューアルの土台になります。
土台が曖昧なまま制作を始めると、途中で方針が変わったり、関係者の意見が分かれたりして、手戻りが起こりやすくなります。
たとえば、問い合わせを増やすことが目的のWebサイトであれば、サービス内容、導入事例、料金、FAQ、問い合わせフォームへの導線が重要になります。
一方で、採用応募を増やすことが目的であれば、社員紹介、働く環境、募集要項、応募フォームなどが重要になります。
目的が違えば、必要なページや見せ方も変わります。
そのため、要件定義では最初に「何のためにWebサイトを作るのか」を明確にすることが大切です。
リニューアルの場合は、既存サイトの課題も確認します。
たとえば、以下のような課題がある場合は、要件定義の段階で改善方針を整理しておく必要があります。
- スマートフォンで見づらい
- 情報が古くなっている
- 問い合わせにつながっていない
- 採用応募が少ない
- 更新しづらい
- ページ構成が分かりにくい
- 検索流入が少ない
Webサイトは公開して終わりではありません。
公開後に更新や改善を続けるためにも、要件定義の段階で制作範囲と運用方法を整理しておきましょう。
要件定義は制作の前提を整理する工程
Webサイトの要件定義とは、目的、ターゲット、ページ構成、機能、運用方法などを整理し、制作の前提を決める工程です。
細かいデザインを作り込む前に、「何を作るのか」「なぜ作るのか」「どこまで作るのか」を明確にすることで、制作中の認識違いや手戻りを防ぎやすくなります。
Webサイトの要件定義が必要な理由

Webサイトの要件定義が必要な理由は、制作目的や課題を明確にし、関係者の認識をそろえ、見積もりやスケジュールの精度を高めるためです。
要件定義を行うことで、制作会社への依頼内容も具体的になり、制作途中の追加対応や認識違いを減らしやすくなります。
制作目的や解決したい課題を明確にするため
Webサイトの要件定義は、制作目的や解決したい課題を明確にするために必要です。
Webサイトを作る理由が曖昧なままだと、どのようなページが必要か、どの情報を優先すべきか、どの機能を入れるべきか判断しにくくなります。
Webサイト制作の目的には、以下のようなものがあります。
| 目的 | 必要になりやすい内容 |
| 問い合わせを増やしたい | サービスページ、事例、フォーム導線 |
| 採用応募を増やしたい | 採用ページ、社員紹介、募集要項 |
| 会社の信頼性を高めたい | 会社概要、実績、代表メッセージ |
| 商品やサービスを分かりやすく伝えたい | 特徴、導入メリット、FAQ |
| 更新しやすくしたい | CMS、更新ルール、管理権限 |
| 集客を強化したい | SEO設計、コンテンツ、計測設定 |
たとえば、「古いWebサイトを新しくしたい」だけでは、要件としてはまだ不十分です。
デザインを刷新したいのか、問い合わせを増やしたいのか、採用応募を増やしたいのかによって、必要なページや導線は変わります。
目的を明確にすると、制作中の判断基準も作れます。
デザイン案や機能追加の要望が出たときに、「この目的に合っているか」で判断できるため、不要な追加や方向性のブレを防ぎやすくなります。
関係者の認識をそろえるため
Webサイトの要件定義は、関係者の認識をそろえるためにも必要です。
企業のWebサイト制作では、経営層、マーケティング、営業、採用、情報システム、法務、制作会社など、複数の関係者が関わることがあります。
関係者が多いほど、Webサイトに求める内容がずれやすくなります。
営業は問い合わせ獲得を重視し、採用担当は求職者向け情報を重視し、経営層はブランドイメージを重視することがあります。
それぞれの意見を整理しないまま制作を進めると、途中で要望が増えたり、優先順位が分からなくなったりします。
要件定義で認識をそろえたい内容は、以下の通りです。
- Webサイト制作の目的
- 優先するターゲット
- 必要なページ
- 必要な機能
- デザインの方向性
- 予算感
- 公開希望日
- 社内確認の流れ
- 公開後の更新担当
特に大切なのは、最終決定者と承認フローを決めておくことです。
確認者が多い場合、誰の意見を優先するのかが曖昧だと、制作が止まりやすくなります。
要件定義の段階で、誰が確認し、誰が最終決定するのかを整理しておきましょう。
見積もりやスケジュールの精度を高めるため
要件定義は、見積もりやスケジュールの精度を高めるためにも重要です。
Webサイト制作の費用や期間は、ページ数、機能、デザインの作り込み、CMSの有無、原稿作成、写真撮影、システム連携などによって変わります。
要件が曖昧な状態では、制作会社も正確な見積もりを出しにくくなります。
制作開始後に「やっぱりこの機能も必要」「このページも追加したい」となると、追加費用や納期延長につながる可能性があります。
見積もりやスケジュールに影響しやすい項目は、以下の通りです。
| 項目 | 影響する内容 |
| ページ数 | デザイン、コーディング、原稿量 |
| CMS | 更新機能、管理画面、開発工数 |
| フォーム | 入力項目、確認画面、通知設定 |
| 外部連携 | CRM、MA、予約、決済など |
| 原稿・写真 | ライティング、撮影、素材準備 |
| テスト | 表示確認、動作確認、フォーム確認 |
| 社内承認 | 確認期間、修正回数 |
スケジュールを考えるときは、制作会社の作業期間だけでなく、社内で確認する時間も必要です。
原稿の確認、写真素材の準備、法務確認、情報システム部門の確認なども含めて計画を立てると、無理のない進行にしやすくなります。
要件定義は目的・認識・進行を整えるために必要
Webサイトの要件定義は、制作目的を明確にし、関係者の認識をそろえ、見積もりやスケジュールの精度を高めるために必要です。
制作前に目的、範囲、優先順位を整理しておくことで、途中の手戻りや追加費用を防ぎやすくなります。
Webサイトの要件定義を進める流れ

Webサイトの要件定義は、現状分析と課題整理、課題を解決する方向性の決定、関係部署との合意形成、要件定義書の作成という流れで進めます。
最初からデザインや機能を細かく決めるのではなく、現状と目的を整理したうえで、必要な仕様を決めていくことが大切です。
現状分析と課題整理を行う
まずは、現状分析と課題整理を行います。
既存サイトがある場合は、アクセス数、問い合わせ数、検索流入、ページ構成、コンテンツ内容、スマートフォン表示、更新状況などを確認します。
現状分析で確認したい項目は、以下の通りです。
| 確認項目 | 見るポイント |
| アクセス数 | どのページが見られているか |
| 流入経路 | 検索、広告、SNS、紹介など |
| 問い合わせ数 | 成果につながっているか |
| 離脱ページ | ユーザーが離れやすい場所 |
| サイト構成 | 情報が探しやすいか |
| コンテンツ | 内容が古くないか |
| スマホ表示 | 読みやすく操作しやすいか |
| 更新体制 | 社内で更新しやすいか |
たとえば、アクセス数はあるのに問い合わせが少ない場合は、サービスページの内容やフォーム導線に課題があるかもしれません。
検索流入が少ない場合は、SEOを意識したコンテンツやページ構成が不足している可能性があります。
新規制作の場合でも、競合サイトやユーザーのニーズを確認しておくと、必要なページやコンテンツを整理しやすくなります。
課題を解決する方向性を決める
現状分析で課題を整理したら、次に課題を解決する方向性を決めます。
誰に向けて、何を伝え、どの行動を促すWebサイトにするのかを考える工程です。
方向性を決める際は、以下のような問いを整理します。
- どのターゲットを優先するのか
- ユーザーは何を知りたいのか
- どの情報を分かりやすく伝えるべきか
- 問い合わせ、応募、購入など何を促すのか
- どのページを重要ページにするのか
- どの機能が必要なのか
- 公開後に何を成果として見るのか
たとえば、BtoBサービスサイトであれば、サービスの特徴、導入メリット、事例、料金、資料請求、問い合わせ導線が重要です。
採用サイトであれば、仕事内容、働く環境、社員紹介、募集要項、応募導線が重要になります。
この段階では、すべてを一度に盛り込もうとせず、必須要件と後から追加できる要件を分けておくことも大切です。
優先順位を決めることで、予算やスケジュールに合った制作計画を立てやすくなります。
関係部署と合意形成を行う
方向性が決まったら、関係部署と合意形成を行います。
Webサイトは複数部署に関係することが多いため、制作前に目的や優先順位をすり合わせておく必要があります。
合意形成で確認したい内容は、以下の通りです。
| 確認内容 | 関係しやすい部署 |
| 目的・KPI | 経営層、マーケティング |
| サービス情報 | 営業、事業部 |
| 採用情報 | 人事、採用担当 |
| システム要件 | 情報システム |
| 個人情報・規約 | 法務、総務 |
| 予算・契約 | 経理、管理部門 |
| 更新体制 | 広報、マーケティング |
合意形成を行わずに制作を進めると、途中で「この情報も載せたい」「この機能が必要だった」「この表現は確認が必要」といった追加対応が発生しやすくなります。
関係者の意見を早い段階で整理しておくことで、制作中の手戻りを防ぎやすくなります。
要件定義書を作成する
最後に、整理した内容を要件定義書にまとめます。
要件定義書とは、Webサイト制作に必要な条件を文書化したものです。
口頭だけで合意していると、後から認識違いが起こる可能性があるため、文書として残しておくことが重要です。
要件定義書にまとめる主な内容は、以下の通りです。
- 制作・リニューアルの背景
- Webサイトの目的
- ターゲット
- プロジェクト概要
- サイト構成
- 必要なページ
- 必要な機能
- デザイン方針
- システム要件
- 技術要件
- インフラ要件
- セキュリティ要件
- リリース要件
- 運用保守
- スケジュール
- 体制と役割分担
要件定義書があると、制作会社への依頼内容が明確になります。
また、制作途中で判断に迷ったときも、要件定義書に戻ることで、目的や優先順位を確認できます。
要件定義は課題整理から文書化まで順に進める
Webサイトの要件定義は、現状分析、方向性の決定、関係部署との合意形成、要件定義書の作成という流れで進めます。
いきなり機能やデザインを決めるのではなく、現状の課題と目的を整理してから仕様に落とし込むことで、制作をスムーズに進めやすくなります。

Webサイトの要件定義で決めるべき項目

Webサイトの要件定義では、背景・目的・プロジェクト概要、ターゲットとサイト構成、システム要件・技術要件、インフラ要件・セキュリティ要件、リリース要件・運用保守を整理します。
専門的に見える項目もありますが、基本的には「何を作るか」「どう作るか」「どう公開し、どう運用するか」を順番に決める作業です。
背景・目的・プロジェクト概要
最初に、Webサイトを制作またはリニューアルする背景、目的、プロジェクト概要を整理します。
なぜWebサイトが必要なのか、どのような課題を解決したいのか、どの範囲を制作対象にするのかを明確にします。
整理したい内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 背景 | 制作やリニューアルに至った理由 |
| 目的 | 問い合わせ増加、採用強化、認知向上など |
| 課題 | 既存サイトや現状の問題 |
| 対象範囲 | 制作するページや機能の範囲 |
| 体制 | 社内担当者、制作会社、承認者 |
| 予算感 | 制作費や運用費の目安 |
| スケジュール | 公開希望日や主要工程 |
「デザインが古いからリニューアルしたい」だけでは、目的としてはやや曖昧です。
問い合わせを増やしたいのか、採用を強化したいのか、サービス内容を整理したいのかによって、必要なページや機能は変わります。
背景と目的を明確にしておくことで、その後のサイト構成や機能の判断がしやすくなります。
ターゲットとサイト構成
次に、ターゲットとサイト構成を決めます。
ターゲットとは、Webサイトを見る主なユーザーのことです。
法人向けサービスであれば企業の担当者、採用サイトであれば求職者、ECサイトであれば購入を検討しているユーザーが該当します。
ターゲットを整理する際は、以下を確認します。
- 誰に見てもらうWebサイトか
- ユーザーはどのような悩みを持っているか
- どの情報を知りたいか
- どのタイミングでWebサイトを見るか
- 最終的にどの行動をしてほしいか
ターゲットが決まると、必要なページも見えやすくなります。
| ページ例 | 役割 |
| トップページ | サイト全体の入口 |
| サービスページ | 提供内容を説明する |
| 事例ページ | 実績や信頼性を伝える |
| 会社概要 | 企業情報を伝える |
| FAQ | 問い合わせ前の不安を解消する |
| お問い合わせ | 行動につなげる |
| 採用ページ | 求職者向け情報を伝える |
| ニュース | 最新情報を更新する |
サイト構成は、自社が載せたい情報だけで考えるのではなく、ユーザーが知りたい順番で整理することが大切です。
必要な情報にたどり着きやすい構成にすることで、問い合わせや応募などの行動につながりやすくなります。
システム要件・技術要件
システム要件と技術要件は、Webサイトに必要な機能や制作環境を決める項目です。
少し専門的に聞こえますが、初心者向けに言えば「Webサイトにどんな機能が必要か」「どの環境で使えるようにするか」を整理する部分です。
システム要件の例は、以下の通りです。
- お問い合わせフォーム
- 資料請求フォーム
- お知らせ更新機能
- ブログ更新機能
- サイト内検索
- 予約機能
- 会員ログイン
- 決済機能
- CRMやMAツールとの連携
技術要件の例は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| CMS | WordPressなどの更新管理システム |
| 対応端末 | PC、スマートフォン、タブレット |
| 対応ブラウザ | Chrome、Safari、Edgeなど |
| レスポンシブ対応 | 画面サイズに合わせて表示を変える |
| 開発環境 | テスト環境、本番環境 |
| 外部連携 | CRM、MA、予約、決済など |
要件定義では、機能をできるだけ多く入れることが目的ではありません。
必要以上に機能を追加すると、制作費が増えたり、運用が難しくなったりします。
まずは必須の機能と、将来的に追加したい機能を分けて整理しましょう。
インフラ要件・セキュリティ要件
インフラ要件とセキュリティ要件は、Webサイトを安全に公開・運用するために必要な項目です。
初心者向けに言えば、インフラ要件は「Webサイトを置く場所や動かす環境」、セキュリティ要件は「安全に使うためのルールや対策」です。
インフラ要件で確認したい内容は、以下の通りです。
- サーバー
- ドメイン
- SSL
- バックアップ
- 表示速度
- テスト環境
- 本番環境への公開方法
セキュリティ要件で確認したい内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| SSL | 通信を暗号化する |
| フォーム保護 | スパムや不正送信を防ぐ |
| 管理画面 | ログイン制限や権限管理を行う |
| 個人情報 | 取得項目や保管方法を決める |
| バックアップ | 障害時に復旧できるようにする |
| 更新管理 | CMSやプラグインを適切に更新する |
問い合わせフォーム、資料請求フォーム、採用応募フォームなどを設置する場合は、個人情報を扱うため、セキュリティ要件が特に重要です。
ただし、要件定義の段階で専門的な実装方法をすべて決め切る必要はありません。
要件定義では、「個人情報を扱うため安全なフォームにする」「管理画面の権限を分ける」「定期バックアップを行う」など、必要な方針を整理しておくことが大切です。
細かな実装方法は、基本設計や開発段階で詰める場合もあります。
リリース要件・運用保守
Webサイトは公開して終わりではありません。
要件定義では、公開時に必要な作業と、公開後の運用保守も決めておきます。
リリース要件とは、公開日、テスト、本番反映、リダイレクト、公開前チェックなど、Webサイトを安全に公開するための条件です。
リリース要件で確認したい内容は、以下の通りです。
- 公開予定日
- テスト環境での確認
- 本番公開の手順
- 旧サイトからのリダイレクト
- フォーム送信テスト
- スマートフォン表示の確認
- アクセス解析タグの確認
- Search Consoleの設定
運用保守では、公開後に誰が更新し、どこまで保守するのかを決めます。
| 項目 | 内容 |
| 更新担当 | 誰が情報を更新するか |
| 更新範囲 | お知らせ、事例、ブログなど |
| 保守範囲 | CMS更新、バックアップ、障害対応 |
| 連絡体制 | トラブル時の窓口 |
| 改善運用 | アクセス解析や問い合わせ改善 |
| セキュリティ管理 | 定期更新や脆弱性対策 |
公開後の運用体制が決まっていないと、Webサイトが古い情報のまま放置される可能性があります。
公開後も更新や改善を続ける前提で、担当者や運用ルールを決めておきましょう。
要件定義では制作前から公開後まで整理する
Webサイトの要件定義では、背景・目的、ターゲット、サイト構成、機能、技術条件、安全性、公開方法、運用保守まで整理します。
専門的な項目もありますが、最初から細かな実装方法をすべて決める必要はありません。
要件定義では、まず「何を実現したいか」「どこまで必要か」「公開後にどう運用するか」を明確にすることが大切です。
Webサイトの要件定義ではアクセシビリティ・プライバシー・計測要件も確認する

Webサイトの要件定義では、アクセシビリティ、プライバシー、計測要件も確認しておくと安心です。
これらは少し専門的に見えますが、初心者向けにまとめると「誰にとっても使いやすくする」「個人情報を適切に扱う」「公開後の成果を確認できるようにする」という3つの視点です。
従来の要件定義では、ページ構成や機能、デザイン、サーバーが中心になりがちでした。
しかし、現在のWebサイトでは、使いやすさ、安全性、改善運用まで考えておくことが重要です。
アクセシビリティ対応の方針を決める
Webサイトの要件定義では、アクセシビリティ対応の方針を決めておきましょう。
アクセシビリティとは、年齢、障害の有無、利用環境にかかわらず、できるだけ多くの人がWebサイトを使いやすくする考え方です。
要件定義で確認したいアクセシビリティ項目は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
| 文字サイズ | 読みやすい大きさにする |
| 色のコントラスト | 背景と文字の差を確保する |
| 代替テキスト | 画像の内容をテキストで補足する |
| キーボード操作 | マウスなしでも操作しやすくする |
| フォーム | エラー内容や入力方法を分かりやすくする |
| 見出し構造 | 情報の階層を分かりやすくする |
| リンク文言 | クリック先が分かる表現にする |
アクセシビリティは、公開直前にまとめて対応しようとすると、デザインやHTML構造の修正が大きくなる場合があります。
そのため、要件定義の段階で「どの程度対応するか」「どのページを優先するか」という方針を決めておくことが大切です。
たとえば、色だけで重要情報を伝えない、フォームのエラーを分かりやすく表示する、画像に代替テキストを設定するなど、基本的な配慮でも使いやすさは変わります。
公共性の高いサイト、採用サイト、医療・福祉関連サイト、BtoBサイトなどでは、特に意識しておきたい項目です。
個人情報・Cookie・同意管理の要件を整理する
Webサイトで問い合わせフォーム、資料請求、採用応募、会員登録、アクセス解析、広告配信などを行う場合は、個人情報やCookieの取り扱いを整理する必要があります。
要件定義で確認したい内容は、以下の通りです。
- 取得する個人情報の項目
- 個人情報を取得する目的
- 問い合わせデータの保存方法
- 管理画面の閲覧権限
- 外部サービスへの送信有無
- Cookie利用の有無
- 広告タグの利用有無
- プライバシーポリシーへの記載
- 同意管理の方法
- データの保管期間
たとえば、資料請求フォームで氏名、会社名、メールアドレス、電話番号を取得する場合、それらの情報を誰が確認できるのか、どこに保存されるのか、どの目的で利用するのかを整理しておく必要があります。
広告タグやアクセス解析ツールを設置する場合は、Cookieや外部送信に関する説明も確認が必要です。
プライバシー関連の項目は、制作担当者だけで判断するのではなく、必要に応じて法務、情報システム、マーケティング担当者と連携して整理しましょう。
GA4や広告タグなどの計測要件を決める
Webサイトの要件定義では、GA4や広告タグなどの計測要件も決めておきましょう。
GA4とは、Webサイトに訪れたユーザーの行動を確認するためのアクセス解析ツールです。
どのページが見られているか、どこから流入しているか、問い合わせにつながっているかなどを確認できます。
初心者向けに言えば、計測要件とは「公開後に成果を見るために、何を測るかを事前に決めること」です。
計測対象になりやすい行動は、以下の通りです。
| 計測対象 | 内容 |
| 問い合わせ完了 | フォーム送信完了 |
| 資料請求 | ダウンロードや送信完了 |
| 電話タップ | スマートフォンでの電話発信 |
| 採用応募 | エントリー完了 |
| CTAクリック | ボタンやバナーのクリック |
| スクロール | ページ閲覧の深さ |
| 外部リンク | 別サイトへの遷移 |
| Search Console連携 | 検索流入の確認 |
計測要件を決めずに公開すると、「問い合わせが増えたのか分からない」「どのページが成果につながっているのか分からない」といった問題が起きやすくなります。
公開後に改善するためには、Webサイトを作る段階で、問い合わせ完了、資料請求、電話タップ、採用応募など、重要な行動を計測できるようにしておくことが大切です。
公開後の改善に使うKPIを設定する
Webサイトは公開して終わりではなく、公開後に改善しながら成果を高めていくものです。
そのため、要件定義の段階でKPIを設定しておきましょう。
KPIとは、Webサイトの成果を確認するための指標です。
初心者向けに言えば、「公開後に何を見て改善するか」を決めることです。
目的別のKPI例は、以下の通りです。
| 目的 | KPI例 |
| 問い合わせ獲得 | 問い合わせ数、CVR、フォーム到達率 |
| 採用強化 | 応募数、採用ページ閲覧数、説明会申込数 |
| 認知向上 | セッション数、検索流入数、指名検索数 |
| 資料請求 | ダウンロード数、CTAクリック率 |
| EC | 購入数、購入率、カート投入率 |
| 情報提供 | ページ閲覧数、滞在時間、離脱率 |
KPIを設定すると、公開後に何を改善すべきか判断しやすくなります。
たとえば、アクセス数は増えているのに問い合わせが少ない場合は、サービスページの内容やフォーム導線を見直す必要があります。
採用ページは見られているのに応募が少ない場合は、募集要項や応募導線、働く環境の見せ方を改善する余地があります。
KPIは難しく考えすぎる必要はありません。
まずは、「問い合わせを月何件にしたい」「採用応募を増やしたい」「資料請求数を見たい」など、公開後の改善指標を事前に決めることが大切です。
使いやすさ・安全性・改善指標も要件に含める
Webサイトの要件定義では、アクセシビリティ、個人情報・Cookie、計測要件、KPIも確認しておくと、公開後の運用がしやすくなります。
これらは専門的に見えますが、「使いやすさ」「安全性」「改善指標」と考えると整理しやすくなります。
制作後や公開直前に追加すると手戻りになりやすいため、要件定義の段階で方針を決めておきましょう。
まとめ|Webサイトの要件定義は制作前に目的・仕様・運用を整理する工程

Webサイトの要件定義とは、制作やリニューアルに必要な仕様を整理し、関係者が同じ前提で進められるようにする工程です。
目的、ターゲット、サイト構成、必要な機能、技術要件、セキュリティ、リリース、運用保守まで決めておくことで、手戻りや認識違いを防ぎやすくなります。
Webサイトの要件定義で押さえるべきポイントは、以下の通りです。
- Webサイトの仕様を決める工程である
- 制作やリニューアルの土台になる
- 制作目的や解決したい課題を明確にする
- 関係者の認識をそろえる
- 見積もりやスケジュールの精度を高める
- 現状分析と課題整理から始める
- 課題を解決する方向性を決める
- 関係部署と合意形成を行う
- 要件定義書として文書化する
- 背景・目的・プロジェクト概要を整理する
- ターゲットとサイト構成を決める
- 必要な機能や技術条件を整理する
- サーバーやセキュリティの方針を確認する
- リリース要件・運用保守まで決める
- アクセシビリティ、プライバシー、計測要件も確認する
- 公開後の改善指標としてKPIを設定する
要件定義が曖昧なままWebサイト制作を進めると、追加費用、納期遅延、認識違い、公開後の運用トラブルにつながる可能性があります。
制作前に目的と仕様を整理し、社内外の関係者と合意形成しておくことで、成果につながるWebサイトを作りやすくなります。

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