2026年02月06日 更新

【中小企業庁】事業承継・M&A補助金の十四次公募を開始、最大2,000万円まで支援拡大

中小企業庁は2026年1月30日、中小企業の事業承継やM&Aを支援する「事業承継・M&A補助金」の十四次公募を発表した。

[出典:中小企業庁](https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260130001.html)

公募申請受付期間は2026年2月27日から4月3日17時まで(予定)で、電子申請(Jグランツ)のみでの受付となる。

本補助金は事業承継促進、専門家活用、PMI推進、廃業・再チャレンジの4つの枠組みで構成され、中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継とM&Aを後押しする。

事業承継・M&A補助金の全体像

日本の中小企業では経営者の高齢化が進み、後継者不在による廃業リスクが深刻化している。こうした課題に対応するため、中小企業生産性革命推進事業の一環として「事業承継・M&A補助金」が設けられている。

本補助金は経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を対象に、設備投資費用や専門家活用費用など幅広い経費を支援する制度だ。

十四次公募では4つの枠組みが用意され、事業者の状況やニーズに応じた柔軟な支援が可能となっている。申請には事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必須で、取得には2~3週間程度かかるため、早めの準備が推奨される。

【枠組み1】事業承継促進枠:設備投資で承継後の成長を支援

事業承継促進枠は、5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している事業者を対象とした枠組みだ。事業承継に伴う設備投資費用や店舗・事務所の改築工事費用などが補助対象となる。

補助率と補助上限は以下の通り。

  • 補助率:原則1/2、小規模事業者は2/3
  • 補助上限:基本800万円(一定の賃上げ実施で1,000万円に引き上げ)

対象経費には設備投資費用、店舗・事務所の改築工事費用などが含まれ、親族内承継または従業員承継を考えており、設備投資で生産性向上を図りたい事業者に最適な支援制度となっている。

事業承継後の競争力強化を目指す企業にとって、大規模な設備更新のチャンスとなる。

【枠組み2】専門家活用枠:M&A専門家費用を最大2,000万円まで補助

専門家活用枠は、M&Aにより経営資源を他者から引継ぐ、あるいは他者に引継ぐ予定の中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)を対象としている。

M&A支援機関登録制度に登録されたファイナンシャルアドバイザー(FA)やM&A仲介業者による費用、デュー・デリジェンス(DD)、セカンド・オピニオン、表明保証保険料などが補助対象だ。

買い手支援類型の場合:

  • 補助率:1/3~2/3(100億企業要件を満たす場合、1,000万円以下の部分は1/2、1,000万円超の部分は1/3)
  • 補助上限:基本600~800万円(DD費用申請で200万円加算可能)、100億企業要件を満たす場合は最大2,000万円

売り手支援類型の場合:

  • 補助率:1/2または2/3(赤字企業、営業利益率低下企業は2/3)
  • 補助上限:基本600~800万円(DD費用申請で200万円加算可能)

M&Aの成約に向けて取り組みを進めている事業者や、これからM&Aに着手しようと考えている事業者にとって、専門家への報酬という大きな負担を軽減できる重要な支援となる。

【枠組み3】PMI推進枠:M&A後の統合プロセスを支援

PMI(Post Merger Integration)推進枠は、M&Aに伴い経営資源を譲り受ける予定の中小企業等を対象に、M&A後の経営統合・事業統合における専門家活用費用や設備投資費用を補助する枠組みだ。

PMI専門家活用類型

  • 補助率:1/2
  • 補助上限:150万円
  • 対象経費:外注費、委託費など

事業統合投資類型

  • 補助率:1/2(小規模事業者は2/3)
  • 補助上限:基本800万円(一定の賃上げ実施で1,000万円に引き上げ)
  • 対象経費:設備費、外注費、委託費など

M&Aは成約がゴールではなく、その後の統合プロセスが成否を分ける。

PMI推進枠はこの重要な統合段階を支援することで、M&A後の事業成長を後押しする。システム統合、組織再編、業務プロセス統一など、統合に必要な投資を考えている事業者に適した枠組みだ。

【枠組み4】廃業・再チャレンジ枠:新たな挑戦を支援

廃業・再チャレンジ枠は、事業承継・M&Aに伴い既存事業を廃業し、新たな取り組みにチャレンジする予定の中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)を対象としている。

補助内容

  • 補助率:原則2/3または1/2
  • 補助上限:300万円(他枠との併用申請の場合は各枠の補助上限に加算)
  • 対象経費:廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、土壌汚染調査費など

特筆すべきは、廃業・再チャレンジ枠が事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠と併用申請できる点だ。これにより、事業承継やM&Aと並行して既存事業の廃業費用も支援を受けられ、スムーズな事業転換が可能となる。

申請時の重要ポイントと注意事項

電子申請(Jグランツ)のみでの受付となるため、紙媒体での申請はできない。

申請にはGビズIDプライムアカウントが必須で、取得には2~3週間程度の期間が必要だ。公募締め切りギリギリではアカウント取得が間に合わない可能性があるため、早めの手続きが重要となる。

公募申請受付期間:2026年2月27日(金)~2026年4月3日(金)17:00(予定)

活用すべき事業者とは

本補助金は以下のような事業者に特に有効だ。

  1. 親族内承継・従業員承継を控えている事業者:設備投資で承継後の競争力を高めたい
  2. M&Aを検討中の事業者:専門家費用の負担が大きく、支援を必要としている
  3. M&A成約後の事業者:統合プロセスで専門家活用や設備投資が必要
  4. 事業転換を考えている事業者:既存事業を廃業して新規事業に挑戦したい

特に中小企業・小規模事業者にとって、事業承継やM&Aは大きな決断であり、資金面での不安が実行の障壁となることが多い。

本補助金を活用することで、こうした財務的ハードルを下げ、円滑な事業承継・M&Aの実現が期待できる。

まとめ:事業承継・M&Aの好機を逃さないために

中小企業の事業承継問題は待ったなしの状況にある。後継者不在による廃業は、従業員の雇用喪失や地域経済への悪影響をもたらす。

事業承継・M&A補助金は、こうした社会課題の解決に向けた重要な政策支援ツールだ。

十四次公募では最大2,000万円までの支援が受けられる枠組みもあり、これまで資金面で躊躇していた事業者にとって大きなチャンスとなる。

申請期間は限られているため、事業承継やM&Aを検討している事業者は、早急にGビズIDの取得手続きを開始し、公募要領を確認の上、申請準備を進めることが推奨される。

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