- アクティブファンドの選び方がわからない
- おすすめのアクティブファンドが知りたい
- アクティブファンドのメリット・デメリットを理解したい
投資信託には、ファンドマネージャーの手腕によって運用が行われる「アクティブファンド」がある。
中には、ベンチマークを大きく上回る銘柄もあり、積極的にリターンを目指したい人に向いている金融商品だ。
本記事では、アクティブファンドのおすすめ銘柄について、純資産総額に基づくランキングで紹介する。
アクティブファンドがおすすめな理由についても紹介するため、資産運用に取り組む際の参考にしていただきたい。
アクティブファンドとは?
アクティブファンドとは、ベンチマークを上回る運用を目指す投資信託である。
ファンドマネージャーが市場分析を行うことで組み入れる銘柄を選定し、売買のタイミングについてもファンドマネージャーが判断する。
プロによって運用が行われることから、ベンチマーク以上のリターンが得られる期待がある。
ただし、その分コストが高くなる傾向にある。インデックスファンドは市場分析や銘柄選定などの手間がかからない分、コストが安価な傾向にある。
しかし、アクティブファンドは前述のように運用に手間がかかることから、信託報酬が高くなりやすい。
アクティブファンドに投資する際は、その点をよく理解しておこう。
アクティブファンドがおすすめな理由
アクティブファンドでの運用がおすすめな理由として、下記のような点が挙げられる。
- プロが選んだ銘柄に分散投資できる
- 高いリターンを目指せる
- マーケットの変化に迅速に対応できる
それぞれくわしく解説していこう。
理由①プロが選んだ銘柄に分散投資できる
アクティブファンドの大きな魅力は、プロが選んだ銘柄に分散投資ができる点だ。
たとえば、株式投資に取り組む際、多くの投資家が「成長性のある企業を発掘して投資したい」と考えるだろう。
しかし、数多くある企業の中から投資妙味のある銘柄を探し当てるのはそう簡単なことではない。
その点、アクティブファンドでは長年の経験と実績を持つファンドマネージャーが選定した銘柄に分散投資できる。
自分では発掘できないような銘柄に手間をかけずに投資ができるのは大きなメリットだ。
「自分で銘柄選定をする自信がない」「プロが選んだ銘柄に投資したい」という人は、アクティブファンドでの運用が向いているといえる。
理由②高いリターンを目指せる
アクティブファンドでは、ベンチマークを上回る運用を目指している。そのため、市況によっては高いリターンを得られる期待がある。
たとえば、アクティブファンドのひとつである「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、直近1年間で+ 69.90%のリターンを実現しており、着実にパフォーマンスを伸ばしていることが分かる。
通常、自分でポートフォリオを組む場合、なかなか市場平均以上のリターンを目指すことは難しい。投資経験が浅い人であればなおさらだ。
しかし、アクティブファンドでは、プロの投資家に運用を任せながらリターンを狙えるメリットがある。
もちろん「必ず利益が出る」という保証はないが、リスクを取りつつリターンを追求したい人にとってはアクティブファンドの活用がおすすめだ。
理由③マーケットの変化に迅速に対応できる
アクティブファンドでは、ファンドマネージャーの判断によって組入銘柄の入れ替えや売買が行われる。
そのため、マーケットで変化が起きたときにも迅速に対応することができる。
仮に自分でポートフォリオを組む場合、市況の急変に直面しても「今売却するのは怖い」「どのような投資判断を下せばいいのか分からない」と躊躇してしまうことがあるだろう。
結果的に、損失が広がってしまうケースも少なくない。
その点、アクティブファンドでは市場の急変をいち早くキャッチして投資判断を下すため、中にはマーケットが大きく下落する中で利益を上げるファンドもある。
アクティブファンドの人気おすすめランキング10選!
ここからは、2024年11月20日時点での純資産総額に基づいて、上位10ファンドのアクティブファンドについてランキング形式で紹介していく。
1位:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、米国の成長性が高い企業を選定して投資するアクティブファンドだ。
A~Eコースまでがあるが、1位にランクインしたのは、毎月決算型かつ為替ヘッジのないDコースだ。
2024年10月末のマンスリーレポートでは49銘柄が組み入れられており、大半がNASDAQに上場する銘柄が占めている。
現在は、マイクロソフトやAmazon、エヌビディア、メタ・プラットフォームズなど米国を代表する企業が上位銘柄となっている。
「米国の成長銘柄に投資したい」「投資の楽しみとして分配金を受け取りたい」という人は、このファンドを検討してみよう。
2位:インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
インベスコ 世界厳選株式オープンは、日本を含む世界株式の中から割安株を選定して投資するアクティブファンドである。
2024年10月末のマンスリーレポートでは、アメリカが約5割を占めており、その他イギリスやオランダ、イタリア、フランスなどに分散投資されている。
上位銘柄は、「3iグループ」や「ユナイテッドヘルス・グループ」「ロールス・ロイス・ホールディングス」などとなっており、米国の大型IT株に偏るファンドとは異なるラインナップとなっている。
そのため、S&P500やNASDAQ100などのインデックスファンドの分散先として活用してもよいだろう。
3位:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
1位にランクインしたアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、分配金なしかつ為替ヘッジなしのBコースについても3位にランクインしている。
1位のDコースは定期的に分配金が受け取れるメリットがあるものの、NISA制度を使えないデメリットがある。
その点、分配金が出ないBコースがNISA成長投資枠の対象となっており、非課税枠を活用して投資することができる。
「分配金を受け取る必要はない」、「NISA制度を活用したい」という人は、Bコースを選ぶとよいだろう。
4位:netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
netWIN GSテクノロジー株式ファンドは、成長性のある米国のIT関連銘柄を発掘して投資するアクティブファンドである。
2024年10月末のマンスリーレポートでは約7割がNASDAQへの上場銘柄となっており、上位にはエヌビディアやアップル、マイクロソフト、アルファベットなどが組み入れられている。
米国を代表する企業に分散投資できるのは、投資信託ならではの強みといえるだろう。
なお、上記マンスリーレポートによると組入銘柄数は29銘柄となっており、ファンドマネージャーによって厳選された銘柄のみで運用されていることが分かる。
5位:グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンドは、企業の競争力や成長性に加えてESGへの取り組みを評価して選定した銘柄に投資するアクティブファンドである。
たとえば、本ファンドでは、「酒、たばこ、ギャンブル、化石燃料の生産、武器の製造などを主な事業とする企業」などが投資対象から除外されている。
近年ESG投資への意識が高まっている中で、「企業のどのような点を評価すればいいのか分からない」という人も多いだろう。
本ファンドでは、プロが選定したESG銘柄に分散投資できる点が大きな魅力だ。
6位:ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドは、世界の高配当利回りの公益株を選定して投資するアクティブファンドである。
公益株とは、電力やガス、水道、通信など生活に欠かせないインフラを提供する企業の株式のことだ。
こうした公益株は、景気動向に左右されにくく、経済が下向きのときも安定した業績を出せるメリットがある。
本ファンドは米国やイギリス、ドイツなどの欧米銘柄を中心に分散投資を行っており、毎月分配金を出していることが特徴だ。
毎月決算型であるためNISAの対象からは外れるが、「投資の楽しみが欲しい」「安定的な業種に投資したい」という人に向いているといえる。
7位:フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)
フィデリティ・世界割安成長株投信は、世界の長期的に成長力のある割安株を選定して投資するアクティブファンドだ。
2024年10月末時点では米国がおよそ半数を占めており、その他日本やイギリス、カナダなどの株式に分散投資している。
最も多い業種は金融だが、資本財や一般消費財、情報技術なども多く組み入れられており、幅広い業種に投資できることが特徴だ。
8位:フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)
フィデリティ・USリート・ファンドは、米国における成長性の高いREITを選定して投資するアクティブファンドである。
REITとは、投資家から集めた資金をもとに不動産投資を行い、その収益を還元する投資信託である。
税制上の仕組みから利益のほとんどを分配金として出す傾向にあり、高い利回りを狙えることが特徴だ。
本ファンドは毎月決算型であるためNISAで買い付けることはできないが、「米国の不動産市場に投資したい」「分配金を受け取る楽しみが欲しい」という人には向いているといえる。
9位:ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型) Bコース(為替ヘッジなし)
ダイワ・US-REIT・オープンについても、8位のファンドと同じく米国のREITを投資対象とするアクティブファンドである。
どちらも「FTSE NAREIT®エクイティREIT・インデックス」をベンチマークとしており、投資方針としては似通ったファンドであるといえる。
しかし、2024年10月末時点で本ファンドはデータセンターやヘルスケア、産業施設を中心に組み入れているのに対し、8位のファンドは住宅や小売や物流の組入比率が高くなっている。
投資の際は、交付目論見書やマンスリーレポートなどをよくチェックして、各ファンドの違いを押さえておこう。
10位:グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)
未来の世界で知られる本ファンドは、世界の成長性が高い企業を選定して投資するアクティブファンドだ。
2024年10月末時点では、米国やインド、中国、フランス、デンマークなどの銘柄を組み入れており、先進国・新興国問わず広く分散投資している。
また、本ファンドはNISAのつみたて投資枠と成長投資枠のいずれも対象となっているため、非課税枠を活用して投資できることも特徴だ。
初心者必見!最適なアクティブファンドを選ぶおすすめの方法
ひとくちにアクティブファンドといっても、国内株式に投資するものや先進国株式に投資するもの、REITに投資するものなどさまざまだ。
その中から自分に合ったファンドを見つけるためには、下記3つのステップで銘柄を選んでいくことがおすすめだ。
- 自分の投資意向を明確にする
- 投資対象を絞る
- コスト・純資産総額・運用実績などを比較する
ファンドを選定する際は、まず自分の投資意向を明確にすることが重要だ。
たとえば、「為替リスクを避けたい」というリスクがある場合、外国資産に投資するのは適切とはいえない。
自分のライフプランや投資経験、投資金額などを照らし合わせながら、自分の投資意向を考えてみよう。
次に、その投資意向に合った投資対象を絞っていく。
「高いリスクを取りながらリターンを目指したい」という場合は、先進国株式や新興国株式に投資するアクティブファンドが対象となるだろう。
投資対象が絞れたら、コストや純資産総額を比較しながらファンドを選定していく。特にアクティブファンドでは、これまでの運用実績も注視したい。
「どのような投資方針のもと運用しているか」、「過去の市場変動の際はどのような値動きをしているか」という点をよくチェックしておこう。
アクティブファンドの注意点とおすすめしないケース
アクティブファンドに投資する際は、主に下記の点に注意したい。
- リスク許容度に見合ったファンドを選ぶ
- 短期的な相場の変動に左右されない
- 定期的に運用状況を確認する
一般的に、アクティブファンドはインデックスファンドに比べて組入銘柄が少ないことから、リスクが高くなりやすい傾向にある。
投資先を選定する際は、自分のリスク許容度に見合ったものを選ぶことが重要だ。
また、資産運用に取り組んでいると、市場の大きな下落を経験することも少なくない。
アクティブファンドもいくらプロが運用しているとはいえ、基準価額が大きく値下がりする可能性がある。
しかし、その度にあわてて売却していたのでは、なかなか資産を育てることができない。
資産運用に取り組む際は、短期的な相場変動に左右されず、長期的な目線で資産を見守ることを心がけよう。
また、アクティブファンドでは定期的に組入銘柄の入れ替えが行われる。
上位銘柄はマンスリーレポートで確認できるため、定期的に現在の運用状況を確認することがおすすめだ。
このように、アクティブファンドでの運用は「ほったらかし運用」ではなく、きちんとリスク管理を行いながら取り組むことが重要だ。
「なるべく手間をかけずに運用したい」、「コストを抑えて運用したい」という人にはおすすめできないといえるだろう。
アクティブファンド運用に悩んだら、プロへの相談がおすすめ
アクティブファンドの運用に悩んだら、プロへ相談することを検討したい。ここからは、資産運用をプロに相談するメリットや、相談先の探し方について紹介していく。
ファンド選びを専門家に相談するメリット
アクティブファンドには数多くの種類があり、「どのファンドに投資すればいいのか分からない」と悩む人も少なくない。
アクティブファンドは銘柄によって投資方針が大きく異なるため、特に慎重に選ぶ必要がある。
より自分の投資意向に合ったファンドを見つけるためには、プロへ相談するのもひとつの方法である。
特に、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)では、顧客目線に立ったアドバイスをもらえるメリットがある。
「プロの意見を聞きながら資産運用に取り組みたい」「自分でファンドを選ぶ自信がない」という人は、ぜひプロへの相談を検討してみよう。
プロと一緒におすすめアクティブファンドを探してみよう
アクティブファンドは、市況によっては大きなリターンを狙える投資信託だ。
その分リスクやコストも高くなる傾向にあるが、プロが選んだ銘柄に投資できるメリットがある。
自分に合ったファンドを選定するためには、アドバイザーへ相談することがおすすめだ。