- 1億円をどのように運用すべきか知りたい
- 安全に資産を増やすためのおすすめ投資方法が知りたい
- 1億円の運用で失敗しないためのポイントを知りたい
貯金額が1億円を超えていても資産運用を行うべきなのだろうか。また、1億円というまとまった資産を運用する場合、どういった戦略を立てるべきなのだろうか。
資産運用を行うべき理由や投資戦略のポイントを押さえ、自分に合ったポートフォリオを構築することが大切だ。
本記事では、貯金が1億円を超えても資産を運用すべき理由や投資戦略のポイント、おすすめの投資先を紹介する。
1億円の運用におすすめの投資ポートフォリオや運用の相談先も紹介するので、ぜひ本記事を参考に1億円を効果的に運用していこう。
貯金が1億円超えても資産運用は必要?
1億円というまとまった資産があれば「資産運用は不要」と考えている方も多いだろう。
しかしインフレリスクがあることを考えると、1億円の貯金があっても資産運用は必要と言える。
インフレとは、モノやサービスの価格が上昇していく状態のことを指す。
物価が上昇するということは、相対的に現金の価値が低下してしまうことになる。そのため、資産を運用して増やしていく取り組みが必要となるのだ。
例えば、以前は1万円で買えた商品が現在は2万円まで値上がりしている場合、単純に計算して1万円の価値は半分になっていると言える。
1億円の貯金があっても、実質的な資産価値は半分まで減少していることになる。資産運用を行い、資産を増やすことでインフレによる資産価値の低下を防ぐことが重要だ。
1億円を資産運用するときのポイント
1億円を運用する場合、以下の4点をポイントとして押さえておこう。
- 適切なポートフォリオを作成する
- リスク管理を徹底する
- 定期的に見直しを行う
- 税制優遇制度を活用する
それぞれのポイントを紹介していく。
適切なポートフォリオを作成する
ポートフォリオとは「どの金融商品にどのくらいの割合で投資するか」という資産配分のことを指す。
資産運用を行う際には、適切なポートフォリオを作成してから運用を始めることが大切だ。
株式や債券、投資信託といった金融商品は、それぞれリスク・リターンの大きさが異なっている。
金融商品の組み合わせや配分比率によってリスクやリターンが変化するため、自分のリスク許容度に合った資産配分をあらかじめ設定しておくことが重要となるのだ。
「安定的な運用を行いたい」「積極的にリターンを狙いたい」など自身のリスク許容度を明確にし、希望に沿ったリスク水準となるようにポートフォリオを構築しよう。
リスク管理を徹底する
投資における「リスク」とは金融商品の価格の振れ幅を指す。
リスクが大きい投資先は価格がプラス・マイナスの両方に大きく振れる可能性があり、高いリターンを得られる場合もあれば、大きな損失を抱える危険性もある。
1億円という大規模な資産を運用する場合、リスクをしっかりと管理することが重要だ。
過度にリスクが大きい投資手法を選んでしまうと、失敗したときに大きく資産を減らしてしまう。
1億円の場合は10%の下落で1,000万円の損失を抱えることになるため、慎重にリスク管理を行わなければならない。
リスク管理の基本として「長期・積立・分散」の投資を意識すると良い。
運用期間を長く設定し、投資対象の地域や資産クラスを分散させながらコツコツと積み立てていく手法だ。
大きな損失を抱える危険性を回避でき、安定したリターンを目指しやすい。
「長期・積立・分散」を投資戦略に組み込み、徹底したリスク管理で1億円を運用しよう。
定期的に見直しを行う
資産運用は「金融商品を買ったら終わり」ではなく、定期的な見直しが必要となる。場合によってはリバランス(資産の再配分)も必要となることを頭に入れておこう。
例えば、保有商品の価格が上昇・下落することで、ポートフォリオの配分比率が崩れてしまうケースがある。
運用当初に想定していたリスク水準から乖離してしまい、思うようなリターンが得られなくなったり、リスク許容度を超えるハイリスクなポートフォリオになってしまったりする可能性がある。
定期的にポートフォリオをチェックし、資産配分が崩れていたら調整し直すことが大切だ。適正なリスク水準を維持しながら運用していくためにも、定期的な見直しが重要である。
税制優遇制度を活用する
NISAなどの税制優遇制度を活用して運用することも重要なポイントとなる。NISAとは、株式や投資信託から得られる利益が非課税となる制度のことだ。
通常、株式・投資信託の配当金や分配金、売却益は約20%の税金が引かれる。しかし、NISAの非課税投資枠内で購入した株式・投資信託については一切税金がかからない。
利益をそのまま受け取れるため、効率的に資産を運用できることが特徴だ。
NISAの非課税投資枠は年間360万円・生涯1,800万円が上限となっている。1億円をすべて非課税で運用することはできないものの、かなり税金の負担は軽減できるだろう。
NISAなどの税制優遇制度を活用し、有利に資産運用を進めていこう。
1億円のおすすめの投資先5つ
実際に1億円の運用を始めるのであれば、以下のような投資先がおすすめだ。
- 株式
- 債券
- 投資信託・ETF
- 不動産投資
- オルタナティブ投資
それぞれの投資先を紹介していく。
株式
株式とは、企業が資金調達のために発行する有価証券のことだ。通常は証券取引所で売買が行われ、証券会社を通じて取引を行う。
株式投資では、株価が購入時よりも値上がりしたときに売却して利益を得たり、企業から株主に対して支払われる配当金を得たりといった方法で収益を得る。
比較的リスクが大きい投資先となっており、高いリターンを期待できる分だけ大きな損失を抱える危険性も伴う。
ある程度リスクを取って積極的に利益を狙いたい方におすすめの投資先だ。
債券
債券とは、国や地方公共団体、企業が資金を借り入れるために発行する有価証券のことだ。債券を購入した投資家は発行体に対して資金を貸し出したということになる。
債券投資では、定期的に発行体から支払われる利子を受け取りつつ、あらかじめ定めた満期を迎えると額面金額が償還される。
発行体が債務不履行とならない限りは利子と額面金額の支払いが約束されているため、比較的安全性の高い投資先だ。
また、満期を迎える前に債券市場で売却することもできる。
なるべくリスクを抑えて堅実に1億円を運用したい方におすすめの投資先だ。
投資信託・ETF
投資信託とは、投資ファンドに資金を預けて運用を代行してもらう仕組みの金融商品だ。
投資家から集められた資金はプロが株式や債券などで運用を行い、その投資成果を投資家に分配する仕組みになっている。
ETFは、証券取引所に上場するタイプの投資信託である。
基本的には投資信託と同様の仕組みだが、株式と同じように証券取引所が開いている時間帯はリアルタイムに価格が変動することが特徴だ。
いずれも1つの商品を購入するだけで間接的に複数の株式・債券に投資を行えるため、手軽に分散効果を得られる点が魅力となっている。
投資の手間をかけずにリスクを分散した運用を実践したい方は、投資信託・ETFの活用がおすすめだ。
不動産投資
不動産投資とは、土地や建物などの不動産物件を購入して第三者に貸し出し、賃料収入を得る投資手法だ。
安定的な賃料収入を得られ、本業以外の収入源を確保できることが特徴となっている。
不動産投資は数百万円〜数千万円の資金が必要となるため、一般的にはローンを組むケースが多い。
しかし1億円が手元にある場合は、ローンを組まずとも自己資金のみで物件を購入できるだろう。
また、REIT(不動産投資信託)を活用する方法もある。ファンドに資金を預けて不動産投資を代行してもらい、分配される収益を受け取る仕組みの金融商品だ。
数万円程度で複数の不動産物件に分散投資できるため、実際に不動産物件を購入するよりもハードルが低い。
不動産市場は株式や債券などの金融市場とは違った動きをする傾向にあるため、ポートフォリオに組み込むことでリスク分散の効果も高まる。
現物の不動産やREITへの投資も検討してみよう。
オルタナティブ投資
オルタナティブ投資とは、株式や債券といった伝統的資産に代替する新しい投資手法・投資先のことを指す。
ヘッジファンドやプライベートエクイティファンド、コモディティなどの投資先が挙げられる。
オルタナティブ投資は株式や債券などの伝統的資産とは異なる値動きをすることが多く、リスク分散の投資先として注目されている。
1億円という大規模な資産を運用するのであれば、ポートフォリオを多様化させる目的でオルタナティブ投資を検討してみても良いだろう。
【リスク許容度別】1億円の投資ポートフォリオを紹介
次に、1億円の運用を行う際におすすめの投資ポートフォリオを紹介していく。
リスク許容度別の資産配分を紹介するので、自分のリスク許容度に近いものを参考に最適なポートフォリオを構築しよう。
安定型ポートフォリオ
安定性を重視して投資したい方は以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 債券
- 80%
- 株式
- 10%
- オルタナティブ投資or不動産
- 10%
比較的値動きが安定している債券が資産の大半を占めているため、ポートフォリオ全体も落ち着いた値動きとなりやすい。
さらに株式やオルタナティブ投資、不動産にもリスクが分散されているため、比較的リスクを抑えて安定したリターンを狙えることが特徴だ。
オルタナティブ投資と不動産は好みで組み込むと良い。
バランス型ポートフォリオ
資産バランスを重視して投資したい方は以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 債券
- 50%
- 株式
- 25%
- 不動産
- 25%
資産の半分ほどを債券で構成しつつ、残りを株式と不動産でバランス良く運用するポートフォリオだ。
値動きの特徴が異なる債券・株式・不動産にバランス良く投資することで、リスクを抑えながらも安定したリターンを目指せる。
債券から得られる利子や株式からの配当金、不動産からの賃料収入を期待でき、安定したキャッシュフローを獲得できる点も魅力となっている。
積極型ポートフォリオ
積極的にリターンを追求したい方は以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 債券
- 30%
- 株式
- 30%
- 不動産
- 30%
- オルタナティブ投資
- 10%
収益性を期待できる株式や不動産、オルタナティブ資産への投資を中心に据えつつ、リスクヘッジとして債券にも投資を行うポートフォリオだ。
1億円を効率的に増やしたい方におすすめの資産構成である。オルタナティブ投資については、ハイリスクなヘッジファンドなどを活用しても良いだろう。
1億円を資産運用するときの相談先
1億円という大規模な資産を運用するのであれば、投資助言を行うプロに相談することを推奨する。
ここでは、資産運用の相談先の選択肢や信頼できるアドバイザーの特徴を解説していく。
相談先の選択肢
資産運用の相談先には以下のような選択肢がある。
- 証券会社のアドバイザー
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
証券会社のアドバイザーに相談することで、投資戦略を提案してもらえる上に金融商品の提案も受けられる。
運用相談から商品の売買までをワンストップで行えることが証券会社に相談するメリットだ。
FPは資産運用や保険、不動産、税金、住宅ローンなど、幅広くお金の専門知識を有している専門家である。
資産運用だけでなく、家計・保険の見直しやライフプランの作成、資金計画の策定などを相談したい方におすすめの相談先だ。
ただし、FPは個別の金融商品の提案を行えないため注意しておきたい。
IFAは、特定の金融機関に所属せずに顧客の資産運用をサポートする専門家のことだ。
金融機関から独立した中立な立場で投資助言を提供してくれるため、自分に合った商品を提案してくれることが魅力である。
信頼できるアドバイザーの特徴
信頼できる運用相談先の特徴として以下の3点が挙げられる。
- 専門知識を有している
- 長期にわたってサポートを継続してくれる
- 中立な立場から助言してくれる
1億円という大規模な資産の運用を任せる以上、専門的な知識を有しているアドバイザーを選ぶことが大切だ。
また、長期目線で運用支援してくれることや中立な立場から助言を提供してくれることも信頼できるアドバイザーの条件である。
上記3点を踏まえると、資産運用の相談先として信頼できるのはIFAである。
IFAは金融機関の出身者が多く、金融・投資に関する専門知識や経験を有している。
金融機関から独立していることで中立な立場を保っており、転勤・異動も原則としてないため長期的にサポートしてもらえることが魅力だ。
信頼できるアドバイザーに1億円の運用相談をしたい方は、IFAへの相談を検討してみよう。
1億円を効果的に運用しよう
インフレによる物価上昇に備えるためにも、1億円という貯金があっても資産運用が必要である。適切にポートフォリオを作成し、リスク管理を徹底して運用することが重要だ。
1億円の運用でおすすめの投資先には、株式や債券、投資信託、ETF、不動産、オルタナティブ投資が挙げられる。
自分に合った投資先を組み合わせて最適なポートフォリオを構築しよう。
また、おすすめのポートフォリオはリスク許容度によって異なる。本記事でもリスク許容度別のポートフォリオを紹介したが、自分に合ったものを作り上げていくことが大切だ。
リスク許容度に合った投資戦略を構築することが難しい場合、投資助言を行うプロへの相談も検討しておきたい。
証券会社やFPといった選択肢があるなか、中立な立場で長期にわたる投資助言を提供してくれるIFAがおすすめの相談先だ。
ぜひこの機会にIFA検索サービスなどを利用し、信頼できる相談先を探してみてはいかがだろうか。