- 株式投資でよくある失敗事例を教えてほしい
- 損切りするのが難しいので、タイミングやコツを教えてほしい
- 株式投資で失敗しないためにはどうすればいいか教えてほしい
株式投資は大きな利益を得られる可能性がある一方、失敗するリスクも伴う。
投資経験が少ない初心者の方は、よくある失敗事例を踏まえた上で投資戦略を構築することが重要だ。
失敗しない方法を理解し、効果的に株式投資を実践しよう。
本記事では、株式投資におけるよくある失敗事例や失敗しないための投資戦略、おすすめの相談先などを紹介していく。
ぜひ本記事を参考にして株式投資を成功させよう。
株式投資におけるよくある失敗事例とは?
株式投資にはさまざまな失敗パターンがあるが、特によくあるのが以下のような失敗事例である。
- 利益に目が眩んでリスクを無視してしまう
- 株価の下落にパニックを起こして売却してしまう
- 短期的な利益を優先してしまう
それぞれの失敗事例について解説していく。
利益に目が眩んでリスクを無視してしまう
株式投資は、ほかの投資手法に比べて収益性が高いことが特徴の投資手法だ。
株価の上昇によって大きな利益を得られる可能性が魅力だが、一方で利益に目が眩んで過剰なリスクを取ってしまうパターンが多い。
投資における「リスク」とは、収益の振れ幅の大きさのことを指す。
リスクが大きければ、収益がプラスにもマイナスにも大きく振れて、大きな利益を得られる可能性もあれば多大な損失を被る可能性もあるという仕組みだ。
つまり大きな利益を目指そうとする場合、同じ分だけ損失を抱える危険性が伴うことになる。
こうしたリスクを無視して利益を追求し、ハイリスクな銘柄に手を出して大きく損をしてしまうという失敗事例が多い。
大きな利益を狙う際にはリスクが伴うことを認識し、最適なリスク・リターンの銘柄を探すことが大切だ。
株価の下落にパニックを起こして売却してしまう
株価の下落にパニックを起こし、慌てて株式を売却してしまうという失敗事例も多い。
売却後に株価が回復したときに「売らずに持っておけば良かった」と後悔するパターンである。
短期的な収益を狙って株式投資をしている場合、下落局面ですぐに売却して撤退するという判断は賢明だ。
しかし長期的に収益を得ていく戦略を考えている場合、一時的な下落で売却することはなるべく避けたい。
過去の株式市場を長期的な目線で振り返ると、暴落があっても株価は回復するケースが多いためだ。
もちろん企業の不正が発覚して信用を失い、いつまでも株価が回復しないというケースもあるため、一概に売却を避けるべきとは言えない。
しかし、冷静さを失って根拠もなく売却してしまうと、その後に株価が回復したときに後悔してしまう。
下落局面ではパニックになってすぐに売るのではなく、冷静に状況を見極めて「本当に売却すべきか」という点をじっくりと考えてから今後の戦略を立てよう。
短期的な利益を優先してしまう
長期的な視点を持たず、短期的な利益を優先して失敗するケースも多い。特に、企業から支払われる配当金を狙って投資する場合は注意が必要だ。
配当金を目的に投資を行う場合、得られる配当金を現在の株価で割って算出する「配当利回り」という指標を参考にするケースが多い。
配当利回りが高いと少ない投資金額で多くの配当金を得られるため、投資効率が良いと判断できる。
しかし企業の業績が悪化して株価が下落している場合、同じ配当金でも株価が低くなる分だけ配当利回りは高くなってしまう。
こうした銘柄は現時点での投資効率は良くても、長期的には配当が減らされていったり、株価がさらに下落したりといったリスクが伴う。
長期的な視点を持たずに目先の利益を優先した結果、長い目で見ると損をしてしまうというパターンに注意して投資を行うことが大切だ。
損切りは必要?損切りラインの設定方法とは
株式投資の失敗を避ける上では「損切り」という考え方が重要となる。損切りとは、保有している株式が損失を抱えている状態のときに売却して損失を確定させる行為のことだ。
特に、短期間で収益を目指す投資スタイルの場合、損切りを知らずに投資を始めると失敗する可能性が高い。
ここでは損切りの必要性ややり方、注意点などを解説していく。
損切りの必要性
「保有している銘柄の損失を確定させる」と聞くと、なぜ損切りをすべきなのか疑問に感じる方も多いだろう。損切りは「損失を最小限に抑えるため」に行うのである。
株価は一度下落局面に突入すると、長期的に下落を続ける可能性がある。
つまり、抱えている損失を放置していると株価が下落を続けてしまい、大きな損失に発展してしまう恐れがあるのだ。
損切りは、損失が拡大してダメージが大きくなる前に売却することで、傷口を小さく済ませるという戦略である。
売却した資金を次の銘柄に投じてリターンを狙う方が効率的であるという考え方に基づき、損切りを行う。
もちろん損切り後に株価が回復する可能性もあるが、損失が拡大して資金を失うよりは良いだろう。
大きな失敗を避けるために小さな失敗を確定させるというのが損切りの基本だ。
損切りラインの設定方法
損切りを行う際、事前に「損切りライン」を決めて機械的に損切りを行うことが大切だ。
株価が事前に定めた損切りラインに達したら売却するというルールを決めておくことで、感情に左右されずに損切りを行える。
人間の心理的に「損失を確定させる」という行為には抵抗があるため、損切りを決断することは容易ではない。
「まだ上がるかもしれない」と信じてしまい、結局株価が下落して損失が拡大するというパターンは多い。
事前に損切りラインを決め、株価がラインに達したときに売却するとルール化しておけば機械的に損切りを行える。
感情に邪魔されて損切りのタイミングを逃す心配はないだろう。
具体的には「購入時の株価から-5%になったら損切り」「株価が〇〇円になったら売却」という数値を決めておくと良い。
また、損切りラインに達したら自動で売却を行う注文をしておくのもひとつの手だ。
あらかじめ具体的な損切りラインを決めておき、感情に左右されずに売却できるように準備を進めておこう。
損切りの注意点
損切りを行う際、以下の3つのポイントに注意が必要だ。
- リスク許容度を踏まえる
- 個別の事情を考慮する
- 定期的に損切りラインを見直す
まず、自分自身のリスク許容度を踏まえて損切りを行うことが重要だ。「どの程度の損失まで許容できるのか」という点をもとに損切りラインを決定しよう。
また、一律に「株価が〇%下落したら損切り」と決めるのではなく、各企業の事情を考慮することが大切だ。
株価の安定性が高い大型株と値動きが大きい中小型株では、適切な損切りラインは異なる。
「大型株は5%下落、中小型株は10%下落で損切り」など、企業の事情を考慮して損切りラインを決めていこう。
そして、最初に決めた損切りラインを貫く必要はまったくなく、定期的に見直すことを推奨する。
「損切りラインが厳し過ぎてすぐに売却となってしまう」といったパターンは少なくない。
定期的に見直しを行い、必要に応じて損切りラインを調整していこう。
株式投資での失敗しないための投資戦略
次に、株式投資で失敗しないための投資戦略を解説していく。各項目のポイントを押さえ、最適な投資戦略で株式投資の失敗を避けていこう。
運用の目的
まず、運用目的を明確化した上で適切な銘柄を選ぶことが重要となる。自分自身がどういった目的で株式投資を始めるのか明確にし、目的に合った投資先銘柄を選定しよう。
例えば値上がり益を獲得して資産を増やしていきたい場合、今後の成長性が期待できる企業への投資がおすすめだ。
時価総額がすでに大きい銘柄を選んでも大きく株価を伸ばす可能性は低いため、時価総額数百億円の優良銘柄を中心に探すと良いだろう。
一方、定期的な収入源を確保したい方は配当株への投資が向いている。配当利回りが高く、安定した業績で財務状況が優れている銘柄を探すと良い。
また、株主優待を目的に投資する場合、魅力的な優待を出していて経営状況が優良な銘柄から探すと良いだろう。
このように運用の目的によって選ぶべき銘柄は大きく異なる。自身の運用目的を明確化し、目的に合った銘柄を選ぶことで失敗を避けよう。
効果的な投資戦略
株式投資での失敗を避けるためには、有効とされる投資戦略を取り入れることが大切だ。特に効果的と言われているのが以下の3つである。
- 長期投資
- 分散投資
- 積立投資
長期投資とは、長期間にわたる運用で収益を目指す投資スタイルだ。運用期間が長くなるほどリターンは安定化し、大きな損失を抱える危険性が低くなる。
さらに利益を再投資することで利益が雪だるま式に増えていく「複利効果」の恩恵も得られるため、効率的に利益を得られる可能性が高い投資手法だ。
分散投資とは、複数の投資先に資金を分けて運用する投資スタイルである。複数の投資先に分散させることで、投資先のひとつが暴落しても資産全体が受けるダメージは小さく済む。
ほかの投資先で利益が出ていれば、暴落した銘柄をカバーすることも可能だ。より安全性を高めた運用を行える投資手法だ。
積立投資とは、定期的に一定額を積み立てて商品を購入する投資スタイルである。株価が高いときも安いときも一定額を買い続けるため、株価を高値掴みするリスクを回避できる。
平均の取得単価を抑え込めるため、安定的なリターンを期待できる投資手法だ。
上記の3つを実践することで株式投資のリスクはかなり軽減できる。
より安全性を高めた運用を実践するためにも、長期・分散・積立の投資スタイルを自身の投資戦略に取り入れてみよう。
資産運用が成功するポイント
株式投資をはじめとした資産運用を成功させるポイントとして以下の3つを頭に入れておこう。
- 自分に合った投資スタイルを確立させる
- 感情的な判断を避ける
- 定期的に見直しを行う
まず、自分に向いている投資スタイルを確立させることが重要だ。
市場を分析して短期的な株価の値上がりを狙うスタイルや中長期的な企業の成長を期待してじっくりと株価成長を待つスタイル、配当金や株主優待を受け取っていくスタイルなど、さまざまな投資戦略がある。
複数の投資スタイルを試しながら自分に合ったものを模索し、自分自身の投資スタイルを確立させよう。
また、感情的な判断による売買は避けるべきである。根拠に基づく売買をしないと後に何も残らず、今後の株式投資にも活きてこない。
「なぜ売買をするのか」という根拠を自分なりに建てた上で取引を行うことが大切だ。
そして、定期的な見直しも重要なポイントである。運用成績を定期的に見直し、必要に応じて投資戦略を立て直す取り組みが重要となる。
ここまで解説してきたポイントを踏まえ、株式投資を成功させよう。
株式投資で失敗したくない人はプロに相談してみよう
株式投資で失敗したくない人は投資助言を行うプロへの相談を検討しよう。
ここでは、プロに相談するメリットや相談先の選択肢について解説していく。
プロに相談するメリット
豊富な金融知識と経験を持つプロに相談することで、専門的な観点からのアドバイスを提供してもらえることが魅力だ。
知識に自信がない投資初心者の方でも安心して投資を始められる点は大きなメリットと言えるだろう。
特に株式投資はリスクが大きく、失敗したときに大きな損失を抱える危険性が伴う。
過去にさまざまな相場を見てきたプロから助言をもらえれば、安全性の高い運用で株式投資を成功に導いてくれる。
専門的な知識・アドバイスを提供してもらえる点がプロに相談するメリットだ。
相談先の選択肢
プロに資産運用の相談をする場合、以下のような相談先の選択肢が存在する。
- 証券会社のアドバイザー
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
まず、証券会社に在籍するアドバイザーが相談先の選択肢に入る。資産運用の相談だけでなく、投資商品の提案や売買の仲介まで行ってくれることが特徴だ。
また、FPはお金の専門家として幅広い相談を受け付けている。個別具体的な銘柄の推奨は基本的に禁止されているが、一般的な株式投資の悩みなどは相談可能だ。
そして、金融機関から独立して資産運用のサポートを行うIFAも選択肢に入ってくる。
金融機関には所属しない中立な立場で運用助言を提供してくれるため、信頼して相談できるアドバイザーだ。
プロに相談する際の注意点
プロに相談する際、以下の2点に注意が必要だ。
- 最終判断は自己責任で行う
- 自分に合う相談先を見極める
プロからの助言を鵜呑みにするのではなく、最終的には自分で決断を下すという気持ちを持って相談することが大切だ。
投資判断をすべてプロ任せにしてしまうと、万が一失敗したときに後悔してしまう。プロからの説明を受け、自分でもしっかりと考えて納得した上で最終的なジャッジを下そう。
また、プロであれば誰でも良いわけではなく、自分に合った相談先を見極めることが重要となる。
複数の相談先を比較検討したり、実際に面談して相性を確かめたりなど、自分に合う相談先を探し出す工夫が重要だ。
上記の2点を踏まえて、株式投資を成功させよう。
株式投資の失敗事例を踏まえて運用を始めよう
株式投資では、利益に目が眩んでリスクを無視してしまったり、株価の下落でパニックになって売却してしまったりといった失敗がよくある。
本記事で紹介した失敗事例を踏まえ、株式投資を成功に近づけよう。
また、株式投資で失敗しないためには運用目的を明確化し、長期・分散・積立による投資がおすすめだ。
自分に合った投資スタイルを確立し、感情的な判断を排除して運用していくことで成功の可能性が高まる。
本記事で紹介した内容をすべて実践することが難しい場合は、投資助言を行うプロに相談することも視野に入れておくと良い。
専門的な知識・アドバイスを提供してくれるプロに相談することで、失敗を回避できる可能性が高まる。
信頼できる相談先を探してみてはいかがだろうか。