- どのREIT投資信託を選べば良いか分からない
- REIT型ファンドのメリット・デメリットが知りたい
- 高利回りのREIT投信を見つけたい
不動産投資の一種であるREIT(リート)について、存在を知っていても、仕組みを説明できる人は少ないだろう。
近年、不動産投資や投資信託への関心が世間で高まっているが、物件価格の高さや、知識への不安から、資産に余裕がある人でも二の足を踏んでしまうのが実情だ。
あなたもその一人ではないだろうか?
REIT型投資信託は、少額からリスクを抑えて始められ、運用もプロに任せられるメリットの大きい商品である。
この記事では、REITの仕組みから、おすすめの商品、相談先までを紹介する。
ぜひ、あなたの資産形成に役立ててほしい。
そもそもREITって何?
REITは金融商品の一つだが、株式や債券とは何が違うのだろうか。
ここでは、REITの仕組みやREITに投資をする利点について紹介する。
REITの概要
REITは、「Real Estate Investment Trust」の略で、「不動産投資信託」を指す。
投資家から集めた資金を不動産に投資して、賃貸収入や売却による利益を分配する。
REITは1960年にアメリカで誕生した。
日本には2000年代に導入され、日本版は「Jリート」とも呼ばれている。
日本におけるREITの仕組みは、次のとおりだ。
まず「投資法人」が証券取引所に上場し投資家から資金を集める。
投資家は、投資法人が発行する「投資口」(株式会社の株式に相当)を購入する。
そして、投資法人が不動産を運用することで収益を生み、分配金(株式会社の配当金に相当)を投資家に配分する。
また、投資口売買によって利益を得ることも可能だ。
Jリートは2024年3月末現在で、東京証券取引所に58銘柄が上場し、時価総額約15.4兆円の市場規模となっている。
REITに投資する必要性
投資信託協会が1万人を対象に行ったWeb調査では、「投資をしたくない理由(複数回答可)」に、38%の人が「今の資産が減ってしまう可能性があるから」と回答した。
50歳代、60歳代では40%を超えた。
投資によるリスクは避けられないが、一方で、預貯金を続けるリスクも存在する。
日本でもこの数年インフレが進んでいるが、口座に預けたままのお金は増えることが無いため価値が目減りしていく。
資金に余裕があるならREIT投資による資産形成も選択肢に入れたい。
理由は後述するが、REITは利回りの高さが魅力だ。
REITのメリット
REITは不動産投資の一種だが、少額で始められるのが特徴だ。
個人で物件を購入するには最低でも数百万円の資金が必要になる。
物件の選定や、購入後の管理など、労力も発生する。
REITであれば、オフィスビルや商業施設など個人では購入が難しい物件にも投資ができ、物件の運用もプロが行ってくれる。
株式投資と比べてREITは平均利回りが高いことは説明したが、その理由は、配当金と分配金の仕組みの違いにある。
株式会社は、収入からコストを引いて税金を納めた後の利益を配当金として投資家に還元する。
一方REITには、収入からコストを引いた額のうち90%超を投資家に分配することで投資法人の法人税が免除される制度がある。
そのため、REITは高い利回りを実現できるのだ。
REITに投資するには投資信託がおすすめ!
REITに投資するには投資法人の銘柄を購入する方法もあるが、より少額でリスクを抑えられるREIT型投資信託(REITファンド)が適している。
ここでは、REIT投資の種類を見ていこう。
REIT型投資信託
REIT型投資信託(REITファンド)は、複数のREITに分散投資できる投資信託だ。
主に証券会社といった金融機関を通じて購入できる。
投資法人の投資口を購入するよりも少額から始められ、投資先が分散されるのでリスクを小さくできる。
「複利効果」を自動で得られるメリットも大きい。
運用による利息を元本に組み込んで再投資するため、利益がさらなる利益を生む。
投資の経験が浅い人はリスクを抑えるために「長期・積立・分散」の三原則を守ることが重要で、これらをすべて備えたのがREIT型投資信託である。
ETF
投資信託の一種であるETFは「Exchange Traded Funds(上場投資信託)」の略だ。
前述のREIT型投資信託との大きな違いは、取引所に上場していることだ。
取引所が開いている時間であれば、リアルタイムで売買ができる。
ETFには、決算時の分配金を自動で再投資する仕組みがない。
再投資をするには自分自身で買い付けを行わなければならない手間が発生することがデメリットだ。
投資法人
投資法人が発行する投資口を購入する方法である。
対象は、オフィスビルやマンション、商業施設、ホテル、ヘルスケア施設など多岐にわたる。
REIT型投資信託と比べ投資先が限定されているため、自分が投資したものがどのように運用されているのかが明確で、透明性が高い。
ただし、投資先を選定する難しさや資金を集中させてしまうリスクも大きい。
REIT型投資信託の人気おすすめランキング10選!
ここでは、おすすめのREIT型投資信託を紹介する。
ランキングは、次の部門を設けた。
- 利回りランキング
- 長期で資産を形成する投資信託の性質を踏まえ、過去3年間の実績を中心に順位付けした。
- 管理費用の低さランキング
- リターンだけではなく管理費用に着目し、コストを抑えた投資を可能にする商品を選んだ。
- 国内おすすめランキング
- 政治・経済の不安定化によるカントリーリスクが低い日本のみが投資対象の商品を掲載した。
【利回り1位】eMAXIS 新興国リートインデックス
2024年11月15日現在で、過去3年間の利回りが13%超えの高さを誇る。
投資銘柄のトップ3は、メキシコ、インド、南アフリカといった成長が期待できる新興国が占める。
運用管理費が低額なのも魅力だ。
【利回り2位】SMT 新興国REITインデックス・オープン
2024年11月15日現在で、過去3年間で13%を超える高い利回りが魅力の商品だ。
投資対象はメキシコが最も多く、南アフリカやインド、トルコ、タイなど9か国の銘柄に広く分散している。
ランニングコストも抑えられるのが特徴である。
【利回り3位】eMAXIS 豪州リートインデックス
過去3年間のリターンは、2024年11月15日時点で12%超となっている。
オーストラリアの不動産にのみ投資をしている。
投資対象国が1か国だと、政治・経済情勢の悪化によるリスクを限定できるが、対象国の情勢が悪化した際に被る影響も大きいので注意したい。
【利回り4位】オーストラリア・リート・オープン(毎月決算型)
2024年11月15日現在、過去3年間のリターンが12%を超えている。
オーストラリア証券取引所に上場されているREITに投資をする。
毎月決算をして分配金が発生する。
期間中に利益が出なければ元本から払われることも起こりうるので、購入する際は、分配金は現金で受け取らずに再投資したい。
【利回り5位】ダイワ・US-REIT・オープン(年1回決算型)為替ヘッジなし
利回りは過去3年間で約12%と、過去から継続して安定して高いリターンを実現しているのが魅力の商品だ。
アメリカのREITに投資をしており、対象はデータセンターや産業施設、ヘルスケア施設などと幅広い。
【管理費用の低さ1位】Smart-i 先進国リートインデックス
年率0.22%の運用管理費用は、他の商品と比較しても極めて低い。
アメリカへの投資が約78%と先進国を中心に投資をし、オーストラリアやイギリス、シンガポール、フランスで約95%を占める。
日本は投資対象国に入っていない。
【管理費用の低さ2位】三井住友・DC外国リートインデックスファンド
年率0.297%の運用管理費用は、他銘柄と比べ低い。
アメリカをはじめ、オーストラリアやイギリスなど、広く海外の銘柄に投資をしている。日本は投資対象外となっている。
【管理費用の低さ3位】<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド
運用管理費用は年率0.297%となっている。
日本を除く世界各国のREITに投資をする。
アメリカの比率が高いが、メキシコやヨーロッパ、アジアなどにも広く投資をしている。
【国内おすすめ1位】野村Jリートファンド
国内のJリートに絞って、個別銘柄の流動性や収益性・成長性などを総合的に判断して分散投資をする。
高い水準の配当収益の獲得と、中長期的な値上がりによる利益を追求できる。
【国内おすすめ2位】フィデリティ・Jリート・アクティブ・ファンド
国内のJリートのみを投資対象とする。
経済動向や不動産需給などをふまえ、配当利回りと、収益性や成長性などを検討して投資対象を決定する。
銘柄や投資対象に偏りがないのも特徴だ。
毎月決算をして分配金を還元するため、購入する際は、自動で再投資をする設定にしたい。
初心者必見!REIT型投資信託のおすすめの選び方
投資経験の浅い人におすすめのREIT型投資信託だが、商品の種類も豊富で迷うこともあるだろう。
そこで、商品選びをするうえで、押さえておきたいポイントについて解説する。
運用目的とリスク許容度を明確にする
投資を始める前に、「自分がどの程度リスクを受け入れられるのか」のリスク許容度を設定することが重要だ。
リスク許容度は人によって異なる。
まずは、運用目的をまず明確にしよう。
すると今後の運用期間が自然と決まってくる。
その上でライフスタイルや現在の年齢、年収などに基づいて現実的なリスク許容度を設定してほしい。
個別ファンドを比較し検討する
投資信託では、日本やアメリカ、新興国まで簡単に投資できる。
海外と日本でかかる労力に差はない。
楽天証券やSBI証券などネット証券では、それぞれ約200種類の商品が販売されている。
豊富な情報量に圧倒されるかもしれないが、利回り、コスト、対象国など一つひとつを丁寧に比較し検討しよう。
REIT型投資信託選びのポイント
実際にどのような観点で商品を選ぶといいのだろうか。
商品選びで注目してほしいポイントは、まず運用実績だ。
直近数か月だけでなく、長い目で評価することも大切である。
3年、5年の成績を見た時に、高い利回りであれば購入の選択肢に入る。
次に、投資対象地域にも注目する。
国内か、海外か。海外なら先進国か新興国か。
海外の商品は利回りも高いが、カントリーリスクもあるため、メリットデメリット両面で評価したい。
判断材料には、管理費用がどれくらいなのかも入れよう。
利回りがいい商品を購入しても、保有中のコストが高すぎると利益が逆転することも考えられる。
ほかにも、ファンドの純資産なども検討対象にし、安全性や長期運用ができそうかも重視したい。
REIT型投資信託の注意点とおすすめしないケース
REIT型投資信託は比較的安全な投資手法だが、絶対に損失がでないとは限らない。
リスクを最小限にする方法や気を付けたいポイントを紹介する。
リスクを取りすぎない
高いリターンを実現させるためには、それなりのリスクも負う必要がある。
しかし、リスクの限界は「自分が設定した許容度まで」を厳守しよう。
また、リスクが低い商品だから、手元の資金すべてを使っていいわけではない。
あくまで使用するのは余剰資金のみだ。
「しばらく使わない資金があるから、お金に働いてもらおう」という感覚で、投資に使うお金は生活費としっかり分けて活用してほしい。
相場の上下に振り回されすぎない
投資を始めたばかりだと、短期間の相場の動きに気持ちが左右される。
急騰時に上昇が続くと期待して購入したり、急落時に不安になって売却したりしがちだ。
しかし長い期間で見ると、多くの値動きは一定の範囲内に集約される。
自分の資産に対する責任を持つことも重要だが、一歩引いた冷静さを持っておくことも必要になる。
REIT型投資信託をおすすめしないケース
「長期・積立・分散」の原則を備えたREIT型投資信託であるが、この特長をデメリットに感じる人もいるだろう。
短期間の売買で利益を大きくしたい人や、手数料などのコストが惜しい人には向いていない。
そもそも元本割れのリスクを受け入れられない人には、資産運用の手段として投資はおすすめしない。
REIT型投資信託について悩んだら、プロへの相談がおすすめ
いざ購入する段階になると、いろいろと悩んで手が止まってしまうことも多い。
そんな時は、無理せず立ち止まってプロに相談することをおすすめする。
資産運用を専門家に相談するメリット
REIT投資における判断のポイントや注意点をすべて理解して投資するのが一番だが、熟練者並みの知識を得るのは膨大な時間を要する。
投資に踏み切れず時間だけが経過すると、運用期間が短くなり長期運用のメリットが低減するという面もある。
そんなときに、専門家に相談するのは有効な手段だ。
「プロを頼って投資開始を時短化」することで、運用期間を最大化でき、より効果的な成果が期待できる。
REIT投資の相談先
REITの投資窓口は、主に証券会社であるため相談が可能だ。
しかし提案できるのは自社で扱っている商品に限られ、選択肢が狭まってしまう可能性がある。
他にFP(ファイナンシャルプランナー)や、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が資産管理の相談先としてあげられる。
共通しているのは、相談者の価値観をもとに、現在の年齢や家族構成、収入などから現状を把握し、相談者の将来にわたる資産設計をすることだ。
なかでもIFAは、相談者の希望に合った具体的な運用プランやポートフォリオの構築に強みを持っている。
また、独立した立場であることから複数の証券会社の商品をまたいだ提案が可能だ。
REIT型投資信託のおすすめはプロへの相談も効果的
この記事では、不動産投資の一種であるREIT型投資信託の特徴を紹介した。
REITは少額で始められて「長期・積立・分散」の基本に従って投資できる
海外の商品を中心に高い利回りが特徴だが、カントリーリスクなども存在する。
そのため、リスク許容度を設定し余剰資金で運用することが重要だ。
商品数が多く、判断するためのポイントも多い。
あなたの大切な資産を守り順調に育てるためにも、商品選定や投資戦略に迷った場合は運用のプロに頼るのも1つの選択肢だ。
特にIFAは、あなたの希望に合った商品を中立的な立場から提案でき、長期的なサポートが可能である。
自分に適したIFAを見つけ、順調なREIT投資の一歩を踏み出して欲しい。