不動産投資と株式投資はどちらがおすすめ？リターンとリスクを徹底比較！

不動産投資と株式投資はいずれも代表的な資産運用の手法だが、どちらが自分に適しているのか分からずに悩んでいる方も多いだろう。

リターンやコスト、運用に伴うリスクを比較し、適切な投資手法で効果的に資産運用を行おう。

本記事では、不動産投資と株式投資の基本的な違いやリターン、運用リスクを解説していく。

適切な投資手法を知るためにおすすめの相談先も紹介していくので、ぜひ本記事を参考に最適な運用戦略を構築しよう。

不動産投資と株式投資の基本的な違い

まず、不動産投資と株式投資の基本的な特徴を紹介し、両者の違いを解説する。基本的な内容を頭に入れた上で、どちらを選択すべきか検討しよう。

不動産投資とは

不動産投資とは、土地や建物などの不動産物件を購入し、他人に貸し出すことで賃料収入を得る投資手法だ。

物件の売買差益を狙って投資するケースもあるが、基本的には物件を貸し出すことによる賃料収入がメインの収益となる。

不動産物件は数百万円〜数千万円の価格となるケースが多いため、金融機関から融資を受けて物件を購入する場合もある。

自己資金が少額でも融資を活用して大規模な運用を行えることが特徴だ。

株式投資とは

株式投資とは、企業が資金調達のために発行する株式を取引して収益を狙う投資手法だ。

株式の売買差益を狙ったり、企業から支払われる配当を受け取ったりすることで収益を得る。

株式の価格（株価）は、基本的には企業の業績向上に伴って価格も高くなっていく傾向にある。

また、配当は企業の収益から支払われる仕組みだ。つまり、企業が今後業績を伸ばしていくことに期待して資金を投じる手法である。

両者の違い

不動産投資と株式投資では以下のような点に違いがある。

利回りとは、投資金額に対する収益の割合のことを指す。つまり、投じた資金に対してどれだけ効率良く収益を得られるかという指標である。

後ほど詳しく解説するが、不動産投資と株式投資では利回りに違いがある。

また、運用に伴うリスクも大きく異なる。

こちらも後ほど詳しく解説するが、空室リスクや災害リスクが伴う不動産投資に対し、株式投資では株価変動リスクや信用リスク、流動性リスクなどが伴う。

そして、投資対象自体の価値にも違いがある。不動産投資は購入した物件自体に価値があり、入居者がいなくても手元に価値は残る。

一方で株式はあくまでも企業価値が反映されて価格が付くため、企業が倒産した場合は手元に価値が残らない。投資対象そのものに価値があるかどうかという点が異なっているのだ。

利回りやリスク、投資対象自体の価値など、根本的な部分での違いがあることを認識しておこう。

不動産投資と株式投資、どちらが儲かるか？

不動産投資と株式投資の基本を紹介してきたが、気になるのが「どちらが儲かるか」という点だ。

ここでは、両者の利回りと運用コストを紹介し、代表的な投資先である投資信託も含めてリターンを比較していく。

不動産投資の利回りと運用コスト

不動産投資の利回りは年3%〜15%が目安となる。物件の種類や状態、地域によって利回りに差が生じることを頭に入れておこう。

一般的に区分マンションの利回りは低く、一棟マンション・一棟アパートや一戸建ての利回りは高くなりやすい。

また、新築物件の方が利回りは低くなり、中古物件の方が利回りは高くなる。そして、都心の方が利回りは低くなりやすく、地方の方が利回りは高くなる傾向がある。

運用コストについては以下のようなものが挙げられる。

一般的に運用コストは月額の賃料収入の20%〜30%程度と言われている。利回りと運用コストを頭に入れておこう。

株式投資のリターンとコスト

株式投資のリターンは大きく分けて「売買差益」と「配当」の2種類がある。株式投資の利回りは銘柄によって大きく違いが生じるため注意が必要だ。

売買差益はその銘柄の株価上昇によって変化し、数%の場合もあれば数百%となる場合もある。資金を投じた時点では売買差益による利回りの予測は難しい。

配当も企業によって支払う金額が異なるため利回りに違いは生じる。2024年10月時点の東証プライム市場の銘柄における加重平均利回りは2.14%だった。

売買差益と合わせたトータルの利回りは年5%〜10%程度が相場と言われている。

株式投資の主なコストは以下の通りだ。

売買の際に発生する手数料と税金はかかるものの、不動産投資に比べるとコストは非常に少ない。

近年は売買手数料を無料としているネット証券も多く、かなりコストを抑えて運用できることが特徴だ。

不動産投資・株式投資・投資信託のリターン比較

以下の表は、不動産投資と株式投資、投資信託のリターンの目安を比較したものだ。

投資手法	リターン
不動産投資	年3%〜15%
株式投資	年5%〜10%
投資信託	年3%〜10%

上記の表はあくまでも平均的な利回りであり、株式投資は株価の上昇によっては数百%のリターンを得られる可能性もある。

不動産投資の場合は短期的に大きなリターンを狙うことが難しいため、株式投資と異なる点と言えるだろう。

ただし融資を受けて不動産投資を行う場合、自己資金に対する利回りは大きくなる。少額の自己資金でも大きなリターンを狙える点は不動産投資の強みだ。

リスクの観点から見た不動産投資と株式投資の選び方

次に、不動産投資と株式投資のリスクをそれぞれ紹介していく。リスクを踏まえた上でそれぞれの投資法が向いている人の特徴も解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

不動産投資のリスク

不動産投資の主なリスクとして以下のようなものが挙げられる。

不動産投資は入居者がいないと収益を得られないため、空室によるリスクは考慮しなければならない。

周辺地域の調査を行って賃貸需要を確かめたり、入居者募集を任せる管理会社を見極めたりする必要がある。

また、災害によって物件が損害を被って修繕に多額の費用がかかるリスクもある。

火災保険や地震保険などに加入したり、複数のエリアに物件を分散したりといった工夫が必要だ。

そして、融資を活用して不動産投資を行う場合、金利上昇によって返済負担が重くなるリスクも考慮しなければならない。

ローンを契約する際に返済シミュレーションを徹底的に行い、余裕を持った返済プランを立てておく必要がある。

株式投資のリスク

株式投資の主なリスクとして以下のようなものが挙げられる。

まず、株価の変動によって損失を被るリスクを考慮しなければならない。株価は景気や企業の業績、国内外の政治・経済の情勢などに影響を受けて変動する。

投資先を分散したり、長期目線で投資したりといった対策を講じる必要がある。

また、株式を発行する企業が債務不履行に陥る可能性を指す「信用リスク」もある。株式投資の場合、企業が倒産すると最悪の場合は投資した金額が戻ってこない。

投資先の財務状況や業績をしっかりと分析しなければならない。

「流動性リスク」は株式の取引のしやすさを指す。売買が活発に行われている銘柄は売りたいときにすぐ売れるが、取引が少ない銘柄は思うようなタイミングで売却できない。

株式の流動性を見極め、換金しやすい銘柄を選ぶことが大切だ。

それぞれの投資法が向いている人

両者の特徴を踏まえると、それぞれの投資法が向いている人の特徴は以下の通りだ。

不動産投資が向いている人	株式投資が向いている人
安定した収益を目指したい人 融資を組める属性の人 事業として取り組む覚悟がある人	リスクを取ってリターンを狙いたい人 本業が忙しい人 企業の財務状況や決算の分析が好きな人

両者を比較すると不動産投資の方が安定した収益性を期待でき、株式投資は大きなリターンを目指せる。

安定した収益を目指したい人は不動産投資、リスクを取って大きなリターンを得たい人は株式投資がおすすめだ。

不動産投資は融資を組んで行うケースが多いため、融資を組める属性の人に向いている。

物件エリアの調査や管理会社の選定など投資を行うハードルが高いため、事業として取り組むぐらいの覚悟がある人には不動産投資が適している。

一方、本業が忙しい人は株式投資の方が向いていると言えるだろう。近年はネット証券などで気軽に取引できるため、投資に時間を割くことが難しい人でも始めやすい。

また、企業の財務状況や決算などを分析するのが好きな人にも株式投資がおすすめだ。

自分がどちらに向いているのかを考え、最適な投資戦略を構築しよう。

不動産投資と株式投資の組み合わせも有効的！

ここまで不動産投資と株式投資の特徴を比較し、どちらを選ぶべきかという観点で解説してきた。

しかし、不動産投資と株式投資を組み合わせて資産運用を行うという戦略も効果的だ。

ここでは、不動産と株式を組み合わせるメリットやバランスを取るコツ、その他の投資先について解説していく。

不動産と株式を組み合わせるメリット

不動産と株式を組み合わせて運用するメリットは主に以下の2点だ。

不動産と株式の市場は異なる値動きの特徴があるため、両者を組み合わせることでリスクを分散できる。

不動産市場の下落時に株式市場が上昇していればカバーでき、その逆も然りだ。

特徴が異なる2つの資産を組み合わせることで、リスクを軽減できる点が不動産と株式の両方に投資するメリットである。

また、不動産投資の大きな特徴として「融資を活用できる」という点が挙げられる。

融資枠を最大限に活用して不動産投資を行いつつ、手元の自己資金は株式に投じるというバランスの取り方で運用を行えることが魅力だ。

2つの資産を組み合わせてリスクをカバーしつつ、バランス良く運用を行える点が不動産と株式の両方に投資を行うメリットである。

その他の投資先

不動産や株式以外の投資先として以下のような選択肢も考えられる。

債券は、国や地方公共団体、企業が資金調達のために発行する有価証券だ。保有期間中はあらかじめ決められた利率で利息が支払われ、満期を迎えると額面金額が償還される。

比較的安定性が高い投資先であるため、堅実な投資を好む方におすすめだ。

また、金は世界中で価値があるものとして取引されており、投資対象として人気が高い。

インフレに強い点や有事の際に買われやすい点などを踏まえ、安全資産として保有しておくと良いだろう。

投資信託は、投資ファンドに資金を預けて運用を任せる仕組みの金融商品だ。複数の株式・債券などで運用が行われるため、投資先を分散しやすいことが特徴として挙げられる。

手間をかけずに分散投資できるため、初心者にもおすすめの商品だ。

不動産と株式だけに固執するのではなく、さまざまな投資先を視野に入れて柔軟に戦略を構築しよう。

不動産投資か株式投資か悩んだらプロに相談しよう

不動産投資と株式投資のどちらを行うべきか悩んでいる方は、投資助言を行うプロに相談することを推奨する。

ここでは、プロに助言を求めるメリットなどを解説していく。

プロに助言を求めるメリット

プロに助言を求めるメリットとして以下の2点が挙げられる。

投資助言を行うプロのアドバイザーは豊富な知識や経験を有しており、専門家の立場から適切な助言を提供してくれる。

投資のプロが培ってきた経験をもとに投資先の助言を提案してくれるため、納得した上で資産運用を始められるだろう。

また、不動産投資・株式投資のどちらを行う場合でも、実際に投資を行うサポートもしてくれるケースが多い。

具体的な投資先の選定や購入手続きをサポートするのはもちろん、運用開始後のフォローも対応してくれる。

投資経験が少ない初心者でも安心して投資を始められることが魅力だ。

「不動産投資と株式投資のどちらを始めるか迷っている」「自分で投資を始められるかどうかが不安」という方は、投資助言を行う専門家に相談してみよう。

不動産投資と株式投資の違いを踏まえて投資戦略を立てよう

不動産投資と株式投資では利回りやリスク、投資対象自体の価値という点に違いがある。

不動産投資は収益の安定性が高く、株式投資はリスクが大きい分だけ大きなリターンを得られる投資手法である。

それぞれの特徴を活かすために、不動産と株式を組み合わせて運用を行うというのもひとつの手だ。

特徴が異なる2つの資産を組み合わせることでリスクが軽減でき、バランス良く運用できる点がメリットとなっている。

もし不動産と株式のどちらに投資すべきか悩んでいるのであれば、投資助言を行う専門家への相談がおすすめだ。

豊富な知識・経験に基づいた助言を提供してくれるだけでなく、実際の運用までサポートしてもらえるため、投資初心者でも安心して運用をスタートできる。

専門家を探すサービスなどを活用して信頼できるパートナーを探してみよう。