- 投資信託の基本的な仕組みや概要が分からない
- 投資信託のメリットとデメリットを知りたい
- 初心者でもリスクを理解し、安心して投資を始めたい
資産運用を始める際、どの金融商品に投資すべきか悩んでいるという方も多いだろう。
投資初心者がよく利用する投資信託についても、商品の特性を理解していないと失敗してしまう可能性がある。
基本的な特徴やメリット・デメリット、運用の注意点を正しく理解した上で投資すべきかどうかを検討することが大切だ。
本記事では、投資信託の基本的な特徴から想定されるリスク、投資するメリット・デメリットを紹介していく。
投資信託の商品選びのポイントや人気ランキング、運用時の注意点も紹介するので、ぜひ本記事を参考に投資信託を効果的に活用しよう。
投資信託って何?仕組みを簡単に解説
まず、投資信託の基本的な特徴について解説していく。投資信託の概要や商品の仕組み、種類を紹介するので、投資信託の基本を押さえておこう。
投資信託の概要
投資信託とは、投資家から集めた資金をもとに株式や債券、REIT(不動産投資信託)などで運用を行い、その成果を投資家に分配する仕組みの金融商品だ。
基本的には投資ファンドに資金を預けるだけで運用のほとんどを代行してもらい、運用成果を受け取るという仕組みになっている。
投資信託は「運用会社」によって作られており、証券会社や銀行などの「販売会社」を通じて販売される。
そして投資家から集まった資金は「信託銀行」で管理され、運用会社の指図にしたがって信託銀行が株式や債券などの売買を行う。
「運用会社」「販売会社」「信託銀行」がそれぞれの役割を果たし、投資家から集めた資金の管理や運用を行っているのが投資信託の基本的な仕組みだ。
投資信託の種類
一言で「投資信託」と言ってもさまざまな種類に分類される。主に以下の要素で投資信託は分類される。
- 運用手法
- 資産クラス
- 投資対象地域
それぞれの分類をチェックし、投資信託の種類を把握しておこう。
運用手法による分類
投資信託は運用手法によって「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類に分けられる。
リスク水準やコストに違いがあるため、違いを理解しておこう。
インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIXなどの市場指数との連動を目指して運用される投資信託である。
市場指数の構成銘柄と同じものを買い付けることになるため、運用コストが低い点が魅力の商品だ。
アクティブファンドとは、市場指数を上回る投資成果を目指して運用される投資信託である。
大きなリターンを狙える一方、リスクが大きい点やコストが比較的高い点に注意が必要だ。
資産クラスによる分類
投資信託に集められた資金が「どういった資産クラスで運用されるか」という点でも分類される。
投資先の資産クラスによってリスク水準が異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切だ。
株式に投資を行うファンドは比較的リスクが大きい分、高いリターンを期待できることが魅力である。
一方、債券に投資を行うファンドは比較的リスクが小さく、堅実な運用に向いている商品だ。
ほかにもREIT(不動産投資信託)に投資するファンドや株式・債券・REITにバランス良く投資するファンドもある。
投資対象地域による分類
ファンドの投資対象の地域によっても分類が異なる。こちらも分類によってリスク水準が異なるため、違いを把握しておくことが大切だ。
国内の株式や債券に投資するファンドは比較的リスクが小さい。
一方、海外の株式や債券に投資するファンドは、為替相場の変動による影響が生じる分だけ国内資産よりもリスクが大きくなる。
また、海外のなかでも先進国より新興国の方がリスクが大きくなる。政治・経済などの影響で投資対象の価格が大きく変動するリスクがあるためだ。
「国内資産→先進国資産→新興国資産」の順でリスクが大きくなっていくことを理解しておこう。
投資信託はやめたほうがいい?リスクを解説
「投資信託はやめたほうがいい」と言われることもあるが、実際にどういったリスクがあるのだろうか。
ここでは、やめたほうがいいと言われる理由や投資信託のリスクについて解説していく。
やめたほうがいいと言われる理由
投資信託はやめたほうがいいと言われる理由として主に以下の3点が挙げられる。
- 元本が保証されていない
- 手数料が高い
- 短期的な投資には向かない
投資信託はプロが運用を代行してくれる商品だが、元本が保証されているわけではない。
経済や市場の状況によって元本割れを起こす可能性があるため、やめたほうがいいと言われているのだ。
また、投資信託は購入する際に支払う「購入時手数料」や保有期間中に引かれ続ける「信託報酬」、売却する際に支払う「信託財産留保額」といった手数料がある。
運用にかかる手数料負担が大きいことを理由にやめたほうがいいと考えている人が多い。
そして、投資信託は複数の株式や債券に分散投資を行うことで、運用におけるリスクを軽減している。
リスクが小さくなる分だけ短期的に大きなリターンを得ることは難しくなる。
短期的に利益を得たいと考えている人が、やめたほうがいいという意見を持っているケースも多い。
投資信託のリスク
投資における「リスク」とは収益の不確実性のことを指す。リスクが大きくなると不確実性も大きくなり、収益がプラス・マイナスのどちらにも大きくなる可能性がある。
大きなリターンを得られる可能性もあれば、大きな損失を抱える危険性もある。
投資信託におけるリスクには以下のようなものがある。
価格変動リスク | ファンドの投資対象である株式や債券の価格が変動し、収益に影響を与えるリスク。 |
---|---|
為替変動リスク | 為替相場の変動によって収益に影響を与えるリスク。 |
金利変動リスク | 金利変動によって債券価格が変動し、収益に影響を与えるリスク。 |
カントリーリスク | 投資対象の国・地域において政治・経済情勢が変化して市場に混乱が生じ、収益に影響を与えるリスク。 |
信用リスク | 株式や債券を発行する発行体の信用力の変化によって収益に影響を与えるリスク。 |
上記のようなリスクによって収益に不確実性が生じることを念頭に置き、投資信託を活用すべきかどうかを検討しよう。
投資信託のメリット
投資信託で運用を行うメリットとして以下の3点が挙げられる。
- 少額から分散投資を行える
- 運用の手間が省ける
- 透明性が高い
それぞれのメリットを見ていこう。
少額から分散投資を行える
通常、投資信託は購入口数または金額を指定して購入することが一般的である。
金融機関によって最低投資額は異なるが、なかには100円から購入できる金融機関があり、少額から投資を行えることが投資信託のメリットだ。
前述の通り、投資信託は複数の株式や債券に分散されている。
自分で複数の株式・債券を購入しようとするとまとまった金額が必要となるが、投資信託であれば100円から分散投資を行える。
「いきなりまとまった金額を投資するのは怖い」「少ない元手でも資産運用を始めたい」という悩みを抱えている方も多いだろう。
少額から分散投資を行える投資信託を活用し、少しずつ資産を運用していこう。
運用の手間が省ける
投資信託は、投資ファンドに資金を預けるだけで運用を代行してもらえる仕組みの金融商品である。
長年金融市場を見てきた「ファンドマネージャー」と呼ばれる専門家が代わりに運用してくれるため、資産運用の手間や時間を省けることが投資信託のメリットだ。
自分で運用を行う場合、投資先の銘柄を選定したり、購入する商品の組み合わせを考えたりしなければならない。
経済や市場の動向や企業の業績等をチェックし、売買するタイミングを見極める必要もある。
投資信託であれば、ファンドマネージャーが銘柄の選定や保有銘柄の入れ替えをすべて行うため、投資家は商品を購入して資金を投じるだけで良い。
本業で忙しい人や投資の知識・経験に乏しい方でも利用しやすいことが魅力だ。
手間や時間をかけずに資産運用を始められる点が投資信託のメリットである。
透明性が高い
投資信託は日々基準価額が公表されており、資産としての価値が分かりやすいことが特徴の金融商品だ。
運用の透明性が高く、安心して投資を行えることが投資信託の大きなメリットである。
また、投資信託は決算のたびに監査法人による監査を受けている。
さらには定期的に運用報告書等で運用状況の開示を行っており、投資ファンドでどういった運用が行われているかを事細かく確認できる。
大切な資金を預ける以上、信頼できる投資先を見極めたいと考えている方も多いだろう。
運用状況や方針が公表されている投資信託であれば、安心して投資を行うことが可能だ。
投資信託のデメリット
さまざまなメリットがある投資信託だが、一方で以下のようなデメリットも存在する。
- 元本割れの可能性がある
- 手数料が高い
- 商品選びが難しい
デメリットを把握した上で、投資信託を活用すべきかどうかを検討しよう。
元本割れの可能性がある
前述の通り、投資信託は元本が保証されている商品ではない。経済・市場の状況によっては投資信託の基準価額が下落し、元本割れを起こす可能性がある点に注意が必要だ。
銀行の預貯金は原則として元本が保証されているため、これまで投資をしたことがない人は元本割れを経験したことがないだろう。
保有している資産が元本割れを起こすというのは、預貯金にはない投資信託のデメリットだ。
特に、株式に投資するファンドや外国資産に投資するファンドはリスクが大きいため、元本割れとなる可能性も高い。
リターンを追求してリスクが高い商品を選ぶほど、大きな損失を抱える危険性が高まることに注意が必要だ。
相場が順調に上昇している局面では、投資信託を定期預金のような感覚で利用する人も増えてくる。元本割れのリスクがあることを認識した上で投資信託を活用しよう。
手数料が高い
投資信託はファンドに資金を預けて運用を代行してもらう分、自分で個別の株式・債券を取引する場合に比べて手数料が高くなってしまう。
運用にかかるコストが高くなりやすい点は投資信託のデメリットのひとつだ。
投資信託では以下のような手数料が発生する。
- 購入時手数料
- ファンドの購入時に支払う手数料
- 信託報酬
- ファンドの運用管理費として保有期間中に信託財産から引かれ続ける手数料
- 信託財産留保額
- ファンドの売却時に支払う手数料
近年、購入時手数料や信託財産留保額は無料となっているケースもあり、従来よりはコストを抑えやすくなっている。
また、信託報酬もインデックスファンドであれば比較的低コストでの運用が可能だ。
しかし手数料の仕組みを理解せずに投資を行うと、想定外の負担が生じる可能性があるため注意しておこう。
商品選びが難しい
投資信託協会の「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」によると、2024年9月時点での公募投信のファンド本数は5,880本となっている。
約6,000本のなかから商品を選ばなければならない点はデメリットと言えるだろう。
各ファンドで運用方針や投資対象が異なり、それぞれでリスク・リターンのバランスなども異なっている。
また、似たような商品のなかでも手数料が違うケースもあるため、なるべく低コストな商品を選ぶことも重要となる。
自分自身のリスク許容度に合った商品を探し、比較しながら低コストで運用できる商品を選ばなければならない。
自分に合った投資先を見極めることが難しい点が投資信託のデメリットだ。
ETFと投資信託の違いは?どっちがいい?
投資信託と似たような商品として、ETF(上場投資信託)という金融商品がある。基本的な特徴は似通っているが、投資信託とETFのどちらの商品を選べば良いのだろうか。
ここでは、ETFの基本的な特徴や投資信託との違い、それぞれの商品が向いている人の特徴について解説していく。
ETFとは
ETFとは、金融商品取引所に上場している投資信託である。
市場指数との連動を目指して運用されるインデックス型や市場指数を上回る成果を目指して運用されるアクティブ型の商品があり、基本的な特徴は投資信託と共通している。
ETFは金融商品取引所に上場しているため、株式と同じように市場が開いている間はリアルタイムで価格が変動することが特徴だ。
価格を指定せずに発注する「成行注文」と希望する取引価格を指定する「指値注文」があり、比較的自由に取引を行える。
ETFと投資信託の違い
ETFと投資信託の主な違いは以下の表の通りだ。
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
上場・非上場 | 上場 | 非上場 |
取引可能時間 | 取引所の取引時間中 | 当日の申し込みは原則15:00まで |
取引価格 | リアルタイムで決まる市場価格 | 1日に1回決まる基準価額 |
取引方法 | 証券会社を通じて取引所で売買 | 証券会社や銀行、郵便局などの販売会社で売買 |
手数料 | 信託報酬が投資信託に比べて低めに設定される | 信託報酬がETFに比べて高めに設定される |
複数の株式・債券で運用が行われるという点は共通しているが、取引できる時間や価格の決まり方、取引方法などはETFと投資信託で異なっている。
違いを踏まえ、自分に合う方を選んで運用を行おう。
それぞれが向いている人の特徴
ETFと投資信託の特徴を踏まえ、それぞれの商品が向いている人の特徴を解説していく。参考にして自分に合う金融商品を選択しよう。
ETFが向いている人の特徴
ETFは以下のような人に向いている金融商品だ。
- 自由度の高い運用を行いたい人
- 極力コストを抑えたい人
ETFはリアルタイムでの売買が可能となっており、価格変動を見ながら取引するタイミングを見極められる。
希望の取引価格を指定する指値注文にも対応しており、比較的自由度が高い投資を実現できることが特徴だ。自由に売買を行いたい人はETFを活用すると良い。
また、ETFは信託報酬が投資信託よりも低い傾向にあり、低コストで運用を行えることが魅力だ。
そこまで大きな差ではないものの、極力コストを抑えて取引したい人にはETFが向いている。
投資信託が向いている人の特徴
投資信託は以下のような人に向いている金融商品だ。
- 積立投資で運用したい人
- 売買タイミングを考えたくない人
投資信託は金額を指定して購入できるため、毎月一定額を買い続ける「積立投資」に向いている商品だ。
コツコツと積み立てて堅実にリターンを狙いたい人には、投資信託の利用を推奨する。
また、ETFのようにリアルタイムで価格が変動することはなく、1日1回決まる基準価額をもとに取引を行う。
価格変動をチェックして売買するタイミングを見極める必要がないことが魅力だ。なるべく売買するタイミングを考えたくない人は投資信託を活用すると良いだろう。
投資信託の人気おすすめランキング10選!
次に、投資家から人気を集めている投資信託をランキング形式で紹介する。2024年11月時点で純資産残高が多い投資信託は以下の通りだ。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- インベスコ 世界厳選株式オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算型)
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
- netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)
- グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)
- ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
それぞれの特徴を解説していくので、ぜひ参考にして投資先を探してみよう。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | インデックス型 |
決算 | 年1回(4月25日) |
購入時手数料(上限) | 0% |
信託報酬 | 年率0.09372% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国市場の株価指数「S&P500指数(配当込み、円換算ベース)」に連動する運用成果を目指すインデックスファンドだ。
購入時手数料はかからず、信託報酬も極めて低い水準となっているため、とにかくコストを抑えられることが魅力となっている。
米国市場は世界最大規模のマーケットであり、グローバルに事業を展開する世界経済のリーダー企業が多く集まっている。
S&P500指数は米国市場のなかでも大企業が集まっており、低コストで米国のトップ企業群に投資を行えることが人気の理由だ。
「米国企業に分散投資をしたい」「低コストで運用を行いたい」という方は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)への投資を推奨する。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント株式会社 |
---|---|
投資対象 | グローバル株式 |
運用手法 | インデックス型 |
決算 | 年1回(4月25日) |
購入時手数料(上限) | 0% |
信託報酬 | 年率0.05775% |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する運用成果を目指すインデックスファンドである。
こちらも購入時手数料はかからない上に信託報酬も業界最安水準となっており、徹底してコストを抑えていることが特徴だ。
全世界の株式市場の幅広く分散投資を行うことができ、リスクを抑えながら安定的なリターンを追求できる。
グローバルに事業を展開する先進国の企業の安定性と急速に規模を拡大する新興国の成長性の恩恵を受けられることが魅力の商品だ。
「全世界の株式に広く分散投資をしたい」「コストを抑えて運用したい」という方は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)への投資をおすすめする。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
運用会社 | アライアンス・バーンスタイン株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | アクティブ型 |
決算 | 年12回(毎月15日) |
購入時手数料(上限) | 3.3% |
信託報酬 | 年率1.727% |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、成長の可能性が高いと判断される米国株式への投資を通じて信託財産の成長を目指すアクティブファンドだ。
コースが4種類存在しており、なかでも為替ヘッジがない毎月分配型のDコースが高い人気を集めている。
本ファンドは、世界経済を牽引する米国市場のなかでも持続的な成長企業を徹底的なリサーチで発掘し、厳選して投資を行う方針を掲げている。
外部環境に左右されにくく、長期にわたって安定成長できるビジネスに注目し、積極的にリターンを追求していくファンドだ。
「毎月分配金を受け取りたい」「米国の成長企業に投資したい」という方は、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のDコースをおすすめする。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
運用会社 | SBIアセットマネジメント株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | インデックス型 |
決算 | 年1回(9月14日) |
購入時手数料(上限) | 0% |
信託報酬 | 年率0.0938% |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、米国の株価指数「S&P500指数(円換算ベース)」に連動する投資成果を目指す商品だ。
バンガード社が運用を行う「バンガード・S&P500 ETF」を主要な投資対象として運用が行われる。
先ほど紹介したeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と同様に、米国市場の大企業に分散投資を行える点が魅力となっている。
手数料も極めて低い水準となっており、低コストで米国企業に分散投資できることが特徴だ。
「米国市場に分散投資をしたい」「極力コストを抑えて運用したい」と考えている方は、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドへの投資を推奨する。
楽天・全米株式インデックス・ファンド
運用会社 | 楽天投信投資顧問株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | インデックス型 |
決算 | 年1回(7月15日) |
購入時手数料(上限) | 0% |
信託報酬 | 年率0.162% |
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国株式市場の値動きを表す「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資成果を目指して運用を行う投資信託だ。
米国株式市場の大型株から小型株を網羅的にカバーしており、米国市場全体を丸ごと購入できることが特徴となっている。
競争力が高い米国市場にまとめて投資できるため、急速に成長を遂げる小型株の株価上昇の恩恵も受けられる。
すでに規模が大きくなって安定した業績を残している大企業だけでなく、今後の成長性が期待できる小型株にも投資できることが魅力だ。
「米国市場全体に分散投資をしたい」「米国の小型株の成長の恩恵を受けたい」という方は、楽天・全米株式インデックス・ファンドをおすすめする。
インベスコ 世界厳選株式オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算型)
運用会社 | インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | アクティブ型 |
決算 | 年12回(毎月23日) |
購入時手数料(上限) | 3.30% |
信託報酬 | 年率1.903% |
インベスコ 世界厳選株式オープンは、日本を含む世界各国(新興国を除く)の株式のうち、グローバル比較で見た割安銘柄に投資を行う商品だ。
なかでも為替ヘッジがなく、毎月決算が行われて分配金が支払われるタイプが人気を集めている。
本ファンドでは「成長」「配当」「割安」という3つの観点に着目する王道の投資戦略を掲げ、信託財産の長期的な成長を目標に運用を行う。
「高い競争優位性を有して成長が期待できる企業」「継続的な配当・増配を期待できる企業」「企業の本質的価値に比べて割安と判断される企業」に資金を投じるスタンスだ。
日本で25年を超える実績を持っている点も魅力である。
「毎月分配金を受け取りたい」「実績がある投資の王道戦略で資産を運用したい」という方は、インベスコ 世界厳選株式オープン〈為替ヘッジなし〉(毎月決算型)がおすすめだ。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
運用会社 | アライアンス・バーンスタイン株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | アクティブ型 |
決算 | 年2回(6月15日・12月15日) |
購入時手数料(上限) | 3.3% |
信託報酬 | 年率1.727% |
先ほど紹介したアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、為替ヘッジなしで年2回の決算を行うBコースも高い人気を集めている。
分配の頻度が少ない分、より信託財産の成長に特化していることが特徴だ。
前述の通り、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は米国の持続的な成長企業への投資を行う運用戦略を構築している。
本ファンドの運用戦略は40年を超える実績を誇るアライアンス・バーンスタインを代表する運用戦略だ。
優れた運用実績を誇り、長期的に米国株式市場を上回る実績をあげてきた。
「資産を積極的に増やしていきたい」「実績がある運用戦略で投資をしたい」という方は、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信のBコースを活用すると良いだろう。
netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)
運用会社 | ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社 |
---|---|
投資対象 | 先進国株式 |
運用手法 | アクティブ型 |
決算 | 年2回(5月30日・11月30日) |
購入時手数料(上限) | 3.3% |
信託報酬 | 年率2.09% |
netWIN GSテクノロジー株式ファンドは、テクノロジーの発展によって恩恵を受ける米国企業の株式に投資を行い、信託財産の成長を図るファンドだ。
なかでも為替ヘッジなしのBコースが高い人気を集めている。
netWINは1999年の設定からおよそ25年にわたってテクノロジー企業に投資を行っており、継続的に収益を得られるビジネスモデルを構築している企業を選定している。
近年ではAIやクラウド・コンピューティング、半導体に注目して投資を行っており、今後の高い収益性も期待できるファンドだ。
「最先端のテクノロジー企業に投資をしたい」「AIや半導体などの分野に投資したい」という方は、netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコースへの投資を推奨する。
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)
運用会社 | アセットマネジメントOne株式会社 |
---|---|
投資対象 | グローバル株式 |
運用手法 | アクティブ型 |
決算 | 年1回(7月14日) |
購入時手数料(上限) | 3.3% |
信託報酬 | 年率1.848% |
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンドは、日本や新興国を含む世界の上場株式に投資を行うアクティブファンドだ。
個別企業の競争優位性や成長力に加え、ESGへの取り組みを評価ポイントとして企業を選定し、理論価格よりも割安な銘柄に投資を行う。
近年は、国際的に「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」に配慮した取り組みを行うべきという考え方が浸透している。
投資の世界でもESG投資が拡大しており、世界中の投資家から資金が集められている。
ESGへの取り組みを行っている銘柄が厳選されている点が本ファンドの大きな強みだ。
「ESG投資に興味がある」「ESGに配慮した取り組みを応援したい」という方は、グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンドへの投資をおすすめする。
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
運用会社 | ピクテ・ジャパン株式会社 |
---|---|
投資対象 | グローバル株式 |
運用手法 | アクティブ型 |
決算 | 年12回(毎月12日) |
購入時手数料(上限) | 3.85% |
信託報酬 | 年率1.81% |
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)は、世界の高配当利回りの公益株に投資を行う方針で安定した分配金原資の獲得と信託財産の成長を図るファンドだ。
毎月決算を行い、収益分配方針に従って分配金が支払われることが特徴となっている。
投資対象は日常生活に不可欠な公益サービスを提供する企業となっており、電力やガス、水道、通信、運輸などの社会的インフラ企業に注目している。
その中から配当利回りが高い銘柄をピックアップし、投資を行う投資スタイルだ。
日常生活に不可欠なサービスを提供している企業に投資を行っているため、景気に左右されにくく安定して分配金を期待できる。
「毎月分配金をもらいたい」「景気動向に左右されずに分配金を受け取りたい」という方は、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)の活用がおすすめだ。
初心者必見!投資信託の選び方・ポイント
次に、投資初心者が押さえておきたい投資信託の選び方や商品選びのポイントを紹介していく。
基本となる投資戦略を立てる際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にして投資信託を選ぼう。
「長期・積立・分散」が基本
まず、投資初心者が投資信託などで運用を行う際は「長期・積立・分散」をベースとして投資戦略を立てると良い。
いずれもリスクを軽減して安定した収益を目指せる手法であるため、各ポイントを理解して投資信託を選ぶ際の判断材料にしよう。
長期投資とは、数年〜数十年といった長い期間にわたって運用を行う投資手法だ。運用期間が長くなることで短期的な市場変動の影響が軽減され、価格変動のリスクを抑え込める。
また、投資期間が長くなるほど利益が新たな利益を生む「複利効果」の威力が増していくことも魅力だ。
積立投資とは、定期的に一定額の金融商品を購入していく投資手法である。購入するタイミングを分散させることで平均の取得単価を抑え込み、高値掴みのリスクを回避できる。
長期的に積立投資を継続できれば、安定的なリターンの獲得を実現可能だ。
分散投資とは、投資先の資産クラスや対象地域、銘柄を分散させる投資手法である。
複数の投資先に分散させることで、特定の投資先が暴落しても資産全体が受けるダメージを小さく抑え込める。ほかの投資先で利益が出ていれば、暴落と相殺することも可能だ。
投資初心者の方が投資信託を選ぶ際には「長期・積立・分散」の投資を実践できる商品を選択しよう。
投資信託の選び方
投資信託を選ぶ際、以下のステップで商品を選ぶと良い。
- 運用目的、リスク許容度を明確にする
- 投資信託のカテゴリーを選ぶ
- 個別のファンドを比較して選択する
まず、自分自身の運用目的やリスク許容度を明確にすることが重要だ。
「いつまでにどのくらいの資産を準備したいのか」「どの程度のリスクを許容できるのか」という点を明確にしておこう。
次に、自分の運用目的やリスク許容度に合った投資信託の商品カテゴリーを選択する。
リスクを取ってリターンを追求したい人は外国株式に投資するファンド、極力リスクを抑えたい人は債券に投資するファンドなど、自身の運用目的やリスク許容度に合った商品カテゴリーを選ぼう。
そして、選んだ投資カテゴリーのなかで個別のファンドを比較し、自分に合う商品を選択する。
同じカテゴリーの投資信託でも各商品に違いがあるため、特徴を比較して適切なファンドを選択しよう。
商品を選ぶときに見るべきポイント
個別のファンドを比較して選択する際、以下のポイントをチェックしておこう。
- ファンドの運用方針
- 手数料
- 純資産総額
まず、ファンドがどういった方針で運用されているのかという点を確認しておきたい。
特に、アクティブファンドの場合は銘柄選定の方針やファンドマネージャーの投資哲学を確認し、共感できるかどうかをチェックしておこう。
また、同じカテゴリーで似たような特徴を持つファンドであれば、当然手数料が安い商品の方が良い。
特に、信託報酬については保有期間中に引かれ続けるため、運用期間が長くなるほどコストの差が大きく開いていく。
長期投資で支払うコストを極力減らすためにも、手数料を比較しておこう。
そして、ファンドの純資産総額もチェックしておきたい。ファンドが運用している資産の総額が少ないと、想定通りの運用ができずに運用が終了してしまうリスクがある。
長期的に運用を継続していくためにも、最低でも純資産総額が50億円を超えている商品を選ぶと良い。
上記のポイントをもとに個別のファンドを比較し、自分に合った商品を選択しよう。
要注意!投資信託を買うときに気をつけるべきポイント
これから投資信託を購入しようと考えている方は、以下のポイントを頭に入れた上で投資を始めることが大切だ。
- 余剰資金の範囲で行う
- 過度なリスクテイクを避ける
- 相場に振り回されない
それぞれのポイントを理解し、投資信託の運用での大きな失敗を避けよう。
余剰資金の範囲で行う
まず、資産運用の基本として余剰資金の範囲内で行うことが重要である。生活費や緊急用の資金などを預貯金で確保し、残った余剰資金を投資信託での運用に回そう。
繰り返しとなるが、投資信託は元本が保証されておらず、経済や市場の状況によっては元本割れとなる可能性がある。
生活に必要な資金まで投資信託で運用してしまうと、損失を抱えたときに生活に支障をきたしてしまう恐れがある。
また、投資信託は売却してから現金化するまでに数日かかるため、緊急用資金の運用には向かない。
元本が保証されており、すぐに現金化できる預貯金で生活費や緊急用資金を確保しておくと良いだろう。
通常、資産運用を始める目安として「生活費の半年分〜1年分」を預貯金で確保した上で、残った余剰資金を投資に回すべきと言われている。
生活費が20万円の人であれば、120万円〜240万円ほどは預貯金で確保しておくと安心だ。
当面の生活費や緊急用資金を預貯金で確保し、それ以外の余剰資金を活用して投資信託を購入しよう。
過度なリスクテイクを避ける
前述の通り、投資信託には各種のリスクがあり、リスクが大きくなるほど期待リターンが大きくなる反面、大きな損失を抱える危険性がある。
大きなリターンを追求し過ぎるあまり、過度なリスクを取ってしまうケースに注意が必要だ。
例えば、新興国の株式に投資するファンドの場合、投資対象の株価が変動するリスクだけでなく、為替相場の変動リスクや対象地域の政治・経済のリスクなどがある。
急速な成長で大きなリターンを得られる可能性がある反面、一気に資産価値が暴落してしまう危険性もある。
資産のほとんどを新興国株式のファンドに投資をしてしまうと、一気に資産を失ってしまう可能性があるため注意が必要だ。
また、投資信託のなかには「レバレッジ」をかけてハイリターンを狙う商品もある。市場指数の値動きの2倍・3倍の値動きとなるように運用される仕組みの商品だ。
短期的に大きなプラスを生み出せる可能性もあれば、下落時に大きなマイナスとなる危険性もある。
短期的に資産の増加を目指す場合には向いているが、長期投資には向かない商品だ。
こうしたハイリスクな投資信託はなるべく避け、投資をするとしても資金のごく一部で運用することが大切だ。
基本は「長期・積立・分散」の投資でリスクを抑え、過度なリスクテイクをせずに運用していこう。
相場に振り回されない
投資信託で運用する際、相場の上昇・下落に振り回されないように注意しよう。
相場が下落したときに慌てて売却してしまったり、急騰したときに利益を欲して売ってしまったりするパターンは少なくない。
自分の運用方針をしっかりと持ち、相場に振り回されずに運用を続けよう。
金融市場が下落している局面ではネガティブなイメージが膨らんでしまい、パニックになって売却するケースが多い。
しかし、過去の金融市場の暴落事例を見ていくと、ほとんどの場合は数ヶ月から数年程度で価格が回復している。
短期的な相場の下落に振り回されず、長期目線でファンドを手放さないことが大切だ。
また、短期的に急騰したときにも「利益が欲しい」と考えて売ってしまうパターンが多い。
基本的に投資信託は長期での資産増加を目指した商品であるため、短期的な利益を取りにいくべきではない。
あらかじめ投資計画を立て、相場の状況に左右されずに運用を続けていくことが重要だ。
自分のなかでの投資方針を貫き、当初に設定した投資計画に基づいて淡々と運用を続けていこう。
投資信託についての悩みはプロに相談しよう!
投資信託で運用する際に注意したいポイントを解説したが、実際に自分だけですべてを実践することは容易ではない。
投資経験が少ない初心者の方が投資信託について悩みを抱えているのであれば、投資助言を行うプロへの相談をおすすめする。
ここでは、資産運用を専門家に相談するメリットや相談先の選択肢を解説する。
資産運用を専門家に相談するメリット
資産運用を専門家に相談するメリットとして「自分にぴったりの投資戦略を提案してもらえる」という点が挙げられる。
自身の運用目的やリスク許容度、資産状況などに適した投資戦略を知れることが大きな利点だ。
自力で投資戦略を構築する場合、インターネットやSNS、書籍などの投資情報を参考にするケースが多いだろう。
しかし、それらの情報はあくまでも「一般向けの投資情報」であり、あなたの状況を考慮したものではない。あなたの運用目的やリスク許容度にはマッチしない可能性もある。
投資助言を行う専門家に相談する場合、アドバイザーはあなたの運用目的やリスク許容度、資産状況などをヒアリングした上で適切な投資戦略を構築してくれる。
一般向けの投資戦略ではなく、あなたの状況に合わせてカスタマイズされた投資戦略を提案してくれるのだ。
最適な投資戦略で運用をスタートできるため、無駄なく効率的に資産を増やしていける。
自分に合った投資戦略を知りたい方は、投資助言を行う専門家に相談してみると良いだろう。
相談先の選択肢
資産運用の相談先として以下の選択肢が挙げられる。
- 証券会社
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
証券会社では株式や投資信託などの金融商品を扱っており、在籍するアドバイザーに投資相談を行える。
自分に合った商品を紹介してもらい、売買のサポートもしてくれるため、投資初心者でも相談しやすいことが特徴だ。
ただし、営業電話が毎月のようにかかってきたり、手数料が高い商品を提案されたりする可能性もあるため注意しておこう。
FPはお金の専門家として幅広い知識を有しており、資産運用や保険、ライフプラン、税金、住宅ローン、不動産などのさまざまな分野の相談を受け付けている。
個別具体的な投資商品は紹介できないものの、資産運用とともに家計・保険の見直しやライフプランの作成などをサポートしてもらいたい人におすすめの相談先だ。
IFAは特定の金融機関から独立した立場で顧客の資産運用をサポートする専門家である。
投資相談を受けて戦略を立てたり、提携先の金融機関の商品を提案・仲介したりすることが主な役割だ。
特定の金融機関には所属していないため、中立な立場から最適な投資商品を提案してくれることが魅力となっている。
自分に合った相談先を探し、投資信託の悩みを相談してみると良いだろう。
投資信託の基本を理解して効果的に資産を運用しよう
投資信託とは、投資ファンドに資金を預けて運用を代行してもらう仕組みの金融商品だ。
各種のリスクがあるため「やめたほうがいい」という意見もあるが、本記事で紹介したリスクへの対処法を講じていれば問題ない。
投資信託には「少額から分散投資を行える」「運用の手間が省ける」などのメリットがある反面、「元本割れの可能性がある」「手数料が高い」というデメリットもある。
メリット・デメリットを比較し、投資信託を活用すべきかどうかを判断しよう。
また、本記事では人気の投資信託ランキングや商品選びのポイント、投資信託で運用する際の注意点なども解説してきた。
しかし本記事の内容をすべて押さえて運用を始めることは容易ではない。
自分で商品を選んだり、適切な投資戦略を立てたりすることが難しい場合、投資助言を行う専門家に相談すると良いだろう。
証券会社やFPといった相談先の選択肢があるものの、もっともおすすめなのは中立な立場で投資助言を提供してくれるIFAだ。
ぜひこの機会に信頼できるIFAを探してみてはいかがだろうか。