- 退職金運用における失敗の事例を知りたい
- 退職金運用で注意すべきポイントやリスクを理解したい
- 退職金運用を安定的に増やすための方法が知りたい
長年勤めてきた対価として受け取れる退職金。
老後の資産設計において退職金の運用を検討している方も多いだろうが、これまで資産運用をしたことがない方にとっては不安な要素が多いだろう。
退職金運用の失敗談を参考に、自分に合った方法で退職金を運用していくことが大切だ。
本記事では、退職金運用の失敗談やリスク、押さえておきたい運用のポイントを解説していく。
退職金運用を専門家に相談するメリットや相談先の選択肢、アドバイザーを選べるサービスも紹介していくので、ぜひ本記事を参考に効果的に退職金を運用していこう。
「損してしまった・・・」退職金運用の失敗事例
弊社で実施したアンケート調査で「退職金運用で損したことはありますか?」という質問を行った。
「はい」と回答した人に「あなたがこれまでに経験した、退職金運用の失敗談を具体的に教えてください。」という質問を行ったところ、以下のような回答が多かった。
- 過剰にリスクを取って資産が減ってしまった
- 相場の下落で慌てて売ってしまった
- ブームに乗って投資を始めて損をした
- 周囲の勧めで商品を買って損をした
- 手数料がかさんだ
それぞれの失敗事例について深掘りして見ていこう。
過剰にリスクを取って資産が減ってしまった
リスクが大きい手法で退職金を運用してしまい、失敗して資産が減ってしまったという声が多く寄せられた。
リスク水準を見誤り、身の丈に合わないリスクを取って運用してしまうというパターンだ。
弊社アンケート調査に実際に寄せられた声は以下の通りである。
資産を増やそうと思い初めてfxをしていた。あまりfxの勉強や分析をせずに始めたため増える時と減る時の差が激しく結局損をした。
仮想通貨の取引で、マイナー仮想通貨に投資したが、通貨が存在しないものになった。結果、投資したお金は無意味になってしまった。
株式投資にすべて注ぎ込んだ結果、大きな損失を出してしまった経験があります。当時、市場が好調だったためにリスクを考慮せずに投資を行いましたが、突然の株価急落で資産の大部分を失いました。
株式での投資経験を利用して、退職金の一部を使ってFX投資を始めました。経験がないのに、大胆な勝負を行って1200万円をすってしまいました。
FXや仮想通貨(暗号資産)、株式投資などの比較的ハイリスクな投資先で運用し、失敗するというパターンが多く寄せられた。
相場の下落で慌てて売ってしまった
退職金で金融商品を購入した後、相場が下落して慌てて売ってしまうという声も多く寄せられている。
あとから振り返れば一時的な下落であったにもかかわらず、パニックになって売却して損をしてしまうというパターンだ。
弊社アンケート調査に実際に寄せられた声は以下の通りである。
入社から10年勤めた会社の退職金百数十万円を外国株式で運用しようとした。ちょうどコロナ禍になり株が下がり慌てて売却したら大損してしまった。
一時期、外貨預金を行っていたが、円高傾向になった時に怖くなって損失覚悟で解約してしまった。その後現在の円安となっており、あの時解約しなければ大きな増収が見込めた。
一括買付でナスダック100を退職金の1/3を買付してしまいリスク許容度が高くないのに、少しの暴落で動揺してしまい、損切りしてしまった。
退職金1500万円を受け取って株を購入したが、コロナショックで500万円になってしまい損切りして大損しました。
コロナショックや円高などで資産の評価額が下落したタイミングで損切りしてしまい、損失を被ったという失敗談が多く寄せられていた。
ブームに乗って投資を始めて損をした
投資ブームに半ば乗せられるような形で投資を始め、損をしたという声も多く寄せられた。
一時のブームに乗っかって資産を増やそうとした結果、ブームが下火になって損失を抱えてしまうというパターンだ。
弊社アンケート調査に実際に寄せられた声は以下の通りである。
米国株ブームで参入したが額を倍にする事を目指して半分以下に減らしてしまった。堅実な投資がやはり望ましいと反省している
具体的には、2020年に、当時好調だったファンドを購入しました。当初は順調に値上がりしていたのですが、2020年3月に新型コロナウイルスの影響で市場が急落し、数ヶ月で20%以上の損失を出してしまいました。
株式投資にで盛り上がっている銘柄に全額入れて一時は200万ほど利益が出ていたところ利益確定せずにもっていたら暴落してストップ安張り付いて三日後にマイナス400万になった
ブーム等で伸びていた商品に資金を投じて損失を抱えたという失敗談が多く寄せられていた。
周囲の勧めで商品を買って損をした
周囲から勧められるがままに商品を購入してしまい、損をしたという声も多く寄せられた。知人や友人に勧められ、自分で投資先の特性やリスク水準を理解せずに投資をして失敗してしまうというパターンだ。
弊社アンケート調査に実際に寄せられた声は以下の通りである。
香港株が伸びると言われて退職金の一部をある企業に注ぎ込みましたが、いきなりの暴落で損失が出てしまいました。
普通預金の金利が低いので、友人に相談したところ、株がいいと聞いたので適当に購入したら損をしてしまいました。
去年の夏ほどに半導体の企業が儲かると聞きそれを退職金で半導体の企業株を手に入れようと思い手に入れたがその時にロシアウクライナ戦争が原因でおきな損失が出た
周囲の意見を参考にすることは大切だが、最終的に決断するのは自分であることを忘れてはいけない。投資先についてしっかりと調べ、特性やリスク水準を把握することが大切だ。
手数料がかさんだ
取引に手数料がかさんでしまい、無駄なコストがかかった分だけ十分な利益を得られなかったという声も多く寄せられている。
不要な売買を繰り返してしまったり、コストパフォーマンスが低い投資先を選んでしまったりして手数料負担が重くなってしまうというパターンだ。
弊社アンケート調査に実際に寄せられた声は以下の通りである。
投資商品のスイッチングをたくさん行ってしまった結果、手数料だけかさんでしまい、利益はさほど生むことができませんでした。
証券会社の口座に入れっぱなしにしており、年々手数料分だけ目減りしています。毎年通知が来るたびにがっかりしています。
投資にかかる手数料は一見すると低いように感じられるが、売買を繰り返したり、放置していたりすると大きな負担となる可能性がある。
手数料がかさんで思うようなパフォーマンスを得られなかったという失敗談を参考にしておこう。
退職金運用に潜むリスクと対処法
実際に退職金運用に失敗した人の声を紹介してきたが、退職金の運用にはどういったリスクが潜んでいるのだろうか。
また、リスクにはどのような対策を講じるべきなのだろうか。
ここでは、退職金運用で想定される以下のリスクを紹介していく。
- 市場変動のリスク
- 心理的リスク
- 手数料・税金のリスク
それぞれのリスクの内容と対処法を解説するので、ぜひ参考にしてほしい。
市場変動のリスク
まず、退職金運用で投資を行う際には市場変動のリスクを考慮しなければならない。
株式や債券などの金融市場が変動し、自身の保有資産の価値が増減してしまうリスクがある。
金融市場はさまざまな要素が複雑に絡み合って変動している。
景気や企業の業績、国の政策金利、為替相場の動向、各国の政治・経済の状況などに影響を受け、株式や債券の価格は日々変動しているのだ。
退職金で株式や債券に投資を行っている場合、市場変動に伴って保有資産は価値が増減していく。市場の下落が続いた場合、資産価値が減少していく危険性もある。
市場変動のリスクに対策を講じ、安定的なリターンを目指すことが大切だ。
市場変動のリスクの対処法
市場変動のリスクに対しては分散を行うことが大切だ。複数の投資先に分散を行うことで、市場が変動するリスクを軽減できる。
例えば株式しか保有していない場合、株式市場が下落したときは保有資産が一気に減ってしまう。
しかし株式と債券に分散投資をしていれば、株式市場が下落しても債券市場が上昇していれば資産全体が受けるダメージは小さく抑えられる。
地域を分散させていれば、特定の地域のリスク要因も軽減可能だ。
退職金はまとまった金額が支給されるケースが多いため、複数の投資先に資金を投じても金額的に余裕がある。
市場変動によって資産が大きく減少するリスクを軽減するためにも、投資対象を分散して運用しよう。
心理的リスク
退職金運用では、自分自身の心理的なリスクがあることも頭に入れておきたい。
相場の下落時に焦りが生じてしまったり、過度に期待して利益を追求し過ぎてしまったりして損をしてしまうリスクがある点に注意が必要だ。
投資経験が少ない初心者の方は相場の動きに慣れておらず、少しの下落でもパニックになってしまうケースが多い。
多少の損失に耐えられずに売却してしまい、その後に価格が回復したときに利益を得られないというパターンがある。
また、投資に対して過剰に期待を寄せてしまい、堅実な運用で物足りなくなってしまうケースも多い。
より大きなリターンを求めてハイリスクな投資手法に手を出してしまい、失敗して大きく損失を抱えてしまう人もいる。
心理的な要素が原因で適切な運用を行えず、損失を抱えてしまうパターンに注意が必要だ。
心理的リスクの対処法
心理的なリスクに対しては金融市場の歴史を勉強したり、運用シミュレーションを行ったりすると良い。
資産運用に対する理解を深めることで、心理的なリスクをある程度軽減できる。
金融市場の歴史を見ていくと、相場が暴落しても数ヶ月から数年ほどで回復しているケースがほとんどだ。
世界恐慌やブラックマンデー、リーマンショック、コロナショックなどの暴落事例を見ても、基本的には暴落前の水準まで価格が回復している。
こうした歴史を勉強していれば、多少相場が下落してもパニックになることはないだろう。
また、堅実な運用で物足りない場合でも、長期的に運用を続けていけば利益が新たな利益を生む「複利効果」によって資産は効率的に増えていく。
運用シミュレーションを行い、資産が効率的に増えることを理解できれば、過剰にリスクを取る必要がないことが分かるだろう。
金融市場の歴史を学び、堅実な運用によるシミュレーションを行って、心理的なリスクを排除していこう。
手数料・税金のリスク
退職金運用を行う際は、手数料や税金などのコストが長期的に発生するリスクに注意が必要だ。
手数料や税金は運用規模に比例して大きくなりやすいため、まとまった金額となることが多い退職金の運用時には気を付けておきたい。
運用における手数料は、金融商品を売買する際に発生する「売買手数料」が一般的だ。
売買を繰り返すほど手数料がかさんでしまうため、きちんと管理する必要がある。
また、投資信託などの商品であれば、保有期間中に「信託報酬」が引かれ続けるため注意しておこう。
運用時に発生する税金は、配当金・分配金や売買益に対してかかる所得税・住民税がメインとなる。
株式や投資信託などの金融商品で利益が出た場合、利益に対して約20%の税金がかかる。
手数料・税金によってコストが嵩んでしまい、運用におけるコストパフォーマンスが低下してしまう可能性がある点に注意が必要だ。
手数料・税金のリスクの対処法
手数料や税金などのリスクに対してはネット証券を利用したり、NISA制度を利用したりといった対処法を講じると良い。
いずれも発生するコストを抑え、運用におけるコストパフォーマンスを向上できる方法だ。
ネット証券の多くは手数料が安く設定されており、なかには株式の売買手数料を無料としているケースもある。
取引コストを限りなく抑えられるため、ネット証券を活用すると良いだろう。
また、NISA制度は年間360万円・生涯1,800万円までの投資で得た利益が非課税となる制度だ。
株式や投資信託の取引で得られる利益が非課税となるため、所得税・住民税といったコストを支払わずに済む。
ネット証券でNISA口座を開設し、手数料や税金といったコストを極力抑えて退職金運用を始めよう。
失敗談から学ぶ退職金運用のポイント
先ほど紹介した失敗談を踏まえ、退職金運用を行う際には以下のようなポイントを頭に入れておこう。
- 余剰資金の範囲内で行う
- リスク許容度を把握する
- 長期的に分散投資を行う
- 定期的に見直しを行う
長年企業に勤めた対価として得られる大切な退職金を失わないためにも、上記のポイントをしっかりと押さえておこう。
余剰資金の範囲内で行う
まず、資産運用の鉄則として「余剰資金の範囲内で投資を行う」というポイントを意識しておこう。生活費や緊急用の資金は絶対に投資に回してはいけない。
前述の通り、株式や債券などの投資商品は市場変動リスクによって、資産が増減する可能性がある。
生活費や緊急用の資金を投資に回してしまうと、市場が下落しているときに資産が減ってしまい、必要な生活費や緊急用資金が不足してしまう恐れがある。
退職金のすべてを投資に回してしまうことは避け、一定の生活費を残した上で投資を始めることが大切だ。
投資を始める際は「生活防衛資金」を預貯金等で確保することが重要である。
生活防衛資金とは、何らかの理由で収入が途絶えたり、まとまった出費が発生したりしたときに備えて準備しておく資金のことだ。
退職金運用を行う際、現在働いているかどうかによって生活防衛資金の目安額は異なる。退職後も働いている場合、生活防衛資金の目安は生活費の半年〜1年程度となる。
一方、退職して仕事をしていない場合、生活防衛資金の目安は生活費の3年程度だ。
生活防衛資金を預貯金で確保し、残ったお金を運用に回していこう。
リスク許容度を把握する
退職金を運用する際、自分自身のリスク許容度を把握してから始めることが大切だ。
リスク許容度とは、投資のリターンがマイナスに振れたときにどの程度の損失まで許容できるのかという度合いのことを指す。
自分自身が許容できるリスク水準を理解していないと、想定以上の損失を抱えてしまったり、思うようなリターンを得られなかったりする場合がある。
リスク許容度を把握し、適切なリスク水準の投資先で運用することで計画的に運用していくと良いだろう。
リスク許容度は主に以下の要素で決まる。
年齢 | 年齢が若い方が運用で失敗しても損失をカバーする時間的な余裕があるため、リスク許容度が高い。 |
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資産状況 | 資産状況に余裕がある方が多少の損失を許容できるため、リスク許容度が高い。 |
投資経験 | 投資経験が多い人の方が市場変動にも慣れており、リスク許容度が高い。 |
性格 | 上記の要素でリスク許容度が高くても、性格的に損失を回避したい人はリスク許容度が低い。 |
上記の要素を総合的に考慮し、自分自身のリスク許容度を把握することが大切だ。そしてリスク許容度に合った投資先を選定し、最適な資産バランスを構築しよう。
長期的に分散投資を行う
長期的な分散投資で運用を行うことも退職金運用における重要なポイントだ。長期・分散投資はリスクを軽減しつつ、効率的にリターンを追求できる投資手法である。
前述の通り、分散投資は市場変動のリスクに対して効果的な投資手法だ。
投資対象の資産クラスや地域を複数に分散させることで、特定の市場が下落したときの影響を最小限に抑え込める。
安全に退職金を運用するためにも、さまざまな投資先に資金を分散して投じよう。
また、長期投資も価格変動が起こるリスクを軽減できる手法である。長期的に運用を続けることで短期的な市場変動の影響が小さくなるためだ。
そして投資で得た利益を再び投資に回すことで新たな利益が生み出される「複利効果」によって資産が効率的に増えていく点も魅力である。
複利効果を活用できれば資産が雪だるま式に増えていくため、長期間運用することで資産の増加が加速していく。
長期的な分散投資でリスクを軽減しつつ、複利効果を活かしながら資産を増やしていこう。
定期的に見直しを行う
退職金運用を行う際は「金融商品を買ったら終わり」ではなく、定期的に資産状況をチェックすることが大切だ。
資産の見直しを行い、必要に応じて資産配分を調整していく必要がある。
例えば、ハイリスクな株式とローリスクな債券をバランス良く組み合わせて運用しているケースを考えよう。
市場変動によって保有資産の比率が変化して株式の比率が高まってしまった場合、資産全体のリスク水準が高くなってしまう。
運用当初に想定していたリスク水準を上回ってしまい、想定外の損失を抱える危険性がある。株式を一部売却し、債券を追加購入して資産配分の調整を行うことが重要だ。
また、年齢を重ねていくことでリスク許容度が低下していくため、長期的に投資をする際には段階的にリスク水準を引き下げていく必要がある。
定期的に資産状況をチェックし、自身のリスク許容度と照らし合わせながら資産配分を構築していくことが大切だ。
退職金を運用する際は、商品を購入してからも定期的に資産状況をメンテナンスし、最適な資産配分に調整し直そう。
退職金運用で失敗したくない人はプロに相談しよう
ここまで退職金運用の失敗談や想定されるリスク、対処法などを解説してきたが、退職金の運用で失敗したくない人は投資助言を行うプロへの相談を推奨する。
自分に合った退職金運用の相談先を見つけ出し、失敗しない運用戦略の構築をサポートしてもらうと良いだろう。
ここでは、退職金運用を専門家に相談するメリットや相談先の選択肢を解説していく。
退職金運用を専門家に相談するメリット
退職金運用を専門家に相談するメリットとして「最適化された運用戦略を提案してもらえる」という点が挙げられる。
自分に合った退職金の運用プランで効率良く資産を増やしていけることが大きな魅力だ。
近年、インターネットやSNS等で投資情報に簡単にアクセスできるようになっている。
また、書店では資産運用に関する書籍が並んでおり、自分で投資情報を得て戦略を構築することも可能な環境が整っている。
しかし、インターネットやSNS、書籍の投資情報はあくまでも「一般向けの情報」であるため、あなたの資産状況や運用目的に合っているとは限らない。
投資助言を行うプロに直接相談する場合、アドバイザーがあなたの資産状況や運用目的をヒアリングした上で運用戦略を構築してくれる。
自分自身の状況に最適化された運用戦略を提案してもらえるため、効率的に退職金の運用をスタートできる。
失敗を恐れながら運用方法を模索するよりも、専門家に運用の最適解を提示してもらう方が良いだろう。
効率的に退職金運用を始めるためにも、投資助言を行う専門家への相談を検討してみよう。
相談先の選択肢
退職金運用の相談先の選択肢は以下の通りだ。
- 証券会社
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
証券会社では、株式や債券、投資信託といった金融商品を扱っており、在籍するアドバイザーが資産運用の相談に乗ってくれる。
退職金運用の投資先を相談し、具体的な商品の提案を受けたり、売買手続きをサポートしてもらえたりと、退職金運用のすべてを一任できることが特徴だ。
ただし、手数料が高い商品を提案されたり、毎月のように営業電話がかかってきたりする可能性がある点に注意しておこう。
FPとは、資産運用や保険、相続、贈与、税金、不動産などの幅広いお金の知識を有するアドバイザーのことだ。
退職金運用の悩みはもちろん、保険の見直しや退職後の資金計画、相続・贈与などの相談を行える点が魅力である。
個別の投資商品の提案などを行えないというデメリットはあるものの、幅広く相談できる点はFPの大きな強みだ。
IFAとは、特定の金融機関から独立した立場で顧客の資産運用をサポートする専門家である。
顧客から相談を受けて投資戦略を策定し、具体的な投資商品を提案・仲介することが主な役割だ。
金融機関から独立した立場から投資助言を提供しているため、偏りなく中立な立場でアドバイスしてくれることが魅力となっている。
自分に合った相談先を見極め、退職金の運用を任せるアドバイザーを探し出そう。
失敗談を参考に退職金を効果的に運用しよう
本記事では、退職金運用の失敗談をいくつか紹介してきた。
「過剰にリスクを取って資産が減ってしまった」「ブームに乗った投資を始めて損をした」などの失敗事例が寄せられているので、ぜひ参考にして自分に合った退職金運用の戦略を構築しよう。
退職金運用には、市場変動のリスクや心理的リスク、手数料・税金のリスクなどが潜んでいる。
長期的な分散投資やネット証券の活用、NISA制度の利用などで各種のリスクに対策を講じよう。
また、本記事で紹介してきたリスクの対処法や運用のポイントが難しいと感じる場合、投資助言を行うプロへの相談がおすすめだ。
証券会社やFP、IFAといった相談先から自分に合ったアドバイザーを選んで運用相談をしてみよう。