- 2億円をどのように運用すべきか知りたい
- 安全に資産を増やすためのおすすめ投資方法が知りたい
- 2億円の運用で失敗しないためのポイントを知りたい
貯金2億円を超えたとしても、資産運用は必要なのだろうか。
結論から言うと、貯金が2億円あったとしても相続税の準備やインフレ対策のために資産運用をおすすめする。
しかし、2億円という大きな資産を運用する際は、押さえておきたいポイントもいくつかある。
今回の記事では、2億円を資産運用に回す際のポイントや、おすすめの運用ポートフォリオ、具体的な運用商品などを詳しく解説していく。
貯金2億円の運用を行う際は、自分のリスク許容度や求めるリターンなどを踏まえた運用戦略を立てることが重要だ。
運用戦略の立て方や運用商品の選定について相談できる資産運用の専門家の選び方についても紹介しているため、ぜひ参考にしてほしい。
貯金が2億円超えても資産運用は必要?
貯金が2億円を超えても資産運用は果たして必要なのだろうか。
ここでは、貯金2億円の人が資産運用をすべき理由について詳しく解説していく。
相続・資産承継対策として資産運用を検討しよう
貯金2億円がある方の場合、普通に暮らしていたら何不自由なく老後の生活を送れるだろう。
突然のケガや病気に対しても、ほとんどの場合は余裕を持って対応できるため、セミリタイアやアーリーリタイアも十分検討できる。
しかし、ここで考えておかなければならないのが次世代への資産の遺し方だ。
貯金2億円がある方の場合、土地や建物といった不動産、保険商品、貴金属、美術品など資産価値の高いものも多く保有しているケースが多い。
自分に万が一のことがあった際、保有している資産は配偶者や子供など次の世代に相続されるが、相続が発生すると資産額に応じて相続税を支払う必要がある。
相続税の税率は最高55%なので、相続資産が多い場合はその半分以上を現金で相続税として納めなくてはいけない。
相続資産の中で現金の比率が低い場合、受け継いだ不動産などの資産を売却して現金化する必要があり、手間や時間がかかってしまう。
そのため、相続資産が大きくなりそうな場合は、資産運用によって現金や現金化しやすい金融商品などをある程度準備しておくことが重要だ。
インフレリスクへの対応が必要
日本は直近インフレ傾向が続いており、モノやサービスの価格が上昇している。
このようなインフレ環境下では、モノの値段が上がるのに対して相対的にお金の価値が下がってしまう。
例えば、今まで100円で購入できたパンが200円に値上がりしたとする。
同じパンを購入するのに2倍のお金が必要になるため、100円という額面は同じでもその価値は半分になってしまうのだ。
同じように、貯金2億円があったとしても、ただ預金として置いておいたのでは、インフレが進むと実質的な資産価値がどんどん目減りしてしまう可能性がある。
そのため、株式や投資信託、金、不動産などのインフレに強い資産にお金を分散させておくことで、インフレリスクを低減してお金の価値を守りやすくなるのだ。
2億円すべてを資産運用に回す必要はないが、生活に必要な資金や数年以内に使う予定のあるお金を除いた余剰資金部分は、インフレ対策のためにも資産運用を検討した方が良いだろう。
2億円を資産運用するときのポイント
2億円を資産運用する際は、以下のポイントに注意が必要だ。
- 自分に適したポートフォリオを作成する
- リスク管理を適切に実施する
- ポートフォリオを定期的に見直す
- NISAなどの非課税制度を活用する
具体的に確認していこう。
自分に適したポートフォリオを作成する
まずは、自分のリスク許容度や求めるリターンに合わせたポートフォリオを作成しよう。
相続対策やインフレ対策のために資産運用を行う場合、資産を「増やす」よりも「守る」ことに重点を置くのがおすすめだ。
預金や債券などの安定資産で一定部分を確保しつつ、リスクを取れる部分では株式や投資信託、不動産などに分散投資を行ってみよう。
まとまった金額を運用する場合は、ヘッジファンドやベンチャーキャピタルなどの運用手法も検討できる。
自分に適した運用方針や投資商品がわからない場合は、資産運用の専門家に相談するのを推奨する。
リスク管理を適切に実施する
2億円の資産運用では、リスク管理が重要となる。
「増やす」よりも「守る」ことが大事になるため、大きく価格が変動するような金融商品は避けるか、少ない投資金額に留めておくことを意識しよう。
また、資産運用の王道とも言われる「長期・積立・分散」投資によって、運用リスクを低減するのも効果的だ。
一つの資産に集中的に投資するのではなく、複数の資産に分散しつつコツコツと積立を続け、長期的な目線で運用をすることで、ある程度リスクを管理できるだろう。
ポートフォリオを定期的に見直す
運用を始めた後も、定期的にポートフォリオを見直すことが大事だ。
金融商品の価格は日々変動するため、時が経つにつれて元々の資産配分からはズレが生じる。
そのズレを解消するためにリバランスを実施することで、常に最適な資産配分で運用を継続できる。
また、年齢や家族構成、ライフスタイルの変化によって、求めるリスク・リターンの度合いも変化する。
半年〜1年程度のスパンで、ポートフォリオや運用方針の見直しを行い、自分の投資ニーズとズレがないか確認するようにしよう。
NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用する
資産運用をする上では、NISAやiDeCoなどの非課税制度もうまく活用しよう。
NISAは、投資から得られた利益に税金がかからないという非課税制度だ。
株式や投資信託などの運用益、配当金などを非課税で受け取れる。
iDeCoは、自分で掛け金を支払う私的年金制度で、運用益が非課税になることに加えて、掛金の拠出時や運用資金の受取時にも所得控除が適用されるというメリットがある。
NISAやiDeCoを利用するためには、それぞれ条件があるため、しっかりと調べてから利用するようにしよう。
2億円のおすすめの投資先5つ
2億円を投資する際におすすめの投資先としては、以下の5つが挙げられる。
- 株式
- 債券
- 投資信託・ETF
- 不動産投資(不動産・REIT)
- オルタナティブ投資
具体的にどんな商品か確認していこう。
株式
株式投資は、企業が投資家に対して発行する株式を購入・売却して利益を狙う投資方法だ。
購入時より株価が上がったタイミングで売却すれば、譲渡益(キャピタルゲイン)を手に入れられる。
また、株式の保有期間中は配当や株主優待などのインカムゲインを得られる場合もある。
売買できる株式の種類は非常に多いため、投資する銘柄の見極めや投資タイミングが難しい点に注意が必要だ。
また、企業の業績や財務状況の変化によって、一気に価格が変動しやすいため、ハイリスク・ハイリターンな投資方法だと言える。
債券
債券は、国や企業、地方自治体などの発行体が、資金調達のために発行する借用証書のようなものだ。
あらかじめ期間が定められており、満期が到来すると額面金額が払い戻される。
債券を保有している間は半年または1年ごとに利息が支払われるため、定期預金と似た仕組みの投資商品だ。
期間を決めて運用したいという人や、株式よりもローリスクな運用をしたいという人に適しているが、それほど大きなリターンは期待できない点に注意しよう。
また、途中で売却する場合や、購入した債券の発行元が破綻した場合、元本割れのリスクも存在する。
投資信託・ETF
投資信託は、複数の投資家から集めた資金を運用のプロであるファンドマネージャーがまとめて運用する金融商品だ。
通常複数の銘柄に分散して投資を行うため、個別銘柄に投資を行う株式投資と比べて、分散投資の恩恵を受けやすい運用方法だ。
銘柄によって、投資する国や地域、資産クラスが異なるため、それによってリスク・リターンの度合いも変わってくる。
少額から分散投資が可能で、初心者にも挑戦しやすいというメリットがあるが、保有期間中はずっと信託報酬と呼ばれる手数料がかかることや、運用結果次第では元本割れの可能性もある点はデメリットとなる。
不動産投資(不動産・REIT)
不動産投資とは、マンションやアパートなどの住居を購入し、第三者に貸し出すことで家賃収入を得たり、売却することで売却益を得たりする投資方法だ。
入居者がいれば安定した家賃収入を得られるが、空室リスクや災害リスク、修繕コストなどには注意が必要だ。
直接不動産を購入・管理するのが難しい場合は、REIT(不動産投資信託)を購入する方法もある。
REITを活用すれば、少額から不動産への分散投資が可能で、管理や運用をプロに任せられるというメリットがある。
オルタナティブ投資
オルタナティブ投資とは、株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の、新たな投資対象や運用手法のことを指す。
具体的には、ヘッジファンドやPEファンド、ベンチャーキャピタル、コモディティなどが挙げられる。
オルタナティブ投資の中には、最低投資金額を1億円からといったようにまとまった金額でないと投資できない商品も存在する。
まとまった金額で投資することで、特別な投資先に投資できたり、プロに運用の管理を一任できたりするといったメリットがある場合も多い。
貯金2億円あるからこそ選択できる投資手法だろう。
【リスク許容度別】2億円の投資ポートフォリオを紹介
2億円を資産運用に回す場合、どのようなポートフォリオを組めば良いのだろうか。
ここでは「安定型」「バランス型」「積極型」の3種類のリスク許容度別に、おすすめの運用ポートフォリオを紹介する。
なお、ここで紹介するのはあくまで一例であり、実際に運用を始める際は、その人の年齢や資産状況、収支状況、家族構成などさまざまな条件をもとに最適なポートフォリオを組むのが望ましい。
安定型ポートフォリオ
- 債券
- 80%
- 株式
- 10%
- オルタナティブ投資・不動産投資
- 10%
あまりリスクを許容できない安定型の場合、資産の大部分は価格が変動しにくい債券で運用しよう。
それほど高い利回りは期待できないものの、安定的に利息収入を得られる。
また、残りの資産で株式投資やオルタナ投資、不動産投資を行えば、預貯金に比べて全体として高い利回りも期待できる。
バランス型ポートフォリオ
- 債券
- 50%
- 株式
- 25%
- 不動産
- 25%
リスクとリターンのバランスをとって運用するバランス型の場合、運用資産の半分は債券で運用しつつ、残りの部分を株式と不動産に分けるのがおすすめだ。
安定型に比べて価格変動リスクは大きくなるものの、その分高いリターンが期待できる。
株式・債券・不動産の3種類の資産に分散しつつ、さらにその中で複数銘柄に分けて投資することで、分散投資効果も得られる。
積極型ポートフォリオ
- 債券
- 50%
- 株式
- 20%
- 不動産
- 20%
- オルタナティブ
- 10%
積極的にリスクをとってリターンを狙う積極型の場合、バランス型のポートフォリオに加えて、オルタナティブ投資にも挑戦してみよう。
ヘッジファンドやベンチャーキャピタルなどの中には、ハイリスク・ハイリターンな投資先もあるため、内容をよく吟味して選択するのがおすすめだ。
2億円を資産運用するときの相談先
2億円で資産運用を始める際は、資産運用の専門家に相談した上で、運用方針や投資商品を決めるのをおすすめする。
ここでは、資産運用の相談先として検討できる選択肢や、信頼できるアドバイザーの特徴、アドバイザーの選び方などを詳しく解説する。
資産運用の相談先の選択肢
資産運用を相談できる専門家としては、証券会社・銀行の営業担当者、FP(ファイナンシャルプランナー)、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などが挙げられる。
まず、証券会社や銀行などの金融機関の営業担当者に相談する場合、その金融機関と取引することが前提となる。
自社の取扱商品については深い知識を保有しているが、営業ノルマや会社の方針に提案内容が左右されてしまうことがある。
中立的な立場からのアドバイスを求める方にとってはネックとなるだろう。
FPは、お金や家計の悩みについて幅広く相談できる専門家だ。
ただし、外務員資格を保有していないFPの場合、具体的な個別商品についてアドバイスを求めたり、おすすめの投資商品を具体的に提案してもらったりすることは法令上できない。
資産運用について踏み込んだ提案を求める場合は、物足りなく感じられるだろう。
そこでおすすめなのが、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。
金融機関に属さずに顧客に資産運用のアドバイスを行う専門家で、中立的な立場からの質の高い助言が期待できる。
顧客に寄り添った提案をしてくれるだけでなく、証券会社での口座開設や購入手続き、購入後のアフターフォローまで長くサポートしてくれるのがメリットだ。
資産運用について詳しく聞きたい、金融商品を購入した後もしっかりとフォローしてほしい、という方はIFAへの相談を検討してみよう。
信頼できるアドバイザーの特徴
信頼できる相談先かどうかを見極めるためには、以下のポイントに注目しよう。
- 保有資格・経歴
- サービス内容・得意分野
- 報酬・料金体系
まずは、保有資格や過去の経歴、これまでの実績などから、しっかりと知識や経験のあるアドバイザーかどうかをチェックしよう。
加えて、サービス内容や得意分野から、自分の知りたいこと・聞きたいことにちゃんと答えてくれそうかどうかを確認するのも重要だ。
最後に、報酬や料金体系がわかりやすいか、納得できるものかを確認する。不明点がある場合は、面談前にメールや電話等で問い合わせを行うようにしよう。
2億円を運用する際は資産運用のプロへの相談がおすすめ
貯金2億円あったとしても、相続対策やインフレ対策として資産運用を行うのがおすすめだ。
せっかく貯めた資産を守りつつ、次世代にスムーズに資産を遺すためにも、適した方法で資産運用を行おう。
資産運用を行う際は、「増やす」ことよりも「守る」ことを意識した運用ポートフォリオの設計が重要となる。
本記事では、おすすめの資産運用方法や運用ポートフォリオなどを紹介したが、運用の最適解は人によって異なる。
自分にとって最適な運用方法がわからないという方は、資産運用の専門家に相談してみよう。
中立的な立場からアドバイスをくれるIFAに相談すれば、運用戦略の作成から運用商品の選定、購入後のアフターフォローまで長期的に任せられる。
IFAに興味のある方は、IFA検索サービスを活用して、あなたにぴったりのアドバイザーを見つけてみよう。