- 資産運用はしない方がいいと言われるのはなぜか知りたい
- 資産運用の実際の失敗例が知りたい
- 投資に失敗しないための注意点が知りたい
新NISAのスタートなどで資産運用に興味を抱く方が増えている一方で「資産運用はしないほうがいい」という意見を耳にすることもある。
「結局のところ資産運用をすべきなのかどうか」という点で悩んでいる方も多いだろう。
「資産運用はしないほうがいい」と言われる理由を理解した上で、自分なりの判断を下すことが大切だ。
本記事では、資産運用はしないほうがいいと言われる理由や資産運用のよくある失敗例を紹介する。
資産運用をしないリスクや運用において重要な考え方、損をしにくいおすすめの投資先も紹介するので、ぜひ本記事を参考に資産運用をすべきかどうかを判断しよう。
資産運用はしないほうがいいと言われる理由は?
「資産運用はしないほうがいい」と言われる理由として、以下のようなものが挙げられる。
- 損失のリスクがある
- 専門知識が必要で難しい
- 短期的な価格変動に一喜一憂しやすい
- 詐欺や悪質な勧誘に巻き込まれる可能性がある
資産運用・投資は預貯金と違って元本が保証されておらず、運用に失敗すると損失を抱えるリスクがある。
損をするくらいなら預貯金の方が安心できるという考えから、資産運用はしないほうがいいと言われている。
また、資産運用に対して難しい印象を抱いている方も多い。専門知識が必要になることからハードルが高く、資産運用を避ける方もいるだろう。
そして、資産運用は金融商品の価格変動によって利益・損失が決まるため、短期的な価格変動に左右されやすくなる。
常に相場が気になるようになり、短期的な価格変動に一喜一憂して精神的に疲弊してしまう点もマイナスに感じている人が多い。
ほかにも、投資詐欺や悪質な勧誘に巻き込まれるイメージによって「資産運用はしないほうがいい」と考えているケースもある。
資産運用そのものに対してネガティブなイメージがあることで「資産運用はしないほうがいい」という意見が多くなっている。
資産運用でよくある失敗
次に、資産運用でよくある失敗について見ていく。資産運用の失敗で多いのが以下のようなものだ。
- 目的・目標が不明確なまま始める
- 余剰資金を超えて資金を投じる
- 過度にリスクを取る
それぞれの失敗パターンを見ていこう。
目的・目標が不明確なまま始める
資産運用の目的や目標が明確に定まらないまま資産運用を始めてしまい、失敗するというパターンが多い。
目的や目標がはっきりしない状態で投資を始めても、投資方針や目標リターンが決まらないためだ。
通常、資産運用は「〇〇年後までに△△万円を準備したい」という目標から逆算し、目標のリターンを定める。
そして目標リターンに応じた投資先を選んだり、投資方針を立てたりするという流れが一般的だ。
目標リターンや投資方針が決まらなければ、適当に投資を始めて迷走してしまう。よく分からないまま損失を抱え、そのまま投資を辞めてしまうというパターンが多い。
余剰資金を超えて資金を投じる
本来、資産運用は生活費や緊急用の資金を預貯金でしっかりと準備した上で、余剰資金をもとに投資を行うべきである。
しかし「資産運用を行えばお金を増やせる」と考え、生活に必要なお金まで投資をしてしまうという失敗パターンも少なくない。
資産運用・投資は基本的に元本が保証されておらず、損失を抱える可能性も十分にある。
生活に必要なお金を投資して損失を抱えてしまうと、生活が成り立たなくなるリスクも考えられる。
預貯金で確保しておくべき生活費等を投資に回して首が回らなくなるというパターンには注意が必要だ。
過度にリスクを取る
短期間で大きな利益を追求するあまり、過度にリスクを取って運用してしまうという失敗も多い。
リスク分散を考えず、ハイリスクな投資先に資金を集中させてしまうパターンに注意が必要だ。
資産運用における「リスク」とは、金融商品の価格の振れ幅の大きさを指す。リスクが大きくなると価格の振れ幅もプラス・マイナスの両方に大きく振れる可能性が生じる。
大きな利益を得られる場合もあれば、一気に損失を抱えることになる危険性も伴うのだ。
つまり短期的に大きな利益を得ようとする際には、同時に一気に資産を失う可能性も背負うことになる。
身の丈に合わないリスクを取って失敗し、資産を大きく減らしてしまうケースに注意が必要だ。
資産運用をしないことにもリスクがある
「資産運用はしないほうがいい」と言われることが多く、さらに実際の失敗パターンを聞いて「本当にしないほうがいいのではないか」と考えている方もいるだろう。
しかし、資産運用はしないことによるリスクも存在する。
資産運用をしないリスクは主に以下の2点だ。
- インフレによって資産価値が目減りする
- 老後資金の準備効率が低下する
インフレによって物価上昇が起きると、現金・預貯金の資産価値は相対的に目減りする。
例えば、以前まで1万円で買えた商品の価格が2万円まで上昇している場合、単純に1万円の価値は半分になってしまう。
資産運用をしないと保有資産は増えないため、物価が上昇するとどんどん資産価値が目減りしていく。
インフレリスクに対策を講じるためにも、資産運用によって保有資産を増やしていくことが大切だ。
また、近年は年金や退職金が減少傾向にある上に、長寿化やインフレによって老後に必要な資産は増えている。
従来のように年金・退職金だけで老後生活を賄うことは難しいが、低金利が続く預貯金で準備することも容易ではない。
資産運用で増やしていくことができれば、老後の資金を効率的に準備できる。不足する老後資金の準備効率を高めるためにも、資産運用を行うことが重要だ。
損したくない方必見!資産運用において重要な考え方とは
資産運用をしないリスクを聞くと「資産運用を始めたいけれど損をしたくない」と考える方も多いだろう。
ここでは、資産運用において損失を抱えるリスクを軽減するための重要な考え方を紹介していく。
「長期・分散・積立」が基本
まず、資産運用を行う際は「長期・分散・積立」という考え方を基本ベースに戦略を立てよう。
すべて資産運用におけるリスクを軽減し、大きな損失が発生する可能性を回避するために重要なポイントだ。
長期投資とは、数年〜数十年という単位で運用を続ける投資手法のことだ。運用期間が長くなることで価格のブレが平均化され、比較的安定したリターンに収束する。
価格変動によるリスクを抑えて収益の安定性を高められるため、長期目線でじっくり運用することが大切だ。
分散投資とは、投資対象の地域や資産クラスを分散させる投資手法である。
複数の投資先に分散させることで、特定の投資先が下落しても保有資産全体が受けるダメージを小さく抑え込める。一気に資産が減少してしまうリスクを回避できる投資手法だ。
積立投資とは、定期的に一定額の金融商品を買い続ける投資手法である。
価格が高いときも安いときも買い続けることで価格変動リスクを軽減し、平均の取得単価を低く抑える効果がある。
資産運用で損をしたくない人は「長期・分散・積立」の考え方を忘れずに投資戦略に組み込もう。
明確な目的と目標を設定する
前述の通り、目的や目標が明確にならないまま投資を始めても上手くいく可能性は低い。事前に目的・目標を明確化し、具体的な投資計画を立てて資産運用を始めよう。
明確なゴールが決まっていると、初期投資額や積立額、目標利回りも設定しやすい。
「保有資産のうちいくら投資に回すべきか」「どの程度のリスク・リターンのバランスで運用するか」が決まり、具体的な投資計画が固まっていく。
資産運用における目的・目標を最初に設定し、そこから逆算する形で投資計画を立てていこう。
定期的に見直しを行う
資産運用は「金融商品を買ったら終わり」ではなく、定期的に資産状況を見直すことが大切だ。場合によっては資産バランスを調整していく必要もある。
金融商品の価格は常に変動しており、保有資産のバランスも少しずつ変わっていく。
保有資産のなかで株式の比率が高くなったり、債券の比率が低くなったりといったパターンだ。
保有資産のバランスが崩れてしまうと、当初想定していたリスク水準と乖離し、思うようにリターンを得られなかったり、リスクが過大になってしまったりする可能性がある。
定期的に資産状況をチェックし、適切な資産バランスに調整していく必要がある。
金融商品を購入した後も、定期的に資産状況をチェックしておこう。
【リスク許容度別】損をしにくいおすすめの投資先
資産運用で損をしたくない人は、投資先を慎重に選ぶことも重要だ。ここでは、リスク許容度別に損をしにくいおすすめの投資先を紹介していく。
安全性重視の投資先
安全性を重視している方には以下の投資先がおすすめだ。
- 個人向け国債
- 社債
- 貯蓄型保険
個人向け国債とは、国が発行する債券を個人でも購入できるようにしたものだ。国が利子や額面金額の支払いを保証しているため、比較的安全性が高い投資先である。
極めてリスクが低いため得られる収益も少ないが、銀行預金の利子よりは多くのリターンを得られる可能性が高い。
社債とは、企業が資金を借り入れるために発行する債券のことだ。
国債に比べるとリスクは高いものの、債券の発行体が倒産・債務不履行にならない限りは基本的に利子・額面金額の支払いが約束されている。
民間の格付機関による格付けが高い債券であれば財務状況が優良なものが多いため、損をしたくない人は格付けをチェックしておこう。
貯蓄型保険とは、万が一の備えと貯蓄性を両立したタイプの生命保険だ。終身保険や養老保険、個人年金保険などが貯蓄型保険に該当する。
早期解約で損をする場合はあるものの、満期まで保険料を支払っていれば、基本的には保険料以上の返戻金を得られる。
いずれも「絶対に損をしない」という商品ではないものの、極めてリスクが低い投資先だ。安全に運用をしたい方は上記の商品を活用しよう。
収益性重視の投資先
収益性を重視している方には以下の投資先がおすすめだ。
- インデックスファンド
- 高配当株
インデックスファンドとは、資金をファンドに預けて運用を任せる仕組みの「投資信託」のなかで市場指数に連動するように運用される商品のことだ。
日経平均株価やTOPIXなどの市場指数と同じ値動きになるよう、指数の構成銘柄をまとめて購入する仕組みとなっている。
幅広く投資先が分散されるため比較的リスクが小さく、収益性も確保できるバランスの良い投資先だ。
高配当株とは、株式のなかでも配当利回りが高い銘柄のことを指す。企業が株主に対して支払う配当金が多く、投資金額に対して多くの配当金を得られることが特徴だ。
高配当株の多くはすでに企業規模が大きく、業績も安定しているケースが多いため、大きく損失を抱える危険性は低い。
ただし、なかには業績が悪化して株価が下落している銘柄もあるので、事前に分析しておく必要はある。
先ほど紹介した安全性重視の投資先に比べるとリスクは高いものの、比較的リスクを抑えながら収益も目指せるのがインデックスファンドと高配当株の特徴だ。
収益性を重視したい方は上記の商品を活用しよう。
資産運用に失敗したくない人はプロに相談しよう
ここまで資産運用で損をしないためのポイントや投資先を紹介してきたが、それでも不安に感じている方が多いだろう。
資産運用で失敗したくない人は、投資助言を行うプロに相談すると良い。
ここでは、資産運用の相談先の選択肢や信頼できるアドバイザーの特徴を解説していく。
相談先の選択肢
資産運用の相談先として以下のような選択肢が挙げられる。
- 証券会社のアドバイザー
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
証券会社では株式や投資信託などの金融商品を取り扱っているため、資産運用の相談を行うと商品の提案まで受けられる。
運用相談から投資戦略の構築、商品の売買サポートまでをすべて対応してくれる点が証券会社のアドバイザーに相談するメリットだ。
FPはお金の専門家として資産運用や保険、不動産、税金、相続、贈与などについて幅広い知識を有している。
資産運用の相談はもちろん、家計・保険の見直しや資金計画の策定、住宅ローンの相談などを行える点が魅力だ。
ただし、FPは原則として具体的な金融商品の提案・アドバイスを行えない点に注意しなければならない。
IFAは金融機関から独立して顧客の資産運用をサポートする専門家だ。相談を受けて投資戦略を提案したり、金融商品の提案・仲介を行ったりすることが主な役割である。
金融機関から独立しているため、中立な立場から投資助言を提供できることが強みだ。
信頼できるアドバイザーの特徴
相談先の信頼性をチェックするために、以下の3つのポイントを押さえておくと良い。
- 専門的な知識を有している
- 中立な立場で投資助言を提供してくれる
- 長期的にサポートしてくれる
上記の3つの条件はいずれもIFAに当てはまっている。信頼できる相談先としてIFAへの相談を検討してみると良い。
多くのIFAは銀行や証券会社の出身であるため、豊富に知識と経験を有している。また、金融機関から独立した中立な立場から投資助言を提供できることが強みだ。
さらにIFAには転勤や異動といった制度がないため、長期的にサポートを継続してもらえる。
信頼できる相談先を探している方は、IFAへの相談を検討してみると良いだろう。
「資産運用はしないほうがいい」と言われる理由を理解した上で投資を始めよう
損失のリスクがあることや専門知識が必要で難しいことなどから、資産運用はしないほうがいいという意見もある。
しかし資産運用をしないと、インフレによって資産価値が目減りするリスクや老後資金の準備効率が低下する可能性がある。
「長期・分散・積立」を基本ベースに投資戦略を構築し、定期的に資産状況をチェックすることで損失のリスクは最小限に抑えることが可能だ。
本記事で紹介した損をしにくい投資先を活用することで、よりリスクを抑え込むことができる。
本記事の内容を踏まえても資産運用に不安を感じる方は、投資助言を行うプロへの相談を推奨する。
なかでもIFAは中立な立場から長期にわたって投資助言を提供してくれるため、資産運用の相談先としておすすめだ。
ぜひこの機会に信頼できる相談先を探してみてはいかがだろうか。