- サラリーマンが効率的に資産を増やす方法が知りたい。
- サラリーマンに適した投資方法の選び方がわからない。
- 長期的な資産運用で失敗しないためのポイントが知りたい。
「老後2,000万円問題」が話題となったことや新NISAがスタートしたことをきっかけに、資産運用に興味を抱いている方も多いだろう。
将来に不安を感じているサラリーマンの方は、どのように資産運用を行うべきなのだろうか。
本記事では、サラリーマンが資産運用を始める理由や資産運用の考え方の基本、投資戦略のポイントなどを紹介する。
年代別のおすすめポートフォリオや資産運用を始める際の注意点、おすすめの相談先なども紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてほしい。
サラリーマンが資産運用を始める理由は?
サラリーマンが資産運用を始める理由には、以下のようなものが挙げられる。
- 家計における将来の不安に備えて資産形成を始めたい
- 年金・退職金だけでは老後資金が不安なので補填したい
- 金利が低い銀行預金に限界を感じている
物価の上昇や増税に加え、なかなか上がらない給料によって家計の将来を不安に感じている方も多いだろう。
資産運用を行い、今後の家計を助けるための準備を進めていくことは非常に重要だ。
また、長寿化によって老後の必要な資金が増えているのに対し、年金や退職金は減少傾向にある。
年金・退職金だけでは不足する可能性があるため、計画的に資産を運用して増やしていくことが大切だ。
そして、日本は長らく低金利が続いており、銀行預金ではほとんど利息が付かない。
効率的に資産形成を行うのであれば、銀行預金だけでなく投資を活用していく必要がある。
上記のような理由を踏まえると、サラリーマンは資産運用を始めるべきと言えるだろう。
サラリーマンが知っておくべき資産運用の考え方
サラリーマンの方が資産運用を始めるのであれば、リスクを抑えながら長期的な視点を持って資産を増やすことに重点を置こう。
ここでは、リスクを抑えた運用を実現するために押さえておきたい資産運用の考え方を紹介していく。
少額から始める積立投資
積立投資とは、定期的に一定額の積立を行って金融商品を買い付けていく投資手法である。
毎月・毎週などの一定間隔で同じ金額分の買い付けを行い、少しずつ金融商品を積み上げていく手法だ。
積立投資は価格が高いときも安いときも買い続けることになるため、価格変動によるリスクを抑えられる。
また、積立額が少額であっても継続していくことで資産が積み上がっていき、時間をかけて資産形成を行えることが特徴だ。
価格変動によるリスクを抑えつつ、少額から始めやすい点が積立投資の魅力である。
サラリーマンの方が資産運用を始めるのであれば、金融商品を少額ずつ積み立てていくことを推奨する。
リスクを抑えた安定型商品
リスクを抑えた運用を実践するのであれば、安定的なリターンを期待できる金融商品も理解しておきたい。リスクを抑えた安定型商品として以下のようなものが挙げられる。
- 債券
- 投資信託
- REIT(不動産投資信託)
債券は、国や地方公共団体、企業が資金を借り入れるために発行する有価証券だ。
投資家は債券を購入することで発行体に対して資金を貸すこととなり、定期的に利子を受け取りながら満期には額面金額が償還される。
発行体が債務不履行とならない限り利子と額面金額を回収できるため、比較的安定性が高い投資先だ。
投資信託は、投資家から集めた資金をもとに専門家が運用を代行する金融商品である。
資金は複数の株式や債券などで運用されるため、1つの投資信託を買うだけで間接的に分散投資を行える。
運用の手間がかからず、比較的リスクを抑えて運用できることが特徴の商品だ。
REITは、不動産版の投資信託である。投資家から集めた資金で不動産に投資を行い、賃料収入や売却益を投資家に分配する仕組みだ。
複数の不動産物件で運用されるため比較的リスクが分散されており、安定した分配金を期待できる投資先である。
長期分散投資によるリスク軽減
資産運用のリスクを軽減するポイントとして、長期投資・分散投資も頭に入れておきたい。
長期投資とは、数年〜数十年といった期間で運用していく投資手法のことだ。
運用期間が長くなることで収益のブレが平均化され、リターンが一定の範囲内に収束する。価格変動リスクを抑えて運用できることが長期投資の魅力だ。
分散投資とは、投資対象の資産クラスや地域を分散させる投資手法である。
投資先を複数に分散させることで、投資先のひとつが暴落しても資産全体で受けるダメージを小さく抑え込める。
ほかの投資先で利益が出ていれば損失と相殺させることも可能であり、投資におけるリスクをかなり軽減できる手法だ。
短期間で一気に資産を増やそうとするのではなく、投資先を分散させながら時間をかけて資産を増やしていく心構えを持っておこう。
サラリーマンでも始めやすい資産運用方法の紹介
次に、サラリーマンが資産運用を行う際の戦略のポイントを紹介する。運用方法を検討する際、こちらを参考にしてほしい。
「長期・積立・分散」が基本
まず、資産運用の基本は「長期・積立・分散」である。投資先を分散させつつ、時間をかけてコツコツ積み上げていくことがリスクを抑えた運用において重要だ。
SNSなどでは短期的に資産を増やす方法を紹介しているケースもあるが、再現性が高いと言えるものはほとんどない。
短期間で資産を増やすためにはリスクを取る必要があり、上手く行けば増える可能性があるものの、失敗して一気に資産を減らすリスクもあるためだ。
「長期・積立・分散」による投資はリスクをかなり軽減でき、再現性高くリターンを狙える手法である。
運用戦略を立てる際には「長期・積立・分散」の考え方をベースに戦略を構築しよう。
サラリーマンにおすすめの投資先
サラリーマンの方におすすめの投資先は以下の通りだ。
- 債券
- 投資信託
- REIT(不動産投資信託)
- 株式
債券や投資信託、REITは先ほど紹介した通り、比較的リスクを抑えて運用できる商品だ。
元本保証ではないものの、資産を大きく損なう危険性もそこまで高くないため、投資しやすい商品と言えるだろう。
特に、投資信託やREITはすでに投資先が分散されているため、先ほど紹介した「長期・積立・分散」の投資を実践しやすい。
株式は比較的リスクが大きい投資先だが、その分だけ高い収益を期待できる。投資家からの人気も高い投資先であり、証券取引所で盛んに取引されていることも特徴だ。
取引が成立しやすく、収益性の高さも期待できる点が株式をおすすめする理由である。
投資経験が少ない初心者の方はリスクが小さい債券や投資信託を活用し、慣れてきた方は株式で高いリターンを狙うと良いだろう。
税制優遇制度を活用
資産運用を行う際は、NISAやiDeCoといった税制優遇制度も上手く活用したい。いずれも税金の負担を抑えながら資産運用を行えるため、効率的に資産を増やしていける制度だ。
NISAは、年間360万円・生涯1,800万円までの投資で得た利益が非課税となる制度である。
株式・投資信託の配当金や分配金、売却益が非課税で得られるため、効率良く資産を増やしていける。
iDeCoは、自分で掛金の拠出や運用を行って老後の年金を準備する私的年金制度だ。
「掛金が全額所得控除」「運用益が非課税で再投資」「受け取り時にも控除が適用」といった税制面でのメリットを受けながら老後の年金を準備できる。
NISA・iDeCoを活用し、税負担を軽減させながら将来に向けた資産運用を行おう。
【年代別】サラリーマンにおすすめのポートフォリオとは
次に、年代別にサラリーマンにおすすめのポートフォリオを紹介していく。参考にしながら自分に合ったポートフォリオを構築し、資産運用を進めていこう。
20代〜30代のサラリーマン向けポートフォリオ
20代〜30代の若い世代のサラリーマンには、以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 国内株式:30%
- 外国株式:40%
- 外国債券:15%
- REIT:15%
若い世代のサラリーマンは運用期間を比較的長く設定できるため、一時的に損失を抱えても価格が回復するまで待つ時間的な余裕がある。
リスクが大きい株式を中心にポートフォリオを構成し、外国債券やREITをリスク分散先として活用すると良い。
40代〜50代のサラリーマン向けポートフォリオ
40代〜50代のサラリーマンには、以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 国内株式:20%
- 外国株式:20%
- 国内債券:20%
- 外国債券:20%
- REIT:20%
40代〜50代の方は子どもが大学進学を控えているなど、まとまった出費が発生するケースが多い。
若い世代に比べるとリスクを取りづらい年代となるため、株式の比率を落として低リスクな債券を増やすと良い。
国内外の株式・債券に加えてREITをバランス良く保有しており、安定的なリターンを期待できるポートフォリオだ。
60代以降のサラリーマン向けポートフォリオ
60代以降のサラリーマンには、以下のようなポートフォリオがおすすめだ。
- 国内株式:20%
- 国内債券:50%
- 外国債券:20%
- REIT:10%
60代以降の方は運用期間を長く設定することが難しいため、なるべくリスクを抑えた運用が重要となる。
値動きが激しい株式の比率を下げ、安定的なリターンを期待できる債券の比率を増やすことでポートフォリオ全体のリスク水準を引き下げている。
低リスクで堅実にリターンを狙えるポートフォリオを活用しよう。
サラリーマンが資産運用を始める際の注意点
サラリーマンが資産運用を始める際、以下の4つの点に注意しよう。
- 適切にリスク管理を行う
- 余剰資金の範囲内で運用する
- 相場に振り回されない
- 家族で投資方針を話し合っておく
投資をしていると「もっと利益を得たい」と考えて、リスクを取り過ぎてしまうケースがある。
過剰にリスクを取ると資産が大幅に減少する危険性があるため、適切にリスク管理を行うことが大切だ。「長期・積立・分散」の投資戦略でリスクを最小限に抑え込もう。
また、リスク管理を徹底していても損失を抱える可能性があるため、資産運用は余剰資金で行うことが必須である。
半年〜1年分程度の生活費を確保し、残った余剰資金で資産運用を行おう。
そして、相場に振り回されずに長期的な視点を持つことが重要である。相場の下落時・急騰時には冷静な判断をできずに売却してしまう人が多い。
短期間での資産の増減は気にせず、長期的な視点でじっくり運用しよう。
さらに注意しておきたいポイントとして、家族で投資方針を擦り合わせておくことも大切だ。
パートナーと運用目的や投資目標、リスク許容度などを話し合った上で投資戦略を構築しよう。
サラリーマンが資産運用を相談するなら誰がいい?
サラリーマンの方が資産運用を始めるのであれば、投資助言を行うプロに相談することを推奨する。
ここでは、資産運用の相談先の選択肢や信頼できるアドバイザーの特徴を解説していく。
相談先の選択肢
資産運用の相談先として以下のような選択肢が挙げられる。
- 証券会社のアドバイザー
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
証券会社では株式や投資信託などの金融商品を取り扱っており、所属するアドバイザーに相談することで商品提案を受けられる。
投資に関する相談から商品の提案まで一連の流れをすべて任せられるため、投資初心者の人でも相談しやすいことが特徴だ。
FPは、お金について幅広い知識を有している専門家である。
資産運用や保険、不動産、税金、相続・贈与などを相談でき、家計や保険の見直し、ライフプランの作成なども相談できる。
ただし、FPは具体的な金融商品の提案を行えない点に注意が必要だ。
IFAは、金融機関に所属しない立場で顧客の資産運用をサポートする専門家である。
金融機関から独立した中立な立場から投資助言を提供しており、最適な商品を提案してもらえる点がIFAの魅力だ。
信頼できるアドバイザーの特徴
信頼できる資産運用のアドバイザーの特徴として以下の3点が挙げられる。
- 専門的な知識を有している
- 中立な立場で投資助言をしてくれる
- 長期的にサポートを提供してくれる
大事な資産の運用を任せる以上、相談先のアドバイザーが専門知識を有しているかどうかという点は非常に重要な要素だ。
そして、中立な立場で投資助言を提供してくれることや、長期的にサポートを継続してくれることも信頼できる相談先の条件として挙げられる。
こうした信頼できるアドバイザーの特徴を踏まえると、資産運用の相談をするならIFAがおすすめだ。
IFAの多くは銀行や証券会社の出身者であるため、知識や経験を豊富に有している。
金融機関に所属しない立場であるため中立性が高く、転勤によって担当から外れることも基本的にない。
専門知識を有するアドバイザーから中立な立場で長期的にサポートしてくれる点がIFAに相談するメリットだ。
資産運用の相談先を探しているサラリーマンの方は、IFAへの相談を検討してみよう。
サラリーマンに最適な戦略で資産運用を始めよう
年金・退職金が減少傾向にあることや銀行預金の金利が低いことなどを踏まえると、サラリーマンの方は資産運用を始めていくことが重要となる。
「長期・積立・分散」の考え方をベースにしつつ、税制優遇制度を使いながらリスクを抑えた商品に投資しよう。
本記事では、サラリーマンにおすすめの投資ポートフォリオを年代別に紹介した。
自分の年齢やリスク許容度に合った投資ポートフォリオを構築し、最適な運用戦略でコツコツと資産を運用していこう。
また、自分に合った投資ポートフォリオの構築が難しい場合は、投資助言を行うプロへの相談を検討しておくと良い。
特に、中立な立場で長期にわたって投資助言を提供してくれるIFAへの相談がおすすめだ。
ぜひこの機会にIFA検索サービスなどを利用し、信頼できるアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。