- 100万円をどのように運用すべきか知りたい
- 安全に資産を増やすためのおすすめ投資方法が知りたい
- 100万円の運用で失敗しないためのポイントを知りたい
100万円という金額で資産運用を考えている方のなかには「どのように運用すべきか」という点で悩んでいる方も多いだろう。
効果的な運用戦略を構築し、安全に資産を増やしていくことが大切だ。
本記事では、100万円を資産運用すべき理由やおすすめの運用方法、リスク許容度別のおすすめ投資ポートフォリオを紹介する。
100万円を資産運用するときの注意点も紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてほしい。
100万円を資産運用するべき理由
100万円を資産運用すべき理由として主に以下の2点が挙げられる。
- インフレリスクがある
- 預貯金の金利が極めて低い
近年、日本では物価が上昇していく「インフレ」になりつつある。インフレによって物価が上昇すると、相対的に現金の価値は低下していく。
インフレによる資産価値の目減りを防ぐためにも、資産運用を行って資産を増やしていく取り組みを行うことが大切だ。
また、日本では長らく低金利が続いており、預貯金で運用していてもほとんど資産は増えない。
インフレによる物価上昇に預貯金の利息だけで追いつくことは難しいため、投資を活用した資産運用が必要となる。
インフレリスクに備えるためにも、預貯金だけでなく投資を活用した資産運用を始めてみよう。
100万円のおすすめの運用方法
次に、100万円を元手に資産運用を行う際に押さえておきたいポイントを紹介する。それぞれのポイントを参考にし、自分に合った最適な投資戦略を構築しよう。
「長期・積立・分散」が基本
まず、投資戦略を立てる際は「長期・積立・分散」という考え方をベースにしておこう。
いずれも資産運用におけるリスクを軽減できる手法であるため、安定的なリターンを目指すためにも3つの要素を押さえておこう。
長期投資を行うと価格のブレが平均化され、ある程度安定したリターンに収束する。投資対象の価格変動リスクを抑え、収益の安定性を高められることが長期投資の特徴だ。
短期目線で資産を増やそうとするのではなく、長期的にじっくり資産を増やしていくことを目指そう。
積立投資とは、定期的に一定額を積み立てて金融商品を購入する投資手法のことだ。価格が変化しても一定額を買い続けるため、平均取得単価を抑えて購入できる。
高値掴みのリスクを回避でき、安定的なリターンを目指せることが積立投資の特徴だ。100万円を一括で投資するのではなく、タイミングをずらして少額ずつ投資しよう。
分散投資とは、投資対象の地域や資産クラス、銘柄等を分散させて資金を投じる投資手法だ。
投資先が複数に分散されているため、特定の投資先が下落しても資産全体が受けるダメージを小さく抑えられる。
ほかの投資先で利益が出ていれば、投資先のひとつが下落してもダメージを相殺可能だ。
「長期・積立・分散」という考え方をベースとして投資戦略を構築しよう。
おすすめの投資先
100万円の運用を行う場合、以下のような投資先がおすすめだ。
- 株式
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
株式とは、企業が資金調達のために発行する有価証券のことだ。株価の値上がりによって売買差益を狙ったり、企業から支払われる配当金を受け取ったりといった方法で収益を得る。
比較的大きなリターンを得られる投資先であるため、リスクを取って100万円を効率良く増やしていきたい方におすすめの投資先だ。
投資信託とは、投資ファンドに資金を預けて運用を代行してもらう仕組みの金融商品である。
ファンドに集められた資金は株式や債券などで運用され、その成果が投資家に分配される仕組みだ。
複数の投資先に分散されるためリスクを抑えた運用ができ、投資の手間がかからない点が魅力の投資先である。
ETFは、証券取引所に上場している投資信託のことだ。株式と同じように市場が開いている時間帯にリアルタイムで売買でき、価格を指定して注文することもできる。
「比較的自由に取引できる投資信託」というイメージで運用できることが魅力だ。
REITとは、不動産で運用が行われる投資信託である。ファンドに集められた資金で不動産運用が行われ、賃料収入や物件の売却益などが分配される仕組みの商品だ。
比較的多くの分配金を受け取れることが特徴の商品であるため、本業以外の収入源を確保したい方におすすめの投資先である。
NISA・iDeCoを活用
100万円の運用を行う場合、NISA・iDeCoといった制度を有効活用しよう。いずれも税制面での優遇を受けながら資産運用を行えることが特徴の制度だ。
NISAとは、年間360万円・生涯1,800万円までの投資で得られる利益が非課税となる制度である。
株式や投資信託の配当金・分配金や売却益などが非課税で得られるため、効率的に資産運用を行えることが魅力だ。
iDeCoとは、税制優遇を受けながら老後の年金を準備できる私的年金制度である。
「掛金が全額所得控除」「運用益が非課税で再投資」「受け取り時にも控除が適用」といったメリットを受けながら年金を準備できる。
税金の負担を抑えながら資産運用を行えるNISA・iDeCoを活用し、100万円を効率的に運用しよう。
【リスク許容度別】100万円の投資ポートフォリオを紹介
次に、100万円の運用におすすめの投資ポートフォリオを紹介していく。リスク許容度別の投資ポートフォリオを紹介するので、ぜひ参考にして自分に合った資産配分を検討しよう。
安定型ポートフォリオ
安定性を重視して運用したい方は以下のような資産配分がおすすめだ。
- 国内債券:40%
- 外国債券:25%
- 国内株式:25%
- 外国株式:10%
資産の半分以上を値動きの安定性が高い債券で運用し、残りを株式で運用するというポートフォリオだ。
投資対象地域が国内外に分散されているため、比較的リスクを抑えた運用を実践できる。
国内・外国の株式や債券で運用される投資信託を活用し、上記のようなポートフォリオで安定的な運用を実現しよう。
バランス型ポートフォリオ
資産のバランスを重視して運用したい方は以下のような資産配分がおすすめだ。
- 国内債券:25%
- 外国債券:25%
- 国内株式:25%
- 外国株式:25%
国内・外国の債券と株式をそれぞれ25%ずつ保有するというポートフォリオだ。上記の資産構成は、日本の公的年金を管理・運用するGPIFが採用しているものと一致している。
ある程度のリターンを確保しつつ、リスクを抑え込める効果的な資産配分である。
投資信託のなかには上記の資産配分で運用される「バランス型ファンド」も存在するため、上手く活用してバランス良く運用しよう。
積極型ポートフォリオ
積極的にリターンを追求したい方は以下のような資産配分がおすすめだ。
- 国内株式:40%
- 外国株式:30%
- REIT:30%
比較的収益性が高い株式で資産の大半を構成し、一部REITを組み込んで運用を行うポートフォリオだ。
株式は投資信託で運用しても良いが、個別の株式を購入してさらに大きなリターンを追求するという手もある。
投資先を分散してリターンを追求したい方は投資信託、とにかく資産を増やすことを目指したい方は個別株式で運用すると良いだろう。
100万円を資産運用するときの注意点
100万円の運用を行う際、以下の4点に注意が必要だ。
- 余剰資金の範囲内で運用する
- 適切なリスク管理を行う
- 相場に振り回されない
- 定期的な見直しを行う
それぞれの注意点を踏まえ、運用開始後のトラブルを回避しよう。
余剰資金の範囲内で運用する
まず、資産運用は必ず余剰資金で行うことが大切だ。生活費や緊急用の資金は別で準備し、その上で用意できた資金を投資に回して運用しよう。
株式や投資信託などの金融商品は元本が保証されておらず、損失を抱える可能性がある。生活費や緊急用の資金で損失を抱えてしまうと、生活に支障をきたしてしまう恐れがある。
資産運用を行う際は、自分自身の「生活防衛資金」を確保した上で余剰資金を活用すると良い。
生活防衛資金とは、働けなくなったときや急な出費が発生したときに備え、事前に準備しておく当面の生活費のことを指す。目安としては生活費の半年〜1年分と言われている。
生活防衛資金を預貯金で確保し、残った余剰資金を使って資産運用を始めよう。
適切なリスク管理を行う
資産運用を行う際、適切にリスク管理を行うことも重要となる。利益を追求し過ぎるあまり、過剰なリスクで運用することは絶対に避けよう。
投資で利益が出ていると「もっと資産を増やしたい」と考えてしまい、ハイリスクな投資手法に手を出してしまうケースがある。
しかし、ハイリスクな投資先は上手くいけば大きなリターンを得られるものの、失敗すると一気に資産が減少してしまう可能性がある。
100万円という元手が一瞬で消し飛んでしまうリスクがあるのだ。
前述した「長期・積立・分散」の投資を実践していればある程度リスクが軽減され、一気に資産が減少する可能性は低くなる。
適切なリスク管理のポイントとして「長期・積立・分散」を心掛けよう。
相場に振り回されない
金融商品の価格は日々変動しているが、相場に振り回されないことが重要だ。自分の投資の軸を明確にし、相場が急変したときに冷静に判断できるようにしておこう。
例えば、株式市場は過去に暴落を何度も経験しているが、基本的には数ヶ月から数年後には株価が回復している。
世界恐慌やブラックマンデー、リーマンショック、コロナショックなどの暴落事例をチェックしてみても、数年でもとの株価水準を上回るケースがほとんどだ。
長期目線で運用している場合、相場に左右されて売却してしまうと、株価の回復の恩恵を受けられなくなってしまう。
一時的な相場の変動に惑わされるのではなく、じっくり腰を据えて資産運用を続けていく覚悟を持っておこう。
定期的な見直しを行う
資産運用は「始めたらあとは放置」ではなく、定期的に見直しを行う必要がある。
運用開始後も資産状況をチェックし、必要に応じてリバランス(資産の再配分)を行うことが大切だ。
資産運用を続けていくと、相場の変動によって運用ポートフォリオの資産配分が崩れたり、自身のリスク許容度が変化したりといったことが起きる。
ポートフォリオのリスク水準と自身のリスク許容度にミスマッチが生じてしまう可能性がある。
ポートフォリオが崩れてしまった場合、資産の配分比率を調整し直すことが重要だ。
比率が高くなり過ぎた資産を一部売却したり、比率が低くなり過ぎた資産を追加購入したりするなど、定期的に資産状況をチェックして資産配分を調整していこう。
100万円を資産運用するときの相談先
100万円の資産運用を行うのであれば、投資助言を行うプロへの相談がおすすめだ。
ここでは、資産運用の相談先の選択肢を紹介し、信頼できるアドバイザーの特徴を解説していく。
相談先の選択肢
資産運用の相談先には以下のような選択肢がある。
- 証券会社のアドバイザー
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
証券会社のアドバイザーは、資産運用の相談を受けて適切な金融商品の提案を行う。自社で金融商品を取り扱っているため、商品の売買までを行えることが特徴だ。
運用相談から商品の提案・販売までをワンストップで行えることが証券会社のアドバイザーの強みである。
FPは資産運用や保険、不動産、税金、相続、贈与などの幅広い分野の相談を行える専門家だ。
家計の見直しやライフプランの作成、資金計画の立案などを相談したい方におすすめの相談先である。
ただし、FPは個別の具体的な金融商品の提案を行えないため注意が必要だ。
IFAは、金融機関に所属しない立場から顧客に資産運用の助言を行う専門家である。
金融機関から独立した中立な立場でアドバイスを提供してくれるため、自分にぴったりの投資先・商品を提案できることがIFAの強みだ。
信頼できるアドバイザーの特徴
信頼できる資産運用アドバイザーの特徴として以下の3点が挙げられる。
- 専門知識を有している
- 長期的にサポートしてくれる
- 中立な立場で助言を提供してくれる
自分の大切な資産運用を任せる以上、専門知識をしっかりと有しているアドバイザーを選ぶことが重要だ。
また、長期的にサポートを継続してくれることや、中立な立場から寄り添って投資助言を提供してくれることも信頼できるアドバイザーの条件である。
上記のポイントを踏まえると、資産運用の相談先にはIFAがおすすめだ。IFAは銀行・証券会社の出身者が多く、専門的な知識と豊富な経験を有している。
金融機関から独立していることで中立性が高く、転勤や異動も原則としてないため長期的なサポートを受けられることも魅力だ。
100万円の運用において信頼できるアドバイザーを探している方は、IFAへの相談を視野に入れておくと良いだろう。
100万円を効果的に運用しよう
インフレリスクがあることや預貯金の金利が低水準であることを踏まえると、100万円は資産運用で増やす努力をしていくことが大切だ。
「長期・積立・分散」の考え方をベースに運用戦略を構築し、NISA・iDeCoを活用して税制面での優遇を受けながら運用していこう。
本記事ではおすすめの投資ポートフォリオを紹介してきたが、適切な資産配分はリスク許容度によって異なる。
自分のリスク許容度に合わせてポートフォリオを構築し、効果的に100万円を運用していこう。
資産運用で失敗を避けるためには「余剰資金で運用する」「適切なリスク管理を行う」「定期的に見直しを行う」などの点に注意が必要だ。
これらのポイントを押さえても運用が難しい場合は、投資助言を行うプロへの相談を検討してみよう。
相談先の選択肢には証券会社やFPなどが挙げられるが、なかでも中立な立場で長期的なサポートを提供してくれるIFAがもっともおすすめだ。
ぜひこの機会に信頼できるIFAを探してみよう。