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【新NISAを徹底解説】制度の仕組みや変更点、メリット・デメリットを詳しく説明!

この記事で解決できるお悩み
  • 新NISAの仕組みや上限がわからない
  • 新NISAのメリット・デメリットが知りたい
  • 成長投資枠や非課税期間について詳しく知りたい

仕組みを知って新NISAを活用したいという方が多いのではないか?

本記事では、新NISAの仕組みや特徴について詳しく解説するとともに、具体的な運用戦略を紹介する。

非課税投資のメリットから、2つの枠の活用方法、投資商品の選び方、おすすめの銘柄、避けるべき利用方法まで、実践的な情報を網羅している。

投資初心者から経験者まで、それぞれの目的に合わせた活用方法を見つけられるよう、具体例を交えながら丁寧に解説していく。

最後には新NISAの相談先も紹介するので、ぜひ利用してほしい。

この記事が、新NISAを活用するための一助となれば幸いである。

目次

新NISAとは?

NISA(ニーサ)は、2014年にスタートした個人投資家向けの少額投資非課税制度である。

「貯蓄から投資へ」という政府の政策目標を支える柱として、投資を通じた家計の資産形成を後押ししてきた。

そして、2024年1月より制度が刷新され、「新NISA」として新たなスタートを切った。

新NISAの最大の特徴は、投資で得た利益が非課税になる点にある。

通常、投資利益には20.315%の税金が課されるが、新NISA口座を利用すればこの負担が免除され、より効率的に資産形成を進められる。

この非課税制度の導入により、資産形成へのハードルは大きく下がった。NISAはいまや、将来への備えとして多くの人々に選ばれる有力な選択肢となっている。

新NISAの変更点は?旧NISAとの違い

ここからは、新NISAの特徴を、旧NISAとの比較を通じて確認していこう。以下の比較表をもとに、新NISAの主要な変更点を一つずつ解説する。

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旧NISA新NISA
① 口座開設期間2023年末まで恒久化
② 非課税期間つみたてNISA:20年間
一般NISA:5年間
無制限
③ 非課税保有限度額つみたてNISA:800万円
一般NISA:600万円
総枠:1,800万円
(成長投資枠だけなら1,200万円)
④ 年間投資枠160万円(つみたてNISA 40万円、一般NISA 120万円)360万円(つみたて投資枠 120万円、成長投資枠 240万円)
⑤ 枠の併用NGOK
⑥ 非課税投資枠の再利用NGOK
出典:金融庁「新しいNISA」

① 口座開設はいつでも可能

旧NISAでは口座開設可能期間は限定されていたが、新NISAでは制度が恒久化された。

これにより、制度の終了を心配する必要がなくなり、長期的な視点で安心して資産形成に取り組むことが可能となった。

②非課税期間は無期限

旧NISAで制限があった非課税期間も、新NISAでは無期限となった。

非課税枠を長期的に保有することで、複利の効果を最大限に引き出しやすくなり、長期投資を志向する投資家にとって大きなメリットとなっている。

③ 非課税保有限度額は総枠で「1,800万円」

つみたてNISAと一般NISAで分かれていた非課税枠が統一され、新NISAでは総枠1,800万円となった。

これにより、一人ひとりの投資目的やライフプランに合わせた柔軟な運用が可能になっている。

④ 年間投資枠は360万円へ拡大

旧NISAでは年間160万円までの投資枠だったが、新NISAではこれが最大360万円に拡大された。

内訳は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で、投資規模を拡大したい人にも適した制度設計となっている。

⑤ 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用可能に

旧NISAでは、つみたてNISAと一般NISAを同時に利用することはできなかったが、新NISAでは併用可能となった。

これにより、つみたて投資と成長投資を同時に行い、分散投資をしながら資産形成を進められるようになった。

⑥ 売却分の枠の再利用が可能に

新NISAでは、保有する資産を売却した場合、その売却額に相当する非課税枠を翌年以降に再利用できる仕組みが導入された。

これにより、柔軟な投資戦略が可能となり、投資家はより効率的な資産運用を行えるようになった。

新NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」

新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠組みが設けられており、それぞれ異なる特徴と目的を持つ。

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つみたて投資枠成長投資枠
非課税保有限度額1,800万円1,200万円(内数)
年間投資枠120万円240万円
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託上場株式、投資信託等
買付の方法定時・定額の積立投資制限なし
出典:金融庁「新しいNISA
つみたて投資枠とは?

安定した長期運用を目指す枠。

つみたて投資枠は、長期的な資産形成の支援を目的とした枠だ。

以下の点に特徴がある。

  • 年間の投資上限は120万円
  • 買付の方法としては、一定のタイミングで一定の金額を投資する「積立投資」のみが認められている
  • 対象商品は「長期・積立・分散投資」に適した投資信託のみ

これから資産運用を始める人なら、まずはつみたて投資枠のルールに則って、比較的安全なインデックスファンドを少額積立していくのが賢い選択である。

成長投資枠:積極的な運用を目指す枠

成長投資枠は、自由度が高くさまざまな運用方法を試せる枠である。

主な特徴は、以下のとおりだ。

  • 年間の投資上限は240万円
  • 非課税枠の上限1,800万円のうち、成長投資枠として利用できるのは1,200万円まで
  • 買付方法の自由度が高く、一括投資やタイミングを見たスポット購入も可能である
  • 対象商品は、国内外の株式、幅広い投資信託・ETFと幅広い

成長投資枠は投資家に与えられた選択肢が多い。このため、自分の投資目的やリスク許容度を明確にし、それに基づいた運用方針を持つことが重要となる。

新NISAのメリット・デメリットとは

続いて、新NISAを利用する場合のメリットとデメリットを整理していこう。

新NISAを利用するメリット

新NISAを資産形成に活用するメリットは、以下の3つに集約できる。

運用益が非課税になる

NISA口座で得た売却益や配当金などの運用益には、所得税や住民税がかからない。通常かかる20.315%の税金が免除される。

たとえば100万円を運用し、5年間で20%の利益を得た場合、通常の課税口座では約4万円(20万円×20.315%)が税金として差し引かれる。

しかし、新NISA口座ではこの税金がかからないため、利益全額を再投資できる。これを繰り返すことで、資産形成のスピードが加速する。

確定申告が不要である

NISA口座で得た運用益は非課税なので、確定申告の手続きは不要である。

通常、一般口座や源泉徴収なしの特定口座で取引を行う場合、年間の売却益や配当金が一定額を超えると確定申告が必要となる。

たとえば、給与所得者の場合、給与所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になるが、NISA口座の取引についてはこの手続きを気にする必要はない。

ただし、個人の収入状況や所得の種類によっては、別途申告が必要となる場合もある。自分のケースが該当するかどうかは、個別に確認していただきたい。

さまざまなサービスが利用できる

新NISAの開始に伴い、金融機関は投資家向けに多様なサービスを提供している。

これらのサービスを活用することで、資産形成がより効率的かつ手軽になったことも、利用メリットと言える。

  • 対象商品拡大により多くの選択肢から選べる
    • 新NISAの成長投資枠では、2024年1月以降、約200本の新たな投資信託や約40本のETFが対象商品として追加されている(出典:投資信託協会、2024年11月調査)。これにより、投資家は自分の目標やリスク許容度に合った商品を選びやすくなった。
  • 少額からの積立が可能
    • つみたて投資枠では、月々100円から積立投資を始められる。小さな金額からでも資産形成を始められることは、新NISAの魅力の一つだ。
  • お得な特典の活用
    • 多くの金融機関では、投資金額に応じたポイント付与やキャッシュバックなどの特典が用意されている。クレジットカードでの積立金額に応じたポイントを獲得できる「クレカ積立」もある。これらを上手に活用すれば、投資の効率をさらに高めることが可能となる。

新NISAを利用するデメリット

新NISAにはメリットも多いが、一部の投資家にとってはデメリットに感じられる点もある。ここでは、新NISA利用時の注意点を解説する。

損益通算や損失の繰り越しができない

NISA口座では、損失が発生しても課税口座での利益と相殺(損益通算)することができない。また、損失の繰り越しも認められていないため、投資判断は慎重に行う必要がある。

つみたて投資枠の対象商品は限られている

つみたて投資枠で購入できる商品は、2024年11月現在、約290本と限られている。

安全性が高くてコストが低い良い商品ばかりだが、より広い選択肢から選びたい投資家にとっては、少し不自由に感じられるかもしれない。

年間投資枠を超えると課税口座での運用になる

新NISAの年間に非課税で投資できる金額は、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円の合計360万円までと決まっている。

この枠を超えて投資した分は、自動的に課税口座(一般口座や特定口座)での運用となる。

非課税枠を最大限活用するには、投資額をモニタリングし、枠を超えないよう計画的に管理することが重要だ。

特に年間を通じて一定額を投資する場合は、月ごとの積立金額や追加投資のタイミングを慎重に調整する必要がある。

外国株式の配当課税に注意が必要

外貨建ての投資資産(株式、債券、投資信託など)を保有する場合、分配金や配当金にはその国の税率が適用される。

NISAは日本国内の税制優遇制度であるため、外国の税金に対しては非課税措置が適用されない。

たとえば、米国株式やETFをNISA口座で保有している場合、配当金や分配金には日米租税条約に基づく10%の源泉徴収税が課される。

よってNISA口座に振り込まれるのは税引後となるため、税引き後の利回りを確認しておき、投資計画に組み込むことが重要となる。

18歳以下は利用できない

新NISAの口座は、その年の1月1日時点で満18歳以上が利用できる制度だ。

ジュニアNISAは2023年で新規開設を終了したため、若年層の資産形成には、定期預金や個人年金保険、教育資金積立などの別の手段を検討する必要がある。

新NISAの賢い使い方

ここからは、新NISAを最大限活用するための具体的な方法を紹介しよう。

基本の4つの投資戦略

投資経験や目的に応じて、4つの基本戦略から自分に合った方法を選んでアレンジすると良い。それぞれを順番に見ていこう。

①シンプル積立戦略

もっともシンプルなのは、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で同じ投資信託を購入する方法だ。

毎月一定額を積み立てることで、投資のタイミングを分散させ、価格変動リスクを抑えることができる。

投資商品が絞り込まれるため、商品選択や管理の手間を最小限に抑えられる。

また、ドルコスト平均法を使うことになるので、高値掴みのリスクを軽減し、平均購入単価を平準化できる。

ただし、この戦略を採用する場合は、大きなリターンを狙うのは難しい。

つみたて投資枠対象商品を選択することになるため、市場全体の成長に連動したリターンしか期待できないからだ。

おすすめの投資家像
  • 投資初心者
  • 忙しくて投資に時間をかけられない人
  • リスクを抑えた、安定的な資産形成を目指す人

②非課税枠を早期に使い切る戦略

NISAで個人に与えられた1,800万円という非課税枠を、最短で埋めてしまう方法もある。

具体的には、つみたて投資枠では毎月10万円の積立を行いつつ、成長投資枠の240万円を年初に一括で投資する。5年間で非課税枠を使い切れる。

この戦略のメリットは、投資資金が市場で働く時間が長くなるため、複利効果を最大限に引き出せる点にある。

また、市場が上昇局面にある場合、大きなリターンも期待できる。

ただし、投資タイミングを分散できないため、市場が下落した場合の影響は大きい。一度に大きな金額を投資するため、市場変動のリスクを直接的に受けることになる。

また、資金的な余裕が必要であり、投資額が大きい分、心理的な負担も増える可能性がある。

おすすめの投資家像
  • 投資経験が豊富でリスクを許容できる人
  • 市場の動向を自分で分析できる人
  • まとまった投資資金を用意できる人
  • リターン最大化の可能性を追求したい人

③2枠を使ったバランス投資戦略

リスクを抑えつつ成長も狙いたい場合は、つみたて投資枠と成長投資枠で異なる投資商品を組み合わせるバランス投資戦略がおすすめだ。

この戦略では、つみたて投資枠で比較的安全性の高いインデックスファンドやバランス型ファンドを購入し、成長投資枠では高成長が期待できる個別株やアクティブファンドに投資する。

メリットは、安全性の高い商品と成長性の高い商品を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを調整できる点だ。

また、この方法なら、市場の状況や自身のライフステージに合わせて、商品の変更も容易にできる。

ただし、異なる商品の選定や管理が必要で、市場環境や目標に応じた定期的な見直しが必要になるため、投資経験や知識は不可欠だ。

おすすめの投資家像
  • リスクを抑えつつ成長を追求したい人
  • 投資経験があり、複数の商品を管理できる人
  • 中期的な目標と長期的な目標を両立させたい人
  • モニタリングとリバランスの手間を惜しまない人

④目的別運用戦略

資金の使途に応じて枠を使い分ける戦略も効果的だ。

たとえば、つみたて投資枠では住宅購入や教育資金など中期的な目標のために安定的な運用を行い、成長投資枠では老後資金など長期的な目標のためにリスクを取りつつ高い成長を狙う。

長期資金と中期資金を分けて運用することで、それぞれのリスク許容度に応じた投資が可能となる。

また、ライフステージや資金ニーズの変化に応じて、投資戦略を調整しやすい点もメリットだ。

とはいえ、この戦略では複数の投資目的を同時に管理する必要があり、資金計画や投資商品の選定に時間と労力がかかる。

目的に応じた最適な投資商品を選ぶためには、一定の投資知識や経験が求められる。

おすすめの投資家像
  • 明確な資金計画を持っている人
  • 計画的な資産形成を目指す人
  • 投資目的に合わせて運用スタイルを変えたい人
  • ライフイベントを意識して投資を行いたい人

非課税投資枠の再利用テクニック

新NISAでは投資資産を売却した場合、その売却商品の取得価格相当額について、投資枠を翌年以降に再利用できる仕組みが導入された。

この変更により、より柔軟な投資戦略が可能となる。

  • 市場の調整局面に買い増しする
    • たとえば、保有銘柄がレンジ相場に入った場合や市場が大きく調整した際に、投資機会を逃さず活用する方法だ。より有利な価格での投資機会を確保できる。具体的には、保有資産の一部に含み益が出た場合に売却して投資枠を空け、翌年以降の市場が下落した際に、その枠を活用して割安な銘柄を買い増す。
  • ポートフォリオを柔軟に見直しする
    • 税負担を抑えながらポートフォリオを柔軟に見直すことも可能だ。たとえば、大きく値上がりした銘柄を売却して利益を確定し、その資金をさらなる成長が期待できる新たな投資先に振り向ける。再利用可能な範囲内での売却と再投資を組み合わせることで、税制のメリットを活かしながらポートフォリオの成長を図ることができる。

ただし、非課税投資枠の再利用には以下の制約がある。注意して検討いただきたい。

  • 売却した年の年間投資枠は再利用できない
  • 売却額を超えて再投資することはできない
  • 売却時に損失が出た場合、その損失は税務上控除できない

新NISAで何を買う?おすすめの銘柄とは

ここからは、新NISA口座で運用する投資商品について、その選び方を具体的に考えていこう。

投資商品を選ぶステップ

投資商品を選ぶ際は、以下の5つのステップで行うと良い。

  1. 投資目的とリスク許容度を明確にする
  2. 運用期間を決める
  3. 商品を絞り込み、詳細情報を確認する
  4. 類似商品と比較する
  5. 購入する投資商品を決定する

ステップ3の絞り込みの際には、証券会社や投資情報サイトが発表するランキングを活用するのも一案である。

ランキング上位の商品は、多くの投資家に支持されており、ある程度の信頼性があると考えられるからだ。

そこでここからは、ランキングを使って投資信託を選ぶヒントを紹介していこう。

ランキングはどのように見るべきか

実際のランキングを確認する前に、何を示すものか、そしてどのようなことを読み取るべきかを確認しておこう。

人気ランキングに使われる基準

以下は、証券会社や投資情報サイトで「人気」「売れ筋」として利用されるランキングの基準だ。それぞれが示すポイントを整理した。

  • 販売金額
    • 一定期間内に購入された金額の合計を示すランキング。資金力のある投資家の注目商品がわかる。
  • 販売件数
    • 対象期間内の取引回数をもとにしたランキング。個人投資家に選ばれている商品の人気度を把握できる。
  • 積立設定金額
    • 定期積立として設定された金額のランキング。将来にわたり安定的な資金流入が期待される商品を見つけるのに役立つ。
  • 積立設定件数
    • 積立投資を設定した件数をもとにしたランキング。長期投資家から支持を集める商品がわかる。
  • 資金流入
    • 一定期間で資金流入が続いている商品を示すランキング。長期的に人気のある商品を見つける助けになる。

集計期間の考え方

また、集計期間はどのように利用すべきかについても述べておく。

投資商品のランキングでよく使われるのが、週間と月間だ。

週間ランキングは、トレンドの変化を素早く捉えたい場合に有用だが、一時的なブームや話題性の影響を受けやすい。

一方、月間ランキングは、長期的なトレンドを把握しやすいため、長期投資を前提とした商品選びに有用だ。

長期投資を考えるなら、月間ランキングをメインに安定した人気の商品を中心に選ぶと良い。

週間ランキングは、最近の市場動向や新商品の動きをチェックするために補助的に利用するのがおすすめだ。

資金流入ランキングから投資信託を探す

以下は、2024年10月の資産流入ランキングだ。これをもとに、おすすめの投資信託を紹介していく。

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順位ファンド名つみたて成長分類購入時手数料(%)実質信託報酬(%) リターン(5年、%)シャープレシオ(5年)
1eMAXIS Slim全世界株式(オール)インデックス00.05775+142.051.18
2eMAXIS Slim米国株S&P500インデックス00.09372+187.361.31
3A・バーンスタイン・米国成長株投信Dアクティブ3.31.727+187.071.27
4ニュートン・パワー・イノベーションF(H無)アクティブ3.31.793
5世界厳選株式オープン<為替Hなし>(毎月)アクティブ3.31.903+127.420.98
6楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期)アクティブ00.192
7楽天・プラス・S&P500インデックス・Fインデックス00.077
8ブラックロック世界優良企業厳選ファンドBアクティブ3.31.848
9SBI・V・S&P500インデックスFインデックス00.0938+185.76%1.30
10グローバルオポチュニティパートナーズFアクティブ3.31.133
11A・バーンスタイン・米国成長株投信Bアクティブ3.31.727+188.72%1.27
12フィデリティ・USリート・ファンドBアクティブ3.851.54+76.79%0.69
13プラスオールカントリー株式インデックスFインデックス00.0561
14たわらノーロード 先進国株式インデックス00.09889+159.45%1.20
15iFreeNEXT FANG+インデックスインデックス00.7755+510.59%1.44
16iFree S&P500インデックスインデックス00.198+185.51%1.30
17eMAXIS Slim全世界株式(除日本)インデックス00.05775+146.49%1.18
18のむラップ・ファンド(普通型)アクティブ1.11.353+49.94%0.92
19楽天・全米株式インデックス・ファンドインデックス00.162+177.07%1.24
20グロース・オポチュニティ D(毎月・予・H無)アクティブ3.31.6445
出典:投信ランキング|日経電子版 

このランキングから、以下のようなことがわかる。

  • 上位20本の内訳は、インデックスファンドが10本、アクティブファドが10本である
  • インデックスファンドはすべて、新NISAの対象商品(つみたて投資枠+成長投資枠)である
  • アクティブファンドのうち、新NISA対象(成長投資枠)は5本、対象外は5本である
  • バランス型は18位の「のむラップ・ファンド(普通型)」のみがランクインしている

つみたて投資枠での運用におすすめの3商品

上記のランキングに掲載された商品は、いずれもリスクとリターンのバランスが取れており、資産形成に適した選択肢である。

選ぶ際には、自身の投資方針に合わせて、重視するベンチマーク(例:S&P500、全世界株式など)や、目指すリターンを基準に商品を選定すれば良いだろう。

ここでは、実質信託報酬の低さ、運用実績(5年リターンとシャープレシオ)、および分散投資の度合いを基準に、3つに絞っておすすめ商品を紹介する。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    • 世界中の株式市場に幅広く投資するファンドで、約40カ国以上の株式に分散投資できる。世界経済全体の成長を効率的に取り込めることから、つみたて投資を始める人の「最初の一本」としておすすめできる。
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    • 世界をリードする米国の優良企業500社に投資できるファンドだ。過去5年のリターンは187.36%と高水準で、シャープレシオも1.31と安定した運用実績を誇る。為替変動リスクはあるものの、米国経済の持続的な成長の恩恵を受けられることから、やや積極的な運用を目指す投資家におすすめできる。
  • たわらノーロード 先進国株式
    • 日本を除く先進国の株式に投資するファンドで、米国や欧州など世界の主要市場をカバーする。5年リターンは159.45%と堅調で、シャープレシオも1.20と安定性も兼ね備える。先進国市場への投資を通じて、長期的な資産形成を目指す投資家に適している。

成長投資枠におすすめの投資信託

成長投資枠では、つみたて投資枠よりも幅広い商品から選択できる。ここでは、投資信託の種類別におすすめの商品を紹介しよう。

インデックス型でのおすすめ

成長投資枠でもインデックスファンドは魅力的な選択肢となる。以下の商品は、低コストで効率的な運用が可能だ。

  • S&P500連動型ファンド(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、楽天・プラス・S&P500インデックス・F、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド)
    • 米国を代表する500社に幅広く投資できる定番ファンド。口座を持つ証券会社での取り扱いやコストの安さを基準に選択すると良い。
  • iFreeNEXT FANG+インデックス
    • GAFAM(Google、Apple、Meta、Amazon、Microsoft)などテック企業10社に集中投資する攻めの商品だ。5年リターンは510%超と圧倒的な成長性を誇る。ただし、特定セクターへの集中投資となるため、値動きの大きさには注意が必要だ。

アクティブ型でのおすすめ

成長投資枠では、以下のように積極的な運用を行う商品も選択できる。

革新的な成長企業に投資するファンド

  • ニュートン・パワー・イノベーションF(為替ヘッジなし)
    • AI、自動運転、ロボット工学など、次世代技術を持つ企業に投資するファンド。新しい技術革新の波に乗った成長を狙える。信託報酬は年1.793%とやや高めだが、革新的な企業への投資機会を得られる。
  • A・バーンスタイン・米国成長株投信D
    • 米国の成長企業に厳選投資する実績あるアクティブファンド。運用チームの綿密な企業分析により、高い成長が期待できる銘柄を選定。5年リターンは187%と、S&P500並みの好成績を残している。

安定性と成長性のバランスを重視するファンド

  • ブラックロック世界優良企業厳選ファンドB
    • 世界の優良企業(高い競争力・ブランド力を持つ企業)に投資するファンド。質の高い企業を厳選することで、安定した成長を目指す。グローバルな分散投資により、リスクの軽減も図っている。
  • 楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)
    • 米国の高配当株式に分散投資し、値上がり益と配当収入の両方を狙うファンド。信託報酬が年0.192%と低コストなのも特徴だ。インカムゲインも重視したい投資家におすすめできる。

成長投資枠で商品選択をする際の注意点

成長投資枠で商品を選ぶ際は、以下の4点についてチェックして欲しい。

  • コストに見合うリターンが期待できるか
  • ポートフォリオ全体でのリスクが過剰にならないか
  • 運用会社の実績、情報発信は十分か
  • 自身の投資方針と整合しているか

成長投資枠は、より積極的な運用が可能な一方で、リスクも大きくなる可能性がある。自身の投資方針やリスク許容度を踏まえた、慎重な商品選択を心がけたい。

新NISAの注意点とおすすめしない使い方

新NISAのデメリットで説明したとおり、利用にはいくつか注意点がある。ここでは、利用がおすすめできないケースについて整理していく。

短期売買を目的に利用する

新NISAは長期投資を前提とした制度であり、頻繁な売買には向いていない。

保有資産を売却した場合の枠の再利用は翌年以降であり、好きなタイミングで売買できるわけではない。短期売買には通常の課税口座を利用する方が適している。

損失リスクの高い投資戦略を取る

ハイリスク・ハイリターンの投資戦略を行う場合も、新NISA口座は適していない。

NISA口座内の損失は他の口座と通算できないため、損失が確定したときでも、非課税メリットを活かせない。

レバレッジ投資など、ハイリスクな取引は課税口座での運用が望ましい。

海外赴任の予定があるときの利用

海外赴任や海外移住を予定している場合は注意が必要だ。非居住者となった場合、新規の投資ができなくなる。既存の保有商品は継続保有のみ可能となるからだ。

国外に居住する予定で、投資を柔軟に行う戦略を取りたい場合は、NISA口座ではなく課税口座の方が適しているかもしれない。

新NISAのことで悩んだらプロに相談がおすすめ!

ここまでの説明で、新NISA活用には商品選定だけでなく、長期的な資産形成計画の策定や運用方針の決定など、総合的な判断が必要だということがわかっただろう。

難しく感じた方は、ぜひIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)への相談を検討してほしい。

プロに相談すると得られる5つのメリット

まず、なぜ新NISAの活用において、プロへの相談がおすすめなのかを考えていこう。その理由は以下の5つだ。

  • 最適な商品選択が可能
    • 成長投資枠とつみたて投資枠、それぞれに適した商品の組み合わせを、非課税メリットを最大限活かせる形で提案してもらえる。
  • リスク許容度に合った運用戦略ができる
    • プロの視点から投資家のリスク許容度を分析し、制度を活用した長期的な運用プランも作成してもらえる。
  • 運用目標に沿った制度活用ができる
    • ライフプランに合わせた運用目標の設定から、非課税投資枠の効率的な使い方まで、具体的なアドバイスが得られる。
  • 情報収集が効率化できる
    • 市場動向や投資環境の分析を専門家に任せることで、投資判断に必要な情報を効率的に得られる。
  • 継続的なサポートが受けられる
    • 定期的なポートフォリオの見直しやリバランス(保有商品の配分調整)など、長期的なサポートが受けられる。

これらのメリットは、すべての専門家から得られるものではない。だからこそ、IFAへの相談がおすすめなのだ。

IFAが提供する資産運用支援とは

IFAは、特定の金融機関に属さない独立した立場で顧客にアドバイスを行う専門家である。この点において、金融機関に所属する営業担当者と大きく異なるのだ。

証券会社の担当者の場合、所属グループの商品を優先的に勧める傾向がある。

しかし、IFAは特定の商品やサービスに偏らず、顧客の利益を最優先に考えたアドバイスを提供する。複数の金融機関の商品から最適なものを選べるため、選択肢が豊富である。

また、IFAは証券外務員資格を持ち、金融庁の登録を受けた金融商品仲介業者だ。金融商品に関する豊富な知識を活かした運用のアドバイスができるし、売買の仲介も行える。

この点が、具体的な商品提案や仲介が許されていないFP(ファイナンシャルプランナー)とは違う。

本当の意味で、新NISAを資産形成に役立てたいなら、IFAとの協働こそが最善の選択なのだ。

新NISA活用は長期資産形成に不可欠!IFAへの相談で安心投資を始めよう

2024年にスタートした新NISAは、恒久化と非課税投資枠の拡大により、長期の資産形成を力強くサポートする制度となった。

しかし、この制度を効果的に活用するためには、適切な運用戦略が欠かせない。

長期の資産形成では、市場の変動に対応する知識と計画が重要だ。

成長投資枠とつみたて投資枠の活用方法、リスク許容度に合った商品選択、ポートフォリオの定期的な見直しなど、検討すべきポイントは多い。

だからこそ、IFAという専門家の存在が重要となる。中立的な立場からアドバイスを提供し、長期にわたって伴走してくれるIFAは、資産形成の強力なパートナーとなるはずだ。

新NISAに関するよくある質問

成長投資枠とつみたて投資枠は、どちらを優先して使うべきですか?

どちらを優先すべきかは、投資家の状況や目的による。

つみたて投資枠は、対象商品が限定されており、積立方式で少額から始めやすく、安定した長期的な資産形成に適している。

一方、成長投資枠は、株式や幅広い投資信託など多様な商品に投資でき、積極的な運用が可能である。

投資初心者は、まずつみたて投資枠を活用し、投資に慣れてきたら成長投資枠を併用する方法がおすすめだ。

こうした段階的な進め方により、リスクを抑えながら資産形成を進められる。

投資信託の積立は、つみたて投資枠でしか行えませんか? 

つみたて投資枠以外でも積立投資は可能である。新NISAの成長投資枠や課税口座でも、定時・定額での積立投資を利用できる。

「積立投資」とは、一定額を定期的に投資する方法のことであり、新NISAの制度に限るものではない。

一方、「つみたて投資枠」は、積立投資を特定の商品に限定し、非課税で運用できる枠組みである。

多くの証券会社で積立投資は、課税口座を含めて利用可能なサービスとして提供されている。

非課税投資枠(1,800万円)は、すぐ使い切る必要がありますか? 

そのような必要はない。新NISA制度は恒久化されており、非課税投資枠の利用に期限はない。自分のペースで、長期的かつ無理のない活用を目指せばよい。

むしろ、枠を早く使い切ろうとしてリスクの高い投資を急ぐことは避けるべきである。

少額から始め、資産状況や目標に応じて計画的に枠を使いながら、安定した資産形成を目指すことが重要である。

新NISAで損失が出た場合、一般口座や特定口座の利益と相殺できますか? 

新NISA口座で発生した損失は、一般口座や特定口座で得た利益と損益通算することはできない。これは、新NISA口座が非課税制度であるためである。

非課税で利益を得られる一方で、損失が発生しても税制上の控除を受けることができない仕組みとなっている。

損益通算ができない点を考慮し、新NISAでは投資商品選びや運用戦略をより慎重に行うことが求められる。

リスク分散を意識し、資産全体を考慮して運用計画を立てることが重要になる。

新NISAの相談でIFAに支払う手数料はいくらですか?

一般的にIFAでは、初回相談は無料であることが多い。その後の手数料については、IFAによって異なるが、以下の仕組みが採用されている。

  • コンサルティング型(取引手数料型)
    • 取引時に発生する手数料の一部がIFAの報酬となる仕組み
  • フィー型(資産残高型)
    • 資産残高に応じて年率で一定の割合を支払う仕組み

いずれの場合も、手数料は一般的な金融機関での取引手数料と同水準であることが多い。契約前に料金体系をしっかり確認することが重要である。

この記事を書いた人

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