- FXにどんなリスクがあるのか理解したい
- FXのリスクを適切に管理したい
- FXを始めるべきか迷っている
FXは、少ない資金で大きな取引ができる「レバレッジ」が魅力の資産運用方法だ。
しかし、FXにはどのようなリスクがあるのかわからず、危険性を感じて始められない方も多いのではないだろうか。
本記事では、FXのリスクや初心者向けのリスク対策法を解説する。
この記事を読めば、FX取引でリスクが生じるポイントを押さえて適切なリスク管理ができるため、FXを始めるべきか迷っている方はぜひ参考にしてほしい。
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FX取引に潜む6つのリスク

「リスク」と聞くと、「危険」と感じてしまう方も多いのではないだろうか。
しかし、投資の世界での「リスク」とは「不確実性」を意味しており、取引中に損益が生じる可能性があることをいう。
そのため、リスクについて正確に把握して備えておけば、損失を最小限に抑えることが可能だ。
本章では、FX取引に潜む次の6つのリスクについて解説する。
- 為替変動
- レバレッジ
- 金利変動
- 信用
- 流動性
- システム
これらの6つのリスクを知ることで、FX取引において注意するべきポイントがわかるため、ぜひ参考にしてほしい。
以下で6つのリスクについて、順番に見ていこう。
為替変動
為替変動リスクとは、為替が予想と反対の方向へ変動したときに損失が生じる可能性のことだ。
為替相場は常に安定しているわけではなく、24時間変動し続けている。
特に、各国の景気動向や金利政策・国際情勢・要人発言などは直接市場へ影響を与え、為替が大きく変動する要因だ。
買いポジション・売りポジションを保有している際に、為替相場が急変すると証拠金を上回る損失が生まれる可能性がある。
FXで取引を行うためにFX口座に預け入れる資金をいう。
そのため、FX取引を行う上で為替相場の分析・各国の経済状況・金融政策・政治などは常に意識しておくことが重要だ。
レバレッジ
レバレッジとは、FX会社に預け入れた証拠金を担保として、預け入れた資金以上の金額で取引できる仕組みのことだ。
「レバレッジ=(現在の為替レート×取引数量)÷証拠金」でレバレッジの計算が可能だ。
レバレッジリスクとは、レバレッジの分だけ損失が大きくなる可能性を表す。
レバレッジは小さな資金に対して大きな利益を得られる一方で、大きな損失が生じる危険性がある。
もし、取引による含み損が証拠金の一定水準を下回った場合、FX会社が取引を強制的に決済するロスカットが執行されるため、注意してほしい。
取引により含み損が発生した際に、投資者の損失拡大を防ぐために行われる強制決済の仕組みをいう。
必要証拠金に対してギリギリの証拠金で取引を行うと、少しの相場変動で証拠金が不足してロスカットを受ける、または追加証拠金の支払いが必要になる。
また、急激な相場変動が起きた場合はロスカットが間に合わず、預け入れた証拠金以上の損失となる可能性があることも理解しておこう。
金利変動
金利変動リスクとは、政策金利が変動することで資産の価値も変動する可能性のことだ。
金利は各国の景気や政策によって異なり、経済状況に応じて中央銀行が政策金の利上げ・利下げにて調整する。
FXでは通貨ペアの金利差に損益が発生し、スワップポイントとして受け取り・支払いが発生する仕組みだ。
ポジションを保有したときにスワップポイントがプラスだとしても、政策金利により金利変動が起こると金利差が縮小してマイナスへ転じることもある。
スワップポイントによりポジションを保有しているだけで収益を得られる一方で、金利変動で損失を被る可能性があるため各国の金融政策は常に監視しておこう。
信用
信用リスクとは、預け入れた資金や利益が回収できない可能性のことだ。
FX取引は投資者とFX会社が直接行う「相対取引」である。
そのため、FX会社は投資者が破綻した場合に損失を被るリスクヘッジのため、投資者から受けた注文と同じ内容の注文量を証券会社や銀行へ注文する「カバー取引」を行う。
しかし、万が一FX会社や取引先が破綻した場合は、投資者の意思とは関係なく強制決済されて損失が発生する恐れがある。
なお、金融商品取引法にもとづき、FX会社は投資者の証拠金などの資産を信託銀行への信託が義務付けられているため、投資者への証拠金は返還される仕組みだ。
FX取引を行う上で、FX会社の信託保全の導入状況やカバー先の信用度は信用リスクに大きく影響するため、十分に調べた上でFX会社を選定してほしい。
流動性
流動性とは市場での取引量を表し、流動性リスクとは市場での売買が困難、または不可能となる可能性のことだ。
流動性リスクが発生する状況は、次の3つがある。
- 主要国の祝日
- 市場のオープン時やクローズ間際
- 天災地変・政変の発生
流動性が低くなるためリスクが生じる可能性が高くなり、取引が行えなくなったり意図しない価格で取引が決定してしまったりする恐れがあるため、注意してほしい。
また、流動性の低い通貨ペアでの取引も売買に繋がりにくく、流動性リスクとなり得る可能性もあるため通貨ペアの選択にも留意しよう。
システム
システムリスクとは、取引においてシステム上の原因によりトラブルが発生する可能性のことだ。
システムリスクは投資者側とFX会社側による、次の2つの原因が挙げられる。
- 投資者側による原因
- 注文ミス・機器の故障・通信障害
- FX会社側による原因
- システム障害・個人情報漏洩
FXはオンライン取引であるため、注文の受け付けに人手を介さない自動システムにより処理される。
そのため、投資者が注文の入力を誤った場合は取消ができず、誤った内容で注文が確定してしまう。
また、機器の故障や通信障害、システム障害により一時的に取引ができなかったり、注文が遅延したりする可能性もある。
口座番号やパスワードなどの個人情報を、窃盗や盗聴により第三者へ漏洩し悪用される恐れもあり、個人情報の保護に徹底しているFX会社の選定が重要だ。
FX口座を開設すること自体に危険性はない
これまで6つのリスクについて解説してきたが、FX口座を開設すること自体に危険性はないといえる。
危険性がない理由として、口座開設に費用は発生しないからだ。
取引を行わなければ損益が生じることはないため、FXを始めるか迷う方はまず口座開設してみることをおすすめする。
また、本章の冒頭で伝えたように、「リスク」は「不確実性」であるため、対策を徹底することで損失を最小限に抑えることが可能だ。
本記事の後半では、FXの危険性を回避するリスク対策法を解説しているため、ぜひ参考にしてほしい。
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リスクが高いFX取引の特徴

上記の章でFX取引のリスクについてはわかったが、どのような取引がよりリスクを高めてしまうのかを知りたいという方もいるだろう。
ここでは、リスクが高いFX取引の以下の特徴について解説する。
- 取引ルールがなく損切りができない
- 分析や情報収集ができていない
- レバレッジをかけすぎている
- 流動性の低い通貨ペアばかりで取引している
これらの特徴を知っておくことで、意識的にリスクが高いFX取引を回避できるため、ぜひ参考にしてほしい。
以下でそれぞれの特徴について、順番に見ていこう。
取引ルールがなく損切りができない
リスクが高いFX取引の一つとして、自分の取引ルールがなく損切りできないことが挙げられる。
保有しているポジションに損失が発生していたとしても、損失の拡大を防ぐために決済を確定させる行為のことをいう。
取引ルールを決めておらず、損切りができない方は損失が拡大する可能性が高い。
損切りができない理由は、含み損が発生していても決済注文をしなければ損失が確定しないと考えているためと想像できる。
ポジションの保有を維持して損失を小さくして利益に転じるのを待つ方法もあるが、いかに損切りを冷静に判断できるかがFXでリスクを回避する鍵となる。
感情に流された取引を行わないためにも、「損失がいくらになったら決済注文をする」といった自分なりの取引ルールを決めておこう。
FX取引で長期的に利益を上げるためには、利益を得るのと同様に損失を小さく抑えることが大切だ。
分析や情報収集ができていない
FX取引では、分析や情報収集ができていないとリスクが高くなる恐れがある。
なぜなら、勘や運に任せた取引には根拠がなく、レートの動きを適切に予測できず損失の拡大に繋がる可能性があるからだ。
レートの動きを適切に予測するためには、各国の金融政策や経済状況、情勢の動向などを日々チェックする必要がある。
FX取引の分析に役立つ情報は、次の3つの方法で収集が可能だ。
- 国内外のニュースサイト
- FX会社のコラム
- 著名FXトレーダーの発信
特に、取引している通貨ペアの発行国の金融政策は為替相場に大きく影響するため、確実に理解しておこう。
レバレッジをかけすぎている
レバレッジをかけすぎた取引は、リスクが高く損失拡大に繋がる。
レバレッジが大きいと、為替変動が緩やかであっても損失が伸びる勢いが強くなり、ロスカットの水準へ急速に達してしまう恐れがあるからだ。
以下は、レバレッジ5倍・10倍・20倍の場合にロスカットを受けるレートを計算した表だ。
【条件:1ドル=100円、有効証拠金=200,000円、必要証拠金=100,000円、1ロット=1,000通貨、ロスカットレベル=100%】
レバレッジ | 取引数量(ロット数) | ロスカットを避けられる口座資金 | ロスカット発動レート |
---|---|---|---|
5倍 | 5,000通貨 | 100,000円 | 80円 |
10倍 | 10,000通貨 | 100,000円 | 10円 |
20倍 | 20,000通貨 | 100,000円 | 5円 |
ロスカットを避けられる口座資金は同様であっても、レバレッジが大きくなるほどロスカットまでの値幅は狭くなることがわかる。
仮に急激な相場変動で暴落・暴騰した場合、証拠金を上回る損失が発生する可能性があることを理解しておこう。
流動性の低い通貨ペアばかりで取引している
流動性の低い通貨ペアでの取引は、ハイリスクハイリターンになりやすい。
相場変動が大きいため短期間で高い利益を得られる一方で、同等の損失が膨らみやすいからだ。
流動性の低い通貨と高い通貨の違いは、以下のとおりだ。
流動性 | 高い | 低い |
---|---|---|
区分 | 先進国 | 新興国 |
通貨 | メジャー通貨 (米ドル/円ユーロ/米ドルユーロ/円) | マイナー通貨 (英ポンド/円トルコリラ/円南アフリカランド/円) |
価格変動 | 低い | 高い |
流動性の低い通貨ペアは市場で売買される取引量が少なく、1つの取引による影響が大きいため急激に価格が変動することがある。
そのため、流動性の低い通貨ペアでの取引は、FX初心者が相場の変動を予測するのは難しく、まずは流動性の高い通貨ペアから取引を始めることをおすすめする。
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FXの危険性を回避するために!初心者向けのリスク対策法

FXのリスクについて知った上で、それぞれのリスクに応じて対策すると初心者でも安心かつ安定的なFX取引が可能だ。
ここでは、FX初心者向けに以下のリスク対策法を解説する。
- 相場の情報収集をしっかり行う
- 低いレバレッジで取引する
- 各国の金融政策の確認をする
- 流動性の高い通貨ペアで取引する
- 信頼できるFX会社を選ぶ
- 通信環境を整える
これらのリスク対策法を知っておくだけで、起こり得るリスクに備えられて損失拡大を防ぐことが可能だ。
以下でそれぞれの対策法について、順番に見ていこう。
相場の情報収集をしっかり行う
FXの危険性を回避するためには、相場の情報収集はしっかりと行おう。
相場をさまざまな角度で分析することで、為替変動リスクを最小限に抑えられるからだ。
相場分析には次の2つの手法がある。
相場分析の手法 | 内容 |
---|---|
テクニカル分析 | 過去の値動きを示すチャートを用いて分析し、値動きの傾向やパターンを把握して相場予測を立てる手法をいう。 |
ファンダメンタルズ分析 | 各国の経済状況や金融政策、政治などFXへ影響のあるさまざまな要因から分析して相場予測を立てる手法をいう。 |
テクニカル分析は相場の「売りどき・買いどき」や「売られ過ぎ・買われ過ぎ」などのような指標が視覚的に把握しやすく、FX初心者にもおすすめの手法だ。
ただし、相場は予測できないことで大きく変動するため、必ずしもテクニカル分析だけで適切な予測ができるとは限らない。
より精度の高い相場予測をするためには、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析をバランス良く使うことを心がけよう。
低いレバレッジで取引する
レバレッジリスクを抑えるためにも、特に初心者は低いレバレッジで取引しよう。
レバレッジの倍率は、証拠金・取引数量・通貨ペアの価格によって決まり、注文の際に自分で調整可能だ。
しかし、初心者のうちは加減がわからず、意図せずにハイレバレッジになり、気づかない間に損失が拡大する危険性がある。
国内のFX会社では個人口座の場合、最大25倍までのレバレッジをかけて取引が可能だ。
FX取引に慣れるまでは、1〜5倍の低いレバレッジでの取引をおすすめする。
各国の金融政策の確認をする
金利変動を適切に予測してリスクを回避するためには、各国の金融政策は常に確認しておこう。
金融政策とは、物価や通貨の安定を調整するために各国の中央銀行が行う金融面の経済政策のことだ。
金融政策の中でも、政策金利は金利変動に直接影響を及ぼすため特に注目してほしい。
例えば、金利が上がると高金利通貨として買われやすくなり、金利が下がると低金利通貨として売られやすくなるため、為替レートを大きく動かす要因となる。
政策金利について知っておくと取引戦略を立てるのに役立ち、金利変動リスクの対策となるのだ。
取引している通貨ペアの発行国、さらに世界経済に大きな影響を与える米国の金融政策もあわせて確認しておくと良いだろう。
FX会社ごとに各国の金融政策スケジュールを掲載しているため、発表日を意識して確認してほしい。
信頼できるFX会社を選ぶ
信頼できるFX会社を選ぶことで、信用リスクの対策が可能だ。
日本に住む投資者を対象に取引をするFX会社は、金融商品取引法の登録が義務付けられ、ウェブサイトで事業と資産状況について以下のような情報を公表している。
未カバー率 | 投資者から引き受けた取引のうち、カバー取引をしなかった割合のことをいう。数値が高いほど、投資者との取引から生じる相場変動リスクが高い。 |
---|---|
カバー取引の状況 | カバー取引先の信用格付けに応じた、取引中のポジションの割合のことをいう。どの程度信用力のある金融機関と取引しているのかを表す。 |
平均証拠金率 | 証拠金預託額に対するポジション残高の割合のことをいう。数値が低いほど、投資者の損失額を回収できなくなるリスクが高い。 |
FX会社やカバー先の取引業者の情報をできる限り収集し、信用力を慎重に見極めて取引するFX会社を選定してほしい。
流動性の高い通貨ペアで取引する
FX初心者はまず、流動性の高い通貨ペアの取引から始めることをおすすめする。
なぜなら、流動性の高い通貨ペアは市場での取引が活発であるため、為替相場が流動性の低い通貨ペアと比べて安定しているからだ。
流動性の高い通貨ペアとして、以下のような通貨ペアが挙げられる。
- 米ドル/円
- ユーロ/円
- ユーロ/米ドル
ただし、流動性の高い通貨ペアの取引であっても、重要な経済指標の発表前やクリスマス・年末年始は流動性が低くなるため、注意してほしい。
相場が急激に変動するリスクがあり値動きの予測が難しいため、初心者は特に流動性が低くなる時期の取引を避けるのが無難だ。
通信環境を整える
通信環境を整えることで、システムリスクへの備えが可能だ。
特に、パソコンや回線の処理速度を高めると、注文から約定までがスムーズになりタイムラグを軽減できる。
処理速度が低い状態だと、約定までにレートが変わった際に意図しない価格で注文が成立する可能性があるため、ぜひ処理速度は高めることをおすすめする。
なお、FX会社によって推奨環境は異なるため、あらかじめ確認した上で通信環境を整えよう。
また、システム障害が起こったときのために、システム障害時のサポート内容が手厚いFX会社を選ぶことも大切だ。
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リスク対策を徹底する初心者のFX取引におすすめの会社とは

リスク対策を徹底することで損失を最小限に抑えられ、利益の最大化が可能といえる。
予測できない市場の急変が起こったとしても、リスク対策をしておけば即座に対応できて立て直すことができるからだ。
また、リスク管理は損失への不安を軽減し、精神的な安定を保った取引が可能となる。
感情に流されず冷静な判断のもとで取引できるため、利益の拡大に役立てられるだろう。
FX取引を始めるなら、リスク管理に徹して利用できるFX会社の利用をおすすめする。
リスク管理を徹底したい初心者におすすめのFX会社は、以下の4つだ。
- 外為どっとコム
- GMOクリック証券【FXネオ】
- 松井証券FX
- SBI FXトレード
どのような点でリスク管理に向いているのかを知って、FX会社を選ぶ際の参考にしてほしい。
以下でそれぞれのFX会社について、順番に見ていこう。
外為どっとコム
FXの始め方や相場の分析方法などに不安がある方は、外為どっとコムの利用がおすすめだ。
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本記事では、FXのリスクや初心者向けのリスク対策法について解説した。
FXには以下のようなリスクがある。
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- 信用
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