- 自己破産のメリット・デメリットは何か知りたい
- 自己破産した後、生活はどうなるのかが知りたい
- 自己破産した方が良いかどうかが知りたい
裁判所に申立てて自己破産をすると、原則として借金などの支払い義務が免除される。
経済的な悩みや不安を抱えている場合、自己破産によって借金から解放されるのはメリットといえる。
一方で、自己破産をすると資産のほとんどを失ったり、信用情報が傷ついたりするデメリットもある。
この記事では、自己破産の流れや申立てできる条件、必要な費用、自己破産のメリットやデメリットをわかりやすく解説する。また、自己破産による生活や仕事への影響も解説。
自己破産をしたほうがいいケースとしないほうがいいケースについても紹介するため、借金返済が厳しく、自己破産するべきかどうか悩んでいる人はぜひ参考にしてほしい。
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自己破産とは?

自己破産とは、裁判所に借金の返済義務を免除してもらう手続きだ。
借金の返済が困難になった場合に、裁判所に申し立てを行い債務者の財産を精算すれば、債務が免除される。
この制度を利用することで、債務者は経済的な悩みから解放され、人生の再出発が可能である。
自己破産の概要
自己破産は、「破産」手続きと「免責」手続きの2つの手続きを経て債務を免除する制度である。手続きは裁判所を通じて実施され、債権者との個別交渉は必要ない。
ただし、裁判所では破産手続に関する一般的な説明が受けられるだけである。
破産手続開始の申立てをするべきか否か、どのようにすれば破産手続開始の申立てや免責が認められるかといった相談はできない点には注意が必要だ。
自己破産の種類
自己破産の手続きには、「管財事件」「少額管財事件」「同時廃止事件」の3種類の手続きがある。
これらのうち、どの手続きが適用されるかは、債務者の状況等から裁判所が判断する。それぞれの手続きの特徴を解説する。
管財事件
まとまった財産がある場合は、管財事件として手続きが進められる。
債務者の財産の管理や調査、清算を行う「破産管財人」の選出が必要であり、同時廃止事件と比べて一般的に裁判所に支払う予納金が高くなる傾向にある。
少額管財事件
比較的規模が小さい管財事件の場合に、少額の費用で手続きを行えるよう簡略化した運用で進めるのが少額管財手続きだ。
自己破産が少額管財手続で実施されるのは、破産者が下記の条件を満たす場合である。
- 財産が20万円以上ある
- 免責不許可事由があるまたは存在する可能性がある
- 弁護士に代理人を依頼している
少額管財事件では破産管財人が行う業務の一部を弁護士が引き受ける。
弁護士に依頼するため弁護士費用が発生するものの、予納金から支払われる破産管財人の費用を結果的に抑えられる。
また、弁護士が代理人を務めることで、事件の内容によっては破産手続きの終了までの期間を短縮することも期待できる。
同時廃止事件
債務者の財産が一定以下、あるいはごく少額の場合に行われる手続き。同時廃止手続の場合、破産手続き開始がされると同時に廃止(終了)となる。
財産を清算する工程がないため、予納金(手数料)が安く短期間で終了するのが特徴。なお、個人債務者における自己破産手続の多くが同時廃止事件となっている。
自己破産を行う条件
自己破産の申立てを行うためには、下記の3つの条件を満たす必要がある。
- 債務の支払いが不能状態である
- 借金が非免責債権だけではない
- 免責不許可事由に該当しない
それぞれ詳しく確認していこう。

債務の支払いが不能状態である
自己破産するためには、支払不能または債務超過の状態である必要がある。
支払不能とは、継続的に債務の支払いができない状態を指し、一時的な資金不足は自己破産の対象外だ。
債務超過とは、債務の総額が資産の総額を上回っている状態を意味し、具体的な金額の基準は設けられていない。
借金が非免責債権だけではない
自己破産をしても、支払いが免除されない借金を非免責債権という。非免責債権には具体的には次のものが挙げられる。
- 税金
- 公共料金
- 社会保険料
- 養育費
- 罰金
- 慰謝料
- 損害賠償金
- (個人事業主の場合は)従業員に支払う給料
- 裁判所に申告しなかった借金
このように、破産手続きで借金の返済が免除されたとしても、すべての債務が免除されるわけではない点はあらかじめ理解しておこう。
破産法では、公益上の理由や債権者の利益保護を目的に、上記の債権は返済免除を認めていないのだ。
免責不許可事由に該当しない
破産手続開始決定は、債務者の支払不能状態を認めるのみであり、それだけでは法律上の支払義務の免除とはならず、免責許可を得る必要がある。
免責手続では、借金をした理由を問われるが、内容次第では免責許可が出ないケースもある。
例えば、失業などで収入が下がってしまい、生活費を補填するために借金が膨らんだ場合は免責されやすい。
一方で、借金の理由がギャンブルや浪費などの場合は免責されない可能性もある。
このように、免責されないことを「免責不許可事由」という。免責が認められない場合は、支払い義務も免除されない。
免責不許可事由に該当する例は以下のとおりだ。
- 破産手続や免責手続において虚偽の説明・陳述をした場合
- 浪費やギャンブルによって負債を増やした場合
- クレジットで購入した商品をすぐに換金して負債を増やした場合
- 財産を隠したり、価値を減少させるような行為をした場合
- 支払能力について、債権者を欺いた場合
- 過去7年以内に確定した免責許可決定を受けている場合
- 出典:裁判所Webサイト「自己破産の申し立てを考えている方へ 第3 免責手続について」
ただし、免責不許可事由に該当する場合でも、その程度が軽微であれば裁量によって免責許可が下りるケースもある。
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自己破産のメリット

自己破産は借金の返済が免除される一方で、さまざまな制約があるためなかなか踏み切れない人もいる。ここで、自己破産をするメリットを紹介していく。
借金の免除
自己破産により免責許可を得られれば、原則としてすべての借金が帳消しとなる。
これは借金額の大小に関わらず適用され、住宅ローンや消費者金融からの借入れ、クレジットカードの利用残債、保証債務など、ほとんどの債務が対象となる。
利息の減額や一部免除ではなく、すべての借金の返済義務がなくなることは自己破産をする大きなメリットのひとつといえる。
免除された債務は、将来的に収入が増えたとしても、再度支払いを求められることはない。
ただし、非免責債権の例で紹介したように税金や社会保険料、養育費といった一部の債権は免除されない点には注意が必要だ。
取立行為や強制執行の停止
自己破産の申立て行った時点で、債権者からのすべての取立行為が停止される。
電話や訪問による取立て、手紙や電子メールによる督促、給与の差押えなど、あらゆる形態の取立行為が禁止され、もし督促があった場合にも応じる必要がなくなる。
また、破産手続き開始決定により、裁判所の手続きを経て銀行口座や給与を強制的に差し押さえる「強制執行」も停止される。
財産の一部保持
自己破産は借金の返済義務を免除する代わりに、財産のほとんどを清算する必要がある。
ただし、破産法によって生活に必要な最低限の財産は手元に残すことができる。
具体的には、20万円以下の預貯金や生活に必要な家財道具や衣類、仕事に使用する道具、祭祀具などが該当し、現金については99万円までは自由財産として保持できる。
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自己破産のデメリット

人生を再スタートさせるために有効な自己破産。デメリットについても確認してみよう。
信用情報機関への事故情報の記録
自己破産の申立てをすると、その事実が事故情報として個人信用情報機関に記録される。
いわゆる「ブラックリスト」に記載されている状態となり、クレジットカードや住宅ローンの利用が困難になってしまうのがデメリットだ。
信用情報機関は「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」「JICC(株式会社日本信用情報機構)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つがあり、それぞれ事故情報のデータ保存期間が異なる。
自己破産に関する情報は、CICとJICCは5年、KSCは7年の保存が定められている。したがって、最長7年はクレジットカード作成やローン申請ができない覚悟が必要だ。
ただし、事故情報はデータの保存期間を過ぎれば抹消される。一生クレジットカードが作れない、ローン審査に通らないというわけではない。
財産の換価・処分
自己破産が決定すると、自由財産を除くすべての財産が、破産管財人によって換価・処分される。
20万円を超える預貯金や、不動産、自動車、貴金属、有価証券などの財産は、原則としてすべて債権者への配当の原資となる。
また、解約払戻金が20万円以上となる生命保険や学資保険も処分財産の対象となる。将来のために準備してきた財産の大半を失ってしまうことは、自己破産のデメリットといえる。
自動車や持ち家の喪失
先に説明したとおり、自己破産をすると保有している財産の多くを処分する必要があり、自動車や持ち家を失う可能性がある。
自動車の場合、ローンの残債によって扱いが異なる。
自動車ローンが残っている場合、ローン会社が完済まで自動車の所有権を保有するといった「所有権留保」の特約を付けている場合、自動車は時価評価額の査定後に引き取られる。
ローン残債については破産手続きのなかで処理される。自動車ローンが完済されている場合は、自動車の査定額によって扱いが異なる。
所有してから10年以上経過している場合は査定額がゼロとなり、財産とは認められずに所有が認められることもある。
一方で、比較的新しい車体の場合は査定額によっては換価のうえ債権者への配当原資に充てられる可能性がある。
価値が高い持ち家の場合も同様で、一般的には処分の対象となる。
なお、住宅ローンが残っている場合は抵当権が設定されているので、任意売却や競売が行われる。
競売が確定してから退去日までは半年から1年程度を要する。自己破産で持ち家を手放す場合は、この間に次の住まいを探すことになる。
職業や資格の制限
自己破産すると、法律で定められた一定の資格や地位が制限される。
制限される資格は具体的に弁護士、税理士、司法書士、行政書士、証券会社外務員、生命保険募集人、宅地建物取引士などがある。
ただし、制限されるのはあくまで「自己破産の手続き中」のみ。
裁判所からの申立後から免責決定までの一定期間だけであり、一般的には3カ月から半年程度である。
また、自己破産をしたからといって、それを理由に士業の資格が剥奪されることもない。
保証人への負担
自己破産の申立ての有無にかかわらず、借金の保証人以外は債務者の親族や知人が返済義務を負うことはない。
一方で、保証人がいる状態で自己破産の申立てを行うと、その保証人には返済義務が発生する点には注意が必要だ。
債務が免責となるのは自己破産をした当事者のみであり、保証人の債務は当然免責とならない。
主債務者(破産者)が自己破産をした時点で、保証人に請求がいくことになることはあらかじめ理解しておかなければならない。
なお、この場合は保証人には分割返済が認められておらず、一括返済を求められることが一般的だ。
もし保証人が借金返済できる状態ではない場合、保証人自身も自己破産もしくは個人再生といった連鎖破産を選択しなければならない可能性がある。
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自己破産するとどうなる?生活・家族への影響

自己破産は個人の手続きだが、同居している家族がいる場合は少なからず影響を与えるものである。
ここで、自己破産をした際の生活や家族への影響で考えられるものを紹介する。
日常生活の変化と制限
自己破産後は、信用情報機関に事故情報が登録されるため、新たな借入やクレジットカードの利用が困難になる。
日々の買い物や支払いは現金やデビットカードが中心となるため、家電機器や家具など、価格の高い商品の購入時も一括払いが一般的となる。
インターネットショッピングなどの利用時も、代金引換やコンビニ支払いを選択する必要があるため、不便に感じることもあるかもしれない。
また、賃貸物件の契約時にも影響が及ぶ。
自己破産したからといって審査に通らないとは言い切れないが、借主の家賃支払いを貸主に保障する賃貸保証会社が信用情報を参照した結果、審査に通らないといった可能性はある。
入居時や更新時の審査で信用情報を参照するいわゆる「信販系」と呼ばれる家賃保証会社を利用する際には注意が必要だ。
ほかにも、保証会社の利用が制限され、契約時に身元引受人が必要となる場合もある。
自己破産による家族への影響
自己破産をしても、家族名義の財産が清算対象となり処分されることはない、つまり、持ち家や自動車の名義人が同居家族の場合は、債務者の自己破産によって大きな影響がない可能性もある。
一方で、家族が破産者本人の保証人になっている場合は、その家族が破産者に変わって債務返済しなければならない。
特に、配偶者が連帯保証人となっている場合、債務の支払い義務が配偶者に移転する可能性がある点には注意が必要だ。
たとえ破産者本人と離婚をしたとしても保証人としての債務返済義務が無効化することはないため、自己破産の申立てには慎重な検討をしよう。
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自己破産するとどうなる?仕事への影響

働いて収入を得ている場合、自己破産による仕事への影響が気になる人もいるかもしれない。ここで、自己破産が仕事に与える影響を解説する。
自己破産は会社に知られない
まず、自己破産をしたことが会社に知られることは基本的にない。
自己破産したことを、裁判所や管財人から勤務先に通達することはないため、会社側が把握する機会がないためである。
ただし、会社の労働組合を通して労働金庫から借入を行っている場合など、会社が債権者である場合は自己破産の事実が会社に知られる点には注意が必要だ。
自己破産しても基本的に仕事に影響はない
自己破産した場合でも、原則としてそれを理由に解雇されたり、業務に使う道具を差し押さえられたりすることはない。
自己破産前と変わらず、同じ会社で働くことができるのだ。ただし、一部の資格や職業に関しては就業が制限されることもある。
例えば、金融機関や信用を扱う業種では、就業規則により退職が必要となる場合もある。
管理職や役員の場合は、その地位を失う可能性が高く、一般社員への職位変更などの対応が必要となることもあるだろう。
また、自己破産すると名前などが国の発行する官報に載るため、それを見た人にはバレるが、一般の人が頻繁に見るようなものではないため、見つかる可能性は低い。
職種や資格によって制限が異なる
公務員は破産しても通常、職を失うことはない。地方公務員法や国家公務員法による制限はなく、分限処分の対象にもならない。
市役所職員、教員、警察官などの一般的な公務員は、自己破産を理由に解雇されたり懲戒処分を受けたりすることはないのだ。
弁護士、税理士、公認会計士、司法書士などの専門資格を必要とする職種は、破産により一時的に業務に制限がかかる。
制限が解除されることを「復権」と呼び、復権すれば以前と同じように働けるようになる。
破産手続きから復権までに要する時間は一般的に半年程度で、早ければ3カ月程度のケースもある。
なお、資格を必要とする医師や看護師、薬剤師や保育士といった職業の場合は自己破産後に業務の制限はない。
給与の差し押さえは発生しない
自己破産のメリットで紹介したように、自己破産をしたことが原因で給与を差し押さえられることはない。
自己破産開始決定後に発生する給与債権は、換価処分の対象とならないためである。つまり、破産手続開始決定後に支払われる給与は新得財産として処分の対象から外れるのだ。
ただし、破産手続開始決定に受け取る収入の場合であっても、開始決定時点で受け取りが確定している給与や賞与に関しては例外的に財産処分の対象となる点には注意が必要だ。
例えば、毎月末締め、翌月25日払いの給与支払いの会社の場合、1月10日に開始決定されれば1月25日に支払われる給与はすでに支給が決定されている財産のため、換価処分の対象となる。
なお、給与は全額が差し押さえの対象となるわけではない。
4分の3は差押禁止債権となっており、給与の4分の1または給与から33万円を引いた金額のうち、大きい金額が差押可能財産だ。
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自己破産にかかる費用

自己破産は、裁判所が関与する専門性の高い手続きのため、自分だけで進めることは難しく、一般的には弁護士へ依頼することが望ましい。
とはいえ、実際にどのくらい費用がかかるかわからずに不安に感じる人も多いだろう。
ここで、自己破産に必要な費用の内訳や相場、手続きの流れと費用を支払うタイミングを解説する。
自己破産にかかる費用の内訳と相場
自己破産にかかる費用は、主に弁護士費用と裁判所費用(予納金)の2つである。
なお、予納金とは最低限の手続きに必要な費用としてあらかじめ裁判所に納める費用のことを指す。
弁護士に依頼する場合の費用総額の相場は30万円〜100万円程度であり、大まかな内訳については以下のとおりである。
弁護士費用 | 約30万円〜50万円 |
---|---|
裁判所費用(引継予納金) | 1万円~50万円 管財事件:50万円以上 少額管財事件:20万円程度 同時廃止事件:1万円~3万円 |
官報公告費 | 1万円〜2万円 |
収入印紙代 | 1,000円~1,500円 |
郵券(郵便切手)代 | 3,000円~5,000円 |
総額 | 約30万円〜100万円 |
管財事件にかかる費用
もっとも費用相場が高いのが管財事件だ。これは、破産者が一定の財産を保有しており、破産時に財産の換価が多くなるためである。
管財事件の場合は必ず破産管財人を選任する必要があり、少なくとも50万円の予納金が必要になる。
少額管財事件にかかる費用
管財事件のうち、金額や財産の種類が少ない少額管財事件の場合、裁判所へ支払う予納金は比較的安くなる。
少額管財事件として扱われるかどうかは裁判所の定める条件によって異なるが、一般的な相場は20万円程度だ。
同時廃止事件にかかる費用
破産申立てと同時に自己破産が認められる同時廃止事件の場合、さらに予納金は安くなる。
これは、換価する財産や預貯金が財産が一定以下、あるいはごく少額であり、財産の差押えや換価手続きをする必要がなく、破産管財人の選定が不要なためである。
同時廃止事件の場合、必要な予納金は1〜3万円程度とされる。
自己破産の流れと費用を払うタイミング
自己破産には先に説明したとおり、管財事件、少額管財事件、同時廃止事件の3種類があるが、手続きの流れは基本的に大きな違いはなく、大まかな流れは以下の通りである。
- 弁護士へ依頼
- 申立書類の作成
- 裁判所への申立て
- 財産の換価処分
- 破産審尋
- 破産手続の開始決定
- 免責審尋
- 自己破産
最初に発生するのは弁護士への依頼費用であり、着手金が発生するのが一般的である。
次に、申立書類の作成費用が発生する。実際の作成は弁護士が行うが、住民票や資産証明書など、債務者自身が用意する書類もある。
申立書類が用意できたら、裁判所への申立てを行い、ここで収入印紙代や郵券代、官報公告費などを支払うことになる。
破産審尋を終え、裁判所に支払い不能であると正式に認められたら破産手続開始が決定する。
以降は、借金の理由や財産状況に応じて管財事件、少額管財事件、同時廃止事件のいずれかの手続きが進められる。
ここで、手続きの種類によって引継予納金を支払う。
自己破産手続きで最終的に免責許可が下りて、正式に借金の返済義務が免除された場合は弁護士に成功報酬を支払うこともある。
なお、弁護士事務所によっては成功報酬を無料としており、その分着手金を割高に設定しているところもある。事前に報酬体系を確認しておくことをおすすめする。
自己破産にかかる費用の注意点
個人再生から自己破産に切り替えた場合など、特殊なケースでは別途費用が必要となることがある。
また、弁護士費用は地域によって差があり、都市部では比較的高額となる傾向がある。追加で費用が発生するかなど、費用詳細は事前に確認しておくことが望ましい。
なお、弁護士に依頼してから手続きが完了するまでに要する時間は、依頼内容にもよるが概ね6カ月から1年程度かかる点も留意しよう。
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自己破産の費用が払えないときの対処法

先述したとおり、自己破産にかかる費用は数十万円単位と高額である。
自己破産を考えている人のなかには、手続きに必要な費用が用意できないと悩んでいる人もいるかもしれない。その場合の対処法を紹介する。
弁護士費用を分割払いする
高額な弁護士費用は、分割払いにすれば手元にまとまったお金がなくても自己破産の手続きを進められる。
多くの弁護士事務所では、依頼者の経済状況に応じて、費用の分割払いに対応しているため、相談時に分割払い対応か確認しておこう。
弁護士に依頼をして自己破産の手続きを進めると、債権者は債務者への取り立てができなくなる。
そのため、これまで借金返済にあてていたお金の一部を弁護士費用の支払いに回せるようになるだろう。
司法書士に依頼する
自己破産の手続きは、弁護士以外に司法書士も依頼可能だ。分割払いでも弁護士費用の支払いが難しい場合は、比較的報酬が安価な司法書士に依頼するのもひとつの手段である。
一般的に、司法書士に依頼した場合の費用は約20万円〜30万円が相場である。もちろん事務所ごとに報酬体系は異なるが、事前に確認してみるといいだろう。
ただし、司法書士への依頼にはいくつか制限がある点には注意が必要だ。
例えば、司法書士が対応可能なのが文書作成業務のみであり、裁判所での審尋や債権者集会への代理出席は認められていない。
また、手続きが管財事件となった場合に少額管財事件に持ち込む権限もない。
弁護士に依頼していれば少額管財事件で費用が抑えられる可能性がある案件でも、管財事件として手続きを進めることになれば、結果的に支払総額は高額になってしまう。
法テラスを利用する
どうしても費用を捻出できない場合は、「法テラス」の利用も検討しよう。
法テラスでは、経済的な理由で弁護士に依頼できない人のために、さまざまな形で支援を行っている。
そのうちのひとつ「民事法律扶助制度」を利用すれば、無料で弁護士に相談できたり、弁護士費用の立て替え制度を利用できたりする。
ただし、法テラスの利用には審査が必要であり、初回相談まで2週間程度かかることもある。すぐに手続きを進めたい場合には要注意だ。
なお、民事法律扶助制度の利用条件は以下のとおりであり、生活保護受給者の場合は弁護士費用や予納金、成功報酬の支払いが免除になるケースもある。
- 収入が一定額以下である
- 保有資産が一定額以下である
- 勝訴の見込みがないとはいえない
- 民事法律扶助制度の趣旨に適する
自分で手続きを行う
とにかく自己破産の手続きにかかる費用を抑えたい場合は、自分で手続きをする必要がある。
しかし、これまで説明したとおり自己破産の手続きは複雑であり、法律の知識や経験が求められる。
裁判や書類作成に慣れていない人が自力で手続きを進めようと思っても、書類の不備などにより手続きが長引いてしまう可能性がある。
さらに、申立て内容によっては裁判所から免責許可が下りないおそれも。
正式に自己破産が認められなければ、債権者から訴訟を受けたり、給与や財産の強制差押えを受けたりする可能性がある。
もっとも費用がかからない手段ではあるが、本当に自分だけで手続きを進められるかは慎重に判断したほうがいいだろう。
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自己破産した方がいいかどうかの判断基準

ここまで、自己破産の流れや費用、メリットやデメリットを紹介してきた。
自己破産は借金が帳消しになるという大きなメリットがある反面、手続きの煩雑さや生活への影響といったデメリットも確実に存在する。
ここで、自己破産をすべきかどうか、自己破産したほうがいいケースとしないほうがいいケースを紹介する。
自己破産すべきかどうかの判断基準
自己破産すべきかどうかは、抱えている借金の総額や内訳、保有している財産等から判断するのがいいだろう。
自己破産した方が良いケース
一般的な目安として、借金総額が年収の3倍を超える場合、自己破産を検討する価値がある。
また、借金の種類も消費者金融やクレジットカードなどの無担保債務が中心の場合は、自己破産が有効な選択肢となりやすい。
自己破産の最大のデメリットともいえるのが持ち家の売却である。
言い換えれば、持ち家ではなく賃貸住まいの場合は自己破産によるデメリットが少なく、借金の返済が厳しい場合は自己破産したほうがいいケースもあるだろう。
ほかにも、定年退職までに借金完済の目処が立っていない場合も自己破産を検討しよう。
定年退職後の主な収入は公的年金となり、現役時代より収入が少なくなることが一般的だ。
そうなると現在よりも借金の返済は苦しくなり、完済できないおそれもある。早いうちに自己破産をしておけば、定年までの収入を貯蓄に回すことができるのだ。
自己破産しないほうが良いケース
借金の返済が難しい場合でも、自己破産をしなくていいケースや、自己破産のほうがデメリットが大きいケースもある。
例えば、「失いたくない財産」がある場合には自己破産の選択はしないほうがいいだろう。
自己破産の手続きでは、一定以上の資産価値のあるものはすべて破産管財人によって処分される。
先述したとおり、処分対象となる基準が時価20万円であるため、持ち家や自動車、高価な貴金属等は処分となる可能性が高い。
同居する家族がいる場合、持ち家を失うと家族にも大きな影響が及ぶため、慎重に判断したほうがいいといえる。
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借金総額が大きい場合や持ち家がない場合は自己破産の検討を

自己破産は、債務問題を抱える人のための法的救済制度である。
裁判所に申立てて借金が正式に免除されれば経済的な再出発が可能となる一方で、クレジットカードや住宅ローンの利用が数年間できないなど、さまざまな制限も伴う。
債務超過が明確で、返済の見通しが立たない場合は有効な選択肢となるが、持ち家や自動車といった高価な財産のほとんどを失うデメリットがある点には注意が必要だ。
ただし、自己破産を理由に解雇されたり給与を差し押さえられたりすることはない。
自己破産によるメリットとデメリット、自分の借金状況をあらためて見直して、慎重に判断するべきである。
また、自己破産の手続きは裁判所への書類提出が必要であり、専門的な知識と経験が求められる。
弁護士や司法書士といった専門家へ相談のうえ、自身の状況に合わせた方法を選択することが望ましい。
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自己破産に関するQ&A

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