奨学金の返済が苦しい、あるいはすでに滞納してしまっている。「これからどうなるのか」「裁判になるのか」と不安で押しつぶされそうになっていないだろうか。
日本学生支援機構(JASSO)のデータによると、大学(学部)での貸与総額は第一種で平均約210万円、第二種で平均約324万円にもなる。返還期間は約15年と長期戦だ。
2024年度には約94万人に貸与され、多くの人が利用している制度だが、一方で「返せない」という悩みを持つ人も決して少なくない。
かつて約21万人いた3か月以上の延滞者は、支援制度の拡充により約13万人まで減少している。これはつまり、「適切な対策をとれば、生活を立て直せる」という証明でもある。
ここでは、滞納を放置した場合の具体的なリスク(延滞金、ブラックリスト、差押え)と、今からでも間に合う救済制度について解説する。
放置すればリスクは雪だるま式に膨らむが、早めに手を打てば最悪の事態は回避できる。今の生活を守るために、必要な知識を確認してほしい。
- 奨学金を滞納するといつからブラックリストに載るか知りたい
- 返済が苦しいときに使える減額・猶予制度の条件が知りたい
- 裁判や差し押さえになる前にできる具体的な対策を知りたい
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奨学金を返せない人の実態と主な原因
「返せないのは自分が悪いからだ」と自分を責める必要はない。奨学金の返済滞納は、個人の怠慢というよりも、社会構造や経済状況が大きく関わっているからだ。
ここでは、どのような人が返済に困っているのか、その背景にある原因を整理する。
奨学金利用者と延滞者の割合の目安
JASSOの公表データによると、大学(学部)で奨学金(給付+貸与)を利用する学生は、約3人に1人(32.2%)といわれている(年度により変動)。
奨学金は特別な借金ではなく、進学のために広く利用される手段だ。
3か月以上の延滞者の数は、2000年代末には20万人を超えていたが、2024年度末時点ではおよそ13万人前後まで減少している。制度改善や柔軟な返還支援策が進んだ結果といえる。
全体の返還者数から見れば、3か月以上滞納している人の割合は数%程度だ。
決して多数派ではないが、「明日は我が身」となりうる規模感といえるだろう。
JASSOの調査によると、延滞している人には次のような傾向が見られる。
- 非正規雇用や無職など、雇用形態が不安定
- 年収が低い(200〜300万円未満など)
- 奨学金以外にも借入がある
低所得・非正規雇用など収入側の要因
返済が困難になる最大の要因は、就職環境と賃金のミスマッチだ。
非正規雇用(契約社員・派遣・アルバイト)の場合、正社員に比べて賃金が低く、ボーナスや昇給も見込みにくい。
例えば、大学時代に第二種奨学金を約324万円借り、17年かけて返す場合、毎月の返済額は1万円台後半〜2万円台になる。
手取り15〜20万円で一人暮らしをしていると、家賃や光熱費、食費だけで手一杯になり、そこから毎月2万円を捻出するのは至難の業だ。
また、20代前半はキャリアの変動も激しい。
- 就職した企業がブラック企業で早期退職した
- 体調を崩して無収入の期間ができた
こうした「数か月の無収入期間」に貯金が尽き、そのまま延滞が始まってしまうケースが多い。
生活費や他の借金による返済負担
近年の物価高も追い打ちをかけている。
家賃、光熱費、食料品の価格が上昇し、数年前と同じ給料でも実質的な生活費は高騰している。
手取り18万円だとしても、生活コストの上昇分だけで返済余力が削り取られているのが現状だ。
さらに深刻なのが、他の借金との多重債務だ。
延滞者の中には、生活費の不足を補うためにクレジットカードのリボ払いや消費者金融を利用しているケースが少なくない。
- クレジットカードのリボ払い:年利15%前後
- 奨学金(第二種):年利1%台前後
金利の高い借金の返済に追われ、優先順位の低い(金利の低い)奨学金が後回しになる。
「とりあえずカードでキャッシングして奨学金を払う」という自転車操業に陥ると、利息負担が激増し、破綻へのスピードが加速してしまう。
病気・失業・出産など一時的な事情
「働いて返すつもりだったが、働けなくなった」というケースも多い。
- 病気や怪我による休職・退職
- 会社都合の解雇や雇い止め
- 妊娠・出産・育児による収入減
JASSOではこうした事情を「返還困難な事由」として認めており、減額や猶予の対象としている。
しかし、精神的に追い詰められていると「手続きが面倒」「役所に相談するのが怖い」と感じ、そのまま放置してしまうことがある。
「今だけだから」と先延ばしにしているうちに、気づけば3か月以上の滞納になり、督促状が届いて初めて青ざめるパターンだ。
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奨学金を返せないときの相談先と窓口
返済が厳しいとき、一番のリスクは「誰にも言わずに一人で抱え込むこと」だ。
督促が来てから慌てるのではなく、自分から動くことで選べる選択肢は広がる。まずは適切な相談先を知っておこう。
日本学生支援機構への相談窓口
まずは貸主であるJASSOの公式窓口へ連絡するのが鉄則だ。
「怒られるのではないか」と不安になるかもしれないが、窓口は相談を受ける場所であり、事情を説明すれば制度を案内してくれる。早ければ早いほど、柔軟な対応が可能だ。
- 電話:0570-666-301(ナビダイヤル)
- 海外・一部IP電話など:03-6743-6100
- 受付時間:月〜金 9:00〜20:00(祝日・年末年始を除く)
電話をする際は、手元に「奨学生番号」がわかるものや、現在の返還状況がわかる振替案内などを用意しておくとスムーズだ。
ここでは、返還額の確認だけでなく、減額返還や返還期限猶予の申請相談もできる。
大学・勤務先・家族など身近な相談先
JASSO以外にも相談できる場所はある。
- 大学の窓口(在学中の場合)
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学生課や奨学金担当窓口で相談に乗ってくれる。大学独自の給付型奨学金や緊急支援制度がある場合もあるため、まずは所属大学に問い合わせるべきだ。
- 勤務先(社会人の場合)
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人事や総務に相談し、働き方や残業の調整が可能か確認するのも一つの手だ。また、企業が代わりに奨学金を返済してくれる「代理返還制度」を導入している場合もある。
- 家族・パートナー
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一人で悩んで闇金や怪しいバイトに手を出せば、家族全員を巻き込むトラブルになる。家計の見直しや、一時的な同居・援助など、家族だからこそできる協力がないか話し合うことも重要だ。
法テラスなど無料相談窓口の使い方
「もう自力ではどうにもならない」「他の借金もあってパンク寸前」という場合は、法律の専門家に頼るべきだ。
- 電話:0570-078374(おなやみなし)
- 受付:平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00
法テラスは、経済的に余裕がない人のために無料法律相談を行っている。
弁護士や司法書士が、奨学金を含めた借金全体(債務整理)の相談に乗ってくれる。
JASSOと交渉する前に、自分の状況を客観的に判断してもらうために利用するのも賢い方法だ。
相談時は、以下のメモを用意しておくとよい。
- 債務の一覧(どこから幾ら借りているか)
- 現在の収入
- 家族構成
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奨学金滞納初期に起こることと延滞金
「1回引き落としができなかったら終わり」ではない。しかし、放置すれば確実に事態は悪化する。
ここでは、滞納してから具体的に何が起きるのか、時系列で解説する。
引き落とし不能直後の督促連絡の流れ
奨学金の返還は、貸与終了の翌月から7か月目に始まり、毎月27日に口座振替が行われる。
延滞金は、原則として返還期日の翌日から日割りで発生するため注意が必要だ。
- 1. 振替不能1回目(1か月分未納)
-
- JASSOから「振替不能通知」が郵送で届く。
- ルール上、延滞扱いとなり延滞金が発生する可能性がある。
- 対策:JASSOからの案内に従い、速やかに指定口座へ入金するなどの対応をとれば、信用情報への大きな傷は防げる可能性が高い。
- 2. 振替不能2回目(2か月連続未納)
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- 本人や連帯保証人に電話での督促が始まる。
- 信用情報機関への登録に関する「注意」の文書が届く。
- 状況:家族(連帯保証人)に連絡が行く可能性が高まり、延滞期間が延びるほど延滞金も膨らむ危険水域だ。
- 3. 振替不能3回目(3か月連続未納)
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- 「信用情報機関への登録について(警告)」という通知が届く。
- 次も払えないと、債権回収会社への委託と信用情報(ブラックリスト)登録が行われることが通告される。
延滞金が発生する条件と計算イメージ
「延滞金」は、返済が遅れたことに対するペナルティだ。
原則として、約束の返還期日の翌日から発生し、入金が完了するまでの日数分だけ計算される。
日本学生支援機構の延滞金利率の目安
2020年4月以降に発生する延滞金の利率は、年3%に引き下げられている。
ただし、それ以前の滞納分や、古い第二種奨学金の場合は、年5%や10%といった高い利率が適用されることもある。
正確な利率は必ずJASSOのマイページや相談センターで確認が必要だ。
- 延滞期間ごとの負担増加イメージ
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例えば月額1万5,000円の返済を滞納した場合、本来の返済額に加え、年3%の延滞金が日割りで乗ってくる。
金額としては数百円〜数千円かもしれないが、怖いのは「元本が減らないのに支払い総額だけが増える」ことだ。
延滞金が膨らむと、後述する減額返還などの審査にも影響が出る可能性がある。
返済期日までにリカバーできるケースと注意点
「うっかり口座にお金を入れ忘れた」という場合でも、すぐに気づいて対応すれば、信用情報への深刻なダメージは避けられることが多い。
しかし、「ボーナスが出たらまとめて払えばいい」という考えは危険だ。
急な減給や賞与カットがあれば、その時点で詰んでしまう。
また、恒常的に毎月赤字なら、一度追いついてもすぐにまた滞納する。
「今月だけたまたま」なのか、「構造的に無理」なのかを見極め、後者ならすぐにJASSOへ相談すべきだ。
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信用情報への登録と日常生活への影響
いわゆる「ブラックリスト」とは、信用情報機関に事故情報(異動情報)が登録されることを指す。
具体的にいつ登録され、生活にどんな影響が出るのかを見ていこう。
延滞3カ月前後で信用情報に登録される仕組み
JASSOのルールでは、3か月以上の延滞(振替不能が続いた場合)に至ると、個人信用情報機関に延滞情報が登録される。
JASSOが加盟しているのは主に「全国銀行個人信用情報センター」だが、情報はCRINなどのネットワークを通じて、CICやJICCといった他の信用情報機関とも共有される場合がある。
一度登録されると、延滞を解消しても、完済から5年程度は記録が残るのが一般的だ。
「ちょっと遅れただけ」では済まされない、長期的な足かせとなる。
ローンやクレジットカードへの影響
信用情報に傷がつくと、金融取引全般に制限がかかる。
- クレジットカード
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新規作成ができなくなる可能性が高い。現在持っているカードも、更新のタイミングや途上与信(利用中の審査)で利用停止や限度額減額になるリスクがある。
- 各種ローン
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自動車ローンや教育ローンが組みにくくなる。特に影響が大きいのが住宅ローンだ。数千万単位の融資審査において、延滞歴は致命的なマイナス評価となる。
- スマホの分割払い
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スマホ本体の分割購入も「ローン」の一種だ。審査に通らず、10万円を超える端末代を一括払いで求められることになる。
賃貸契約や保証人など生活面への影響
住まい探しにも影響が出る可能性がある。
最近の賃貸物件は「家賃保証会社」への加入が必須のケースが多い。
信販系の保証会社は信用情報を参照するため、ブラック状態だと審査に落ちることがある。
「ブラックでも借りられる物件」はあるが、選択肢は大幅に狭まり、条件の悪い部屋しか選べなくなる恐れがある。
また、人的保証(親などが連帯保証人)の場合、延滞が続けば保証人に請求が行く。
自分の信用だけでなく、家族の生活や資産まで脅かすことになるのが、奨学金滞納の最も重い側面だ。
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長期滞納による裁判・差し押さえリスク
「お金がないから払えない」と開き直って放置し続けると、法的措置が取られる。
JASSOは公的な資金を原資としているため、回収手続は厳格だ。
保証人・連帯保証人への請求と一括返還
人的保証の場合、滞納が続くと連帯保証人(親など)と保証人(おじ・おば等)に請求がいく。
さらに長期化すると、「期限の利益」を喪失し、残っている奨学金の全額を一括で返せという通知が届く。
数百万円を一括で払える家庭は少ないため、一家共倒れのリスクが生じる。
機関保証(保証料を払っている場合)では、保証機関がJASSOへ代位弁済(肩代わり払い)を行う。
借金が消えるわけではなく、今度は保証機関から一括返還を求められることになる。
裁判所からの支払督促と訴訟の流れ
JASSOの手続きでは、以下のステップで法的措置が進む。
「期限までに払わないと裁判所に申し立てる」という最後通告。
裁判所から「支払督促」という特別郵便(支払い命令)が届く。
異議を申し立てないと、強制執行(差押え)が可能になる宣言が出される。
給料や預金が差し押さえられる。
これは脅しではなく、淡々と進められる事務的な手続きだ。
大阪府育英会など自治体の奨学金でも、実際に給与差押えが行われている事例は公表されている。
給与・預金・財産の差し押さえと生活への影響
強制執行になると、生活の糧が奪われる。
- 給与差押え
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手取り給与の4分の1(場合によってはそれ以上)が毎月天引きされる。会社にも裁判所からの通知が届くため、借金トラブルが職場に知れ渡ることになる。
- 預金差押え
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銀行口座のお金が強制的に回収され、口座が凍結されることもある。家賃や光熱費の引き落としができず、生活インフラが止まる。
裁判所から封筒が届いたら、絶対に放置してはいけない。
その時点でJASSOや弁護士に連絡し、分割交渉や債務整理を申し出れば、最悪の事態は回避できる可能性がある。
奨学金を放置しても踏み倒せない理由
「時効まで逃げ切ればいい」と考えるのは現実的ではない。
借金には時効があるが、JASSOが裁判上の手続き(支払督促など)を行えば、時効期間はリセット(更新)される。
JASSOは組織的に時効管理を行っているため、放置して逃げ切ることはほぼ不可能だ。
長引くほど延滞金と裁判費用が上乗せされ、精神的な重圧が続くだけである。
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奨学金返済の減額返還・猶予・免除の制度
ここまで怖い話をしたが、実はJASSOには強力なセーフティネットが用意されている。
「返せない」と思ったら、滞納する前にこれらの制度を申請するのが正解だ。
減額返還制度の条件と申請の流れ
「毎月の額さえ減れば払える」という人向けの制度だ。
月々の返還額を2分の1、または3分の1に減額し、その分返還期間を延長する。
- 条件(目安)
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減額返還の利用可否は、収入・扶養状況等で判定され、基準は定期的に見直される。最新の年収基準(2024年4月以降の基準)については、必ずJASSO公式ページを確認してほしい。
- 申請方法
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「スカラネット・パーソナル」から申請書を作成し、マイナンバーや所得証明書を提出する。
- メリット・注意点
-
月々の負担は軽くなるが、返済期間が延びるため、有利子の第二種奨学金だと総支払額は増える点には注意が必要だ。
返還期限猶予制度で返済を一時停止する場合
「今は全く払えない」という場合は、返済を一定期間待ってもらう「返還期限猶予」を使う。
失業、病気、産休・育休、災害などが理由として認められる。
- 期間
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通算10年(120か月)が上限。ただし災害や病気など一部の事情では上限を超えて延長できる場合がある。
- ポイント
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すでに延滞が始まっていても、「延滞据置猶予」などの特例が使える場合がある。「滞納したから門前払い」ではないので、諦めずに申請しよう。
返還免除制度が使える代表的なケース
「借金がチャラになる」免除制度は非常に限定的だ。
経済的に苦しいという理由だけでは免除にはならない。
- 死亡・精神や身体の障害
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本人が死亡、または働けないほどの重度障害を負った場合、返還未済額の全部または一部が免除される。
- 大学院第一種の業績優秀者免除
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大学院で特に優れた業績を挙げた場合や、特定の条件を満たして教員になった場合などに適用される。
生活保護や低所得者向けの特例と注意点
生活保護を受給している間は、申請により返還期限の猶予が受けられる。
生活保護費から借金を返すことは原則認められていないため、猶予申請を行うのが正しい手続きだ。
「生活保護になれば借金が消える」わけではなく、あくまで「猶予」である点には注意したい。
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救済制度で足りないときの債務整理の検討
JASSOの救済制度を使っても解決できない、あるいは他の借金が多すぎてどうにもならない場合は、「債務整理」を検討する段階だ。
これは国が認めた「借金減額・免除」の手続きであり、人生を再出発させるための権利だ。
任意整理で奨学金以外の借金を減らす場合
弁護士が債権者と交渉し、利息カットや分割払いを目指す手続きだ。
通常、金利の低い奨学金は対象から外し、金利の高いカードローンや消費者金融だけを整理することが多い。
奨学金を外せば保証人に迷惑をかけずに済むのが最大のメリットだ。
個人再生で借金を圧縮する条件と注意点
裁判所を通じて借金を大幅に(例えば5分の1などに)圧縮する手続き。
「住宅ローン特則」を使えば、持ち家を残したまま他の借金を整理できる。
ただし、奨学金も対象に含める必要があるため、人的保証の場合は保証人に残額が一括請求されるリスクがある。
自分だけの問題ではなくなるため、慎重な判断が必要だ。
自己破産で奨学金を含む借金を整理する場合
すべての借金の支払い義務を免除してもらう最終手段だ。
経済的な再生は早いが、デメリットも大きい。
- 保証人への影響
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本人が破産しても保証人の義務は消えない。むしろ保証人が全額を被ることになる。
- 制限
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一定期間、警備員や保険募集人などの職業に就けなくなるほか、官報に名前が載る。
債務整理を選ぶときの判断軸とデメリット
どの手続きを選ぶかは、以下の要素で決まる。
- 安定した収入があるか
- 守りたい資産(家など)があるか
- 保証人に迷惑をかけても大丈夫か(あるいは機関保証か)
いずれの方法も信用情報(ブラックリスト)には載るため、数年間は新たな借入ができなくなる。
しかし、今のまま破綻するのを待つよりは、傷を負ってでも生活を立て直す方が賢明な場合も多い。
法テラスや弁護士に相談し、自分に合った方法を選ぶべきだ。
闇金・違法バイトなど絶対に避ける行動
どんなに追い詰められても、以下の二つには絶対に手を出してはいけない。
- 1.闇金
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「審査なし」「ブラックOK」などの甘い言葉で近づくが、法外な金利と暴力的な取立てで人生が破滅する。
- 2.闇バイト(裏バイト)
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「高額報酬」「荷物を受け取るだけ」などの仕事は、詐欺の受け子や出し子である可能性が高い。奨学金を返すために犯罪者になり、前科がつく。
困ったら、怪しい業者ではなく、公的機関(JASSO、法テラス、自治体)へ相談しよう。
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将来の負担を減らすための予防と準備
すでに借りている人、これから借りる人も、少しの工夫で将来のリスクを減らせる。
家計簿と固定費見直しによる節約の基本
まずは「いくらなら返せるか」を知るために家計簿をつける。
そして固定費を見直そう。
- スマホを格安SIMにする
- 使っていないサブスクを解約する
これだけで月数千円〜1万円浮けば、それがそのまま返済原資になる。
収入アップや副業で返済原資を増やす
本業での昇給やキャリアアップを目指しつつ、可能なら副業も検討する。
Webライティングや軽作業など、隙間時間で月1〜2万円稼ぐだけでも、返済の負担感は劇的に変わる。
ただし、会社の就業規則は必ず確認すること。
余裕ができたときの一括返済と繰上返済
ボーナスなどで余裕ができたら、「繰上返還」を行うとよい。
期間短縮した分の利息を払わなくて済むため、総返済額を減らせる。
機関保証の場合は、保証料の一部が戻ってくることもある。
ただし、生活防衛資金(数か月分の生活費)まで使い果たさないよう、バランスを見極めることが大切だ。
給付型奨学金と企業の返還支援制度の活用
これから借りるなら、返す必要のない「給付型奨学金」の対象にならないか確認しよう。
給付型奨学金の主な応募条件例
JASSOの「修学支援新制度」では、世帯収入(住民税非課税世帯など)や資産要件に応じて、授業料減免と給付型奨学金がセットで受けられる。
毎年基準が見直されるため、自分は対象外だと思い込まずに最新情報をチェックすべきだ。
企業の奨学金返還支援制度の探し方
最近では、企業が社員の代わりに奨学金を返してくれる「代理返還制度」が増えている。
2024年時点で3,000社以上が導入している。
就職活動の際、福利厚生欄に「奨学金返還支援」がある企業を狙うのも、賢い戦略の一つだ。
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奨学金滞納に関するよくある質問と誤解
最後に、よくある疑問についてQ&A形式で解説する。
延滞金はどこまで増えるのかと時効の関係
2020年4月以降の延滞金利率は年3%だ。
放置すれば、元本はそのままで延滞金だけが積み上がり、裁判費用も上乗せされる。
「時効で踏み倒す」のは、JASSOが定期的に法的措置(時効の中断・更新)をとるため、現実的には不可能に近い。
親や保証人に知られずに解決できるケース
機関保証であれば、原則として親への連絡はいかない。
人的保証でも、延滞のごく初期段階で自分から相談し、猶予や減額の手続きを完了させれば、保証人への連絡を回避できる可能性がある。
連絡が行くのは「連絡が取れない」「延滞が続いている」ときだ。
カードやローンで返済を補うリスク
これは絶対にやってはいけない。
年利15%のカードローンで年利1%の奨学金を返すのは、経済的に見て損失でしかない。
借金総額が膨れ上がり、自分の首を絞めることになる。
奨学金を時効で踏み倒すことの現実性
ネット上には「逃げ切った」という噂があるかもしれないが、現在の制度ではほぼ無理だ。
時効を期待して逃げ回る労力と精神的ストレスを抱えるより、債務整理で法的に解決する方が、よほど建設的で現実的だ。
行動に迷ったときの優先順位の決め方
- まずJASSOの「奨学金相談センター」に電話する。
- 減額返還・猶予が使えないか確認し、申請する。
- それでも無理なら、法テラスや弁護士に相談する。
- 闇金や怪しい話には耳を貸さない。
一人で悩まず、この順番で動けば、必ず道は開ける。
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まとめ
奨学金の滞納は放置すれば差押えなどの重大なリスクを招くが、早期に相談すれば減額や猶予といった救済措置で生活を守ることができる。
重要なのは、3か月以上の滞納になる前にJASSOへ連絡すること、そして万が一無理なら法テラスなどの専門家を頼ることだ。
「返せない」ことは恥ずかしいことではない。今の生活と将来を守るために、まずは相談の電話をかける一歩を踏み出してほしい。
