借金の返済に追われている。精神的にも追い詰められている。
「誰にも知られずに解決したい」「事務所に行くのが怖い」。
そう考えるのは自然なことだ。
スマホで検索すれば「ネット完結」「来所不要」といった言葉が躍る。
しかし、本当に一度も誰にも会わずに、手続きをすべて終えられるのか。
そんなうまい話があるのだろうか。
結論から言おう。
現在の日本のルールでは、「完全なネット完結」は原則として難しい。
だが、あきらめるのは早い。
オンライン面談や電子契約を活用すれば、実質的に自宅からほぼ動かずに手続きはできる。
この記事では、どこまでがネットでできるか。
どこからが対面や裁判所の対応が必要か。その境界線を解説する。
正しい知識を持って、安全に再出発の一歩を踏み出してほしい。
- 仕事や育児が忙しく、平日の昼間に事務所へ行けない
- 家族や職場に内緒で、借金を整理したい
- 地方在住で、近くに頼れる専門家がいない
- 「ネット完結」の広告が怪しくないか、騙されないか不安だ
- オンライン相談から解決までの具体的な流れを知りたい
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ネット完結できる債務整理の範囲と前提条件
「スマホ一つで借金がなくなるなら、こんなに楽なことはない」。
そう思うかもしれない。
だが、法的な手続きには「本人確認」や「意思確認」という壁がある。
まずは、ネット完結を求める背景と、現実的なラインを整理しよう。
債務整理をネット完結したい人が抱えがちな悩み
なぜ、対面ではなく「ネット完結」を強く望むのか。
単に面倒だからではないはずだ。
そこには、切実な事情がある。
- 時間がない
-
仕事や育児、介護で、平日の日中に事務所へ行く時間が取れない。
有給休暇を取れば、周囲に怪しまれるかもしれない。 - 怖い・恥ずかしい
-
「借金の相談」に行くこと自体に恐怖心がある。
弁護士などの「先生」と対面で話すことに緊張してしまう。 - バレたくない
-
事務所に入るところを見られたくない。
郵便物や電話連絡で、家族に知られるのを防ぎたい。 - 近くにいない
-
地方や離島に住んでいて、専門の事務所がない。
あっても知り合いの事務所で、相談しにくい。 - 待てない
-
今すぐ督促を止めたい。
だが、事務所の予約が取れるのは数週間先だ。
こうした悩みは、決して「甘え」ではない。
ネットを活用して効率的に解決したいと願うのは当然だ。
重要なのは、その願いに法律がどこまで応えられるかを知ることである。
弁護士・司法書士による債務整理の基本と相談先の種類
債務整理とは、法的に借金を減らしたり、支払いをなくしたりする手続きだ。
手続きには大きく分けて4つの種類がある。
- 任意整理
-
裁判所を通さない。弁護士などが業者と交渉し、利息カットや分割払いを目指す。
- 特定調停
-
簡易裁判所の調停委員が間に入り、返済条件を決める。
- 個人再生
-
裁判所に申し立てる。借金を大幅に減らし(原則5分の1など)、3年程度で返す。
- 自己破産
-
裁判所に申し立てる。支払い不能と認めてもらい、借金をゼロにする。
相談先もいくつかあるが、実際に手続きできる専門家は限られる。
- 弁護士
-
すべての法律事務を扱える。借金の金額に制限はない。
- 認定司法書士
-
法務大臣の認定を受けた司法書士。1社あたり140万円以下の借金なら扱える。
- 日本司法支援センター(法テラス)
-
国の総合案内所。無料相談や費用の立替制度がある。
- 公的な相談窓口
-
金融庁や消費生活センターなど。
相談はできるが、手続きは弁護士などを紹介してもらう形になる。
つまり、ネット完結を目指すとしても、最終的には弁護士か司法書士への依頼が必要だ。
債務整理の種類別に見たネット完結の可否(任意整理・個人再生・自己破産)
手続きの種類で、「ネットでできる範囲」は大きく変わる。
- 任意整理
-
ネット完結に最も近い
裁判所を使わない「私的な交渉」だ。手続きの柔軟性が高い。
「オンライン面談」と「電子契約」を使えば、実務上は来所ゼロで完結できる。
ただし、後述するように専門家との面談(またはWeb面談)は必須だ。 - 個人再生
-
完全ネット完結は難しい
裁判所を通す厳格な手続きだ。
家計簿や給与明細など、膨大な書類が必要になる。
事務所とはネットでやり取りできても、裁判所から呼び出し(審尋)があるかもしれない。 - 自己破産
-
対面や出頭の可能性が高い
借金をゼロにする強力な手続きだ。その分、チェックも厳しい。
裁判官との面接や、債権者集会への出席など、本人が動く場面が多い。
「すべてスマホで終わり」とはいかないのが現実だ。
過払い金請求だけネット完結しやすいケースと注意点
すでに完済しており、「払いすぎた利息(過払い金)」を取り戻すだけの場合。
これはネット完結しやすい。
すでに返済が終わっているため、生活状況の審査が不要に近い。
当時の契約書などの資料があれば、郵送やデータ共有だけで計算できる。
相手が大手の業者で、裁判なしで返金に応じるなら、スムーズに終わる。
- 注意点
-
司法書士の場合、過払い金や借金の額が「140万円」を超えていると扱えない。
また、司法書士の指針では依頼者に他の債務がある場合に、過払金返還請求“だけ”を受けて債務状況の聴取や整理の説明を行わない対応は不適切となり得ます。
過払い金の回収可否だけでなく、他債務も含めた整理方針・影響を説明したうえで依頼内容を確定させましょう。
「過払い金だけネットで回収しよう」という甘い誘いには注意が必要だ。
報酬が高すぎないかも、必ずチェックしよう。
ネット完結が原則認められていない理由の全体像
なぜ、通販のようにポチッと債務整理ができないのか。
そこには「依頼者保護」と「公平な裁判」という2つの理由がある。
- 1.弁護士会・司法書士会の「面談義務」
-
債務整理の受任では、弁護士・司法書士とも「本人の意思確認(面談)」が重要視されている。
弁護士(債務整理事件)は、原則として受任する弁護士が受任前に個別面談を行う。
司法書士は、依頼者の希望があり、かつ来所困難などの合理的理由がある場合に限り、Web会議等での面談で対応できるとされている。
いずれも「電話・メール(文字)だけで完結」と断定できないため、依頼先の運用(対面要否・回数)を事前確認しよう。 - 2.裁判所手続きの性質
-
裁判所手続きの性質
個人再生や自己破産は、裁判所という公の場で決める。
書面だけでなく、裁判官が直接本人に質問し、反省や更生の意欲を見る。
これはネットシステムだけでは代替できない。
「申込から完了まで一切顔を見せない」「すべてチャットだけ」。
この形でのネット完結は、原則として認められていないと理解しておこう。

オンライン相談で進められる債務整理の手続き範囲
「完全なネット完結は無理でも、手間は省きたい」。
そのための現実解が、オンラインツールの活用だ。
どこまでの作業がスマホやPCで完結できるのか、見ていこう。
ネットでできること一覧(診断・相談予約・書類共有・進捗確認)
現代のサービスでは、以下のプロセスはネット上で完結できることが多い。
- 初期診断
-
借入額などを入力し、減額の可能性を簡易チェックする。
- 相談予約
-
WebやLINEで、24時間いつでも予約を入れる。
- 情報入力
-
相談前に必要な情報を、フォームに入力して送信する。
- 資料提出
-
給与明細などをスマホで撮影し、アップロードする。
- 進捗確認
-
「交渉中です」「和解しました」といった連絡を受け取る。
- 状況報告
-
家計簿アプリと連携したり、収支を報告したりする。
これらを使えば、事務所に行くのは「重要な面談のときだけ」に絞れる。
無料減額診断・シミュレーションの仕組みと活用ポイント
ネット広告で見る「借金減額診断」。
借入期間や金利を入力し、過払い金の有無や返済額の目安を計算するものだ。
- 活用のポイント
-
あくまで「概算」であり、確定診断ではない。
実際の減額幅は、取引の分断や業者の対応で変わるからだ。
利用時はプライバシーポリシーを読み、情報が営業に使われないか確認しておくと安心だ。
メール・LINE・チャットでの相談受付と使い分け
相談ツールも多様化している。特徴を理解して使い分けよう。
- メール
-
長文で事情を説明したいときに向いている。
経緯や家族の状況など、落ち着いて文章をまとめられる。 - LINE
-
使い慣れたアプリで、気軽にやり取りできる。
レスポンスは早いが、長文には不向きだ。
通知設定をオフにするなど、家族への配慮が必要になる。 - チャット
-
「土日もやってる?」などの定型質問には、自動応答が即答してくれる。
最初の入り口として便利だ。
最初は匿名で概要だけ相談する。
信頼できそうなら詳細を伝えてオンライン面談に進む。それが賢い使い方だ。
ZOOMなどを使ったオンライン面談で確認される内容
ビデオ通話を使ったオンライン面談は、来所の代わりとなる重要なステップだ。
「画面越しだから雑談で終わる」と思ってはいけない。
対面と同じレベルの深いヒアリングが行われる。
- 借金の詳細
-
どこから、いくら、期間はどのくらいか。
- 家計の状況
-
収入、家賃、食費などの内訳。返済余力はいくらか。
- 資産の有無
-
自宅、車、保険など、処分の対象になる財産はあるか。
- 家族構成
-
扶養家族の人数や、家族に秘密にしているか。
- 借金の理由
-
生活費か、ギャンブルか、浪費か。
ここで嘘をつくと、適切な手続きが選べない。
画面越しでも誠実に答えることが大切だ。
電子契約・クラウドサインなどネットを使った契約方法
以前は契約書に実印を押し、郵送する必要があった。
今は「電子契約」を導入する事務所が増えている。
送られてきたリンクから内容を確認し、スマホ画面上で同意するだけで契約できる。
- 注意点
-
簡単だからこそ、内容を読み飛ばしてしまいがちだ。
特に「費用」と「解約条件」は必ず確認しよう。
規定により、紙の契約書の交付が必要な場合もあり、郵送が併用されるケースもある。
ネットだけでは完結できない部分(裁判所対応・面談など)
ここで改めて、ネットでは代替できない部分を確認しておこう。
- 本人確認書類の取得
-
住民票や印鑑証明書などは、役所やコンビニで取る必要がある。
- 裁判所への出頭
-
特定調停や自己破産など、本人が裁判官の前に出る場面がある。
- 専門家による直接面談
-
事案が複雑な場合や、本人の理解度が低い場合は、「来てください」と言われることもある。
「ネット完結」のサービスでも、実際は「面談1回+あとはオンライン」。
これがスタンダードだと思っておいたほうがよい。
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債務整理でオンライン面談が必要とされる理由
「電話で済ませたい。ビデオ通話は面倒だ」。
そう思うかもしれない。
だが、これには法律上の理由と、あなた自身を守る意味がある。
弁護士会・司法書士会の面談義務のルール概要
弁護士や司法書士は、勝手に仕事をしていいわけではない。
業界団体の厳しいルールを守る必要がある。
- 弁護士の場合
-
日弁連の規程により、特段の事情がない限り、弁護士本人が依頼者と面談しなければならない。
「非弁活動(資格のない業者の介入)」を防ぎ、依頼者を守るためだ。 - 司法書士の場合
-
やはり、受任する司法書士本人が直接面談することが義務だ。
例外として「合理的な理由」があり、「依頼者が希望する場合」に限り、Web会議などが認められている。
電話やメールだけで契約しようとする事務所は、ルールを無視している可能性がある。
債務状況を正確に把握するために必要なヒアリング項目
解決方法は、数字の計算だけで決まるものではない。
「なぜ借金が増えたか」「どう立て直したいか」という背景が重要だ。
指針では、以下の項目を詳しく聞くよう求めている。
- すべての借入先と残高、金利
- 過去の返済履歴(過払い金の可能性)
- 収入の見込み
- 税金や家賃の滞納状況
こうした情報は、チャットだけでは漏れやすい。
対話の中で「そういえば奨学金もありました」といった事実が出てくることが多いのだ。
債務整理のメリット・デメリットを対面で確認する重要性
債務整理には必ずデメリットがある。
- ブラックリスト
-
信用情報機関に登録され、数年間ローンやカードが使えなくなる。
- 官報公告
-
個人再生や自己破産をすると、国の広報誌に名が載る。
- 財産処分
-
自己破産では、一定以上の財産が処分される。
ネット広告ではメリットばかりが強調されがちだ。
だからこそ、面談で「車はどうなるか」「家族への影響は」といった話を聞く。
納得した上でサインする必要があるのだ。
間違った手続き選択や認識違いを防ぐためのコミュニケーション
「自己破産しかないと思い込んでいた」。
「任意整理なら元金も半分になると思っていた」。
こうした誤解はよくある。
対面なら、その場ですぐに誤解を解ける。
「家計を見直せば任意整理でいけますよ」といったプロの判断を聞ける。
不安や疑問をその場で解消できるのが、リアルタイム面談の価値だ。
特別な事情がある場合に認められる面談省略の例外
基本は面談必須だが、どうしても無理な事情があれば考慮される。
以下のようなケースは「合理的な理由」として認められやすい。
- 地方や離島に住んでいて、移動が困難。
- 病気、障害、高齢などで外出が難しい。
- 感染症のリスクが高い。
ただし、これはあくまで「例外」だ。
「面倒だから」という理由だけでは省略できない。
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ネット対応債務整理サービスのメリット
ルール上の制約はある。
だが、ネット対応型の事務所を利用するメリットは大きい。
全国どこからでも債務整理に強い専門家に相談できる
かつては「地元の先生」に頼むしかなかった。
しかし、地元の事務所が債務整理に詳しいとは限らない。
ネット対応なら、地方に住んでいても、実績豊富な都心の弁護士に相談できる。
経験豊富な専門家なら、業者ごとの交渉の癖を熟知しており、有利に進められる可能性がある。
来所回数を減らし時間と交通費を節約できる
何度も事務所に通うのは負担だ。
オンライン対応なら、
- 初回相談
-
オンライン面談
- 書類提出
-
スマホでアップロード
- 進捗報告
-
LINEやメール
といった形で、来所回数を最小限に抑えられる。
仕事終わりの夜間に、自宅から相談することも可能だ。
自宅から相談でき家族や職場にバレにくい
事務所に入るところを見られたくない。その不安はつきものだ。
自宅からオンラインで相談すれば、リスクを大幅に下げられる。
連絡をチャット中心にすれば、職場で電話に出る必要もない。
周囲に知られずに、着実に解決へ進められる。
資料の共有や連絡がオンラインで完結しやすい
紙の書類をコピーし、郵送する。この作業はストレスだ。
ネット対応の事務所なら、スマホで写真を撮って送るだけで済む。
専用の「マイページ」があれば、手続きがどこまで進んだかをいつでも確認できる。
オンライン相談・無料相談だけの利用もできる安心感
いきなり依頼するのは怖い。
多くのネット対応事務所は、「何度でも相談無料」としている。
まずはZoomなどで話を聞いてみる。「信頼できそう」と思ったら依頼すればいい。
法テラスを使えば、条件を満たす人は無料で相談できる。
情報収集として、オンライン相談だけ利用するのも賢い方法だ。
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ネット対応債務整理サービスのリスク・デメリット
便利さの裏にはリスクもある。
顔が見えにくい分、質の低いサービスに当たる危険性には警戒が必要だ。
画面越しでは専門家の信頼性を判断しにくいリスク
ホームページが立派でも、中身が伴うとは限らない。
「実績No.1」といった言葉が本当か、確かめる術は少ない。
画面越しでは、事務所の雰囲気を感じ取りにくい。
依頼してみたら、事務員任せで弁護士が全く出てこない、というケースもある。
仕組みを十分理解しないまま手続きを任せてしまう危険性
「診断結果で『減る』と出たから大丈夫だろう」。
安易に考えて、デメリットの説明を聞き流すと危険だ。
オンライン契約はクリック一つで完了できる。
「本当に理解しましたか?」という確認がおろそかになりがちだ。
費用の内訳が分かりづらく高額請求につながる可能性
ネット集客中心の事務所は、広告費を回収するために費用が高めの場合がある。
「着手金無料」でも、「報酬金」が高かったり、「事務手数料」がかかったりする。
対面なら見積書を指差し確認できるが、画面共有だけでは見落とすリスクがある。
過度に「ネット完結」を強調するサービスに潜むトラブル事例
「国が認めた救済制度」といった大げさなコピーには注意が必要だ。
実際には面談をせず、ずさんな処理をするケースが報告されている。
「誰にも会わずに」を過剰に強調するサービスは、ルールを軽視している可能性もある。
実態を見極める目が必要だ。
メール・チャット中心だと伝え漏れが起こりやすい点
文章でのやり取りは、情報量が落ちる。
「他に借金はない」と答えても、実は「未払いの医療費」があった。
対面なら気づけることが、テキストだと漏れてしまう。
それが後で手続きの支障になることがある。
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ネット対応法律事務所を使った債務整理の具体的な流れ
実際に依頼すると、どのような手順で進むのか。
一般的なフローを見てみよう。
無料相談・問い合わせフォームからの初回コンタクト
まずは公式サイトの「フォーム」や「LINE」から連絡する。
入力するのは、大まかな情報だ。
- 借入件数と総額
- 現在の返済状況(滞納の有無)
- 連絡の希望時間帯
オンラインまたは電話での事前ヒアリング内容
問い合わせると、事務所の担当者から連絡が来る。
面談の前に、詳しい状況を確認するためだ。
- いつから返済が苦しくなったか
- 裁判所の通知は来ていないか
- 住宅ローンなどの有無
これらは、次の面談で弁護士が判断するための材料になる。
面談方法の選択(来所・オンライン面談・出張相談)
ここで面談の方法を決める。
基本は「来所」だが、事情があれば「オンライン面談」を選べる。
スマホでZoomなどのアプリを準備し、予約時間にアクセスする。
弁護士が近くまで来る「出張相談」を行う事務所もある。
任意整理・個人再生・自己破産など方針決定までのプロセス
いよいよ専門家との面談だ。
ヒアリングをもとに、「どの手続きがベストか」を提案される。
- 「家を残すなら個人再生だ」
- 「収入的に任意整理は厳しい」
具体的なアドバイスを受け、比較検討する。
その場で即決せず、「一晩考える」と言っても問題ない。
契約締結(委任契約書の説明・署名・本人確認)
依頼を決めたら、契約手続きに入る。
契約書や費用説明書を、画面越しに読み合わせる。
- どの範囲までやるか
- 費用はいくらか
これらを確認し、電子契約や郵送で署名する。
同時に、免許証などで本人確認を行う。
手続き開始後の連絡方法と進捗報告の頻度
契約後、代理人(弁護士・司法書士)から債権者へ受任通知を送付します。貸金業者・債権回収会社などは、通知後に本人へ直接の取立てが法令上制限されます。一方で、銀行など法の直接規制対象外の債権者は、実務上停止することが多いものの必ず止まるとは限らないため、個別に確認が必要です。
その後は調査や交渉が進む。
「計算が終わりました」といった進捗は、メールなどで報告される。
契約前に「どの頻度で連絡をもらえるか」を確認しておくとよい。
手続き完了後のアフターフォロー内容
和解や免責が成立したら終了だが、フォローが続くこともある。
- 任意整理
-
支払代行や返済管理。
- 自己破産
-
家計管理のアドバイス。
これらもオンラインで相談できると、生活再建の助けになる。
全国対応の弁護士・司法書士を選ぶポイント
ネット上には無数の事務所がある。
どこを選べばいいか。基準をチェックしよう。
債務整理の取扱件数・実績の確認方法
「何でもやります」というより、債務整理に特化した事務所がいい。
ホームページに「解決実績〇〇件」といった数字があるか。
登録年数が長いかどうかも、信頼性の目安になる。
任意整理や過払い金請求に強いかどうかの見分け方
強い事務所は、リスクやデメリットも詳しく解説している。
費用の説明が具体的かどうかもポイントだ。
司法書士の場合、「140万円を超える案件は弁護士を紹介する」という案内があるか確認したい。
費用体系が明確か(着手金・報酬・減額報酬・実費)
トラブルを避けるため、以下を確認する。
- 相談料は無料か
- 着手金はいくらか
- 減額報酬(減らせた額の〇%)はあるか
- 実費は別途かかるか
特に減額報酬は、総額に大きく影響する。
無料相談・24時間受付・土日対応など相談しやすさの指標
忙しい人には、土日や夜間の対応が重要だ。
「24時間受付」でも、夜間は受付のみで弁護士と話せないこともある。
「いつ専門家と話せるのか」を確認しよう。
メール・LINE・オンライン面談に対応しているか
ネット完結を重視するなら、ツールへの対応は必須だ。
「Zoom相談可」「LINE連絡OK」とあるか。
デジタルに強い事務所は、手続きも速い傾向にある。
出張相談やオンライン完結に近い運用に対応しているか
どうしても来所が難しい場合、柔軟に対応してくれるかを確認する。
「原則は来所だが、事情を伺って判断する」。
こう言う事務所は、ルールを守りつつ柔軟な良心的事務所といえる。
口コミ・評判・相談者の声のチェックポイント
口コミは参考程度にするべきだが、見るべき点はある。
「費用が説明より高かった」。
「連絡が遅かった」。
こうした具体的な不満に注目する。
逆に、良い口コミばかりのサイトは広告の可能性がある。
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ネット対応債務整理サービスの費用と支払い方法
「ネットの事務所は安いのか、高いのか」。
費用は切実な問題だ。相場を知っておこう。
任意整理にかかる一般的な費用項目とネット利用時の違い
一般的な内訳は以下の通りだ。
- 相談料
-
無料〜5,000円
- 着手金
-
1社2万〜5万円程度
- 報酬金
-
和解時に発生
- 減額報酬
-
減額分の10%程度
- 実費
-
切手代など
ネット対応の場合、「システム利用料」などの独自名目がないか注意しよう。
個人再生・自己破産の費用の目安と支払いタイミング
裁判所費用もかかるため、高額になる。
- 個人再生
-
総額40万〜60万円程度 + 予納金
- 自己破産
-
総額30万〜50万円程度 + 予納金
金額は事案で変わる。法テラスの目安などを参考に、必ず見積もりを取ろう。
過払い金請求の費用体系と成功報酬の考え方
戻ってきたお金から支払う「成功報酬」型が一般的だ。
上限が決まっている。
- 交渉で解決
-
回収額の20%まで
- 裁判で解決
-
回収額の25%まで
これを超える報酬の事務所は避けるべきだ。
分割払い・後払いに対応している事務所を選ぶメリット
手持ちがないから債務整理をする。一括払いは難しいのが普通だ。
多くの事務所は「分割払い」に対応している。
法テラスを使えば、費用を立て替えてもらい、月々数千円ずつの返済にできる。
「分割は何回までか」「頭金は必要か」を確認しよう。
ネット広告経由のサービスで費用が高くなりやすい理由
大量の広告を出す事務所は、広告費がかかっている。
そのコストは、利用者の費用に上乗せされやすい。
「検索で一番上だから」だけで決めず、公的窓口から紹介された事務所とも比較しよう。
見積書・委任契約書で確認しておくべき費用項目
契約前に、以下のリストをチェックしよう。
- 着手金の額と支払い時期
- 成功報酬の計算式
- 減額報酬の有無と料率
- 実費は固定か精算か
- 解約時の違約金
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完全ネット完結をうたう事務所を見極めるチェックポイント
安全にネットを活用するために、「怪しいサイン」を見抜こう。
面談義務を無視しているサービス表示の見抜き方
「来所一切不要」「電話だけでOK」。
大々的に書いているサイトは要注意だ。
面談は原則義務である。「オンライン面談は可能」なら適法だが、「誰とも話さなくていい」表現は危険だ。
「電話だけ・メールだけで完結」をうたう広告の注意点
電話だけで複雑な問題を解決するのは無理がある。
「電話だけでOK」と言われても、後から「来てください」と言われるトラブルも多い。
最初から「オンライン面談が必要」と言う事務所のほうが信頼できる。
手続き内容やデメリットの説明が薄いサイトの危険信号
良いことしか書いていないサイトは危険だ。
「借金がチャラになる魔法」など存在しない。
各手続きのデメリットを隠さず、公平に説明しているサイトを選ぼう。
事務所名・所属弁護士・司法書士の情報公開状況を確認する
「○○事務所」という名前だけで、代表者名や登録番号がないサイトは論外だ。
弁護士会などのサイトで「会員検索」をしてみよう。
そこに名前があれば、実在する専門家だと確認できる。
相談前に自分で準備しておきたい質問・確認事項
主導権を握るために、メモを用意しよう。
- 費用の上限はいくらか
- オンライン面談は何回必要か
- 郵便物は局留めにできるか
- 途中解約したらお金はどうなるか
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ネット完結を目指しながら安心して債務整理を進めるコツ
最後に、ネットの利便性を活かしつつ、失敗しないコツをまとめる。
事前に家計や借入状況を整理しておく
正確な情報があれば、オンラインでも的確なアドバイスがもらえる。
借入先、残高、月々の返済額をリストにする。
家計の収支もざっくりまとめる。これが精度のカギだ。
オンライン相談では正直に状況を伝える重要性
画面越しだと、つい見栄を張りたくなるかもしれない。
だが、弁護士は味方であり、裁判官ではない。
「ギャンブルで作った」と正直に話せば、対策を考えてくれる。隠し事は損だ。
相談後に複数の事務所から説明を聞き比べる
ネットなら、ハシゴ相談も簡単だ。
複数の事務所でオンライン相談を受けてみよう。
「A事務所は任意整理、B事務所は個人再生を勧めた」。
説明の分かりやすさや費用を比較して、納得できるところを選べばいい。
メール・LINEのやり取りを残しておくメリット
「言った、言わない」を防ぐため、やり取りは保存しよう。
メールやLINEなら履歴が残る。これが強みだ。
契約内容や説明の証拠になる。
不安や疑問は面談時に必ず質問してから依頼を決める
どれだけ便利でも、最後は「人」だ。
オンライン面談で、担当者の目を見て疑問をぶつけよう。
「よく分からないけど、まあいいか」で契約してはいけない。
納得できるまで答えてくれる事務所こそが、よきパートナーだ。
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債務整理のネット完結に関するよくある質問
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まとめ
債務整理は、現在のルール上「完全なネット完結」は難しい。
しかし、オンライン面談や電子契約を活用すれば、「来所不要で、自宅にいながら手続きを進める」ことは十分に可能だ。
- 任意整理なら、オンライン面談+郵送で、ほぼ自宅で完結できる。
- 個人再生・自己破産は、裁判所への出頭が必要になる場合がある。
- 面談義務があるため、「誰にも会わずに電話だけ」という広告には注意しよう。
- 費用やデメリットをオンライン面談でしっかり確認し、納得してから依頼することが大切だ。
借金問題は、放置すればするほど悪化する。
「事務所に行くのが怖い」と躊躇しているなら、まずは**スマホからできる「無料減額診断」や「オンライン相談」**を利用してみよう。
画面越しに専門家と話すだけでも、解決への道筋が見え、肩の荷が下りるはずだ。

