- おまとめローンのデメリットが知りたい
- おまとめローンのメリットが知りたい
- おまとめローンをうまく活用する方法が知りたい
複数の金融機関からカードローンを借入すると、返済スケジュールの管理が手間で、常に返済に追われていて心が休まらないと感じる方もいるだろう。
そういった方におすすめしたいのが、おまとめローンだ。その名のとおり、複数の借入をまとめることができる。ただし、メリットばかりではない。
そこで今回の記事では、おまとめローンのデメリットやメリット、うまく活用する方法を解説する。
おまとめローンを選ぶポイントも解説するので、利用を検討している方はぜひ参考にしてほしい。
おまとめローンのデメリットとは
まず、おまとめローンのデメリットを押さえておこう。
追加の借入ができなくなる
おまとめローンのデメリットとして、あとから追加で借入ができなくなることが挙げられる。おまとめローンは複数の借入を1つにまとめ、確実な返済を目的としたローンである。
そのため、契約後に出費が必要になった場合でも、あとから追加で借りることはできない。なお、おまとめローンは、総量規制の例外貸付にあたる。
総量規制とは、契約者の年収の3分の1以上を超える貸付を禁止するものだ。
おまとめローンの場合、契約者の確実な完済を目的としているため、まとめた後の借入額が年収の3分の1を超えていても利用できる。
新たに借入をすると、契約者が返済不能に陥るおそれがあるため、追加の借入ができないようになっている。
利息が増える可能性がある
おまとめローンを利用すると、利息が増える可能性がある点もデメリットだ。おまとめローンの金利が、現在借入している金利よりも高かった場合、利息が増える可能性がある。
利息が増えると、その分総返済額が増えてしまうのだ。おまとめローンを借入する際は、事前に金利を確認しよう。
総返済額が増える可能性がある
総返済額が増える可能性がある点も、おまとめローンのデメリットだ。例えば、おまとめローンを利用し、月々の返済額を少なくした場合が考えられる。
この場合、月々の返済負担は軽減されても、元金の減りが遅くなるため、その分利息の負担は増えてしまう。
結果として、総返済額が増える可能性がある。おまとめローンを利用する際は、事前に返済シミュレーションをしよう。
審査が厳しくなる
おまとめローンは、審査が厳しくなる傾向にある点もデメリットだ。なぜなら、すでに複数の借入がある状態で、借入金額が大きくなる可能性が高いからだ。
借入金額が多すぎたり、借入先が複数あったりすると、返済能力が低いと判断されるおそれがある。
実際に、おまとめローンの申し込み時には、他の借入に関する書類の提出が求められることもある。
審査に通りやすくするために、今抱えている借入は着実に返済をしよう。
おまとめローンのメリットとは
続いて、おまとめローンのメリットを解説する。メリット・デメリットをよく理解したうえで、検討しよう。
返済計画を立てやすくなる
おまとめローンのメリットは、返済計画を立てやすくなることだ。複数の借入を1つにまとめられるため、返済管理がしやすくなる。
例えば、複数の金融機関から借入している場合、それぞれの返済日が異なることもあるだろう。
おまとめローンを利用すると、返済日が一つになるため、管理が楽になる。また、返済を忘れてしまうリスクも減らせるだろう。
月々の返済額を抑えられる可能性がある
月々の返済額を抑えられる可能性がある点も、おまとめローンのメリットだ。複数の金融機関で、金利が異なっている場合、おまとめローンを利用すると、金利を統一できる。
また、返済期間を調整できるため、長く設定することで、月々の返済額を減らすことも可能だ。
今回、A社で50万円、B社で60万円を借りていたものを、おまとめローンを利用し、110万円借りた場合のシミュレーションをおこなった。シミュレーション結果は次のとおり。
<A社で50万円、B社で60万円借入していた場合>
A社 | B社 | 合計 | |
---|---|---|---|
借入金額 | 50万円 | 60万円 | 110万円 |
金利 | 17.80% | 17.80% | ー |
月々の返済額 | 24,913円 | 29,896円 | 54,809円 |
<おまとめローンを利用した場合>
おまとめローン | |
---|---|
借入金額 | 110万円 |
金利 | 14.80% |
月々の返済額 | 53,230円 |
いずれも返済期間は2年で設定している。おまとめローンを利用したことで、金利が下がり、利息負担が減ったため、月々の返済額が抑えられている。
しかし、先ほども解説したように、月々の返済額を減らしすぎたり、返済期間を長く設定したりすると、総返済額が増える可能性があるため注意しよう。
月々の返済額は、金利や返済期間などによって変動する。おまとめローンを利用する際は、複数の金融機関でシミュレーションをおこない、最適なプランを選ぼう。
金利を下げられる可能性がある
おまとめローンのメリットとして、金利を下げられる可能性がある点も挙げられる。複数の金融機関から借入している場合、一般的に、それぞれの金利は異なっている。
しかし、おまとめローンを利用すると、金利が現在借入しているものより下がる可能性がある。
これは、利息制限法により、借入金額に応じて上限金利が設定されているためだ。具体的には、次のように設定されている。
借入金額 | 上限金利(年利) |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円から100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
例えば、A社から90万円、B社から80万円をそれぞれ18%で借入していて、1つにまとめるケースを考えてみよう。
このケースの場合、おまとめローンで170万円を借入することになる。
しかし、借入金額が100万円以上の場合、上限金利は15%に設定されているため、3%金利を下げられる。
3%金利が下がれば、利息負担も減り、別々で借入していたときよりも、総返済額を減らせるだろう。
総量規制を超えた借入が可能になる
おまとめローンは、総量規制を超えた借入が可能になる点もメリットだ。
先述したように、おまとめローンは総量規制の例外貸付にあたるため、借入金額が年収の3分の1を超えていても契約可能だ。
例外貸付にあたるおまとめローンの条件を、確認しておこう。
- おまとめローンの毎月の返済額が、借り換え前の返済額より低くなる
- おまとめローンの金利が、借り換え前の金利より低くなる
これらの条件を満たしている場合、借入金額が年収の3分の1を超えていても、おまとめローンを利用できる。
おまとめローンを利用する際には、これらの条件を満たしているか、必ずチェックしよう。
おまとめローンのデメリットをふまえ、うまく活用する方法
おまとめローンには、毎月の返済額が減るなどのメリットがある。
しかし、返済額を低くしすぎたり、返済期間を長くしたりすると、利息負担が増えてしまい、総返済額が増えるデメリットもある。
そこで、ここからはおまとめローンのデメリットをふまえ、ローンを選ぶときのポイントやおまとめローン以外に検討すべき方法を解説する。
おまとめローンを選ぶときのポイント
まずは、おまとめローンを選ぶときのポイントを解説する。
まとめられる借入の種類で選ぶ
おまとめローンを選ぶときのポイントの1つ目は、まとめられる借入の種類で選ぶことだ。
「おまとめローン」と一口に言っても、金融機関によって、まとめられる借入の種類が異なっている。
例えば、アイフルのおまとめMAXであれば、消費者金融をはじめ、銀行のカードローンやクレジットカードのリボ払いもまとめられる。
一方、SMBCモビットの場合、銀行のカードローンやクレジットカードのショッピング利用は対象外だ。
このように、金融機関によってまとめられる借入の種類が異なるので、申し込む前にはよく確認しよう。
金利の上限で選ぶ
おまとめローンを選ぶ際には、金利の上限も確認しよう。
先述したように、利息制限法によって、借入金額に応じて上限の金利が設定されているが、各金融機関によって金利は異なる。
例えば、プロミスのおまとめローンの場合、金利の上限は17.8%と低めに設定されている。
金利が低ければ、その分利息が減り、返済負担を軽減できるため、できるだけ金利が低い金融機関を選ぼう。
申し込み条件で選ぶ
おまとめローンを選ぶ際は、申し込み条件を確認しよう。当然だが、申し込み条件を満たしていなければ、契約できない。
例えば、東京スター銀行のおまとめローンは、申し込み条件に「年収200万円以上の方」と明記されている。
一方、プロミスのおまとめローンは、主婦や学生であってもパートやアルバイトによる安定した収入があれば申し込みが可能だ。
金融機関によって、おまとめローンの申し込み条件が異なるので、事前に確認しておこう。
返済方法で選ぶ
返済方法で選ぶことも、おまとめローンを決めるポイントの1つだ。返済方法としては、口座振替や振り込み、スマートフォンを利用しATMから返済するなどがある。
返済方法によっては、手数料がかかる場合もあるので、事前にチェックしておこう。また、返済日も金融機関によって異なる。
例えば、SMBCモビットの場合、5日・15日・25日、末日のいずれかから選択が可能だ。
選択肢が広いほうが、給料日のあとに設定するといった、自分の都合に合わせた返済ができるだろう。
おまとめローンの活用方法
おまとめローンは、次のような方に向いている商品だ。当てはまっている場合は、利用を検討するといいだろう。
- 複数の金融機関から借入をしていて、毎月の返済額を減らしたい
- 複数の金融機関から借入をしていて、返済管理を楽にしたい
- 借入しているカードローンの金利が高い
上記に該当する場合は、おまとめローンの利用を検討してみよう。各金融機関には、返済シミュレーションが用意されているので活用しよう。
おまとめローン以外に検討すべき方法
おまとめローンは確実な返済を目的としたローンだが、追加で借入ができないなどのデメリットもある。
おまとめローン以外の選択肢となるのが、通常のカードローンだ。通常のカードローンであれば、利用限度額まで追加で借入ができる。
もし急な出費が必要になった場合でも対応が可能だ。カードローンもおまとめローンと同様、各金融機関によって金利が異なるので、申し込む前によく確認しよう。
ただし、カードローンの場合、総量規制の対象となる点に注意が必要だ。つまり、借入金額が年収の3分の1を超える場合は利用ができない。
現在の借入状況をよく確認し、どちらがいいか判断しよう。
おまとめローンのデメリットをふまえて上手に活用しよう
おまとめローンには、追加の借入ができない、審査が厳しくなるなどのデメリットがある。
一方で、返済管理が楽になり、利息負担が減る可能性があるといったメリットもある。
おまとめローンは、金融機関によって借入できる種類や金利の上限が異なるため、事前によく確認しよう。
今後、追加で借入する可能性がある場合は、おまとめローンではなく、カードローンの利用を選択肢に入れよう。
おまとめローンは、確実に返済することを目的としたローンだ。申し込み条件や返済方法などを確認し、自分に合う方法で、着実に返済しよう。
複数の借入に追われ、返済負担を軽くしたい方は、おまとめローンの利用を検討してみよう。