「日本企業に世界で勝てるチカラを!」死の恐怖を乗り越え気付いた使命、純国産ツールで日本の営業生産性改革に挑む!
SFAとインサイドセールスで営業のデジタル化と売上アップを支援するSALES GO株式会社。
自身の経験から、もっと面白いことがしたいという思いで起業。
そんな代表の内山氏へ学生時代のエピソードや社長就任のきっかけ、現在の事業への軌跡について取材しました。
SALES GO株式会社
代表取締役社長 内山 雄輝氏
早稲田大学卒業後、株式会社WEIC(現:SALES ROBOTICS株式会社)を創業。
法人向け語学教育のSaaSビジネスで事業を拡大。
その後、営業の自動化をテーマに、CRMとインサイドセールスを組み合わせた営業支援事業を開始。
1,000社2,000商材以上の支援実績を有する。2019年4月に株式会社ヒト・コミュニケーションズへバイアウト。
2022年7月 SALES ROBOTICSのSaaSとIT部門をMBOしSALES GO株式会社を設立、株式会社ブロードリーフと資本業務提携しグループイン。
日本の営業生産性の最大化を掲げ営業DX事業を各業界へ提供中。
−−他人とは違う選択で学生社長へ
最初の事業は語学ソフトウェアでした。
私は元々勉強熱心で英語をもっと学びたいと思い、大学に進学したんです。
当時貧乏学生で新聞配達に始まり、家庭教師や深夜のコンビニバイトと掛け持ちで学費を支払いながら、授業を受ける生活でしたね。
大学1年の頃、「卒業時点で手に職がついていないのはもったいない」「他人とは違う何かを手にしたい」と思い、語学好きが転じて英語の翻訳家を目指したいと思うようになりました。
すぐに翻訳家の先生の元へ行き「自分も翻訳家になりたい」と伝えると、本を渡され「これを訳してみて」と課題をいただくことが出来、いざ取り掛かってみると、翻訳家への壁は想像以上に高かったですね。
2年生になると専門分野を選択するんですが、英語はダメだったしどうしようと考えて「これから中国がくるだろう。オリンピック招致されているし。」と思い、中国語の専攻を始めました。
そんな中、あるとき先生の一人が面白いことを教えてくれたんです。ITを駆使して言語を習得する語学教育システムを構想しており、いろんな人がゲーム感覚で語学を習得できる仕組みやフローを研究しているということでした。
現代では珍しくないと思いますが、当時はインターネットやITが一般普及してまだ数年といったタイミングということもあり、このシステムの画期的かつ先進的さに面白さを感じました。
そこからは、自身の勉強や研究の手伝いに時間を割きたい反面、掛け持ちのバイトが時間を圧迫してしまっている状況をどうにかするために、効率的に学費を稼ぐ方向へとシフトしていきました。
とあるIT企業とご縁があってシステムの営業活動をしたり、個人的に車好きを活かして車の買取販売をやったりと、本格的な営業活動を通じて大学生のうちから社会人以上に稼げるようになっていました。
その後、就職活動を通じて複数の商社より内定をもらえていましたが、今後のやりがいやITバブルで若手起業家がメディアに出ていることへ憧れもあり、このままでいいのかと悩んでいたところ、卒業間際に先生から「この語学教育システムの事業をやってみないか」と誘われ「社長ならやりたい」と伝えると、先生は二つ返事で快諾し、WEICという会社の社長に就任したことが経営者人生のスタートでしたね。
−−21歳にして時代の流れを見極めたピボットの連続で企業存続を
最初は一人社長で、システム開発は学校と連携し中国の学生が行ってくれていました。
開発段階では売るものがなく、当然売上も立たないので、身一つでできる中国語授業を企業の方に営業し始めました。
北京オリンピックの開催もあって、欧米市場と同等に大きくなることは目に見えていて、日本企業の中国市場参入を見込んでいました。
中国出張などがある大企業の重役や管理職者を中心に、私が本を片手に発音やコミュニケーションの授業を実施したり、日本技術の特許を中国内で獲得するための翻訳などで売上を立て、その収益をシステム開発に投資していました。
しかし予想とは裏腹に、中国はソフトウェアで国を興す施策を講じ、日本企業のオフショア開発として経済発展させ、中国人が日本語を勉強する流れになっていました。
であれば今までのビジネスモデルを反対にしたら売れるのではないか?と思い、急いで北京大学に行き、日本語の先生のトップと会って、授業で使用する本のライセンス契約を依頼しました。
無事、中国人に向けた日本語習得のコンテンツを作り、システムを作り上げ、政府を中心に営業活動を開始しました。
中国には各地方都市ごとに研修機関という政府機関があり、日本語育成機関を中心に営業したところ導入され始め、ここからもっと広げていこうと思っていました。
ところが一転、リーマンショックが起きたんです。アメリカに始まり、連鎖的に世界金融危機にまで発展する状況でした。
幸いにも中国は、今の額でいう50兆円ほどを政府が投資し、唯一経済が潰れなかったのですが、そこに着目した他国が中国市場に参入するようになったんです。
欧米は多額の費用を投資し始め、日本語よりも英語教育が評価される時代になっていきました。
日本も中国市場に参入する動きを見せはじめ、金融機関は第二本社を中国に置くようになりました。
そうすると日本国内で中国語を学ぶ必要性が高まり、当初作っていた中国語習得システムがようやく売れるようになったんです。
販路を国内にシフトし、盛り上がりは加速していきました。アポイントがあれば売れる自信があって、どうしたら自動的にアポイントが取れるのかと営業フローにおける課題はありましたが、状況としては上手くいっていました。
よりアクセルを踏んでいくために、広告へ投資し認知と導入を増やしていく動きをした直後に、東日本大震災が起こりました。
被災者支援や復旧復興が最優先なことはもちろん、企業活動もままならない状況に陥り、投資した広告費用が垂れ流しという事態。加えて領土問題なども起こり、今のビジネスは政治に左右されてしまうことを危惧しはじめました。
次のビジネスを考えたときに、今自分が1番欲しいものをやりたかったんです。
以前抱えた「どうしたら自動的にアポイントが取れるのか」この課題にビジネスチャンスを感じ、アポイントが自動に追加されるSFAとコールセンターをくっつけたサービスを開発しました。これが2013年で、2014年にはSalesforce社と資本業務提携するほど大きくなりました。
−−“SALES GO ISM”が生まれた理由
2018年に癌が発覚したんです。早期発見で無事に手術は成功したものの、死を目の当たりにした時に、頭に浮かんだのは会社や社員の未来の事で、周囲の社員にとっての幸せは何なのか、この会社の未来はどう在るべきなのか、考えた末にバイアウトを決めました。
再発の可能性も落ち着き、次のビジネスを考えた際に、アポイントの自動化は非常に反響をいただいていたものの、コールセンターのアッパーはいずれ来るだろうと思っていました。
経営をする中で「営業活動」は根幹にあり、重要要素にも関わらず慣習や文化的な構造上ブラックボックス化しやすいと思っていました。
そこに切りこむには、営業活動全般のデータが必要で、今後の成長を見込むには今の状況を変えなければ、日本が世界に勝てないと思いました。
だからこそ日本人が使いやすいSFAの開発に着手し「SALES GO ISM」が生まれました。
日本が世界に勝っていくには、リテラシーの高い先進的な企業だけでなく、どんな企業でも導入できることが重要です。
そのため従来のSFAと異なり、混沌化したデータ管理を、必要なものだけに絞り集約することによって、見やすく運用しやすいものにしました。
また必要なものだけに絞り込むことによって業界価格の10分の1でご利用いただけるようにし、SFAを手にしていただけるような形にしました。
−−あるようでなかった、誰でも使えるSFA
SFAのニーズは大きく分けると、顕在層、潜在層の2つに分かれると思います。
すでに利用経験がある場合、利用したい機能などが明確なケースが多く、SALES GO ISMでは必要機能だけを活用でき、適宜ノーコードで設定できる手軽さが今までのSFAよりも使いやすいところです。
未導入の場合、活用方法がわからないからこそ不要機能を取り除いたSALES GO ISMにデータを入力いただくだけで、営業活動が一目で把握することができます。
全機能を使用しながら、自社に不要な点は削ぎ落としていくことで最適化できるところも、導入しやすいポイントになります。
データを活用していくことで、経営者や管理者は各社ごとの進捗把握はもちろんのこと、受注要因や失注要因、売れている業界や各営業担当の受注ポテンシャルまで図ることができます。
またアプローチ戦略を立てていくにも、企業情報が事前にインストールされているSFAがなかったため、確度の高い営業リストを搭載させることも可能です。
パイロットが正確に夜運転できているのは、正しい情報を見ることが出来ているからで、経営も同様に営業の正しい情報を認識することが当たり前になっていくべきです。
−−とにかく考え、まずはやってみる
一度企業を大きくした経験からリセットして、0から1をやるってなったときに自分をその当時の状態までもっていくのが大変でしたね。
昔はガンガン立ち上げて果敢に挑戦していたんですが、いつの間にかリスクを考えてしまって尻込みしていた時もあったんです。
前に進むためにも、市場分析や誰に何を提供していきたいのかをひたすら考え続けました。シミュレーションも幾度となく考え、戦略や手法も何パターンも熟考しました。
また立場的にも相談される側でしたが、周りの先輩たちからアドバイスをもらってそれを素直に受け止めて、動いてみました。
どうしたらPMFするのかという点やマーケティング戦略大丈夫かな?と不安になることもありましたが、やってみなければわからないので、それを1年で全部やってみました。
やってみれば、合うか合わないかも分かりましたし、今現状として多くのお客様に導入いただいているという結果がついてきたんだと思います。
とはいえ走っている中で、お客様も増えて状況が変わった時には一旦立ち止まって、イメージを膨らませる事だけに集中することも大切です。
そんな時は、仲間を頼って、仲間に走り続けてもらいながら、私は籠って思考し続ける。そんなスタンスを取っています。
結局は、挑戦して、失敗して、また考えて挑戦して、失敗して、時折成功して・・・の繰り返し。
この繰り返しに負けず、克己心を持って努力し続けることが出来る人こそが成長すると信じて、私は仲間とともに努力し続けて来ましたし、今後もそうでありたいと思います。
−−これからはSFAを”すべて”の企業が導入できるように
今後については、SFA業界の中で世界No1と言われる「Salesforce」に勝とうなんて思っていません。
しかし、あの素晴らしいシステムを金銭的・技術的な理由から導入することが出来ない企業さまは世の中に沢山いると思っています。
そういった企業の方々、皆さまにSALES GO ISMを導入していただきたいと思っています。
みんなが使える価格帯のSFAとして日本国内で広めていき、営業DXとしてデータが溜まるプラットフォームになっていくことができれば、今後海外へと展開することも可能だと思っています。
お客様やパートナーの方々がナレッジやデータを溜めていくことで、ネットワークの構築もできていく、またこのネットワークを活用してお客様同士から新たなビジネスが生まれるかもしれないとも思っています。
これからの時代はすべての活動にデータが必要です。
例えばChat-GPTのような生成AIに自社のデータを入れることで、自社がどうしていくべきかをAIが判断してくれるようにもなります。
しかし日本ではデータ化の慣習が遅れていて、このままいくとビジネスでも遅れて行く恐れがあると思っています。
だからこそ誰でも使えるデータ管理を普及していくことで、日本国内のデータ化を標準化する礎となっていくことがビジョンです。
インタビュー協力企業
会社名 :SALESGO株式会社
代表者 :内山 雄輝
設立年数:2022年7月1日
事業内容:SFAを活用した営業DX支援事業