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事業成長に向けて、サービスの顔にタレント起用をするとどのような効果がある?

2024.02.15

はじめに

 

事業成長に向けて打ち出すマーケティングは、多岐にわたります。

この記事では、タレントを起用し、サービスの顔となってもらう「アンバサダーマーケティング」の導入効果について解説します。

 

事業成長に必要な要素

 

事業成長に必要な要素は、事業がどのフェーズにあるかによって異なります。

事業が軌道に乗り始める成長期では、広報や人事などをはじめ、さまざまな人材、そして資金の調達が必要です。

事業が安定期に入れば、全国展開などの事業拡大、株式上場を視野に入れましょう。

再成長期にある場合は、ビジネスモデルの再構築が必要です。

 

事業規模を成長させる

 

事業規模の成長を図ることで認知度を高め、取引先数・顧客数が上昇し、売上が立つようになります。

売上が立てば、またさらに認知度を高めて顧客数を上昇させるといった、好循環を生み出すことがポイントです。

これができれば、さらに事業成長が期待できると根拠を持って交渉ができるので、金融機関からの融資や投資家からの出資を受けやすくなります。

ただし、成長に伴い利益率が大きく変動するので、要注意です。

利益率が変動する要因としては、人材の確保や設備投資を要する時期なので、経費が多くかかるようになる点が挙げられます。

また、成長期は業務を他のスタッフへ引き継いでいくので、組織力が落ちてしまいがちな点にもあります。

よって、融資の金額・金利・返済期間などの条件はしっかりと検討し、交渉しましょう。

 

事業の質を成長させる

 

事業規模を成長させることも重要な課題ですが、事業の質を高めることも重要な要素です。

飽和状態にある市場が多い中で、新規の顧客や取引先を増加させることは容易ではありません。

そこで注力すべきは、顧客1名、もしくは取引先1件あたりのLTVを高めることです。

LTVとはマーケティング用語の1つで、取引開始から取引終了までの間に得られる利益のことを指します。

購入頻度や購入単価を高めていくことによって 、LTVは上昇していきます。

具体的には、商品やサービスの値上げをはじめ、選択肢を増やしたり、セット割引を導入したりする方法です。

また、原価コストを抑える工夫をすることも有効です。 原価コストを下げれば、粗利が増えます。

事業によってどの方法をとるのがいいかは変わってきますので、社内でしっかりと検討しましょう。

 

タレント起用で起こる効果とは?

 

では、タレント起用することで期待できる効果は一体何なのか、ここでは主なポイントを3つ挙げてご紹介します。

 

差別化

 

最初に挙げられるポイントとして、他社との差別化を図ることが可能です。

タレント起用をすると、タレントと自社の商品・サービスがセットになります。

すると、類似した商品やサービスでも、あのタレントが宣伝しているものという付加価値が生まれるのです。

タレントの知名度から話題を呼ぶうえ、印象にも残りやすくなります。

そこから顧客を獲得するチャンスが生まれ、顧客が持つタレントのイメージで商品・サービスへの期待が高まるのです。

また、企業や商材に対して、好意的な印象を持ってもらえる可能性が高いです。

ここまでつなげられれば、自社の商材を利用してもらえるようになります。

よって、他社とどのような差別化を図りたいのかを念頭に、タレントを起用しましょう。

 

信用獲得

 

どんなタレントを起用するかは、大変重要な要素です。

顧客の信用を得たいのであれば「この人が宣伝しているのであればまちがいない」と顧客に認知されるようなタレントを起用しなければなりません。

顧客の信用を獲得すれば商材の導入・購入に至り、それが本当にいいものであれば、今度は顧客が拡散してくれるようになります。

身近な人がおすすめする商材は、より信用が高まるので、そこでも導入・購入してもらえる可能性があります。

このようにして拡散が広がっていけば、おのずと売上が上がっていくものです。

ただし、起用したタレントの信用に由来しているため、タレントが不祥事などのトラブルを起こすと、企業や商材への信用が一気になくなる場合があることが懸念点です。

 

社内活性化

 

意外と見落とされがちですが、従業員のモチベーションが上がって、社内が活性化するというメリットもあります。

たとえば、有名なタレントを起用していると「有名タレントを起用している会社に勤めている」「あのプロジェクトに関わっている」などの、仕事に対する誇りを持って取り組めます。

従業員がそのようなモチベーションで仕事に取り組めるようになると、業績のアップにつながる可能性が高いです。

業績がアップすると、その利益は事業投資に充てられますし、従業員に給与やボーナスとして還元することもできます。

また、営業先でこのタレントを起用しているという話題があると話がしやすくなるといった声もあるので、これらの視点からタレント起用を検討するのもおすすめです。

 

タレント起用の留意点

 

タレント起用は、メリットばかりではありません。

ここでは、主に留意すべきポイントを3つご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

一時的な認知度向上では、効果が一過性となる

 

タレント起用は、ブランド力やブランディングを確立していく際に、有効な手段として利用します。

しかし、マーケティング視点での一時的な効果は見込めるものの、その効果は永続的なものではありません。

継続的に売上を上げられるビジネスモデルにすることが、事業の存続には必須と言えますので、タレント起用以外にもマーケティング戦略を打ち出さなければなりません。

よって、すべての戦略を同時に試したうえで、効果のあるものを見極める力が必要です。

また、商材そのものの価値を高める努力も忘れてはなりません。

その商材で誰にどのような価値をもたらしたいのかというビジネスモデルを明確にし、社会価値を生み出すものにしていくことが大切です。

 

構築していくブランドとの親和性

 

タレントの好感度やパブリックイメージは重要ですが、それだけを理由に起用するのはおすすめしません。

構築していきたいブランドイメージと、タレント本人が持つ特性や価値観との親和性の高さが、ブランド構築においては欠かせない要素です。

たとえば、有名タレントだからとはいえ、女性向け化粧品に男性タレントを起用すると、親和性が高いとは言えません。

健康のため食にこだわりを持っているタレントが、ジャンクフードの宣伝をするのも親和性は低いです。

また、ターゲットとしている顧客年齢層が認知しているタレントを選ばないと、どんな有名タレントを起用してもその効果は薄くなってしまいます。

よって、打ち出す商品・サービスのイメージや企業イメージ、ターゲット顧客の特性に合わせて起用するタレントを選びましょう。

 

タレント以前の課題発見

 

いくらタレント起用に注力しても、それだけで全体的な課題が解決するわけではありません。

たとえば、バナー広告にタレントを起用した場合、ターゲットにとってバナーをクリックするきっかけにはなります。

しかし、その先のホームページのデザインが悪く、申し込みフォームまでたどり着けないと購入には至りません。

また、サービスそのものに問題があれば、顧客がリピーターとなってくれる可能性は低くなってしまうでしょう。

顧客はいいと思ったものだけでなく、よくないと思ったものも拡散してしまいます。

よって、自社の課題を明確にして改善を図る努力をしないと、いずれその商材は必要とされず、売れないものになってしまいます。

タレント起用は、成果をあげるための要因の1つにすぎないことを念頭に置きましょう。

 

まとめ

 

今回は、サービスの顔としてタレント起用をすると、どのような効果があるのかについてご紹介しました。

事業成長の糧となることは間違いありませんが、タレント起用だけに頼っても事業成長にはつながりません。

成果をあげるための手段の1つとして、タレント起用をうまく取り入れてください。